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8日日 2009720(月) 

宝興 → 成都

 

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7:00に起床。夜のうちに小雨が降っていたようです。ホテル前の道路と河の間が公園になっていて、パンダやこれを世界に紹介した人の石像が立っています(写真上)。河は昨夜のように霧であって、なかなかきれいです(写真下)

 

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 ホテルの隣のレストランで食事(8:00)。ホテルではよくあるタイプの朝食です(写真下右)。旅行中、ホテルの朝食は一般においしくありませんでした。その理由は、並べられている料理が、おそらく前日に作ったものをそのまま並べているからでしょう。熱いのはお粥くらいで、新鮮な果物もなく、色しかついていないお茶では、胃も頭もすっきりしません。

 

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 今日の予定は、宝興をこのまま南下して、高速道路のある雅安を経由して成都に行きます。しかし、実際には道路工事の渋滞で、雅安の南にある榮経を経由して雅安に行きました。では、出発です(9:02)

 

 

 

大理石の街

 川に沿って道は高度を下げていきます。高度も千メートルを切っていますから、昨日までのように切り立った山ではありません(写真下)

 

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 走り出して間もなく、烏里さんが道路の土手のヤブの中にリーガル・リリィを見つけました(9:16)。土手の上なので、とてもそばまでは寄れません(写真下)。このユリはこのあたりでは雑草のように生えているのでしょう。昨夜泊まったホテルの部屋の窓を開けると、道路の向こうが崖になっていて、そこにリーガル・リリィがいくつも咲いていました。

 

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 さらに進むと山が開け、平地が多くなり、街があります。ここは大理石の産地らしく、道路の両側には石材屋が並んでいます(写真下)

 

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 道路を走っていても、石材を満載して、後輪のタイヤが潰れたまま走っているトラックを見かけます(写真下)

 

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 街の中に入ると、さらにこれを細かく加工する業者や像を造り売る店が並んでいます(写真下)

 

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 中国では、家の外も生活する一部で、車が走る道路に面した所で食事をとっているのは珍しくありません(写真下)

 

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墨絵のような風景

 街をすぎると、道は霊関河に沿って再び深い峡谷に入りました。まるで墨絵のように美しい光景があり、停めて写真を撮ました(10:15820m)。深い峡谷と、川からも山からも霧や雲がわき上がり、墨絵そのものです。

 

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 中国の墨絵は誇張して描いたのだろう思っていたら、現実だったのだと眼前で見せられて驚きました。こういう光景を描けば、たしかに墨絵のようになります。霧が流れて、風景は刻一刻と変わっていきます。

 

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 山の斜面をよく見ると、目立つのが竹林です。道路の脇にも竹が生い茂っています。日本と比較にならないくらい広い範囲に竹林が広がっています。目でみただけでも、竹に何種類もあるのがわかります(写真下)

 山が切り立っているので人の立ち入りが難しく、湿気が十分にあり、これだけ竹が豊富なら、パンダが生き残れたのもわかる気がします。

 

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 墨絵の世界を抜けて山から下りると、再び、のんびりした農村風景の中を走ります。写真下左では、少年が何か作業をしています。なんだろうと良く見ると、鳥の毛をむしっていました。家のお手伝いでしょうか。

 

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 所々、また道路工事中です。写真下左は、道路の右側の舗装のやり直しをするために、壊しているところです。ただの道路でも、竹藪が道路をおおい、なんとなく風情があります。

 中国のバイクは四人乗りはそれほど珍しくありません(写真下右)。ごらんのようにヘルメットなんてせず、我々の車を追い抜いていくのですから、事故が起きたら怖い。世界中で中国が最も交通事故の件数が多いのは、単に人口が多いからだけではなさそうです。

 

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蘆山という街に入って、街中でまたしても工事による渋滞のようです。こういう時は車を降りて散策するのが一番です。旅行の人数が少ないと乗り降りが自由なのがいい。

 車が停まった地域は木の彫刻やおもしろい形をした根などを売る店が軒を連ねています(写真下)

 

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 建物には黒いレンガに目地を白くするような作りで統一され、町並みにアクセントを与えています(写真下)。康定に行く途中でも同じレンガを見かけましたから、このあたりの習慣なのでしょう、

 

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 高速道路に乗る雅安まであと少しという分岐点まで来たところで大渋滞です(10:44)714日に雅安から康定に向かった時も、高速道路をおりたとたん道路工事で大渋滞でした。そこで渋滞を回避するために、まっすぐ雅安に向かうのではなく、いったん南に下り、滎経という街を迂回することにしました。

 

 

 

田舎町の市場

 河に沿って、農村風景の中を南下します。滎経の手前の通りかかった村で市が立っており(写真下)、降りて見学することにしました(12:10-12:37)。私はこういうのを見るのが好きです。人々の暮らしを知るには市場と食べ物とトイレです。

 

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 通りの脇に常設の市場があるようですから、まずそちらから見ることにしましょう。

 

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写真上左は豆腐で、写真上右はコンニャクのようなブヨンブヨンした何か、写真下左はコンニャクのように見えますが、これも正体は不明。お総菜もうまそうだが、どれも容器の色と同じで辛そうです(写真下右)

 

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 ここは肉類の食材です(写真下)。どれもこれもきつね色でうまそうだが、これも辛そうです。

 

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 料理前の生肉もぶら下げられています。豚足までぶら下がっていて、わかりやすい(写真下右)

 

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 すぐそばを河が流れていますから、コイのような魚が生きたまま売られています(写真下)

 

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 写真下左のおばあさんが持っているのはアヒルの幼鳥でしょうか。気になるのは、写真下右のカゴに入っていた子犬で、明らかに売り物でしょう。中国では犬を食べる習慣がありますから、犬が売られているのは不思議ではありません。羊頭狗肉という諺の狗肉とは犬の肉だと言います。

 犬を食べる習慣を聞いて眉をひそめる日本人も多いようです。しかし、日本では保健所で年間すごい数の犬や猫が、処分という名前で殺されているのも事実です。

ただし、この子犬は食肉用ではないでしょう。子犬を食べるというのはあまり聞いたことがないからです。ネット上での旅行記などを見ると、成犬を丸焼きにして道端で売っているそうです。ですから、この子犬がこのまま今すぐ食われることはありませんが、大きくなったら・・・。

 

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 犬の将来は考えないことにして、市場の次の通路に行くと、そこは衣類のコーナーです。オッサンが暑そうに腹を出したままでいるのを撮ったら、見ていた奥さんが「あんた、写真に撮られているよ」とでも言いながら、笑っていました(写真下左)

 

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 写真下右は、このオジサンの手作りの刃物のようです。豚肉など骨ごと切れそうです。

 

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 通りに出ると、こちらも両側に店が出ています。

写真下は日本ではまずみかけなくなった足踏みミシンです。オバサンにカメラを向けたら、恥ずかしがって正面からは撮らせてくれませんでした。

 

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 スイカ、スモモ、モモなど、地元で採れたらしい果物が並んでいます。

 

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 写真下は野菜の種と農薬です。道端で農薬が売られているというのも、日本人にはちょっと違和感があります。

 

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 赤ん坊用の手作りの靴を売っていました。どうやら、このオバサンのオリジナルのようです。かわいらしく、なかなかセンスがいい。ネットで売ったら、よく売れそうです。

 

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 口腔科(歯科)と美容院が同じ店の並びにあるのがいかにも中国らしい。

 

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 麻雀をしたり、おしゃべりをしたりと市場は人々でにぎわっています(写真下)

 

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渋滞で遠回りをしなければ通過することもなかった小さな町の市で、人々の生の生活を見られてラッキーでした。

 

 

豚足はうまい、でもあたった

滎経に到着して、街の中の食堂で食事をとりました(12:48)。食堂の並ぶ通りをみてください(写真下左)。赤色で統一され、見ただけで、これらの食堂が激辛なのがわかるほどです。その一つのジャージャー麺を看板にしている店に入りました(写真下右)

 

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 店はテーブルが五つほどあるだけで、入り口は開け放たれ、蒸し暑いのにクーラーなんてありません。店には他に腹を出したまま麺を食べているオジサンが一人いるだけです。(写真下)

 

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 写真下左が辛さを極力なくした私のジャージャー麺で、もちろん特別注文です。写真下右の烏里さんが食べているのがこの店の「正しいジャージャー麺」です。

 

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 この店では、山菜を利用した自家製の漬け物をいろいろと作っているようです(写真下左)。オバサンが材料らしいものを持ってきていろいろと説明してくれましたが、よくわかりません。

 

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 写真下の漬け物はこの店で作ったもので、山野草をつけ込んだものだそうです。辛いのに躊躇していた私ですが、自家製の珍しい漬け物と聞いて、ちょっとだけ食べてみました・・・うまい!なんだ、うまいじゃないか。辛いけど、我慢できないほどではないし、なによりも辛い中にもうまみがあります。ここのオバサンは漬け物が上手です。しかも、これはサービス、つまり無料だそうです。

 

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 さらに出てきたのが、豚足です(写真下左の真ん中の皿)。先ほど見た市場でぶらさがっていたアレです(写真下右)

 

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女性たちは見た目に遠慮しているようですので、私は遠慮しないことにしました。うまい!ほとんど私一人がパクパクと食べて、私の皿には豚足の骨が山と積まれました(写真下)

私は大満足だったのですが、この後、成都のホテルに到着したら、トイレに二度も駆け込むことになりました()。でも、やはりうまかった。

 

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 滎経は来る予定のなかった街で、たぶん二度と来ないでしょうが、漬け物と豚骨がうまかったのと、腹をこわしたことで、強い印象を残しました()。昨夜の宝興の食堂での食事と、この店の食事は今回の旅行でも三本指に入ります。

最後に、忘れずに店のトイレによりました(写真下)。え?これは調理場じゃないかって?そのとおりなのですが、お姉さんの左隣の一区画がトイレで、ドアの端が写っています。私は中を見て、用を足さずに出てきました。

 

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 滎経を出発して、高速道路に乗るために雅安に向かいました。途中、都市部に入るために洗車しました(14:01-14:19)。洗車専用の店が道路の所々にあるようです。

 

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 蒸し暑いし、店の建物の中はあまり小ぎれいともいえないので、すぐそばの川のほうに下りていきました(写真下左)。川縁にはヒルガオのような花が、道ばたには植えてあるタチアオイが咲いています(写真下)

 

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 成都からの高速道路は雅安で終わっています。地図を見ると、ここからさらに五百キロも南の昆明まで延長する予定のようです。その一部なのか、下の写真のように建設が始まっています。

 

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 雅安の高速道路の手前の街中で突然料金を取らました(14:30, 30)。日本では考えられないことで、地元の自治体の金稼ぎのようです。

 雅安の高速道路に入り(14:34)、途中休憩をしながら、成都市内で高速道路を降りて(16:2555)、今日の宿泊予定のホテルに到着(16:41、写真下)

 

 

成都に到着

 蜀峰花園酒店は改装して間もないというだけあって、清潔ですし、大都市の真ん中にあるホテルにしては部屋も広く、ネットも接続できますから、申し分ありません。

 

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洗面所の床には「小心地滑」とあります。床がすべるから注意しろという意味でしょうが、日本語読みすると、小心者は地滑りだ、などというお笑いの意味になります()

 

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 このホテルは立地条件も良く、武侯祠博物館という名所旧跡の近くで、周囲は繁華街で、スーパーもコンビニもすぐそばにあります。これだけ設備がよく、立地条件もよい三つ星ホテルであるにもかかわらず、ネット上での日本人からの評判は低いようです。その理由は写真下左のバスルームです。ガラス張りでなかなかきれいなのに、ごらんのようにバスタブがありません。これが不人気の理由のようです。風呂好きの日本人にはたしかにマイナス点なのでしょう。夏の暑い時期ですので、私は文句はありません。

 

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 烏里さんから、このホテルの備え付けのお茶はおいしいから飲んでみろ、と勧められました。たしかに、普通のホテルでは、いかにも安い感じの紙の袋に入ったジャスミン茶などのティーバッグが置いてあるのに、ここは密封された二種類のお茶がうやうやしく置いてあります。

 

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 写真上のお茶の内、緑の袋の緑茶を入れてみました(写真下)

 

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夜の錦里

 夕飯はホテルから歩いて十分ほどのレストラで食事とりました(19:00)。カラー印刷のきれいなメニューがあるので、雰囲気から「日本のファミリーレストランみたいなものですね」というと、烏里さんは「違う」と言います。中国ではこれは高級レストランであり、ファミリーレストランのように家族でちょっと食べに来れるような所ではないといいます。言われてみれば、メニューの料理の値段は日本的に見ても安くなく、中国の物価を考えたらかなりの値段です。

 

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烏里さんが選んだ料理の中で一番驚いたのが、写真下のドクダミの生食です。食べてみると、間違いなくドクダミです。中国では生食用に栽培しているそうです。日本ではドクダミ茶があるくらいで、生食は聞いたことがありません。高級レストランなので値段は高いのに総じて辛く、滎経の昼食や昨夜の食事に比べるとインパクトはいまいちでしだ。どうも私は高級レストランよりも庶民の食堂のほうが口に合うようです。

 

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食事の後、散歩をかねてホテルの近くの錦里古街に行きました。

 

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(http://www.cdjinli.com/から転載)

 

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錦里(Jinli)は漢や泰の時代からあった商業地で、唐の時代には成都の代名詞だったというのですから、二千年もの歴史を持っていることになります。しかし、今の姿に作り直されたのは2004年です。中は、明や清時代の建物の雰囲気をそのまま残した商店街になっています。もちろん、入場は無料です。

 

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提灯がとてもこの街の雰囲気に合っていて、いいですねえ。日本の商店街などにぶらさげられた提灯はどうも安っぽくて、好きになれません。ここの提灯は形も飾り方も統一感があって、とてもよい。観光地としてはよくできていて、月曜日だというのに、大勢の人がいます。

 

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 店をのぞいて見ましょう。どの店も見ているだけで楽しくなります。

 

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 影絵、似顔絵、本屋など、どの店もとても小ぎれいです。

 

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 街全体が祭の夜のような、子供の頃に感じた浮き浮きした雰囲気があります。

 

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 中を軽く一周しただけなのに、私は錦里がとても気に入りました。ホテルのすぐそばなので、明日もう一度来ようと思いながらホテルに戻りました(20:17)

 

 

 

 

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