ピンク色のユリ 2010年 自宅と北側に隣接する小さな公園に植える花としてユリを選びました。たいていの人はユリが好きだろうし、見た目にも美しく、しかも昔に比べてネットで安く手に入るからです。咲いてみると、圧倒的にピンク色のユリが多い。どうやら、私はピンク色のユリが好きらしい。 いずれも栽培用に品種改良されたユリです。名称については購入相手が示した名前を用いたつもりですが、ネットで調べ直すと一致しないことが多いのは、私の記憶違いとご容赦ください。 ルレーブ ピンク色のユリで一番早く咲くのがルレーブです。公園に設置した天使像の周囲に植えました。もちろん、天使像とピンク色のユリとが絵になると思ったからです。 写真のような光景を作りたくて、ユリを植えました。本当は天使の周囲を取り囲むようにしたいのですが、天使の前は芝生で通路になっていますから、後ろと両側に植えました。 公園はケヤキなどの樹木が生い茂り、日陰が多い。しかも、天使像の前の芝生は水はけが悪く、適度な湿気が保たれているから、ユリにとっては好都合です。 半日陰の環境はまあまあなのですが、土の質は良くない。表面に腐葉土があるだけで、十センチも掘ると粘土質の土が出てきますから、ユリにとっては良い土ではありません。 ユリを私はできるだけデタラメな配置で植えます。こういうユリが自然に咲いているなどありえないことだが、もし自然に増えていたら、こんなふうになるだろうというような状態にしたいからです。 ユリは好きですが、ユリをたくさん植えたユリ公園のような所に行ったことがありません。ユリを売り物にした公園の写真を見ると、色とりどりのユリが一面に咲いていますが、私の目にはあれは「畑のユリ」です。私の作りたい光景は「雑草のようなユリ」です。 雑草のように咲くユリを目指しているだけでなく、ごらんのように実際に雑草の中に生えています。ユリ公園はきれいに雑草が取られているが、ここでは雑草に混じって負けずに花を咲かせています。 ルレーブは沖永良部島でユリ栽培をしている方から購入しました。切り花用にユリを切った後の球根なので、養分がなくなり、翌年咲くかどうかわからないので、まとめて売ってしまうようです。200球で5000円ほどと、破格値で手に入れ、しかも、ごらんのように毎年しっかりと咲きました。 ユリたちも前は暖かい沖永良部島の栄養豊かな土で、今は寒い関東の痩せた土に植えられて、なかなか大変な人生(?)です。しかし、今度は、花を切られることはありませんから、思いっきり咲いてほしい。 花の香りに惹かれて、たくさんの虫が集まってきます。ハチはわかるが、バッタやコガネムシまでいます。彼らは肉食かと思っていましたが、蜜を吸うのだろうか。 ユリはご近所でも評判でした。ただ残念なのは、ユリがかなり切り盗られたことです。 最盛期にはユリが自由気ままに咲き乱れます。でも、最盛期だということは、最初に咲いた花などは枯れ始めて、後は減っていくということです。 アクティバ ルレーブの開花期間は二週間ほどで、7月の上旬には花がすべてなくなります。その後を追うように咲き始めるのがアクティバです。 ルレーブと似ているがやや大きくピンク色も濃いように見えます。 アクティバは主にルレーブとは反対側の公園のベンチのあたりと、歩道側にまとめて植えました。 花にたくさん囲まれた天使像もきれいだが、少しのユリとの記念撮影も良いですね。 ビビアナ 写真下のビビアナは赤に近いピンクです。すっきりした姿といい、情熱的な感じのするユリです。色が強くて一本一本の自己主張が強いで、ルレーブのようにたくさん植えるのには向いていません。 ビビアナの色が強いので、天使像が負けてしまう。 メロースター メロースターも赤に近いピンクで、自己主張の強いユリです。歩道の脇に植えたものだから、何本か盗まれました。 中にはスターゲーザーという品種も混ざっているようですが、両者は似ていることもあって、はっきりしません。 7月の暑い夏には似合っていますが、私はこのユリを見るたびにヒトデを連想してしまいます(笑)。花弁の色だけでなく、微妙に曲がっているからです。 スィートパール メロースターの強烈な赤の後に、本当にメロウな薄ピンクのユリを紹介します。花弁に特徴があって、六枚のうち手前の三枚が大きく、後ろの三枚がやや細長く、縁に波が入ります。 写真上のように元々はもっと花弁全体がピンクでしたが、何年かたつと写真下のようにピンクが薄れてしまいました。でも、ほんのりと桜色くらいが私の好みには合います。 私が引っ越しをした時、これらのユリたちの大半を残しました。しかし、残念なことに、後の居住者は関心がないのか、何が植えられているか確認もせずに畑を作り草刈りをして、ユリを植えた上に物置を置いたので、今ではポツリポツリと出てくる程度です。この写真にあるような光景は今は見られません。 ここにある写真は、昔はこんなに美しかった、という失われた風景です。 |