カメラ備忘録 個人的なカメラ歴のメモ 私はカメラも写真も素人です。ですから、これから書くことは何かを主張したいのではなく、これまでの私のカメラ歴の個人的な備忘録です。 表記については、次のような世間で行われている略記を用いています。 デジタル・カメラ → デジカメ デジタル・コンパクト・カメラ → コンデジ、コンパクト・デジカメ、 デジタル・一眼レフ・カメラ → デジタル一眼、デジタル一眼レフ、 またレンズの焦点距離については、すべて35mmに換算した値です。 コニカオートS2 コニカ コニカオートS2 発売 1964年 購入 1967年 大きさ:138×82.2×73.5mm 重さ:約750g オートS2は初めて購入したカメラです。上の写真はその現物で、もちろん、今では使っていませんが、最初のカメラであるだけに捨てがたく、記念に取ってあります。 小学校時代の担任の先生がカメラ好きだったこともあって、その先生に選んでもらいました。ネットで調べると当時の定価が24,600円で、ほぼ私の記憶と一致します。当時としては高級品でした。 レンズは45mm、F1.8の固定式で、しかも重さが約750gもありますから、今から見れば撮りやすいカメラではありません。接写用のレンズやフラッシュは別に買いました。世間では、オリンパスからペンというハーフサイズのコンパクト・カメラが出て主流になりつつありました。 初めてカメラを持って修学旅行に行った時、フィルムが終わって巻き上げレバーが途中で止まってしまいました。フィルムを少し巻き戻してからレバーを回せばよいのだが、使い始めて間もない私はどうして良いのかわかりません。同級生の一人が、「こんなの簡単だ」とレバーを逆方向に戻しました。その結果、バネが切れてしまい、カメラは動かなくなりました。 同級生は悪気があってやったことではないのはわかるが、カメラを壊したというショックと、これ以上は旅行の写真を撮れない事に私は大ショックで、その同級生の顔と名前を今でも覚えています(笑)。 (wikipediaより) 当時、フィルムは白黒が主流の時代です。中学校の修学旅行で、途中でフィルムが足りなくなり、先生に売ってくれるように頼むと、先生はカラーフィルムしか持っておらず、「プリントすると一枚100円するよ。それでもいいか」と言われて、あきらめたのを覚えています。白黒写真が10円ほどだった時代に一枚100円はとんでもない金額でした。この数年後にはカラーフィルムもプリント代金も安くなり、白黒フィルムは使わなくなりました。 (https://www.fujifilm.co.jp/history/f1970.htmlより) 十年以上もコニカオートは使い続けました。自分でお金を稼ぐようになったら、ペンタックスなど小型軽量の一眼レフを買おうと思っていました。しかし、就職した後もしばらく一眼レフを買わなかったのは、コンパクト・カメラの性能が急激に進歩したからです。重くてでかい一眼レフよりも、小型でフラッシュまで付いているコンパクト・カメラでも素人には十分で、一眼レフを買う事に魅力がなかったからです。必要な時はこの古いカメラか、他人のコンパクト・カメラや一眼レフを借りていました。ようやく、それを乗り越えるカメラが現れました。 α-7000 (wikipediaから転載) ミノルタ α7000 発売 1985年 購入 1985年 一眼レフを初めて買ったのは1985年に発売されたミノルタのオートフォーカスの一眼レフα7000です。目の悪い私にはオートフォーカスは必需品でした。すでにオートフォーカスの一眼レフはありましたが、モーターを搭載するために無骨な形をしていたのに対して、α7000は従来の一眼レフと外見も重さも変わりないすっきりしたデザインでした。 ミノルタのα7000を2台、α303siを1台、合計3台買いました。これは結婚式などでは、フィルムを換えている時間はないので、カメラが2台ないと間に合わないからです。それでも片方のカメラのフィルムが終わっていることに気が付かず、失敗したことがあります(笑)。 α303si (http://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/history/minolta/1990/1994.htmlから転載) ミノルタα303si 発売 1994年 私の場合、一眼レフのフィルム・カメラは他人から借りてニコンやペンタックスも使いましたが、αに始まり、αに終わったと言っていいでしょう。そのくらい印象深いカメラです。α7000のおかげで他のカメラ会社もいっせいにオートフォーカスへの乗り換えた革命的なカメラだったにもかかわらず、ミノルタ自体はやがてカメラの世界から消えました。その最初のつまずきがオートフォーカスについてアメリカでの特許裁判だったのは皮肉なことです。 純正品崇拝 レンズはミノルタの標準ズーム(AF35-70mmF4, AF ZOOM 24-50mm
F4)、望遠ズーム(AF APO TELE ZOOM 100-300mm
F4.5-5.6)、望遠ミラー(AF Reflex500mmF8)、レンズメーカーS社からの標準ズームを使いました。 印象的なのが標準ズーム24-50mmで、24mmの広角がおもしろい画面を作り出すことに驚き、子供の写真を撮る時はこのレンズを多用しました。 もう一つ驚いたのがレンズの違いです。レンズメーカーS社から買った標準ズームはズーム範囲が広く、値段も安いが、画質が私の好みに合いませんでした。ミノルタの24-50mmとS社レンズとを同じ風景、同じ程度のズームで一つのフィルムに撮り比べて愕然としました。後者は茶色がかったような平面的な画面で、ミノルタのレンズとは比較になりませんでした。即刻、S社レンズは売却しました。 当たり前のことながら、レンズによってこんなに違うのだという貴重な経験でした。以後、私は「純正品崇拝者」になってしまいました(笑)。 μ-II オリンパス μ[mju:]-II ZOOM 発売 1998年 購入 1998年 オリンパスのミニューは私が最後に買ったフィルム・カメラです。バッグ・パックの旅行に一眼レフを持って行くだけの体力もないので、緊急にこのコンパクト・カメラを購入しました。他の人のオリンパスのカメラを使わせてもらった所、性能が良かったのでオリンパスを選びました。その後、デジタル・カメラに移ったので、このカメラは旅行で一度使っただけで、人にあげました。 1995年、今日のデジタル・カメラの先祖とも言えるカシオのQV-10が出て、デジタル・カメラ時代が幕を開けました。1995年はデジタル・カメラ元年です。 私が着目したのは、1997年にソニーから出たDigital
Mavicaで、当時パソコンの媒体として使われていたフロッピー・ディクスに記録する方法でした。これを買おうかと思っているうちに消えてしまい、一方、今日のデジタル・カメラは急激に進歩を始めました。 フィルム・カメラは2000年に海外旅行で使ったのが最後でした。すでにデジタル・カメラが席巻しつつあったが、慣れないデジタル・カメラを使い、旅先で故障したら困ると考えたからです。 私が写真をデジタルで撮り始めたのは1999年頃からです。と言っても、デジタル・カメラでなく、ビデオ・カメラについたオマケの機能としての静止画での撮影でした。 DCR-PC100 (ソニーのホームページから転載) (http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/199908/99-0819b/) ソニー DCR-PC100 発売 1999年 定価 235,000円 私が最初にデジタル・カメラとして使い始めたのはビデオ・カメラでした。定価を見ればわかるように高級品ですが、静止画が107万画素というのだから、今日のデジタル・カメラから見たらオモチャです。実際、少し大きく印刷すると荒が目立ちました。しかし、フィルム・カメラに比べても画質は良く、何よりもビデオと写真の両方が撮れるという簡単さから、けっこう重宝しました。 撮ってその場で見られて、消すこともできるし、現像をしにわざわざ店に行く必要もない。その便利さから、私はフィルム・カメラは終わる、ではなく、終わっていると思いました。 このビデオ・カメラでもう一つ重宝したのが可動式の液晶画面です。スミレのように地面近くに咲かせる小さな花の写真を撮る時、カメラのファインダーからのぞくというのはまず無理です。その点、可動式の液晶画面なら、上から画面をのぞくことができて、非常に便利で、私は感動しました。フィルム・カメラではL字型の反射鏡をファンダーにつけるか、腹ばいになって覗き込むしかなかったからです。 当時のデジタル・カメラの中にも液晶の動く物もありましたが、少数でした。私の写真の主な目的が花であるため、デジタル・カメラではなく、ビデオ・カメラを用いていた大きな理由の一つです。PC100の上位機として静止画200万画素のTRV70が出るまで数年間使いました。 DCR-TRV70 http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200301/03-0115/ メーカー ソニー 型番 DCR-TRV70 発売 2003年 PC100の後継機として購入したビデオ・カメラです。静止画が200万画素である点を除けば、基本的な性能はPC100と同じでしたが、大きくなり、持ち運びが不便でした。 ビデオ・カメラをデジタル・カメラとして使うのは、便利な面もあるが、大きくて重いことが欠点で、特に旅行などに持ち歩くのには向きません。私も遅ればせながら、ようやくデジタル・カメラの専用機を買うことにしました。 PowerShot S60 ‘(キヤノンのホームページから転載) キヤノン PowerShot S60 画素数 500万画素 発売 2004年 購入 2004年 使い始めての印象は「さすがはキヤノン」でした。コンパクト・カメラにしてはやや大きく重いが(230g)、性能的には文句はなく、絵作りも私の好みに合いました。 購入価格は4万円代で、当時としてはそのようなものであったという事の他に、値段に見合った性能だと思いました。この頃にはカメラは量販店で現物を見て、ネットで買うようになりました。ネットのほうが圧倒的に安かったからです。 このカメラの印象が良かったのに、この後に買ったカメラはキヤノンでありませんでした。理由は、S60の記録媒体がコンパクト・フラッシュ(CF)であったのに、この直後、キヤノンはSDカードに変更したのです。メディアが安くなかったので、私は裏切られたようなショックを受けて(笑)、他のメーカーのカメラを買うことにしました。 S60は五年ほどで壊れるまで使いました。荒っぽい使い方をしたわけでもないのに、少々寿命は短かったように思います。 Caplio R4 (価格comから転載) リコー Caplio
R4 発売 2006年 画素数 604万画素 購入 2006年 このカメラはネットで三万円ほどで購入したように記憶しています。小型軽量で性能的には文句はありませんでしたが、画質が私の好みに合いませんでした。 この頃、コンパクト・デジカメの記録媒体はSDカードが多くなり、おそらく将来はこれで統一されるだろうと予想されました。キヤノンの経験から、SDカード以外のカードを使わなければならないメーカーは最初から選考の対象から外していました。しかし、カードの値段はまだ高く、私はネットで聞いたこともないメーカーのカードを購入し、1GBが2500円もしました。一枚は二年も持ちませんでしたが、もう一枚はかなり長く使い続けました。 このカメラとの付き合いはわずか数ヶ月。写真下のように、旅行先のチベットのラサでカメラを地面に叩きつけて壊してしまったのです。幸い、保険が下りましたが、現地で新たに購入したカメラの額は保険額よりもはるかに高かった。 LUMIX DMC-FX8 http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=DMC-FX8 Panasonic LUMIX DMC-FX8 発売 2005年 画素数 500万画素 購入 2006年 このカメラはチベットのラサで買ったカメラです。前述のCaplio R4を壊してしまい、旅先で急きょ購入したカメラです。発売は一年前の2005年でCaplio R4よりも古く、画素数も500万画素と逆戻りです。この時期カメラは毎年、画素数が増えており、一年前のカメラは型遅れとして日本では安値で売られていました。 しかし、ラサの店にはさすがに最新型のカメラはなく、選択の余地なく買いました。値段もバカ高く4680元、約7万円でした。日本だったらこの半額もしなかったでしょう。現地でもボロもうけなのはわかるが、それでも旅行中だったので、あっただけでも良しとしましょう。 Panasonicの絵作りは私の好みに合いました。皮肉なことにCaplio R4と比較することになり、私はこちらのカメラに軍配を上げました。 このカメラも十年近くも壊れるまで使いました。 Caplio
GX100 (価格comより転載) リコー Caplio GX100 発売 2007年 画素数 1003万画素 購入 2008年 ラサで買ったパナソニックのFX8は、価格comの評判でもそれほど悪くはないが、画素数も少なく、発売から三年たった頃、新しいカメラを探しました。この頃、他社に先駆けて、高級感を売り物にしたコンパクト・デジタル・カメラを出していたのがリコーです。私が購入した当時、GX100は6万円ほどと高値でした。この数年後に、各社ともコンパクトのデジカメの利益率が悪くなり、高級化を図りましたが、その走りです。 写真のようにチョンマゲとあだ名のついたファィンダーを取り付けることができるなど、いくつかおもしろい機能がついていました。私が選んだ理由は、広角が24mmまで使えることと、接写の最短距離が1cmという点です。小さな花を撮る時にはこれだけ近づけるのは便利でした。 七年目くらいから、フラッシュが格納した状態で勝手に点灯するなど、不具合が出るようになりましたが、それでもかなり長く使い続けました。 D5000 (価格comより転載) ニコン D5000 発売 2009年 画素数 1230万画素 購入 2009年 2009年になってようやくデジタル一眼レフを購入しました。ニコンを選んだのは、可動式のモニターをつけた最初の一眼レフだったからです。 このカメラの評価を一言でいうなら、申し分なしでした。欠点を上げれば、液晶を見ながら(ライブビュー)のオートフォーカスはあまりに遅すぎるなどの問題点はありましたが、それらを差し引いても、優れたカメラでした。特に、透明感のある画質に私はいたく気に入りました。 可動型の液晶(バリアングル)は花の写真を撮る時に大助かりです。また、フラッシュ撮影が非常にきれいに仕上がることに驚きました。たいていのカメラはフラッシュを当てたと明らかにわかるような写真になってしまうのに、このカメラはかなり自然な感じで仕上がります。 このカメラは発売されて数ヶ月で、Wズームレンズセットが価格comで一番安くても9万円代でした。ある日、三時のお茶を飲みながら、何気なく価格comを見ると、71,400円と2万円近くも安いカメラが出ていました。不良品や返品された品物を新品として売っているのではあるまいかという一抹の不安はありましたが、差額の二万円の魅力には勝てません。ネットで購入申込を書き込んでいると時間がかるので、店に電話して品物を押さえてもらいました。そのすぐ後に価格comから消えましたから、私のが最後の注文だったようです。 電話口に出た店員に、どうしてこんなに安いのかと質問すると、「緊急に現金が必要な業者から安く仕入れた」とのことでした。商売の世界には私はまったく無知なので、そんなこともあるのでしょう。でも、それなら8万円で売っても即刻売れたように思えます。 私の他にも購入した数人が価格comにこの件を書き込んでいました。カメラは何の問題もない新品でした。こんなラッキーもたまにはあるものです。 α65 (価格comより転載) ソニー SLT-A65V 発売 2011年 画素数 2430万画素 購入 2011年 D5000の次のカメラはミラーレスにするつもりでした。小型軽量は魅力だからです。しかし、こちらの要求性能を満たすミラーレスがなく、結局、一眼レフを買うことにしました。 α65は水準器やGPSが付き、しかも液晶は可動型でとても便利なカメラでした。フィルム・カメラ時代にミノルタを使っていたこともあり、その当時のレンズが使えるのも魅力でした。 レンズフードの回転 α65用に「Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」を購入しました(写真下)。あこがれのカール・ツアイスのレンズです。35mm換算で24mm~120mmと範囲が広いので使いやすい。しかし、写真そのものは、α65のレンズセットとしてついている標準ズームレンズ(DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM)と比較して、特にどうだということもありませんでした。費用対効果を実感することができなかったという意味です。 一番困ったのが、レンズフードであるバヨネットフードが動いてしまう事です(写真下右)。広角側を使用している時、フードが回転してしまうと、四隅にフードが写ってしまいます。このレンズフードは止めが甘く、ちょっとした力が加わると回転してしまい、撮影中は気が付かず、後でトリミングするはめになりました。 後に購入したニコンのレンズも同様のバヨネットフードが使われていましたが、カチッと音がして止めが入るので自然に回転したことは一度もありませんでした。 SAL1680Zとバヨネットフード (ソニーのホームページから転載) 反射望遠の復活 フィルム・カメラのミノルタα7000用に反射型望遠「AF Reflex500」を持っていました。500mmもの望遠でありながら、直径89mm、長さ118 mm、重さ665 gという小型軽量さに重宝していました。レンズではなく、ミラー用いた反射型望遠鏡です。F8と極めて暗いため、フィルム時代には使いにくかった。デジタル・カメラになり高感度機能が充実してきたので、α65ではかなり使えるようになりました。 α65は撮像素子がAPSサイズなので、AF Reflex500は35mmフィルム換算で750mmの望遠になるので、鳥を撮るのには重宝します。フルサイズのカメラ用なら600mmの望遠レンズはバズーカ砲のような大きさと重さであるだけでなく、値段もバズーカ砲並です。その点、Reflex500は性能も低いが、その分、小型軽量で値段も安く、私のような素人向きです。 α65は前述のように塗り絵のような絵づくりです。AF Reflex500はミラーの特性なのか、私のがたまたまそうなのか、あまり色のメリハリのつかない絵です。この両者の欠点が相殺したのか、この反射望遠を使うと塗り絵が気にならなくなりました(笑)。α65を処分しなかったのはこのレンズがあったからです。 AF
Reflex500 (価格comより転載) 私は一年でこのカメラをあきらめました。理由は画質です。私は大半の写真はjpegをそのまま使いますから、その画質が好みと合わないのは致命的です。私の目には、このカメラの絵作りは赤みが強く、ベタついた感じで透明感に欠け、特に花の写真に向いていません。 α65は、前評判の高かったα77の廉価版で画質的には同じです。価格comでのα77の評判はあまり芳しいものではありませんでした。画質を除けば、私の性能要求にはぴったりのカメラでした。しばらく海外旅行での予備のカメラとして持ち歩きましたが、現地ガイドが「中古の一眼レフがほしいのだが、お勧めはどれか」と相談されたので、私はこのカメラの画質が気に入らないことを告げたうえで、プレゼントしました。 D600 (価格comより転載) ニコン D600 発売 2012年 購入 2012年 α65が好みに合わないので、次のカメラを買わなければならないと思っていた時に発売されたのがD600です。ニコン初のフルサイズの廉価版、つまり素人向けのフルサイズ機です。 撮像素子の大きいフルサイズのカメラは前から欲しいと思っていました。画質を求めるなら撮像素子が大きいことは必要条件です。しかし、フルサイズのカメラは、重い、デカイ、ゴツイ、高いという四重苦にさいなまれます。特に、値段が高く、カメラが日進月歩であることを考えると、素人が趣味で買うにしては高すぎました。 そこで出てきたのがD600で、価格comではボディがあっという間に20万円を切り、私が購入する頃には16万円を切っていました。これは中級機の値段です。 ニコンがこれを出すとキヤノンも6Dという対抗機種を発表しました。私は当初、どちらを買うか迷いました。6Dは100gも軽い上にGPSも付いています。しかし、決定的だったのがフラッシュです。6Dはフラッシュがついていない。フラッシュの使用頻度は多くないが、しかし、ないと困ります。キヤノンがどうしてフラッシュを外してしまったのか良くわかりませんが、私の選択の決定的な理由になってしまいました。この後も、各社ともにレンズ交換型のカメラはフラッシュを外す傾向になり、私は首をかしげました。 このカメラの画質は申し分なく、さすがはフルサイズだと思う場面がありました。 しかし、軽量化を図ったとは言え、重い(約850g)、デカイという点は同じで、丸一日首にぶら下げて持ち歩くのは大変です。重さは標準ズームレンズ(Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF、545g)を付けると全体では1.5kgをこしました。さらに望遠まで網羅したズームレンズ(AF-S NIKKOR 28-300mm
f/3.5-5.6G ED VR、約800 g)を付けると、1.8kgをこし首が痛くなりました。 また、D5000やα65と違い液晶が固定なので、花の写真は撮りにくい。重くてデカイから、コンパクト・カメラみたいに液晶を見ながら、片手で撮ることもできず、地面にはいつくばって液晶などをのぞき込むという一昔前に逆戻りです。 D600は撮像素子に油滴が付着するという致命的な欠陥があって、わずか一年ほどで生産は中止になり、D610に代わってしまいました。幸い、私のカメラはこの問題はありませんでした。 ニコンのレンズ D600用にレンズをいくつか購入しました。標準ズームの「AF-S NIKKOR 24-85mm」(写真下左、以下AF-Sと略記)はほぼD600と同時期2012年に発売されたことを見てもわかるにように、D600用のレンズに開発されたのでしょう。重さ465 gと軽くはありませんが(普通はこれを軽いと言う)、D600に取り付けた時のバランスなどの相性はかなり良い。 だが、私は花の撮影のために、AF-Sよりも2002年に出た「Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm」(写真下右、以下Ai AFと略記)を専ら用いました。重さが545 gとAF-S よりも80gも重く、手ぶれ補正(VR)もついていません。しかし、マクロ(マイクロ)機能がついているため、最短撮影距離が21cm(0.5倍)まで近づけます。AF-Sのほうは38cm(0.2倍)ですから、花の撮影には向きません。 Ai AFの価格comでの評価は低く4.0を切っています。理由の一つが、マクロと標準とのスイッチの切り替えが慣れないと良くわからないからでしょう。確かにわかりやすいとは言い難い。だが、レンズそのものの性能はAF-Sに劣っていません。 写真上左 AF-S NIKKOR 24-85mm
f/3.5-4.5G ED VR 写真上右 Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF (ニコンのホームページより転載) 単焦点レンズが性能が良いのがわかっていても、広角から望遠までの単焦点レンズを買いそろえるのも持ち歩くのは私の財布と体力では無理です。現実的な選択の一つは前記の標準ズームと望遠ズームの2本体制です。もちろん、値段の安いレンズのみです。 ニコンの安い望遠ズームは2006年に出た「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm」ですが、直径80mm、長さ143.5 mm、重さ745gとかなり重い(写真下左)。望遠は手振れが目立つので、手ぶれ防止(VR)がついているのはありがたいが、とにかく重い。そこで私は、旅行などでそれより古い「AF Zoom Nikkor
70-300mm」を持ち歩いていました(写真下右)。2002年に発売され、直径74mm、長さ116.5 mmと一回り小さいだけでなく、重さ425 gと300gも軽い。当然、旅行などに持っていくのは軽い「AF Zoom」です。 私が「AF Zoom」を購入した頃、ちょうどニコンがこのレンズの生産を中止して、ホームページからも削除した頃で、最安値でした。これだけのレンズが1万円代で売られていました。現在は逆に値上がりしています。 写真上左 AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED 写真上右 AF Zoom Nikkor
70-300mm F4-5.6G 雨や埃のある時などレンズを交換するのが大変です。標準ズームと望遠ズームを一本のレンズで間に合わせられないかと購入したのが「AF-S NIKKOR 28-300mm
f/3.5-5.6G ED VR」です。広角28mmから望遠300mmまで一本で網羅するという野心的なレンズです。 直径83mm、長さ114.5 mm、重さ800 gで、前述の望遠ズーム「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm」とほとんど同じです。D600に装着すると全体で1.8kgもあり、数時間これを首にかけただけで疲れます。これだけ広いズームだと、画面の歪みなども問題になるが、価格comでの高い評価に私も一票投じたいところです。 花の写真を撮る上でこのレンズが重宝したのが,300mmの望遠側でも、最短撮影距離が50cm(0.32倍)である点です。また、気のせいか、花の微妙な色の再現性も良い。旅行では、広角から望遠までこの一本で済んでしまう点はとても楽です。 AF-S
NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR 写真下は花を撮影するために買ったマクロレンズです。なぜかニコンはマクロレンズはマイクロレンズと言います。花との最短距離は185mmで、レンズだけで89mmありますから、10cmくらいまで近づけることができます。倍率は最大1倍で、小さな花を撮る時は活躍します。 AF-S
Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED こんなふうにフルサイズの一眼レフになると、レンズをそろえざるを得なくなり、費用もさることながら、持ち運びには向きません。特に花に近づいて撮るようなマクロ撮影はマクロ・レンズ(マイクロ・レンズ)よりもコンパクト・デジカメの出番です。 PowerShot S100 (価格comより転載) CANON PowerShot S100 発売 2011年 画素数 1210万画素 購入 2012年 リコーのGX100がそろそろ古くなったので、新たに購入したのがこのS100です。PowerShot はS60以来の二台目です。GX100と同じように広角が24mmあり、しかもGPSが付いています。これは旅行中にはとても役立ちます。ところが、後継機であるS120になると、GPSは装備されていません。 これだけの性能がありながら、小型軽量で、ポケットに入れて気軽に持ち歩けます。パナソニックのLUMIX DMC-TZ40(2013年)と比較すると、重さはほとんど変わりなく、大きさはS100がほんのわずかに小さいだけなのが、とても小さく感じられます。 パノラマ写真がパソコンがないと作れないのは他社のカメラに比べると劣っています。パノラマ写真は縦に細撮りしてつなぎ合わせるというソニーやパナソニックのやり方が一番使いやすい。他社が使わないのは何か特許があるからでしょうか。 S100は一度アスファルトの地面に落としました。その時は何ともなかったが、時間とともにシャッターが切れにくくなり、修理に出すことになりました。 一時、S100が行方不明になったことがあります。散歩中に持ち歩いて落としたのだろうかと、散歩道をくまなく探してもない。警察に遺失物として届けましたが、連絡は来ません。ある時、部屋の棚の奥から物を取り出そうとすると、そこに意外な物を見つけました。 S100です(笑)。いったいどうして棚の奥に私が置いたのか、いくら考えてもわかりません。そこで、妖精がいたずらをしたに違いないということにしました。 メインに使うカメラは一眼レフでも、コンパクト・カメラの出番がなくなったわけではありません。特別な撮影の予定がない時などは、重い一眼レフではなく、コンパクト・カメラの出番です。 旅行では両者を使い分け、食事や一人で街中を歩く時はほぼコンパクト・カメラを使います。食事の時など、でかい一眼レフは邪魔なだけでなく、周囲の人たちにも威圧感を与えます。また海外の街中を一人で歩く時に一眼レフをぶらさげているのは危険なことが多い。カメラが目立たないように、色は黒を選びます。 LUMIX DMC-TZ40 (価格comより転載) パナソニック LUMIX DMC-TZ40 発売 2013年 購入 2014年 このカメラは非常に完成度が高く、私のお気に入りです。カメラ本来の機能だけでなく、小型軽量、GPS、水準器、タッチパネル、パノラマ撮影など私の要求と良く合っています。 キヤノンS100をなくしたと思い込んで、S100が良かったので、後継機のS120を購入するつもりでいました。ところが、GPSがついていない。キヤノンに問い合わせると、スマート・フォンにGPS機能がついているのでカメラからは外したらしいというのです。スマート・フォンを持っていない時代遅れの人は相手しないということのようです。 改めて各社に、コンパクト・デジカメでGPSのついた機種を質問すると、ニコン、オリンパス、ソニーなどはあるが、キヤノン、フジフィルム、カシオは一台もないという。結局、あまり選択の余地もなくTZ40になりました。 選択の基準になったGPS機能は写真を撮った時の位置情報だけでなく、撮影をしていない時も連続して記録するログ機能がついており、私のように普通の観光地ではない所に行く者にとって、旅行ではほんとうに重宝します。 購入した2014年初頭には、後継機のTZ55やTZ60発売されました。しかし、TZ60はファインダーが付くなど、小型軽量という私の要求からは外れており、出始めは値段も高いこともあり、TZ40にしました。パナソニックのカメラはチベットのラサで買ったFX8に続いて二台目です。 TZ40の評判は良く、私が購入を検討した頃、発売からすでに一年もたっているのに、価格comでのコンパクト・デジカメの販売数では2~3位に入っていました。これだけの性能で価格comの最安値は二万円を切っていました。 このカメラのパノラマ撮影は優れている。ソニーと同じように、縦に細長い写真を合成する方法を用いているため、出来が良い。また、ソニーは角度に制限があるのに対して、パナソニックは撮りたい範囲を自分で決めることができます。 オートフォーカスもキヤノンのS100よりも優れています。コンパクト・デジカメはコントラスト方式という自動焦点方法なので、花弁のように色が曖昧な被写体は苦手です。特に接写で焦点を合わせるのは何度かあきらめたことがあります。その点、このカメラは接写でもかなり良く焦点が合いました。 旅行で花を撮るだけでなく、様々な場面でこのカメラは大活躍しました。 STYLUS TG-3 Tough (価格comより転載) OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough 発売 2014年 購入 2015年(39,678 円) このカメラを購入したのは防水機能がついていて雨でも使えることと、マクロ機能として顕微鏡モードという特殊な機能がついていたからです。 雨が降った時の撮影に防水カメラが欲しいと前から思っていました。花の写真を雨の中でも撮るしかないことがあります。デジタル一眼レフは防滴ではあっても防水ではありませんから、雨の中での使用は危険です。画質を犠牲にしても、防水カメラが一台必要だというのが、何度か雨の中で写真を撮った時の感想でした。 マクロ機能は簡単に言えば拡大して撮影する機能ですが、一眼レフなどはマクロレンズでも倍率は1倍程度にとどまります。また、拡大しても一般に焦点の深度が浅く、良く言えば余計な物がボケて写るが、奥まで焦点を合わせたい時には不向きです。このカメラは、焦点深度を変えながら撮った複数の写真を合成するという方法でこの問題を見事に解決しています。に 写真上 オリンパスのホームページから転載 問題もあります。一番大きな問題はオートフォーカスの位置が真ん中に固定されていて、変えられないことです。これは問題というよりも、欠点と言ってもいいでしょう。苦情が多かったらしく、TG4では改良されているそうですが、逆にTG4というバージョン4まで改良されなかったというのは驚きです。 他にも、アウトドアのカメラになのに水準器が付いていないのは問題です。身体を傾けたままの撮影など珍しくありません。こういう機能を付けていないのは、開発者自身がアウトドアでカメラを使っていないからではないかと疑ってしまいます。 パノラマ撮影はいただけません。三枚の写真を張り付けることを前提としているため、歪みが大きすぎて、接合がダメです。パノラマの幅(画面の角度)も自由に選択できない。あれではパノラマ写真ではなく、ただの接合写真です。 写真にGPSのロガー機能もタイマーは付いているが、わざわざ終了日時を設定するのは不便です。6時間とか12時間など、ワンタッチタイマーを付けるべきです。また計測の時間間隔も設定できません。これなどバッテリーの寿命に影響しますから、必要な選択です。 バッテリーの形状にも問題があります。形状が対称なので、カメラに左右を逆に入れても気が付かない。これまでも何度か、間違えて入れてしまったことがあります。他のメーカーでは左右を非対称にすることは当たり前で、これは設計者の初歩的なミスではないかと思います。 バッテリーには発熱の問題があるようです。私はGPSのロガー機能を使うなど、電力消費が多い使い方をします。すると、バッテリーが熱で歪んでしまうらしく、取り出しがしにくくなりました。実際にカメラもバッテリーも熱くなります。一部分が歪んで擦れたらしく、バッテリーの表面に印刷された表示文字の一部が、出し入れしているうちに消えてしまいました(写真下)。 このカメラにはさらに大きな問題点があるのがわかりました。上の元々のカメラと下のカメラの違いにお気づきでしょうか。レンズの周囲にある金属のリングが外れています。 テレコンバータ―などを付けるために、リングが外れるようになっているのです。 私は旅行中にリングが外れて落として、他のお客さんから「これはあなたの物ではないか」と言われても、まだ自分が落としたことに気が付きませんでした(笑)。リングが外れる構造になっていることさえも知らずに使っていたからです。 さらに驚いたことに、たまたま同じTG3を持っていたもう一人のお客さんもリングを落としてしまいました。拾われたリングは一個しかなく、私は帰国後、新たに購入しました、送料と小為替手数料込みで1050円なので、旅行保険の請求もしませんでした。 このカメラは防水なので、蓋などは二重にロックするような構造になっています。ところが、リングは手で簡単に回り、外れるようになっています。このリングにはロックを付けてはどうかと、オリンパスに提案しました。 優れたカメラですから、より一層の改善を期待します。 中古LUMIX
DMC-TZ40 パナソニック LUMIX DMC-TZ40 発売 2013年 中古品購入 2018~2019年 前に買ったのと同じTZ40の中古品を5台買いました。 2014年に買ったLUMIXのDMC-TZ40は私のお気に入りで、使う頻度がもっとも高く、四年ほどたつと、あちこちに問題が出てきました。旅行先で不具合になり、新しいカメラを購入することにしました。私の購入する希望条件はGPS、タッチパネル、水準器、可動液晶がついていることでした。だが、2018年には、これらを満たす新しいカメラはありませんでした。 条件に見合うカメラがないので、同じTZ40の中古に目を向けました。これまで中古のカメラは買ったことがないが、使っている人間が中古なんだから、問題はないだろう(笑)。 ヤフーで送料込みで3000円から6000円で、5台購入し、2台は結局ダメで、1台を海外旅行で知り合ったガイドにプレゼントしたので、残った2台を修理して使うことにしました。一台につき11,000円の修理費がかかりました。 修理で面白い経験をしました。パナソニックの修理窓口なのに支払いが現金以外はダメだというのです。ニコンのカメラの修理を出した時も、カードは使えないという断り書きがありました。政府も重い腰をあげて、電子決済を推進している時に、電子機器を取り扱う世界企業が現金のみというのはおかしくありませんか。 またルミックス LUMIX TZ-90 発売 2018年 購入 2019年(36,200円) 修理したTZ-40は問題なく機能しましたが、2019年はたまたま海外旅行が多かったので新しいカメラを買うことにしました。GPS機能はあきらめて、タッチパネルや可動液晶という条件を出すと、ほぼこのTZ-90一つに絞られてしまいました。しかし、使ってみて、予想以上に不便な面が出てきました。 ①
重くてデカイ ワイシャツの胸のポケットに入らない。コンパトク・デジカメは気軽に持ち歩けるのが長所なのに、ポケットに入らないのでは話にならない。実際に持ち歩く重さを測るとTZ-40が198g、TZ-90は344gで、1.7倍も重い。ファインダーや可動液晶が付いているとはいえ、同様の性能を持っているソニーあたりのカメラと比べても重すぎるし、デカイ。 重くて大きくなった原因の一つがバッテリーです。重さがTZ-40用が19g、TZ-90用が24g、厚さが前者が9mm 、後者14mmで、わずかの差ですが、大きく響いています。重さだけではなく値段も高い。5,000円以上もするので、危険性を承知で互換バッテリーを購入しました。メーカーはカメラ本体では儲けにならないから、付属品で儲けているのかもしれないが、庶民には5,000円と1,000円では比較にならない。 ②タッチパネルの性能 タッチパネルに触れてシャッターを切る機能は、いったん電源を落として再度立ち上げた時、いちいち選択しなおさなければならず、記憶されません。TZ-40は記憶されました。TZ-40のようにタッチした瞬間にシャッターが切れるのではなく、焦点位置を一度確認する画面が出てくるため、合わせるのに時間がかかる。 TZ-40はタッチパネルは感圧式、つまり押した圧力に反応してシャッターが切れる方式でした。ところが、これだと物に触れただけでシャッターが切れてしまうから苦情が出たらしく、TZ-90は静電式、つまり指のような導電性のある物で触らないとシャッターが切れない方式になっていました。しかし、これだと手袋をしたままではシャッターが切れず、私はイライラしながら手袋を外す羽目になりました(笑)。 ③焦点が合うのに時間がかかり、合わせにくい TZ-40よりも焦点が合わせにくい。これはほとんどショックでした。元々、ミラーレスの焦点はコントラスト方式で、花弁などぼんやりした色を焦点するのは不得意です。しかし、最近はだいぶん改善されたと聞いていたのに、TZ-40よりもむしろ劣っている。両者を同じ条件で撮影しても、TZ-40は焦点が合うのに、TZ-90は焦点に失敗することが多い。両者の発売は五年も差があるのに、いったいどうなっているのだ?? ④液晶(チルト)が途中で止まらない 液晶画面を180度、はね上げることができるが、途中の90度などでは止まりません。180度はね上げて自撮りすることしか考えていないからでしょう。だが、私のように花の写真を撮りたい者にとっては、90度くらいがもっとも使いたい角度です。指で支えた状態で撮影するので不便です。 TZ-90に私は不満タラタラで、しかもエラー・メッセージまで出るようになり修理に出しました。購入から半年ほどで、ちょうどカメラが壊れたという知り合いがいたので、修理の明細書を付けてもらってもらい、私は中古のTZ-40に逆戻りしました。 Tough TG-6 (価格comより転載) OLYMPUS Tough TG-6 発売 2019年 購入 2020年(税込41,700 円) 新型コロナで大騒ぎになった2020年6月、オリンパスが映像事業部を売却するという驚くべきニュースが伝わりました。デジタルカメラ市場が急激に縮小して、またマイクロ3/4の撮像素子で仲間だったパナソニックが、シグマ光機などと組んでフルサイズのカメラを出したのに、オリンパスは参加しなかったなど、動きが鈍い印象は受けていました。しかし、子供の頃から良く知っているあのオリンパスがカメラから撤退するとは予想もしませんでした。 私はOLYMPUS Tough TG-3を持っていましたが、オリンパスというブランドで出るのはこれが最後かもしれないと、妙な郷愁にかられて(笑)、TG-6を購入しました。 TG-3に比べて次の点で機能が改良され、向上しています。 ・水準器が付いている(TG-3は付いていない) ・焦点位置を動かせる(TG-3は真ん中に固定) ・レンズリングの取り外しボタンが付いた(TG-3は付いていないために脱落した) これらはTG-3について前に指摘した部分で、多くの客から要望があったのでしょう。TG-4から採用されたRAWデータも保存できることになり、これも後で編集するのに便利そうです。GPSの位置を記録するロガー用のボタンが付いたので、スイッチの入れ切れが簡単にできるのもありがたい。一言でいうなら、TG3に比べて格段に進歩しています。 カメラ本体の充電端子の形状がTG-3とは違っていて、充電用ケーブルを両者で共用することができない。一般にも使われているUSBケーブルに変更したからで、これはやむを得ない進歩かもしれません。 |