5日目 8月3日(日) ガンガリア 花の谷へ往復トレッキング
6:00に添乗員の口頭のモーニングコール。昨夜、寝ている時、かなり雨の音が聞こえたので、今日のトレッキングは無理だろうと思っていたら、なんと晴れている!ヒマラヤの女神は微笑んでくれたようです。 ホテルを出発(7:24)。全員が登山靴をはいたトレッキングのスタイルの完全装備で、普通のスポーツシューズで軽装なのは私一人だけです(笑)。 しばらく行くと、花の谷のゲートがあり、ここで記帳して、入場料とカメラ代金300円(Rs10)0を払います。料金表、地図、注意事項の書いてある看板があり(写真上)、どうしてわざわざ斜めに二色に分けて見づらくしているのか、しばらく考えましたが、わかりません(笑)。 ポーターがいてリュックを背負いカゴに担いで一日中付いてきてくれるという。千円(Rs300)ほどで、そんな便利な人たちがいるなら、荷物を減らすんじゃなかった! 写真右:インパチェンス・グランドゥリフェラ 写真:リグラリア・ラバティフォリア 花の谷への道は川を二つほどこえて、かなりの上下をしてから、ようやくたどりつくのですが、道端はすでにたくさんの花が咲いています。私は写真を撮りながら進むので、最後尾で、これは一日中そうでした・・・旅行の間、ずっとそうでした(笑)。 写真上:メコノプシス・アクレアタ 花の谷のずっと手前で二株の青いケシ(メコノプシス・アクレアタ)がありました。少し最盛期をすぎているようだか、実に美しい。今回、花の谷で見た青いケシはこれ一カ所だけです。標高から見ても、なぜこんな低いところに生えているのかよくわかりません。 二つ目の川は川幅が狭いので、鉄の板が渡してあるだけです。さらに行くと三つ目の川があり、これには花の谷から流れてくる川で、大きな鉄橋がかけてあります(写真上左)。これでようやく花の谷の西側の登山口にたどりついたことになります。道の両側にはすでにたくさんの花が咲いていて、私は写真を撮るのに忙しい。 先頭はどんどん先に行き、現地のガイドがいろいろと説明しているらしいが、私ははるか後ろにいるので、もちろんわかりません。気にしない、気にしない。山登りはマイペースが一番です。 私は足が遅いし、この日も一日で500枚をこえる写真を撮りましたから、遅れるのは当たり前です。約8時間で500枚ですから、1分に1枚写真を撮っていた計算になります。もう一つの本音を言うなら、せっかくの美しい花と風景を大勢の人たちと一緒に見るのがいやなのです。 写真左:ハッケリア・ウンキナタ 写真右:インパチェンス・グランドゥリフェラ 私があまりに遅いので、ポーターが背負ってやると言い出したのには驚きました。私は日本人の平均的な体格で、ポーターは私よりも背が低く、痩せています。聞き直しても、彼は自分の背負い篭を指して、私に座れと言っているのです。それでは写真が撮れないから、断りましたが、万一、歩けなくなっても、有り難い助っ人がいることになります。すごい申し出に驚き、料金を聞くのを忘れました。 写真中:ペディクラリス・ホフメイステリ 写真右:アカノゴノン・ポリスキタキウム 西側の山を登り始めと、かなりきつい登りです。その登りが終わり、川の西側に沿って、右側に川の雪渓を見ながら、進むと、そのあたりから花の谷のようです。 花の谷に入ると、それまでと違い、視界が広がり、おそらくは十キロくらい先と思われる花の谷の東の奥まで見えます(写真上)。 写真:インパチェンス・グランドゥリフェラ 周囲は切り立った山がですが、谷の部分は比較的平坦です。周囲の山は霧が流れ、晴れてはいるが、すぐに雲がかかります。この日は運良く一日中晴れて、午後少し曇ったが、天候については文句なしでした。ツリフネソウが一面に咲く中を進みます。 写真右:モリナ・ロンギフォリア 写真:カンパヌラ・ラティフォリア 周囲は花が咲き乱れ、どこを見ても被写体だらけです。石で敷き詰めた道があり、そこ以外には基本的に入らないので、草花が守られているのでしょう。 写真左:シラタマソウ 写真:ゲラニウム・プラセンテ 休憩(8:35)。進むにつれて、植物の種類が少しずつ違っています。もっとも多いのは赤のツリフネソウやリンドウの仲間などがあり、見える範囲でも三十種類くらいの植物があります。休息などで座って周囲を見ると、歩いている時には気が付かなかったが、さらにいろいろな小さな花があるのがわかります。 写真右:コドノプシス・ロトゥンディフォリア 昼食です(10:22,3380m)。少し早めだが、ハイキングでお腹がすいてちょうどよい時間です(写真上左)。たぶんいろいろ人たちがそこで休むらしく、広場のようになっています。 11:15-11:50の休憩の後、花の谷を調べたイギリス人の墓を見に行きました(写真上左と中)。花の谷の道から川のほうに下った所にあります。花の写真を撮りながら遅れて下りていくと、みんな墓の説明を聞いていました。私は墓石には興味がないので、周囲の花の写真を撮っていました。このイギリス人が本当に花の谷を愛していたのなら、ここに埋葬することは希望しても、景観を壊すあんな無粋な墓を立てろとは言わなかったでしょう。 写真左中:ヘラクレウム・カンディカンス 写真右:キアナントゥス・ロバトゥス お墓の説明が終わり、元の道に戻るためには、下った道を登らなければなりません。一番年配の方が遅れるが、誰も気が付かないようです。こういう時は、さらに遅い私は役立ちます。元の道に戻り、さらに谷の奥に進みます。 写真左:エピロビウム・スペキオスム 写真:フロミス・ブラクテオサ 川のそばで休憩(上左、12:28)。ここで折り返します。たぶん花の谷の入口から2kmくらいのところでしょうか、谷の奥ははるか東側に見えます。 かなり暑いが、川の流れがあるので、そばにいくと少し涼しく、皆さん岩の影などで居眠りしています。私は皆さんと違い、ゆっくり歩いているので、あまり疲れておらず、もう少し先まで進みたい気持ちです。 休憩の後、元来た道をそのまま引き返します(13:15)。いつものように、皆さん、すたすたと歩いて、私だけ後から写真を撮りながら、ゆっくりと付いていきます。添乗員とインド人ガイドが交替で最後の私についてくるので、先に行ってくれていいと言いましたが、しばらくは付いてきました(写真上右)。 写真左:ゲラニウム・プラセンテ 写真右:アネモネ・ルビラレス 写真:ポテンティラ・アルギロフィラ・アトロサンギネア 下山途中から雲が少し出てきましたが、それがまた花の色を別に見せるからちょうどよい。 花の谷にはほとんど人らしい人もおらず、独占状態でした。料金所から入って、午前中はまったく人に会いませんでした。我々が帰る午後、逆に上ってきたシーク教徒が何組かいた程度です(写真上)。 写真右:ロサ・マクロフィラ 写真:ゲラニウム・プラセンテ 帰り道は主に下り坂ですが、結構長く感じられ、他の人たちも同じような感想を言っていました。 写真右:アスター・ディプロステフィオイデス ガンガリアのホテルに到着(15:48)。ポーターの店は街の通りにあり、まだ小学生くらいの息子が留守番をしていました。「息子なのか」と身振りで聞くと、彼はうなずき、とてもうれしそうな顔をしました。 夕飯まで一休みしようと部屋に戻り、疲れたのでベッドに横になり、気が付いたら、夕飯の6時をすぎていました。あわてて食堂に向かう。一時間ほどぐっすり眠ったらしく、すっきりしました。 ただ、食欲はありません。食わないと体力がつかないので、チャーハンと野菜サラダを食べました。添乗員が日本から漬け物やワカメ、カップラーメンなどを持ってきて出してくれるのがとてもありがたい。日本にいる時なら、塩分の強烈な漬け物など食べないのですが、旅行中はおいしく感じました。 |