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ブルガリアの春の花

7日目 2016430()

ソゾポル → ヴァルナ

 

 六時前に起きて外を見ると、雲はあるが、晴れそうです。トニさんから聞いた天気予報では、西では雨が降り、そろそろここも危ないとのことでしたが、幸い、天気予報はきれいに外れました。

 

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 今日は、ソゾポルを出発して北にあるヴァルナを目指します。その間に、海岸や保護区で花を観察します。

 

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港の散歩

 ソゾポルの旧市街を散歩するのも最後ですので、半島の西側の港に行ってみましょう。

 

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 いかにも港らしくたくさんの舟が係留されているが、パッと見た目、あまり大きな船はありません。漁船らしい船は少ない。

 

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 港でカモメを見ると、私の頭の中では次の曲が自動で再生されます()

 

♪ ハーバーライトが朝日に変わる そのとき 一羽の カモメが翔んだ ♪

 (『かもめが翔んだ日』1978年、歌・作曲:渡辺真知子、作詞:伊藤アキラ)

 

 この港の雰囲気とは全然合わない曲だが、若い頃に聞いた曲は頭にこびりついていて、実は四十年近くも前の曲だとわかると、ギョッとします()。当然、ここのカモメ君たちは生まれていなかった。

 

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 港の通りはレストランなどが並び、港というよりも、ここもリゾートという雰囲気です。港にある船も、漁船ではなく観光やレジャー用かもしれません。

 

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 通りに面しても、例の2階が突き出た黒い建物があります。写真下左は港に面した西側で三階建て、右は東側から撮ったもので二階建てです。いずれも地面に接した階が石で出来ています。個人宅にしては大きく、ホテルにしてはそれらしい入り口がない。

 

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 1階が石で、2階が木造という家はあるが、2階まで石で出来ている家は数が少ない。たぶん、ここは斜面が多いので、水平に作るのに石のほうが良かったなど、何か理由があるのでしょう。

 

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 ホテルに戻り、八時から朝食です。

 

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助手席に座る

 荷物を車に積んで出発です。この日、私はバスのドライバーの隣に座らせてくれないかと松森さんを通じて頼みました。普通ドライバーの隣には、安全上の理由で座らせてくれません。しかし、OKでした。ヤッター。一番前なので、写真が撮りやすい。お客さんの座席も私が一人減ったので、荷物などを置くのが楽なったはずです。

 

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 最前列の席に座って、真っ先に始めたのが道路標識の撮影です()。おもしろい道路標識があるのに昨日までうまく撮れず、私は欲求不満になっていました。後ろの席では、道路標識が見えてからシャッターを切ったのではたいてい間に合わない。その点、最前列は遠くから見えますから、余裕で狙えます。

 

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 写真下の大きなバッテンはたぶん駐車禁止でしょう。ブルガリアに来る前に読んだ『ブルガリアン・ブルー』という本の表紙にこの標識が使われているので(写真下中)、どういう意図なのだろうと本文を読んでもよくわからない。題名と標識の青を関連づけした?ブルガリアに来れば何かわかるのかと思いましたが、予想どおりに駐車禁止らしいこと以外はわかりませんでした()

 

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写真上中 『ブルガリアン・ブルー』マルコバ カテリナ(K.Markova Katerina)2010.

 

 道路標識でもっとも感動的なのが写真下の荷馬車の標識です。日本でも競馬場や馬場の近くでは馬の標識があるものの、さすがに荷馬車はないでしょう。

 

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 写真下のようにブルガリアの荷馬車は現役です。428日のスリヴェンでも紹介した、頭に赤い飾りをつけた荷馬車です。あちらこちらで見かけましたから、たぶんタクシーです。一度、乗ってみたい。

 

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 道路脇の看板も面白い。大きさになどに規格があるようで、縦横の比がほぼ二種類にそろっていて、すべて額縁にはまっています。日本のように形も大きさも作り方もバラバラではないから、乱雑な感じがしません。

 

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 日本の看板と決定的に違うのはすべて印刷です。日本のように手書きの広告は見当たりません。

 

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 写真下左のワシの広告は警備やセキュリティの会社で、右は昨夜宿泊したソゾポルの広告です。

 

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 写真下左はワインのメーカー、右はカー用品のAuto BOXという会社で、日本のAutobacsと似ているが、たぶん何も関係ないのでしょう。

 

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 興味を引いたのは、私も良く使う草刈機の広告です。日本で草刈機の広告なんて見たことがありません。日本のテレビでは除草剤の広告がありました。除草剤ではなく、草刈機を使ってほしい。

 

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 写真下左は銃の広告、右はカジノの広告です。これは日本ではありえません。

 

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 時々、ヒッチハイクがいます(写真下)。その中で、下の二人と違って、変な女性を何人か見かけました。かなりド派手な格好とケバイ化粧をした女性が道路脇に座っている。繁華街なら営業中なのもわかるが、真っ昼間に場違いな人家の少ない田舎道に唐突に座っている。乗せたらタダでは降りてくれないような雰囲気でした()

 

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 道路脇にピンク色の花を咲かせた背の低い樹木が生えています。ブルガリアやトルコを原産地とする木で、ここがそうであるように、海岸近くに生えています。

 

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写真上:Tamarix tetrandra

 

 

ヤギとヒツジのチーズ

 花を見る前にブルカス市内のスーパーマーケットBillaで買い物です(9:08)。トニさんによれば、今日は土曜日なので、午後から隣のルーマニアから人が押し寄せ、店が混み、品薄になるというのです。

 

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 私が探したのはヤギやヒツジのチーズです。日本で買うと関税がかけられているからバカ高い。

 

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 ありました。それも何種類もある(写真上下)。私はすっかり喜んで買い集め、トニさんが、おいしいよと勧めてくれたチーズは二つも買いました(写真下左)。それが半月の形のチーズで、300g7.99レフ、つまり約560円ですから、100gあたり160円もしません。私の行きつけのスーパーで売っているヤギチーズは100g800円です。

 牛乳から作ったチーズはさらに安い。写真下左の緑色の箱がそうで、450g6.99レフ、つまり約490円ですから、100gあたり100円以下です。TPPでチーズも安くなるかと思っていたら、ダメなんだそうです。チーズなんて日本では嗜好品扱いなのに、何だってそこまで保護しなければならないのか、奇妙です。

 

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 さらにヒツジのミルクで作ったヨーグルトも買いました(写真下左)。日本に持ち帰れないので、ホテルで完食しました。ただ、チーズと違い、期待したほどの味の違いはなく、牛乳のヨーグルトだと言われても私の味覚では区別がつきません。

 

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 結局、買いすぎて、換金したお金では間に合わなくなり、カードを差し出すと、問題なく支払いが出来ました。これで私は一円に満たない小銭以外はすべて使い果たしました。

 

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 このスーパーはBillaという名前でガルカス市内だけでも何軒もあるチェーン店です。写真下のようなレジ袋は有料なのは日本と同じです。

 

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LED電球が安い

 少し走り、ネセバル(Nesebar)のガソリンスタンドでトイレ休憩です(10:22)

 

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 店内は毎度お馴染みの品揃えなのだが、この店で奇妙なのが、写真下のLEDの電球です。売れるからこれだけの品揃えなのでしょう。値段は日本よりも安い。私も自宅の電球をできるだけLEDに変えるつもりでいるが、なにせ高い。白熱球の60W相当で10002000円します。私は型遅れで投げ売りされていたパナソニックの60W相当のLED650円で買いました、と自慢していたら、ここのは60W(806Lu)相当が5.99レフですから、約420円です。安い!日本の半値以下です。私は思わず買って帰ろうかと思ったくらいです。電球は壊れやすいのでやめました。それにしても、日本のLED電球は高すぎるのではありませんか。

 

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 車はさらに黒海に沿って北上します。

 

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 周囲は緑豊かな田園地帯が広がっています。

 

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海辺の花

 黒海のビーチに到着。バスを降りると、海岸に沿った砂丘に一面に黄色い花が咲いています。こりゃ、すごい。

 

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写真上下:Alyssum borzaeanum

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 砂浜の黄色い花はこのツアーの売りの一つで、旅行案内のカタログの写真として掲載されています。これが見たくて参加したというお客さんもいました。

 

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 ここは夏になれば海水浴客で賑わうビーチで、幅が100200m、長さが5kmもあります。数万人が滞在できるような新しい観光施設を作ろうという動きもあるようです。もちろん、花が好きな者から見たら、全然まったく金輪際ありがたくない。そんなことをすれば、これらの花は全滅でしょう。

 

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 花はごらんのように一塊になって丸や楕円を形成しています。このほうが砂地で湿気を確保できるとか、風に耐えられることほかに、バラバラに咲くよりも、塊になったほうがまるで大きな花が咲いているようで、虫を集めやすい。

 

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 一つの根から複数の茎が出て、その茎一本の頭頂部に小さな花が複数ついています。写真上のひとまとまりがつながった一つの根から出来ているのか、それとも複数の個体の集合体なのか、ひっくり返してみるわけにもいかず、わかりません()

 

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 この花はブルガリアやトルコなど黒海の沿岸や低い地域に生えています。

 

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 砂丘の黄色い花は上の花だけでなく、他にも何種類かあります。二番目に目につくのが、昨日から海岸で何度かお目にかかっている写真下の花です。ここのは花の数が多い。

 

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写真上下:Linum tauricum

 

 ブルガリアやトルコなど欧州の南東からコーカサスまで生えています。

 

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 写真下はキクの仲間で、数はそれほど多くはありません。

 

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 同じキクでもこちらは白い(写真下)

 

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 写真下はケシの仲間だそうですが、言われないとわからないし、言われてもケシには見えない。花が咲いているのに、同じ株にエンドウマメのような長い実がついています。

 

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写真上:Hypecoum ponticum

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 写真下は毎度お馴染みのナガミヒナゲシで、こちらは見るからにケシです。オレンジ色が周囲の黄色い花や白い砂と良く合っていて、数は少ないが、それなりに目立ちます。

 

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写真上:Papaver duhium

 

 植物の生えている砂丘から先には砂浜が広がっています。

 

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 砂浜の流木の上で昼食です(12:41)

 

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 写真下が食事をしている私の目の前の黒海と砂浜です。日差しは夏のように強烈です。夏なら海水浴客でにぎわうこのビーチも、春先の今は私たち以外は誰もいない。浜辺を独り占めしているようで、贅沢な気分です。

 

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ブルガリアのイチゴケーキ

 移動の途中でレストランに寄り、トイレ休憩を兼ねたお茶の時間です(13:28)。店は赤を基調にしており、外の天幕も赤い(写真下)

 

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 天気が良いせいもあり、お客さんは全員屋外の赤い天幕の下です。二人のおじさんがゲームに興じている(写真下左)

 

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 店の外のガラスケースの中にケーキがあるではないか!これは食べないわけにはいかない。皆さんはプリンを食べるという。皆さんがプリンなら、私は当然プリン以外です()

 

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 写真下左が皆さんのプリン、写真下右が私のネスカフェの皿に乗ったイチゴケーキです。少々甘いが、味は悪くありません。

 

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 ここはStaro Oryahovoという街で、詳しい地図を下に載せますから、皆さんも近くを通りかかった時にはぜひこのレストランでケーキを食べてください。「夢幻旅行の旅日記を読んだ」と言えば一割引になる、なんてことはありません()

 

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 この店で意外なエアコンを見つけました。「nippon(日本)」という表示のあるエアコンです。さては日本のブランド力を借りたコピー商品かと思ったら、日本空調サービス株式会社(Nippon Air Conditioning Services Co., Ltd.)の正式なエアコンです。私は初めて見ました。写真下右はそばにいた犬クンで、エアコンとは関係ありません()

 

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 車はここからTaushan tepeに行くために、904号を西に向かいます。周囲は田舎道で、周囲は民家が並んでいます。

 

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 民家はどれも似たような外見の建物です。私の知る範囲では、黒海の対岸のジョージアがこんな感じの家が並んでいました。

 

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 せっかくのオレンジの屋根なのに、日本ほどではないが、電柱があって邪魔です(写真下)。日本の電柱はなんとかならないものでしょうか。災害時は非常に危険だし、なによりも見苦しい。

 

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 途中でコウノトリの巣を見かけましたが、いずれも鳥の姿は良くわかりませんでした(写真下)

 

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 写真下左が街の入り口の看板、写真下右が通過したことを表します。ジョージアに行った時も同じような表記でした。とてもわかりやすい。

 

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Taushan tepe

 Taushan tepeに到着(15:09)。ここは自然保護区になっている山というよりも丘という感じです。他の観光客らしい人たちの車は一台しかありません。

 

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 ここにも先ほどの砂浜で二番目に多かった黄色い花の仲間が咲いています。

 

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写真上下:Linum tauricum ssp. tauricum

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 ランが二種類ありました。写真下の一種はここでだけ見られたランです。

 

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写真上:Orchis tridentate

 

 こちらのランはこれまでもあちこちで見かけました。

 

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写真上:Orchis simia

 

 写真下もすっかりお馴染みのヴェロニカです。

 

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写真上:Veronica austriaca

 

 写真下は花の中からもう一つの花が突き出ているようなおもしろい姿の花です。

 

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 写真下の花もまるで羽を広げた鳥みたいな姿をしています。

 

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 ここもマメの仲間はたいへん多い。写真下はキケマンなどの仲間かと思ったら、マメの仲間でした。赤色が強烈で、地面を這っているのに良く目立つ。

 

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写真上:Astragal spruner

 

 写真下の花はスイス、イタリア、スペインなどにも広く分布しています。

 

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写真上:Astragalus vesicarius

 

 写真下は、たぶん写真上と同じ種類で、単に色が薄いだけでしょう。

 

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 こちらは黄色いマメの仲間です。

 

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写真上:Chamaecytisus jankae

 

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写真上:Chamaecytisus hirsutus

 

 ムラサキモウズイカの仲間がまたありました(写真下)。今回の旅行では何度かお目にかかり、毎回一株のみ咲いています。他のお客さんは昨日見たからもういいのか、行ってしまった。

 

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写真上:Verbascum phoeniceum

 

 写真下の清楚な感じの花についてはウィキペディアでは英語の解説すらありません。つまり、かなりローカルでしか咲かないからでしょう。色はまるで違うが花の形はアグロステンマを連想します。

 

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写真上下:Lioum hirsutum

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 丘で最も人目を引いたのが写真下の花で、数は少ない。

 

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写真上下:Clematis integrifolia

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 花の見た目はキキョウやリンドウのような感じですが、花弁も葉ももっと肉厚で、クレマチスの仲間です。

 

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 トニさんがこの丘の特徴的な植物として指摘したのが、写真下のイネ科の植物です。

 

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写真上下:Stipa lesingianaStipa pulcherrima

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 乾いたステップ(草原)気候に見られる植物で、ブルガリアから北や東はしだいに乾燥していきますから、この植物はその西の端ということです。白い花をそよがせていたイネの仲間は二種類あったようですが、私は区別できていないので、写真ではたぶん混ざっています。

 

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 写真下の花も欧州の南東からコーカサスまでの主にステップ地帯に分布する花です。

 

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写真上下:Vinca herbacea

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 言われてみれば、ここはそんなに高い所でもないのに、これまで見たブナ林のような高い樹木がありません。

 

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写真上:Crataegus monogyna

 

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 頭を下げたような紫色の花がポツポツと咲いています。背が高いので良く目立つ。この花もブルガリアを西の端にして、ロシア南西部まで分布しています。学名のnutansはうなだれるという意味で、そのまんまです。

 

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写真上:Salvia nutans

 

 写真上などは初めてみる花なのに対して、写真下の花たちは二日前のスリヴェンの山でも良く見かけました。

 

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写真上:Onosma taurica

 

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写真上:Scutellaria orientalis

 

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写真上:Globularia aphyllanthes

 

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写真上:Buglossoides purpuro-caerulea

 

 ボロボロのアゲハチョウが風を避けるように止まっています(写真下)。くたびれた蝶だなあ・・・いや、私は自分の人生を重ねて見ているわけではありませんよ()

 

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写真上左:Jurinea mollis

写真上右:Vincentoxicum hirundinaria

 

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写真上:Centaurea thirkei

 

 写真下はこれまでも良く見かけたトウダイグサで、初めて見る種類です。ブルガリアはトウダイグサが多い。

 

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写真上下:Euphorbia nicaeensis ssp. Quadrilateri

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 写真下の学名のaustriacaという名前どおりで、オーストリアなど東欧を原産とすると花です。花の上からオシベらしいのが突き出ているおもしろい形をしています。写真ではわかりにくいが、オシベは二本突き出ています。

 

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写真上下:Salvia austriaca

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 大半の人たちが丘を下りてしまってから、松森さんが探し出したのが写真下のキンポウゲです。日本のキクザキイチゲなどの仲間です。しかし、こちらは花が白く、茎が長く、やや背が高い。

 

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写真上下:Anemone sylvestris

 

 ようやく一本目を探し出したと思ったら、次々と斜面に沿ってみつかります。さらにバスを停めた近くの道端にも咲いているのをトニさんが見つけました。登りの時もそこを通りかかったはずなのに、誰も気がつかなかった。こういうことは良くあって、妖精が良く花を隠します()

 

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石柱

 Taushan tepeでのハイキングを終えて、ここから本日の宿泊予定のヴァルナまではA2という自動車専用道で一直線です。道は良く整備されていて、混んでおらず、走りやすい。

 

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 ブルガリアでは自動車専用道もすべて無料です。日本の高速道路も一時無料化の話も出ていました。個人的には無料には反対だが、日本の高速道路は料金が高すぎる。独占企業だからでしょう。無料化など世間受けするような衆愚政治ではなく、経営の合理化や委託などを検討するべきなのに、政権が代わってしまうと、いつの間にか、議論そのものも立ち消えてしまいました。誰かが不当な利益を得ている。既得権を崩すのはほんとうに難しい。

 

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 このままヴァルナに行くのかと思ったら、18kmほど手前で自動車道から下りて、国道2号に入り、バスを停めました(17:32)

 花ではなく、Pobiti kamani(The Stone Desert)という珍しい石柱が見られるという。

 

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 最初見た時、何かの遺跡なのかと思いました(写真下)。ギリシャ神殿など柱だけ残しているこんな感じの遺跡があります。高さ57mほどのほぼ円柱の柱が立っています。不規則で大きさもふぞろいなことから、人工物でないのがわかります。円柱は中が中空になっており、砂などが詰まっているという。

 

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 ここが海の底だった頃にできた自然石で、サンゴなどは含まれていません。どうやってできたのか、決定的な説はないようです。有力な説は、5000万年ほど前、海底の泥や沈殿物が溜まることで、砂などが圧縮されて石灰岩に変化して行き、その中をガスが地底から通り抜けることで中が中空になった。これが数百万年後に干上がり、風化によって周囲が削り取られ、現在のような煙突状になったというものです。

 (http://www.thebohemianblog.com/2012/03/pobiti-kamani-stone-forest-varna.html)

 ただこの説では、真ん中の穴を説明しているだけで、どうして円筒状になったのかわかりません。発生したガスが沈殿物と化学反応を起こして固くなったという意味でしょうか?

 

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 写真下の衛星写真を見ると、南北に長く、円柱は三百以上もあります。

(http://bulgariatravel.org/en/object/337/Dikilitash_Pobiti_kamyni)

 

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 観光地でよくあるように、岩にはその姿から「孤独な人(写真下左)」「キノコ(写真下中)」「犬(写真下右)」などの名前のついているものもあります。言われれば、そんな気もするという程度です。

(http://rocktreasures.uchenici.bg/rock-treasures-2/the-stone-forest/sf-location/)

 

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 不思議な石だが、やはり私の関心は花で、ここは人工的に整備されていないので、野生の花がそのまま残っています。

 

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写真上:Centaurea cyanus

 

 石灰岩なので砂も白っぽく乾いた雰囲気で、花と良く合います。

 

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写真上:Anthemis regis-borisii

 

 写真下など、岩にしがみつくように黄色い花が咲いていて、これは妙に似合います。

 

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 写真下の上段と下段では色が違うだけでたぶん同じ花でしょう。

 

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写真上:Veronica austriaca

 

 写真下の低木は欧州から北西アフリカ、西アジアにかけて分布しています。ここではあちこちに藪を作り、斜めになった陽ざしで花が白く浮き上がって見えます。

 

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写真上:Crataegus monogyna

 

 

踊る結婚式

 ヴァルナの中心街を通りすぎて、本日宿泊するHotel Koralに到着(18:37)

 

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 ホテルのロビーは広く、椅子とテーブルがあり、その奥がレストランになっています(写真下)

 

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 ヴァルナは黒海に面しているので、近くの沿岸にリゾート地が点在していて、このホテルのある地域もその一つです。「聖コンスタンティンとヘレナ(Saints Constantine and Helena)」というのがこの地域の名前です。この奇妙な名前の由来については明日の朝の散歩で「現物」でお目にかけますので、お待ちください。

 

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 食事の時間までは30分もありませんから、ちょっと海だけ見に行きましょう。ここはリゾートホテルが並んでいるので、道は良く整備されています(写真下左)。明日の朝の散歩にそなえて、海の手前で砂浜に下りられる階段を確認して引き返しました(写真下右)

 

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 七時からホテルのレストランではなく、ロビーの隅で食事です。

 

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 夕飯がレストランでなかった理由が写真下で、レストランで結婚式が行われているからです。

 

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 席に戻って食事をしていると、結婚式場のほうから激しいリズムと大音量の音楽が聞こえてきて、見なくても踊っているのがわかりました。

 

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 新郎や新婦を含めて、皆さん手をつないで、激しく踊っている。日本の結婚式の披露宴で全員がいきなり阿波踊りを始めたような光景で、けっして静かな踊りではありません。

 

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 彼らの激しく踊る姿を見て、ブリューゲル (1525-1569)の絵を思い出しました。題名はそのままの「婚礼の踊り」です()

 

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ブリューゲル『婚礼の踊り』

 

 ルーベンス(1577 - 1640)の絵にも手をつないで踊る農民たちの姿が描かれています()

 

[フリー絵画素材] ピーテル・パウル・ルーベンス - 農民たちの踊り (1630 - 1635) ID:201303061800

ルーベンス 農民たちの踊り」)

 

 写真下は上の絵そのまんまです。下の写真の人物がぶれているのは私のカメラの手ぶれではありません。床の模様はきれいに写っている。激しい勢いでグルグルと周りながら踊っているからです。四百年近くも前の人たちと同じで、どうやら、欧州の人たちは昔からこうやって踊っていたらしい。

 

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 写真下は、ジョージアの首都トビリシで見た踊る人たちの像です。両国は黒海をはさんで対岸にあるのだから、文化的にも近く、同じような習慣なのでしょう。

 

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(http://mugentraveler.sitemix.jp/georgia2012/120718.htm)

 

 ついには私たちの隣のテーブルにいた親子らしい人たちまでが音楽に合わせて踊り始めました(写真下)。もちろん、こちらは結婚式の会場ではありませんし、彼らは結婚式とは何の関係もない人たちです。

 日本の披露宴のように儀式的なのに比べると、私はこっちのほうが好みに合います。なんでもいいから、とにかく踊ってしまえ、という雰囲気が良い。踊りなら、人種や宗教、習俗の違いなど関係ありません。

 

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 下の絵もブリューゲルの「農民の踊り」です。この絵の左に楽器を弾いている男がいます。楽器は皮袋から空気を吹き出して音を出す、いわゆるバグパイプです。

 

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「農民の踊り」(ブリューゲル)

 

 この結婚式場でも写真下でバグパイプを持っている人がいます(写真下)。スコットランドのバグパイプが有名ですが、起源は中東とも言われています。実際、ブルガリアに隣接するトルコには「トゥルム」というバグパイプがあります。

 トミーさんに聞くと、結婚式の会場は夜遅くまであの調子で踊り続けるそうです。すごい体力だ。見ているだけで私は疲れてしまいましたので()、引き上げることにします。

 

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 写真下が五階の私の部屋で、清潔で明るく悪くはありません。広さのわりには使い勝手がそれほど良くはなく、またホテルでは良くあることだが、隣の部屋の客の会話が聞こえます。

 

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 ホテル側が手配を間違えたらしく、二人部屋を希望したお客さんの部屋がダブルベッドで、松森さんが四苦八苦していました。ツインなら交換してあげたいが、私の部屋のベッドもダブルです。

 

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 バスタブもあるなど、部屋の設備はほぼ問題ないので、このままならホテルへの評価は4.0の満足を付けたいところでしたが、ネット接続(Wifi)が部屋だと有料だという・・・そりゃないだろう。一階のロビーは無料だというので、一階で接続しましたが、途中でブツブツ切れる。松森さんは接続できたというから、私のパソコンの問題かもしれません。今時、部屋での接続が有料だというのはサービスとしてはイマイチで、ネット接続は重要なので評価は3.5に下げたい。今回の旅行で宿泊したホテルでネット接続が有料だというのはここだけでした。

 しかし、激しく踊る結婚式を見せてくれたので、おまけして4.0に戻します()

 

 

 

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