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アタカマ砂漠の花

6日目 2015928()

ラ・セレナ

 

 

 五時半頃に起床。部屋の温度は21.3度です。起きた時は真っ暗だったが、七時近くになって明るくなりました。昨夜は窓の下のプールサイドで若い人が夜遅くまで話し込んでいて、うるさくてなかなか寝付けませんでした。

 

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 本日はラ・セレナから国道五号を南下して、途中、花を見ながら、トンゴイまで往復します。海岸に沿って花が期待できるとのことです。

 

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 六時半からホテルのレストランで朝食です。リンゴがある、と喜んで手を出したら、飾り物でした()

 

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 出発まで時間がありますので、浜辺を散歩することにしました(6:58)。ホテルの西側は浜辺に面しているので、裏口から出られないかと行ってみたが、朝早くなので鍵がかかっており、結局、昨日の灯台から迂回しました(写真下左)

 

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 写真下はたぶんカモメです。

 

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 写真下左は嘴が長いので、ホウロクシギ(焙烙鷸)のように見えるが、ウィキペディアを見ると、南米にいるとはありません。

 

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津波

 八時半に出発。昨日に続き晴れています。海岸に沿って国道5号を南に走ります。海側にはリゾート・マンションが林立しているのが目立ちます(写真下)

 

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 海とは反対側には一般の住宅が広がり、かなり大きな街なのがわかります。住宅地は途中で途切れることはなく、このまま南にあるコキンボまで続いています。

 

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 進行方向にコキンボ(Coquimbo)の街が見えてきました。ホテルの前の海岸からも見えます。

 

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 遠くからだと霞んでいたのが、近づくにつれて、海に突き出た半島全体に住居がひしめいているのがはっきりしてきます。

 

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 横から見るとゴチャゴチャと斜面に広がっているように見えますが、グーグルの地図でみると、道は碁盤の目のようになっている所が多く、わりと計画的に作られた街のようです。

 

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 コキンボはラ・セレナのすぐ南にある街で、距離的にもほとんど地続きです。

 

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 バスが国道5号からコキンボの海岸通りに入ると、周囲には壊れたバスや打ち上げられた船などが散乱しています。津波の跡です(写真下)。旅行が始まる直前の2015916日にチリ沖地震(イヤペル地震)で津波が発生しました。コキンボでは4.8mの津波が観測されていますから、二階に到達するほどの津波です。

 私たちは街をバスで通り抜けただけだが、その範囲でいうなら、海岸を別とすれば、建物などにはあまり大きな被害はなかったようです。

 

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 警報で百万人が避難したことで死者13人、行方不明6人と被害は最小限に抑えられています。ここでの理由の一つが街全体が高台にあることでしょう。写真下左の塔が建っているあたりで標高が約130mですから、これなら、どこでもいいから丘の上に駆け上がれば、なんとか間に合いそうです。

 

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海の近くの花

 トトラリージョ(Totoralillo)で国道から外れて海岸のほうに下りて行きます。南側にこの後行く予定のグアナケロという街のある半島の山が見えるあたりで花を探します(9:16)

 

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 目立つのが、写真下のヘリオトゥロピウムで、昨日も似たような花がありましたが、ツアーとしては二度目らしいが、私は初対面です。

 

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写真上下 Heliotropium stenophyllum

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 昨日は一株しか見つからなかったセンナがここではたくさん生えて、花を咲かせています。

 

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写真上 Senna cumingii var. coquimbensis

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 写真下は海を背景にした菜の花で、なかなかきれいなのに、世界中で嫌われている雑草で、元々は南欧州からアフリカ、中東あたりが原産地です。

 

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写真上 Rapistrum rugosum

 

 写真下のフクシアも昨日もあったようですが、私は初対面です。チリの固有種で、アタカマ州からコキンボ州さらにバルパライソ州まで分布しています。

 

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写真上 Fuchsia lycioides

 

 昨日、群生していたスキンザントゥスの仲間で、こちらのほうが花の上の部分の赤が濃いので、より可愛らしい(写真下)

 

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写真上 Schizanthus litoralis

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 ちょうど陽がさして、透過光で見ると花に明かりが灯ります(写真下)

 

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 写真下は、ほぼ毎日のようにお目にかかる欧州からの帰化植物のエロデゥムです。固有種だと聞くと、急に撮ろうという熱意が出てくるのに、帰化植物だと聞くと、急に意欲が衰えるのはどうしてなのだろう()

 

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写真上 Erodium cicutarium

 

 写真下は昨日、山で見かけた花で、チリの固有種です。

 

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写真上 Calceolaria collina?

 

 あの「キツネの耳」のアリストロキアがここにも咲いています(写真下)。南に下がるにつれて、しだいに花弁()の毛が増えていく。

 

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写真上 Aristolochia bridgesii

 

 ここのアリストロキアはまるで冬物のブーツみたいに、内側が起毛している。

 

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 これまで見かけたアリストロキアのブーツを下に並べて見ました。ご覧のように、日を追って南に下がるにつれて毛深くなっています。日本と逆に南のほうが寒いから、防寒のためでしょうか。

 

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写真上 925

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写真上 926

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写真上 928

 

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道沿いのレウココリネ

 国道5号に戻りしばらく行くと、道路の脇に薄紫の花が群生しているのを見つけてバスを停めました(10:16)

 

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 ここにあるレウココリネはここが原産地です。この日一日、あちこちでレウココリネの群生にあいました。

 

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写真上 Leucocoryne coquimbensis

 

 薄紫が大多数ですが、中にやや赤の混ざった紫、また、色がほとんど抜けて白い花も見られます。

 

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 光を透かして見ると、花弁の中心の白から先の紫までの色のうつろいがきれいです。

 

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 なかなかスラッとした美人が多くて、被写体を選ぶのに困るほどです。

 

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 写真下は色が似ているから紛れやすいが、上とは別な種類の花で、花の姿から見てもナスの仲間です。これまでも何種類かこの仲間は見てきましたが、ここの薄紫はなかなかきれいです。

 

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写真上 Solanum heterantherum

 

 昨日まで主役だったピンク色のキスタンテかと思ったら、同じキスタンテでも別種ではないかとのことでした。

 

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写真上 Cistanthe coquimbensis?

 

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写真上 Senecio brunonianus

 

 

野原のレウココリネ

 住宅地の空き地にたくさん花が咲いているのを見つけてバスを停めました。シュンギクです。と言っても、日本と違い、食用ではなく、雑草です。

 

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 海外ではシュンギクは食用よりも鑑賞用が多い事を知って、私は前に庭にシュンギクの種を植えて、花を咲かせたことがあります。ここほど大柄ではないが、なかなかきれいな花でした。ここのも欧州からの輸入品ですから、外来種であり、生態系には良いかどうかは別問題です。住宅地の周囲にあることから見ても、人間が持ち込んだのでしょう。

 

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写真上 Glebionis coronaria

 

 ここは写真下のように、住宅地の周囲に広がる野原です。

 

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写真上 Heliotropium stenophyllum

 

 先ほども見たナスの仲間・・・かと思ったら、別種だそうです。こちらのほうが背丈が大きく、花はやや小さいが、数が多い。姿形も花の色もさっきのほう(Solanum heterantherum)が私の好みです。

 

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写真上下 Solanum pinnatum

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 先ほど道端の土手にあったレウココリネがここでも野原に一面に咲いています。

 

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写真上 Leucocoryne coquimbensis

 

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 写真下の蝶々はBlack Swallowtailかと思ったら、ネットで調べると北米にしかいないという。ここは南米です()

 

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 先ほどの土手では白いのはほんの少ししかなかったが、ここは人家の近くに白いのがまとまって咲いています。他人の敷地の中まで入りこんで撮ってきました()。薄紫とは別種のレウココリネです。

 

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写真上 Leucocoryne ixioides

 

 写真下のパシテアは、昨日昼食の時には斜面で一本しかなかった植物で、ここではたくさん咲いている。つまり、昨日の斜面あたりが北限なのでしょう。

 

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写真上下 Pasithea caerulea

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 写真下のフマリアのFumariaは煙という意味なのだそうです。花がたくさん咲いている様子が煙に似ているからでしょうか。欧州からの外来種です。

 

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写真上 Fumaria agraria

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写真上 Fumaria agraria

 

 写真下の植物はこの二カ所くらいにしかなく、しかも色が違う。いずれも道端に生えていました。

 

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写真上 Lobularia maritima

 

 

斜面のレウココリネ

 バスを進め、さきほど海岸から遠くに見えたグアナケロ(Guanaquero)という街が見える山の斜面に行きました。

 

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 この斜面に花盛りなのが、国道5号の土手でも見たレウココリネの仲間で、こちらは中心部が赤いのが特徴です。

 

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写真上 Leucocoryne purpurea

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 日本ではリューココリネという呼び名で園芸品で出ていて、これはリューココネル・プルプレアです。

 

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 多くの花弁は薄い紫ですが、中には白っぽい花もあります。

 

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 ここにも真っ白なレウココリネもあります。

 

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 花の色違いを並べてみましょう。白いのは花弁の形も他のよりも細いから、あるいは別種かもしれません。

 

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 レウココリネはチリだけで12種類あります。見栄えがいいから、このまま園芸種になったのも納得できます。

 

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 ここのプルプレアも、もちろんきれいなのだが、最初に道路脇で見かけたコキンベンシスの薄紫のほうが個人的には好みです。

 

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 アーモンドの匂いがするというけど、少し匂う程度でアーモンドというような匂いはしません。

 

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お花畑で昼食

 ここで昼食を取ることになりました。私は皆さんから離れて、レウココリネのお花畑で食べます。

 

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 写真下が、昼飯を食べている私の目の前の風景です。日差しが強く暑い。でも、晴れていて、気持ちが良い。

 

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 海岸のほうにグアナケロ(Guanaquero)の街が見えます。

 

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 周囲の花を見ているうちに、食事は後にして、さらにレウココリネ以外の花の写真を撮ることにしました。

 

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写真上下 Rhodophiala bagnoldii

 

 レウココリネ以外で一番目立つのが黄色いロドフィアラです。これまでも何回か見かけました。

 

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 この花は今私たちがいるコキンボ州や北のアタカマ州などで見られます。

 

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 ここは黄色が圧倒的に多く、オレンジはほんの少ししかありません。ただ、図鑑などを見ると、オレンジで紹介してあります。

 

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 写真下の花はバスから降りた道路脇に、日本でいえばシロツメクサのように生えていた背の低い花で、写真で見るとキスタンテと似ていますが、実際には小さいので区別がつきます。

 

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写真上 Sphaeralcea obtusiloba

 

 写真下はスファエラルケアの白花のようです。

 

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 防寒用の起毛したブーツがここにも生えています(写真下)

 

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写真上下 Aristolochia bridgesii

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 これもお馴染みになった白いきれいな花を咲かせる灌木です(写真下)。レウココリネの咲いている斜面の下のあたりに茂みを作っていました。

 

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写真上 Cordia decandra

 

 写真下のオジロエはコキンボ州からチリの中部にかけて分布しています。数は多くないが、しばしば見かけます。

 

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写真上 Oziroë biflora

 

 私の好きなクリスタリアはだんだん見かけなくなりました(写真下)。この日見たのもここだけでした。

 

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写真上 Cristaria aspera

 

 

道の両側はノナラの花畑

 食事を終えて、さらに南に進むと両側に水色のノラナが咲いている景色が次々と現れます(12:48)

 

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写真上 Nolana paradoxa

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 こんな風景が一カ所や二カ所ではありません。バスの中からは歓声があがるが、そのたびにバスを停めるわけにもいかない。

 

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 数日前のコピアポとヴァレナールではピンク色のキスタンテが咲き、昨日あたりからノナラが増えて、逆にキスタンテの群生がほとんど見られません。

 この後も道の両側もごらんのような状態で、どこにいってもノラナのお花畑です。

 

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 トンゴイ(Tongoy)の街が見えてきました(写真下)。この街の一部は岬のように突き出ています。津波が恐いが、下の写真で見える一番高い所で五十メートルくらいありますから、何とか逃げられそうです。

 

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 街中も水色のノラナが咲いています(写真下)

 

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ノラナのお花畑

 トンゴイの街を過ぎた頃、お花畑のある所でバスを停めました(13:18)

 

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 所有者らしい人の家があるので(写真上左)、パトリシオさんが声をかけるが、なかなか人が出てこない。柵の門が開いているので私は待ち切れずに突入しようした時、オバサンが出てきて、快く同意してくれました。写真下を見れば、許可なんかあろうがなかろうが、突入しようした私も気持ちもご理解いただけるでしょう。

 

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写真上 Nolana paradoxa

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 衛星写真でこの場所を拡大して見ると、地面に筋がついていますから、どうやら畑のようです。私たちは下の衛星写真の家の近くから西()を見ています。西と南に川があり、そこまで畑が続いているようです。

 

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 すでにずっと見て来た花なのだが、とにかくここの規模の大きさに驚くしかありません。これらの写真で見えるよりも実際はもっと広大に感じます。

 

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 ここまでの道の周囲にもノラナのお花畑が広がっていたが、ここまで大規模なのは、この後も含めてここだけでした。とにかくすごい。足の踏み場もない、とはこのことです。

 

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 ずっと向こうまで続く花の洪水に一同言葉も少なく、呆然としています。

 

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 風が強く、灯りをともしたような花が激しく揺れると幻惑され、頭がクラクラする。皆さんも、写真下の花が風で揺れている姿を想像して幻惑されてください()

 

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 白い花もほんのわずかですが、あります。

 

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路肩のお花畑

  国道5号に入り、ラ・セレナに戻ります。写真下左のように道路の脇に低木が植樹されています。農業というよりも、緑化のためのようです。

 

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 道端に白いレウココリネを見つけて、停車しました(14:18)。路肩が広いのはありがたい。バスを降りるとすぐに見られるお花畑だから便利です。

 

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 午前中見られたレウココリネは薄紫の花だったがここのは完全に真っ白です、と思ったら、別種だそうです。そう言えば、午前中も白いのが混ざっていました。

 

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写真上 Leucocoryne ixioides

 

 おもしろいことに、レウココリネは道路と有刺鉄線との間にたくさん咲いているのに、柵の向こう側は意外に少ない。柵の向こうは畑になり、家畜に食われたなどの理由があるのでしょう。

 

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 パシテアも有刺鉄線の柵に沿って残っています(写真下)。踏まれたり、食われなかったからでしょう。風が激しく撮るのが難しい。

 

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写真上 Pasithea caerulea

 

 柵の内側はレウココリネのような球根植物は少ないが、スファエラルケアが一面に生えています。写真に撮ってしまうとキスタンテと似たような花に見えますが、花も小さく、背丈も低いので、容易に区別がつきます。

 

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写真上 Sphaeralcea obtusiloba

 

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写真上左 Lobularia maritima、写真上中 写真上 Senecio brunonianus

写真上右 Schizanthus porrigens

 

 そろそろラ・セレナに戻ります(14:46)。道の周囲の山には相変わらずシャボテンが多い(写真下)

 

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 これまでになかった樹木が道路脇に現れました(写真下)。アカシアです。この後の旅行でも、南部に下るにつれてアカシアが増えていきました。

 

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写真上下 Acacia caven

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ガソリンスタンドのお花畑

 午前中に訪れたトトラリージョの近くのガソリンスタンドで花を見ます。

 

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 もう見慣れた花たちだが、本当に見飽きません。

 

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写真上 Nolana paradoxa

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写真上 Solanum pinnatum

 

 ここもレウココリネの大群落です。

 

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写真上下 Leucocoryne coquimbensis

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 写真下のトゥロパエオルムは昨日は山の中で見つけて皆さんで苦労して撮った花です。意外にもこんな道路のそばの簡単に撮れる場所にも生えています。

 

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写真上 Tropaeolum tricolor

 

 皆さんはレウココリネやノラナの写真を撮っていますが、ここで良く目立つのが外来種のシュンギクです。ガソリンスタンドに近いほうの敷地には一面に生えています。

 

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写真上 Glebionis coronaria

 

 本当はこれだけの原野に外来種がデカイ顔をしているのは良くないことなのでしょう。レウココリネやノラナなど在来種を明らかに圧迫しています。私など、単純にきれないのでついこちらのほうに目が行ってしまう。

 

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 風が強く、花は一瞬も止まりません。黄色と白の花が風で全体が激しく動いている。日本の食用のシュンギクに比べてはるかに大きいし、おそらくものすごく丈夫なのでしょう。日本にも生えて、道端にこういう景色を作り出してくれないかな。

 

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 写真下はシュンギクと同じキクの仲間のように見えますが、葉を良くみると別種です。

 

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 写真下のフマリアもシュンギクと同じで外来種です。シュンギクほどにはデカイ顔をしていない。

 

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写真上 Fumaria agraria

 

 写真下のエロデゥムも外来種で、数はそれほど多くはありません。

 

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写真上 Erodium cicutarium

 

 写真下の花はガソリンスタンドの近くにありましたから、栽培品で、日本でいえば、マーガレットというところでしょう。この花の性質らしく、どれも丸くこんもりとしていて、花壇用に使えそうです。

 

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 写真下も同じくガソリンスタンドの敷地内の花なので、栽培品でしょう。

 

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写真上 Carpobrotus aequilaterus

 

 これで今日の花の撮影も終了です。

 

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 バスはやがてラ・セレナの街に戻ってきました(写真下)

 

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集合時間に遅刻

 ラ・セレナの街に戻り、皆さんの希望で中心部にあるスーパー・マーケットに寄ることになりました。

 

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 私が日本で、今泊まっているホテル・ラ・セレナ・プラザ(Hotel La Serena Plaza)をグーグルで検索したら、下記のように街の中心部にあるかのように表示されました。帰国後、調べ直すと、同じ名前のホテルがあるのではなく、グーグルの間違いだとわかりました。知り合いに話したら「グーグルでは珍しくもない」とのことでした。

 

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 市の中心部のホテルと思い込んでいた私は、昨日ホテルに到着した時、月枝さんに「ホテルが変わったの?」と質問したくらいです。街の中心部のホテルなら散策できると期待していたのがダメだと思っていたので、ちょっと街の中を歩けると聞いて、私は大いに喜びました。バスから見た範囲では危なそうな街ではありません。

 

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 街の中心部でバスを降り、皆さんはスーパーに、私はパトリシオさんと一緒に近くのラ・レコパ市場に行きました。街中のホテルに泊まるなら、散歩コースの候補にあげていたのが、この市場です。

 

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 市場は私の予想と違い、生鮮食品を売っている市場ではなく、専ら土産物などを売る小さな店が集まった商業施設でした(写真下)。被写体としてはおもしろい。パトリシオさんがアルパカの襟巻などを紹介してくれました。肌触りはさすがだし、値段も安いが、デザインが私の好みに合わない。

 

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 一回りして写真も撮り終えたので帰ろうとすると、パトリシオさんがちょっと待ってくれといいます。奥さんと子供にお土産を買いたいらしい。最初に買ったのは、写真下のパパイヤの加工品です(写真下)。チリはパパイヤの産地らしく様々な加工品が売られています。パトリシオさんはサンチャゴから見て南側に住んでいて、ここより寒いからパパイヤの加工品は珍しいのだろうか。

 

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 奥さんに貝のお土産を買った後、娘さんにはリュックにしようか(写真下左)、それとも小物入れにしようかと何度も迷い、ついに一つ選んだのだが(写真下右)、すぐに気が変わって、店の人に交換を申し出ています。私が集合時間が迫っていると時計を指さすが、なかなか決まらない。

 

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 集合時間にぎりぎり間に合うかどうかという時間に市場をようやく出ました。ところが、パトリシオさんは道端で売っていたアクセサリー屋の前で足を止めました・・・遅刻だ()

 

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 このアクセサリーは注文してから作るようです。完成品が写真下で、上についている蝶々のような部分ではなく、その下の透明なケースに入っている物に意味があるようです。

 

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 集合時間に完全に遅刻ですので、私も開き直って、彼女の作業を見ることにしました。ケースの中から米のような物を出しましたので、聞くと、やはり米だそうです。その米の上に名前を書いて、これを液体の入ったケースの中に入れて密閉し、金具を取り付け、紐に結び付けて完成です。娘さんへのお土産らしい。

 

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中心街に戻る

 集合時間に遅刻した私とパトリシアさんを乗せて、バスは五時すぎにホテルに到着しました。夕飯の七時まで約二時間もあるから、散歩に行きたい。しかし、このホテルの周囲はすでに二度回ってみたが、海があるだけで花が咲いているのも限られています。私は、先ほど訪れた街の中心部を散歩するために、タクシーを呼んでもらうことにしました。ところが、料金を聞くと、私の手持ちのお金では行けるが戻れない()。水代しかいらないだろうと、空港で五千円ではなく三千円しか換金しなかったのが敗因です。

 諦めようと思ったら、月枝さんから、お客さんの一人がお金を貸してくれるという提案があり、私はありがたく申し出を受けました。

 

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 私は貸してもらったお金をしっかりと握りしめ()、ホテルが呼んでくれたタクシーで出発です(写真上)。ただし、この車はタクシーではなく、ホテルの知り合いがバイトでしている白タクです。安全でぼらなければ何でも良い。

 往きのホテル・タクシーは4000ペソ(960)、帰りの本物のタクシーは3500ペソ(840)でした。下の衛星写真のように、距離は34kmで、歩いて行けない距離ではないが、時間がありません。

 

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 結局、ラ・レコピ市場に一時間ほど後には戻ることができました。車を降りたのが、市場の隣にあるサン・アグスティン教会の前です(写真下左)。教会は興味がないので無視。先ほど市場の内側は見ましたから、この周囲を回ってみることにします。

 

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 下の衛星写真の朱線が私が散歩した道です。この衛星写真の少し西側には大きな公園があり、そこに日本庭園もあります。しかし、日本でグーグルのストリート・ビューでこの庭を見た時、日本庭園を見慣れている日本人にはあまり魅力的ではなかったので、省略しました。

 

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 市場からアルマス広場までの通りは中心街だということあり、建築の制限があるのか、大半が二階建てのみで、整備され小奇麗です(写真下)。警察も巡回しており、治安はよさそうです。

 

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 市場の建物の北側に通路を行くと、隣の建物の入口があり、入ると、そこは大きなスーパー・マーケットです(写真下)。ここは他のお客さんたちが先ほど訪れたスーパーとは別です。

 

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 私はどちらかというと整然としたスーパーよりも、雑然とした屋台売りのほうが好きなので、スーパーは素通りして、路地裏を周ります。ほら、美脚のお姉さんたちが迎えてくれます(写真下右)

 

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 スピーカーから大音声の音楽を流している店が何軒かあります。いずれも肉屋でした(写真下)。理由は不明。

 

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 意外に露店が少ない。ここは市の中心部で繁華街であり、多くの人が行きかっていますから、当然、露店がたくさんあるのではないかと期待しましたが、少ない。写真下左は歩道で売っていた果物屋です。右の黒いジャケットが売り手、左の女性二人が客です。

 

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 写真下左では、大きな店の真ん前の歩道に台を出してアメを売っています。場所は良いが()、あまり売れてなさそう。

 

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 街並みはどちらかというと欧州風で、唯一、南米的なのが写真下左です。もっとも、これが何なのかはよくわかりません。チリ人は人種的にスペイン系が多いから、街並みはスペイン風なのでしょう。スペイン人が持ち込んだ風邪などのウイルスに原住民のインディオには免疫力がなかったので激減し、中には絶滅した種族もいます。

 

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 花屋には特に珍しいような花はみかけません(写真下)

 

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 花屋を除いて、街で見た唯一の花が写真下で、後で月枝さんからアカンサス・モリス(Acanthus. mollis)、和名はハアザミだと教えてもらいました。スペインのカナリア諸島でも花壇に植えられていました。

 

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 市役所から市場の間はけっこう高級な店が多いが、そこから少し南に下ると庶民的な店が目立ちます(写真下)。道は狭いが、犬クンも寝ており、こちらのほうが私の好みに合う。

 

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 人だかりのしている店があるので、私も一緒に入ってみると、パン屋です(写真下)。種類に限らず、重さで売っているらしい。きっと安くて庶民の味方なのでしょう。

 

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 七時までにホテルに戻らなければならないので、タクシー乗り場に行きました。タクシーがたくさん走っているので、簡単に乗れるだろうと行ってみると、長い列ができています。しまった!夕方の帰宅ラッシュに巻き込まれたのだ。

 

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 オジサンが一人いて、どうやら、この人がここの手配をしている(写真下左)。だが、客がタクシーに乗ろうとしなかったり、空のタクシーがどんどん通り過ぎていく。バス停で待っている人のところに突然タクシーが乗りつけて、乗せていく(写真下右)。しかも、近くではタクシーの運転手が、夕方のかき入れ時なのに暇そうにしている・・・どうなっているんだ?

 

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 しばらく見ていてようやく理解しました。ここには普通のタクシーと乗り合いタクシーがあるのです。車の上に番号がついているのが乗り合いタクシーで、私がたくさんタクシーが走っていると思ったのは乗り合いタクシーでした(写真下)

 

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 ラ・レコピ市場の近くで配車をしているらしいオジサンにホテルのカードを示すと、近くで暇そうにしていた運転手を呼び寄せ、彼はケータイの地図で場所を確認し、すぐに乗せてくれました(写真下)

 

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 七時からホテルのレストランで夕飯です。私はリーダーの月枝さんとお金を貸してくれたお客さんにお礼を言いました。運動したので、お腹がすいた。チリ料理はどれも癖がなく、無難に食べられます。

 

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 ドリンクが付くというので、メニューから選んだのがPapというチリのジュースです(写真下)。チリでたくさん栽培されているパパイヤのジュースだというから期待したのですが、子供の頃に飲んだ駄菓子屋の色付きジュースと同じ味がしました()

 

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 写真下はストーブです。下のタンクにプロパンガスのボンベが入っており、熱風は上の傘の下から噴き出てきます。私のすぐそばにあったので、一人で暖かい思いをしていました。

 

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 明日はこのホテルをたつので、荷物の整理をしなければなりません。いずれしろ、連泊は楽だ。

 

 

 

 

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