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秋たけなわのギリシャの花

6日目    2019114()

ギシオ ミストラス → アテネ

 

 五時すぎに騒音で目が覚めました。室温は24℃です。外は雨模様なので、散歩は中止です。七時近くの外を見ると、朝焼けで雲が北にかなりの勢いで流れて行きます(写真下)

 

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 本日はギシオを発ち、途中ミストラスに立ち寄り、アテネに戻ります。

 

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 いつもの食堂で朝食です。港に三本マストの帆船が停泊しています。帆を出してくれると被写体になるのだが、この天気では難しい。

 

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 八時頃には少し青空も見えて、雨は止んでいるようです(写真下)

 

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 予定どおり、八時半に、時折、小雨のぱらつく中を出発し、少し行った所でお土産屋に立ち寄りました。中はガランとして、店というよりも倉庫みたいな感じです(写真下)

 

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ここでオリーブ油を搾っているのだそうで、直売所だから安い(写真下)

 

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 他にも蜂蜜や石鹸などを売っています(写真下)

 

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 興味を引いたのが写真下の商品を入れたトランクです。古い衣装ケースらしい。外側はゴツイのに、内側の模様がかわいい。ただ、元々描かれていたのではなく、ここで使うためにペイントしたのでしょう。

 

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 相変わらずの空模様で、霞のかかったギリシャの風景です(写真下)。これはこれで、なかなかきれいです。

 

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 虹が出ました(写真下)。虹が出ているのだから、陽ざしがあるはずで、晴れる兆候ともとれるが、ギリシャの天気は気まぐれです。

 

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 写真下の下段だと雨が少し上がっているようにも見えますが、これがギリシャではあてにならない。

 

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 ガソリンスタンドに寄ってトイレ休憩です(9:45)。私は恒例のエナジー・ドリンクを買いましたが、私の口には合わず、飲みきれませんでした。まずかったという意味です。

 

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 ミストラスの東にあるスパルティの街に着きました(写真下)

 

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 今日は雨ですから、もちろん晴れても、ギリシャの男たちはカフェに入り浸っています(写真下)

 

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ミストラス

 スバルティをそのまま通過して、西にあるミストラの遺跡に到着しました(10:34)。小雨です。雨合羽を着て、防水カメラを出して、山道ですから、足元に気を付けながら出発です。

 

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 下の衛星写真がミストラスの山の上の遺跡群で、私たちは左下の駐車場から出発し、山を越えて、遺跡の間の道を歩いて、右上の終点の駐車場まで行きます。

 遺跡や教会が山のそちらこちらに点在しています。昨日、訪問したモネンバシアはここから100kmほど南西に位置して、ビザンティン(ビザンツ)帝国の首都であるコンスタンティノープルとミストラスを結ぶ交易の拠点でした。1400年頃のビザンティン帝国は大半の領土を失い、私たちが花を探して旅行したあたりが、残った三カ所の領土の一つでした。歴史を紹介するべきなのだろうが、権力と暴力の血生臭い話は嫌いなのでやめておきます。

 

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 皆さん、準備が早い。私はノロノロしている上に、建物の前にいたネコの写真なんか撮っているから、皆さんの姿は見えなくなりました()。でも、せっかくネコがいるのに撮らないなんて、失礼ですよね。

 

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 登っている山全体が遺跡だらけです(写真下)

 

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 山の上のほうに虹の断片が見えます(写真下)。「断片なんてケチ臭いこと言わずに、でっかいアーチの虹を出して、晴れてよ」と私は文句を言う。

 

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 眼下には麓のミストラスの街並みが見えます。屋根の色がそろっていて、上から見てもきれいです。

 

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 山の中腹にはビザンティン時代のいろいろな遺跡があります。居住地は三つに分かれ、山頂には要塞、中腹は貴族、低い地域には庶民が住んでいました。写真下左は聖ディミトリオス教会、右は1315世紀にかけて作られた宮殿です。

 

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 私には立派な聖堂や教会よりも、ネコのほうがおもしろい()。写真下左のネコ、ちょっとヤセ気味だな。

 

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山の上の花

 二日前、マニ半島の岩場でも見たキキョウの仲間です(写真下)

 

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写真上下 Campanula versicolor

 

 バルカン半島からイタリア南部にかけて分布します。

 

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 真ん中に赤いシベがアクセントになっていて、なかなかにぎやかな花なのに名前がわからない。

 

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 写真下は地中海原産で広く園芸種として知られ、日本でもベニカノコソウとして売れられているそうです。

 

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写真上 Centranthus ruber

 

 ミストラスに最後に人が住んでいたのは1953年までといいますから、半世紀近くもここには人がいない。そのせいか、自然が少し戻ってきているのでしょう。

 

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写真上右 Micromeriaの仲間

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 写真下の植物は古くから食料や医薬として用いられてきた植物で、スペインやイタリアでは一般的らしい。見事な花を咲かせているのをカナリア諸島のラ・ゴメスという島で見たことがあります。

 

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写真上 Scolymus hispanicus

 

 シラタマソウで、ギリシャ、イタリアなどでは食料になって売られているそうです(写真下)

 

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写真上下 Silene vulgaris

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 垂直の岩に張りつくように生えているのは、シソの仲間のように見えます(写真下)。花は終わりかけている。

 

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迷った

 下山します(11:43)。少し陽ざしもあり、雨もほぼ上がったようです・・・と思ったのは甘かった。

 

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 写真下左はモネンヴァシア門といい、庶民と貴族の住まいの境界です。

 

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 「登って来た道とは違う道を降りるので、気を付けてください」とツアー・リーダーの松森さん(仮名)から注意されたとおりで、見事に迷いました()

 

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 右に曲がるところをそのまま進んだらしく、だんだん上り坂になったので、道を間違えたことに気が付いた(写真下左)。不幸にも私を信用して後を付いて来たお客さんも巻き添えを食った。昨日といい、どうも今回の旅行はお客さんを巻き添えにして道に迷うらしい。

 写真下右は迷った先の聖ニコラウス教会です。おお!聖ニコラウスよ、道を示したまえ、なんて不信心の私が祈っても、もちろん効果はない。

 

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 少し引き返すと、別な道があったので、そこに入ると、これは道ではなく、建物の入口らしい(写真下)

 

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 中庭への入口にはブーゲンビリアが咲いていて、門や壁の雰囲気と良くあっている(写真下)。もう一人のお客さんは懸命に道を探しているのに、私は、道に迷った甲斐があったなあと、のんびりと写真を撮る。こんな所に案内してくれるなんて、聖ニコラウスは親切な人なんだ・・・聖ニコラウスって、もしかしてサンタクロースのこと?!

 

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 遺跡は好きではないが、写真下のようなアーチ型の回廊はおしゃれで良い。日本ではこういう建築がないのが残念です。

 

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 聖ニコラウスではなく、もう一人のお客さんが正しい道を見つけてくれて、無事下山です。

 

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溪谷のスノードロップ

 車に乗って、もう一カ所の観察地に行きます。すでに紅葉が始まっている溪谷です(写真下)

 

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 沢に下りて行くと、苔むしたカエデの巨木がたくさん生えています(写真下)

 

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写真上下 Platanus orientalis

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 その根元にあったのが、スノードロップです(写真下)

 

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写真上下 Galanthus reginae-olgae

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 スノードロップは今年の春に、ガードナーさんに案内されて回ったトルコで見ました。クロッカスやクロチカムと同様に、スノードロップも春咲きと秋咲きがあるらしい。

 

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 スノードロップは葉と花の内側にある緑色の模様で区別するのだそうです。私は長い間、スノードロップとスノーフレーク(スズランスイセン)を同じ花だと思っていたくらい無関心でした()。私にとって両者とも量販店で販売されている園芸品種だったからです。三年前、ブルガリアで初めて野生のスノーフレークを見て、今年春にトルコで野生のスノードロップを見て、見方が少し変わりました。

 

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 学名にolgaeとあり、「オルガ女王のスノードロップ(Queen Olga's snowdrop)」という名前が付いています。1900年代前半、ロシアのロマノフ王朝から嫁いだオルガ・コンスタンチノフナ(Olga Constantinovna)王妃にちなんでつけられた名前のようです。きっと学者が名前を献呈してゴマスリをしたのでしょう。昔の学者や芸術家は為政者の気分を損ねたら、命にかかわることもあったから、ゴマスリくらいしかたありません。

 

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 昼食の準備ができた頃になって、本格的に雨が降り出しました。私は食事よりも、この秋の気配が濃厚な谷でスノードロップを撮影していたかったのですが、雨は土砂降りになり、ついには雷まで鳴りだしました。いくら防水カメラでも、猛烈な雨でレンズに次から次に雨粒がついて使えず、ついにあきらめました。

 

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アテネへ

 今日の花の観察はこれで終了です(13:45)。早目に終了するのは、雨だけでなく、ここから200km近くもあるアテネまで戻らなければならないからです。

 

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 天気は相変わらずで、降ったりやんだりをくり返しています。

 

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 ガソリンスタンドのトイレ休憩で、私はコーヒーを頼みました(14:41)

 

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 幸い、ペロポネソス半島を北上すると天気は回復して、青空も見えるようになってきました。写真下右の看板には、初日に泊まったトリポリまで10km、アテネまで165kmとあります(15:40)

 

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 突然、警察に呼び止められました(写真下)。検問らしい。ガードナーさんはいたって愛想よく、免許証を示して、問題なく通過。

 

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 道の向こうに煙が見えて(写真下左)、山火事だろうかと心配になりましたが、ただの雲でした(写真下右)

 

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 やがて海が見えてきました。ペロポネソス半島を縦断して、本島への付け根の部分に来たのでしょう。

 

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 ここからは右手にサロニコス湾を見ながら走ります。

 

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 空は夕陽で黄金色に輝いています。

 

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アテネ到着

 アテネ市内に到着した頃にはあたりはすっかり薄暗くなっていました。写真下左は列車が走っています。暗くなって渋滞に巻き込まれたせいで2号車を見失い、道路脇に停車して、連絡を取り合いました(17:47)。ギリシャのレンタカーにはカーナビ(Automotive navigation system)が付いていません。

 

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 アテネの南にあるホテルAthenian Riviera Hotel & Suitesに到着(18:28)。雨のせいで花の観察は早目に切り上げたので、余裕でホテルに到着かと思っていたら、意外に時間がかかってしまいました。

 

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 ウエルカム・ドリンクとクッキーもあります(写真下)

 

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 七時からホテルのレストランで夕食です。メインデッシュを選ぶだけかと思ったら、それに合わせて、前後の料理もすべて各人別コースでした。

 

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 容器などもコースによって違っていて、なかなか凝っています(写真下)

 

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 食後、ガードナーさんが10月に出版したばかりの本を見せてくれました(写真下)。世界の地中海性気候の花を紹介した大型本です。美しく珍しい花であるだけでなく、彼の芸術的なセンスが写真に良く現れていて、その花の咲いている所に行きたくなります。この本は、著者であるガードナー夫妻にサインをもらい、この場で私が50ユーロで購入しました。一冊目の本もサイン入りで購入しました。また荷物が増えてしまったが、今回のカタール航空は荷物の重量制限が30kgなので安心です。

 

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写真上右“Flora of the Mediterranean: An Illustrated Guide”, Christopher Gardner , Basak Gardner.

 

 写真下が私の部屋です。広さ、設備ともに問題ありません。個人評価は、余裕で五段階の4.0とします。

 

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 これだけのホテルでも、トイレットペーパーを流すことは禁止です(写真下)

 

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 この部屋の大きな特徴はベランダの広さです(写真下)。余裕で椅子とテーブルが置けるくらい、L字型に広く取ってあります。

 

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 さらに私が感動したのが写真下で、洗濯物を干すアームが付いている。感動した理由は、外に洗濯物を干すという習慣は欧州ではあまり見られないからです。

 

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