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蔵王のシラネアオイ その2

2017

 

 シラネアオイを見るために6月上旬に南蔵王の不忘山に登り、さらに南蔵王の屏風岳の近くにもあると聞いて、2017620日に南蔵王に向かいました。

 

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 エコーライン(国道12)の登山口に少し駐車場があります。蔵王という観光や登山で有名な場所なのにここは十分な駐車場ではありません。国立公園の規制はいろいろあるにしても、この上にある刈田岳近辺には様々な設備や駐車場を作ったのですから、ここに駐車場を作れないはずがありません。広くもない道路に路上駐車は危険で、宮城県の担当者は事故が起きる前に増設を考えてほしい。

 

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 駐車場ではない道端の隙間に強引に駐車して、登山開始です(7:22)。下の地図の朱線が本日の一周コースです。

駐車場 → 前山 → 杉ケ峰 → 芝草平 → 股窪十字路 → 駐車場

 高低差約400m、行程約10kmです。

 

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 天気予報とにらめっこしただけあって、天気は晴れで、またとない登山日です。

 

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 まず目に飛び込んで来たのが、きれいなピンク色のツヅシです。世間では紫と言われているのに、私は何度見ても紫には見えない()

 

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写真上下 ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅)

 

 初夏の山にはピンク色がとても似合う。低い山にもあるヤマツヅシはオレンジ色でやや色が地味だが、このツツジは見かけるとウキウキするような雰囲気があります。

 

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 ピンク色のツツジと同様に良く目にするのが写真下のオオカメノキで、こちらはあまりウキウキしない()

 

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写真上 オオカメノキ(大亀の木)

 

 足元に目線を向けると、日本の高山植物の定番のイワカガミが道脇の土手にたくさん生えています。二週間前の不忘山よりも明らかに多い。

 

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写真上下 イワカガミ(岩鏡)

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 イワカガミは、他にもオオイワカガミ、コイワカガミなどがあるそうですが、もちろん、私は説明を読んでもわからず、区別がつきません()

 

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 写真上のイワカガミよりも写真下はやや赤味が薄い。

 

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 写真下はもっとピンク色が薄い。濃いのも薄いのもどちらもそれぞれにきれいです。

 

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テレビ取材

 カメラなどの大掛かりな機材を抱えた一団に遭遇しました(写真下)NHKの取材クルーだという。荷物の量が半端ではない。カメラとマイクがあれば良いというものではないらしい()。放送日も教えてもらい、後日、拝見しました。NHKらしいまとめ方です。

『小さな旅 山の歌 夏 命躍る峰々 ~蔵王山~』20170723()放送、NHK

 彼らは屏風岳まで行くと言っていましたが、NHKのホームページを見ると、芝草平までだったようです。

 

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 ショウジョウバカマも道の両側で良く見かけます。色を見比べるとおもしろい。写真下は赤紫の混ざったピンクで、私の住んでいる近くの山のショウジョウバカマもこんな色です。

 

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写真上 ショウジョウバカマ(猩々袴)

 

 写真下は上よりもピンク色が薄い。

 

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 さらに薄れて、写真下右など白花です。

 

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 写真下は逆にピンク色が強くなり、赤味を帯びています。これが今回もっともよく見かけた色です。

 

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 写真下は赤というよりもやや茶色です。

 

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 写真下になるとほぼ茶色です。枯れているのではありません()。ショウジョウバカマは地域によって色に差がありますが、一つの地域にこれだけ様々な色のショウジョウバカマがあるのはおもしろい。

 

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芝草平

 順調に前山と杉ケ峰を通過し、芝草平に到着(9:32)

 

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 芝草平は蔵王で一番大きな湿地帯です。他にも、車を停めた駐車場から少し手前に御田ノ神湿原があり、芝草平と違い、気軽に行ける湿原です。

 

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 湿原保護のために木道が敷設されているので、歩くのは簡単です。

 

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 この湿原の名物は何といってもチングルマで、ちょうど盛りです(写真下)

 

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写真上下 チングルマ(珍車、稚児車)

 

 チングルマは北海道の大雪山の大群落が有名なように、どちらかという寒い地方の植物で、カムチャツカやアリューシャン列島に分布するのに、サハリンなどには分布しないというから、おもしろい。

 

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 ミネズオウもすぐそばに生えているのにチングルマと同じ白い花なので目立たない(写真下)。日本だけでなく、北半球に広く分布するツツジの親戚です。

 

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写真上 ミネズオウ(峰蘇芳)

 

 湿原に咲いている白い花の一つがヒナザクラです。日本の特産のサクラソウで、しかも東北地方の山にだけ分布します。前にも書きましたが、日本特産というが、チベットの南に位置するインドのアルナーチャル・プラデッシュ州の4000mほどの山の上で、良く似たサクラソウを見たことがあります。

 

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写真上 ヒナザクラ(雛桜)

 

 

屏風岳へと登る

 芝草平から屏風岳を登る道は、傾斜はそれほどきつくないのに、石だらけで、まるで干上がった急流を歩いているような雰囲気です(写真下)。また、実際、雨が降ればここは川になり、芝草平に流れ下るのでしょう。

 

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 道は楽ではなく、坂道を息を切らせて登ぼりながら岩につかまろうとしゃがむと、目の前にスミレがあったりする。疲れを忘れる瞬間です。

 

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写真上下 ミヤマスミレ(深山菫)

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 良く見ると、スミレにも色に微妙な違いがあります。写真下はいかにもスミレらしい紫色です。高山に生えるミヤマスミレだと思いますが、スミレは似たようなのが多く、判断は難しい。

 

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 写真下になるとかなり紫が薄れ、白っぽく色が飛んだようになります。

 

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 ついには真っ白な花で、さすがにこれは一株しか見つかりませんでした(写真下)

 

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 写真下は同じように色が薄くなってはいるが、やや赤味を帯びた紫です。

 

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 写真下は、赤味がさらに強くなる。

 

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 写真下は薄紫というよりも、ピンクに近い。

 

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 そして写真下になると、ほぼピンクと言ってもいいでしょう。

 

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 写真下のシャクナゲはハクサンシャクナゲである可能性もありますが、ピンク色なのでアズマシャクナゲにしておきます。二週間前の不忘山では花がほとんど見られなかったから、これからなのでしょう。

 

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写真上 アズマシャクナゲ(東石楠花)

 

 屏風岳の道の途中から烏帽子岳方向に左折します(10:02)。縦走路から外れたので急に登山客が少なくなります(写真下)

 

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 蔓上の植物に紫色の特徴ある花が咲いています(写真下)。クレマチスの親戚と言われれば、なんとなく雰囲気は似ているが、クレマチスは花が上向きで、これは下向きです。花の中がどうなっているのか、下から覗きこもうとするとが、見えない。ネットの写真で見ると、クレマチスらしいオシベとメシベがたくさんついています。

 

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写真上 ミヤマハンショウヅル(深山半鐘蔓)

 

 

木陰の白い花

 縦走路を外れてからは木陰に咲く花が目に付きました。木漏れ日の中にミツバオウレンが咲いています(写真下)。ただし、一緒に写っているハート形の葉はマイヅルソウの葉です。

 

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写真上下 ミツバオウレン(三葉黄蓮)

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 ミツバオウケンは名前どおりの三つ葉です(写真下)。日本だけでなく、北半球の寒帯や亜寒帯に分布しています。

 

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 たいていの花は花弁が五つですが(写真上)、少数だが、四つもあり(写真下)、それほど珍しくありません。

 

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 写真下はミツバオウレンのそばに葉だけ写っていたマイヅルソウです。

 

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写真上 マイヅルソウ(舞鶴草)

 

 写真下はツマトリソウで、清楚な白い花が「妻娶草」なんていい名前だと思っていたら、実際は褄取草で、褄とは端のことのようです。

 

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写真上下 ツマトリソウ(褄取草)

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 木陰のサンカヨウが目立ちます(写真下)。縦走路では数が少なかったが、人通りの少ないこちらの山道ではそこそこに咲いています。

 

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写真上下 サンカヨウ(山荷葉)

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 中部地方以北からサハリンまで分布し、木陰などやや湿った所に生えています。

 

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 サンカヨウはおもしろい花の付き方をしています。葉は大小二枚あり、しかも、小さいほうの葉の上に花を咲かせます。いったいどういう理由でこんな構造になっているのだろう?

 

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 サンカヨウは雨にあたると花弁が半透明になり、ガラス細工のようになるそうです。残念というか、幸いというか、今日は雨が降りません。また、長時間濡れていないと透明にならないようですから、ペットボトルの水をかけても無駄です()

 

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 ネットでも売られていますが、高山に咲く花を植えても、普通の人の庭では植物を苦しめるだけですから、やめたほうが良い。

 

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一気に急斜面を下る

 屏風岳の斜面を歩いて行くと、東側に仙台方面が開けてきます(写真下)。写真下右の一番右が烏帽子岳です。

 

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 東側が開けたあたりから急斜面になり、所々にロープが張られています(写真下)

 

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 その急な下り坂の途中にたくさんオオバキスミレが咲いています(写真下)。日本海側の山地に多いスミレです。

 

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写真上 オオバキスミレ(大葉黄菫)

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 斜面になっていて陽当たりが良いのでしょう。

 

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 二週間前、不忘山で盆栽のような見事な枝ぶりのタカネザクラを見ました(写真下)。葉桜なのでイマイチさえない。

 

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写真上 タカネザクラ(高嶺桜)

 

 残雪で道が途中で消えています(写真下)。他の人の足跡をたどりながら、かなりの急斜面なので、すべらないように恐る恐る降りる。

 

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シラネアオイ

 雪道をすぎたあたりから道の両側にシラネアオイが見られるようになりました。いつ見ても大輪の薄紫の花はすばらしい。

 

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写真上下 シラネアオイ(白根葵)

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 ここは薄ピンク色も多く、二週間前の不忘山では、ヤブの中に生えていて、撮るのが容易ではなかったが、ここのは道端にきれいに生えているので撮りやすい(写真下)

 

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 二週間前に不忘山で見たのと何か印象が違う・・・そうか、今回のは思いっきり花が開いているからだ。写真下左など、花弁が反対側に反るほど開いています。

 

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 どちらかというと、写真下のように花がお椀状になっているほうが私の好みです。

 

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 六月も下旬に入ろうとしていますから、花のいくつかは盛りをすぎているのでしょう。

 

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股窪へ

 急斜面を降りて、烏帽子岳の方向に林の中を進むと、途中に分かれ道があり、私はここで烏帽子岳ではなく、左の股窪のほうに進みます(写真下)。このあたりで標高1500mほどです。ここで食事をすることにしました(12:02)。T字路なのに、食事の間は誰も通りませんでした。

 

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 葉が印象的なツクバネソウです(写真下)。筑波根草かと思ったら、羽を衝くほうのツクバネでした。

 

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写真上 ツクバネソウ(衝羽根草)

 

 写真下はツクバネソウと一見良く似ているエンレイソウです。葉の数が四枚と三枚で区別がつきます。山地では普通に見られ、濃い紫の花弁のように見えるのはガクです(写真下左)。写真下右と下段はそのガクが緑色で、私は初めて見ました。ただ、それほど珍しくはないようです。

 

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 スダヤクシュは喘息薬種という漢字名を見れば、喘息の薬として使われてきたことがわかります(写真下)

 

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写真上下 スダヤクシュ(喘息薬種)

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 日本だけでなく、朝鮮半島から中国、ブータン、ネパールなどのヒマラヤに広く分布します。そう言われると、どこかで見かけたような気もする()

 

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 写真下の葉を見た時はアマドコロやナルコユリかと思いました。タケシマランはランと名前はついているがランではなく、花もいたって地味です。ただ実は赤くきれいだそうです。

 

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写真上 タケシマラン(竹縞蘭)

 

 比較的なだらかな道をひたすら降りていくと、股窪の十字路に出ました(13:07)。今回の行程ではこのあたりが一番低く、標高1350mほどで、これから1600mの出発点の駐車場までもう一度登ります。

 

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 これで三分の二ほどを走破し、これからはゴールの駐車場まで標高差約250mで、しかも、地図を見るとわりとなだらかな地形ですから、楽勝だろうと思ったのが間違いでした()

 

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 あまり人が通らないらしく、道がはっきりしない所が何カ所かある。股窪川と澄川を渡る時には、その前後で道が消えてしまい、途方にくれ、道を探してウロウロしました(写真下)。道がはっきりしていた所まで戻り、注意深く道をたどるが、やはり川の少し手前で消えてなくなる()。このあたりで登山客は分散して川を渡ったために道が消えてしまったのでしょう。自治体などが整備してくれませんかねえ。

 

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 ネットでの登山記録の中に、道に赤い印があると書いてあったので、それを探すとようやく木に巻き付けられた赤い布が見つかりました(写真下)。晴れているから見えるが、霧が出ていたら、無理です。

 

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 こんなにわかりにくい道ではあまり人が通らないのだろうと思っていると、意外な物があります(写真下)。「森永 キャラメル」などスポンサー付の古い標識です。昔はもっと人通りがあったが、今はほとんど整備されていないのでしょう。

 

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シラネアオイ

 道端の斜面に薄いピンク色のシラネアオイが咲いています。

 

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 樹木の間の木漏れ日が花にあたり、とてもきれいです。雲が流れて、また風に揺れる樹木に陽ざしがさえぎられるので、花の印象が目まぐるしく変化します。道端にしゃがみこんで、しばらく陽ざしが花の上をうつろうのを見ていました。

 

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写真上下 シラネアオイ(白根葵)

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 澄川を渡り、獣道のような急斜面を登りきると、後は普通の山道が続き、やがて上のほうから車の走る音が聞こえてエコーライン(国道12)に到着しました(15:29)。振り返ると、今日登った山を含めて、二週間前に登った不忘山のほうまで山々がくっきりと青空に浮かび上がっています(写真下)

 

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 駐車場では私よりも先に駐車場を占領していた人たちは帰ってしまったらしく台数は減っているが(写真下左)、後で来て路上駐車した人たちの車はかなり残っています(写真下右)

 

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 川を渡るのに道がわからなくなった時はちょっと困りましたが、天気にも恵まれ、目的のシラネアオイも満開で良い一日でした。六月の蔵王は花盛りです。

 

 

 

 

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