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5日目 2012713()

ベチョー → ウシュバ山麓ハイキング → メスティア

 

 朝七時前に起床。部屋の中は18.4℃ですから、温かくはありません。犬もニワトリも元気です。

 

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 北側のウシュバ山(Mt.Ushba, 4,710m.)も、南側に見える雪山もくっきり浮かび上がっています。

 

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 ウシュバ山は朝日と他の山の陰が映り、まるで横線を引いたようなおもしろいコントラストを作り出しています(写真下)

 

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 周囲を高い山で囲まれた谷なので、周囲の山々には陽が当たっているのに、谷間の集落にはまだ当たりません。

 

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 村人たちはすでに働き始めています。牛を上流の放牧地に連れて行きます。

 

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 やがて集落のある谷にも陽が射して来ました。

 

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 本館の食堂で朝食です。生のトマトとキュウリ、チーズとバターにパン、オレンジのように見えるのはレモンです。

 

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ハイキングに出発

 八時半にゲストハウスを出て、車で上流を目指します。上流の集落マゼリ(Mazeri)に到着(9:04)。マゼリは家もまばらで、ここを村と言っていいのかわかりません。

 

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車を停めて、ここから歩きます。

 

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 素晴らしい晴天です。東にウシュバ山が見えます。写真下の右側にあるちょっと先が突き出た山です。我々がこれから行くのは、写真中央の谷の奥です。写真左側に川が手前に流れており、そこをさかのぼり、谷の奥にある滝が見える所まで行きます。天気に恵まれて、一行は張り切って出発です。

 

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 Grand Ushba Hotelというゲストハウスを右手にみながら、いったん道は川に向かって下ります(写真下)

 

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 ダリさんが地面を指さすので見に行くと毛虫クンです。マゼリの毛虫クンに見送られながら、さらに川のほうに坂を下ります。

 

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 川に下る斜面にもいろいろな花が咲いています。

 

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写真上下 Sedum pallidum

 (The Caucasus and its Flowers, p.117)

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地面に生えているゼニアオイは、日本のそれに比べて色も薄く、ピンクがきれいです。

 

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 写真下の花は草花ではなく、低木の花です。とても小さい。

 

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 川を渡り、川の西側を上流に向かって歩きます。

 

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 川を渡った所に標識があり、「Ushba Glacier(ウシュバ氷河)」と書いてある北に向かいます。氷河もあるらしい。これだけの谷があるのに水が白濁しているのが気になっていたが、氷河からの水と聞いて納得しました。

 

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 このまま川に沿って北上します。最初の4kmほどはなだらかな丘陵なので、それほど大変ではありません。しかし、途中から山の斜面を行くので、道はやや険しくなり、山道を2kmほど行った先にあるロシア軍の小屋のあたりまで行きます。

 

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 私以外のお客さんたちはトレッキング派で、世界のあちらこちらの山に登ったことのある強者ばかりですから、見事に晴れた山に闘志満々です。日本からここまで来るのに丸四日かかって、やっと山歩きができるのですから、彼らは歩きたくてしかたない。山道にしては平坦なので、彼らは猛烈な速度で歩き始め、私は猛烈に写真を撮り始めました。

 白いノコギリソウです(写真下)。私の図鑑には白いノコギリソウは載っていません。

 

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 私は最初からグループから脱落し、遅れ、遅れて、やがて皆さんの姿が見えなくなりました。私は遅れないようにと気を遣う必要もなくなり、花の写真を撮るのに専念できて、とても楽です。

 

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今日は、滝の見える所までの往復です。私は光田さんに、私が目的地に到着できなくても、帰りに拾ってくれるように伝えてあります。ですから、私は存分に先頭から後れて花の写真が撮れます。

 

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写真上 Cynoglossum officinale

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.175)

 

 写真下の花は、イメージ的にはカキドオシを連想させます。しかし、花はピンク色でもっとしっかりしており、長くのびてカキドオシのように小柄ではありません。

 

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写真上下 Calamintha grandiflora

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.185)

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 周囲はお花畑というほどではないものの、それなりに花が咲いており、私の進み具合は当然、遅い。ずっと先まで見通せるのに、もう誰も見えません。

 

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 写真上と下では大きさも葉の形も違い別種でしょう。

 

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 さらに写真下では茎が黒っぽく、写真上とも種類が違うように見えます。

 

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 シソの仲間はたくさんあって、どれも区別が付きにくい。

 

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写真上 Ballota nigra

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.179)

 

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 写真上と下はどちらもシソの仲間で、花はとても似てはいるが、良く見ると、写真下は花がまとまって咲いている点や、花弁の下に突き出ている部分に切り込みがあるなど、別種と思われます。

 

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写真上 Rhinanthus vernalis

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.207)

 

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 ジョージアの花は日本でも見られるような花がたくさんあります。こういう中、日本ではまず見られない花もあります。それが写真下です。

 

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写真上 Verbascum speciosum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.203)

 

 写真下は写真上と良く似ていますが、花が少ないのと、葉が違うので、別種でしょう。写真上は葉が大きく、毛が生えているが、写真下は葉に照りがあります。

 

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写真上 Verbascum pyramidatum

 (The Caucasus and its Flowers, p.245)

 

 さらに写真下も一見似ていますが、花の付き方が違うので別種ではないかと思います。

 

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 昨日夕方、ゲストハウス近くの川の土手で見かけたジキタリスです。昨日のほうが圧倒的に数が多い。

 

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写真上 Digitalis ciliata

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.195)

 

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どこにでもあるキンポウゲであるだけに、種類を判断するのはかなり難しい。

 

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 写真下はシソの仲間です。ここではこんな程度でさえませんが、後日、ウシュグリのタマラ女王の城跡でサクラソウのように一面に咲いているのが見られます。

 

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写真上下 Betonica macrantha

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.189)

 

 これもどこにでもあるオトギリソウの仲間です。

 

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写真上 Hypericum perforatum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.135)

 

 クタイシのバグラティ大聖堂でも見た白いマツムシソウです。

 

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写真上 Cephalaria gigantea

 (The Caucasus and its Flowers, p.271)

 

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 タンポポともジシバリともとれるような花がたくさん咲いています。区別がつきません。

 

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写真上 Tragopogon reticulatus

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.269, The Caucasus and its Flowers, p.417)

 

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写真上 Senicio sosnowskyi

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.261)

 

スイバの仲間はあちこちにたくさん生えているのですが、何せ花が地味で、ほとんど枯れたようにしか見えないこともあり、つい撮るのを忘れてしまいます。しかし、この枯れた穂のようなのは立派な花です。

 

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写真上 Rumex alpinus

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.33)

 

 ゲストハウスの庭にも生えていたウツボグサです。日本のウツボグサよりも紫色がきれいで、こちらのほうが私は好みです。

 

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写真上下 Prunella vulgaris

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.189)

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 白いウツボグサもあります(写真下)。たぶん、色が違うだけで同じ種類なのでしょう。

 

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写真上 Lysimachia verticillaris

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.159)

 

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写真上下 Genista flagellaris

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.99)

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ゲストハウスにもあったゲンノショウコです。やはり、きれいなピンクです。

 

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写真上 Geranium pyrenaicum

 (The Caucasus and its Flowers, p.164)

 

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写真上 Geranium robertianum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.119)

 

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 写真下は大きさも形も色もとても目立たないが、独特の花の形をした植物です。いくつか花を見ても、どれが開花した状態なのか、咲き終わりの状態なのか、よくわからない。

 

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小さな教会

 山道の向こうにちいさな建物がポツンと建っています(写真下)。山小屋にしては村に近すぎます。小さな教会でした。こういう素晴らしい自然の中で結婚式をあげたら、女性には受けるでしょう。でも、ここに来るまでが大変です。

 

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 失礼して、ちょっと中に入ってみましょう。祭壇以外は何もありません。教会にありがちなあの威圧的な雰囲気がなくて、なかなか良い。

 

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写真上 Senecio rhombifolius

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.263)

 

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写真下のランは道のあちらこちらで良くみかけます。今がちょうど開花時期のようです。日本でいえばハクサンチドリでしょうか。

 

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写真上下 Dactylorhiza urvilleana

 (The Caucasus and its Flowers, p.367)

 

 薄いピンク色のもあります。さすがに数は少ない。

 

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 時々、やぶの中から牛が現れるので、挨拶しようとしても、彼らはさっさと逃げます。人に飼われていても、用心深い。

 

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 背の高い樹木だけでなく、ハイビャクシンのように背の低い木も生えています。

 

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 道はほぼ川に沿っています。支流ができて川の流れがゆるくなっている中にハナダイコンのような薄紫の花が咲いています。これはここにしかありませんでした。

 

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写真上 Cardanine seidlitziana

 (The Caucasus and its Flowers, p.107)

 

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写真上 Myosotis alpestris

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.177)

 

紫色のフウロソウは道のあちらこちらで群生しているのを見かけます。

 

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写真上下 Geranium renardii

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p., The Caucasus and its Flowers, p.)

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何種類かチョウを見ましたが、花の多さに比べると、それほど多くはありません。

 

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 写真下左は羽に角度がついていて、日本でいえばキマダラセセリに似ています。

 

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 シロチョウは日本のスジグロシロチョウみたいに羽に紋は何もなく、筋が黒いだけであとは真っ白で、やや大型です。ウスバシロチョウを小さくしたような印象です。

 

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 写真下左は、羽の先がとがっていますから、ツマキチョウの仲間でしょう。写真下右は、もちろんチョウではありません。

 

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薄ピンクのノイバラ

ここのノイバラは日本のに比べて花が大きい。

 

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写真上下 Rosa oplisthes

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.91)

 

 ご覧ください。薄いピンク色のノイバラです。

 

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 日本にも高山にはピンク色のノイバラがあるそうです。ここにも写真下のようにピンク色のバラもあり、とてもきれいですが、私が感動したのは、桜貝のようにかすかに染まった薄いピンクです。

 

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 バラと出会うたびに私はしっかりと香りを吸い込みます。頭の奥を直撃するような香りにクラクラします。私は本物でもバラの香料は好きではありません。ところが、生のバラの香りは大好きです。両者は同じなはずなのに、何が違うのか未だによくわからない。

 

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 写真下のバラは、写真上に比べてややこぶりです。葉の形が違うので別種でしょう。

 

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写真下のキノコかと思うような奇妙な花は良く目立ちます。まだ葉が開いていないようです。

 

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写真上 Sempervivum caucasicum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.77)

 

本物のキノコは季節的にもあまり多くは見かけません。

 

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こちらのナデシコは日本のカワラナデシコに比べてピンク色が濃いので、草原の中でも目立ちます。

 

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写真上 Dianthus imereticus

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.49)

 

 数が少ないが、白いナデシコもあります。

 

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 写真下はオミナエシに似ています。

 

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写真上 Pastinaca armena

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.151)

 

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 地面を這うように生えている姿はオヤマノエンドウのようですが、花はずっと地味です。

 

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 日本でも良くみかけるツルフジバカマです。

 

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川沿いの道

 川のそばにいくと気温が下がるのがわかります。氷河から流れているというくらいで水が冷たいのでしょう。水は薄緑色に近く白く濁っています。

 

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 亜高山や高山ではおなじみのヤナギランです。群生することが多いのに、ここでは数そのものが多くありません。

 

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写真上下 Epilobium angustifolium

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.141)

 

 ヤナギランは大柄なのが多いのに、写真下の河原の砂地に生えたヤナギランは、栄養がないせいか、とても小さい。葉なども違いますから、上とは別種のようです。

 

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写真上 Epilobium dodonaei

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.141)

 

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 写真上左は水が流れていますが、道です。上流に行くにつれて所々に水が流れていて、通れない所があります。そういう時は、ものすごく混み合った林の中に脇道が出来ていて、枝にぶつかりながら、強行突破します。

 

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写真上下 Aconitum orientale

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.55)

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写真下は背丈は数十センチの小さな花で、花はヤグルマギクに似ていますが、背が低い。草の中にたくさん生えていました。

 

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写真上下 Centaurea saliclifolia

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.245)

 

 こちらはアザミです。ここで見かけたのは日本人にはおなじみの赤いアザミです。昨日行った河原にあった豚も喰わない薄緑色のアザミはまったく見かけません。

 

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 インドの花の谷でも見かけた大柄なキキョウの仲間です。ここでも紫色が鮮やかです。

 

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写真上 Campanula latifolia

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.221

 

 こちらは花の形がキキョウに似ているが、小柄で別種でしょう。

 

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写真上 Campanula collina

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.225, The Caucasus and its Flowers, p.273)

 

 昨日の散歩で庭にあったデルフィニウムが一本だけありました。

 

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写真上 Delphinium bracteosum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.57)

 

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シロツメクサはたぶん日本のように帰化植物ではなく、元々の野生だと思います。

 

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 シロツメクサの仲間は、白と赤の他に、黄色もあります。しかも、下の写真は、上段と下段で別な種類のように見えます。

 

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 日本でも牧草として輸入されたアカツメクサです。

 

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写真上 Trifolium pratense

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.113)

 

 写真下は、花のイメージと葉はレンゲ(ゲンゲ)に近い。

 

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写真上 Silene compacta

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.45, The Caucasus and its Flowers, p.102)

 

 

山道を登る

 川に沿っていた道が途中から山の斜面を登る急な上り坂になりました。今までは川に沿っていることもあり、わりと平坦でした。この日のハイキングではこの坂道が一番きつかった。振り返ると、今まで歩いて来た道のある川が見えます(写真下右)。あの川からここまで上るのですから、けっこう大変です。帰り道、ここを通るとジョージア人らしい若い人たちが疲れ切った様子で一休みしていました。

 

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 黄色いシャクナゲでしょう。残念ながら、花はほとんど残っていません。

 

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写真上 Rhododendron Iuteum

 (The Caucasus and its Flowers, p.191)

 

 山の上からの涸れ沢があるのが見えます(写真下右)

 

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 登りが終わり、山の斜面に沿って、川と平行に谷の奥に進みます。森の中の道なので、花は多くありません。ただ、日陰が多い分、今までとはちょっと種類の違う花が咲いています。

 

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写真上左 Paris incompleta

 (The Caucasus and its Flowers, p.353)

 

 

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 上と下で花は良く似ていますが、葉を見ると、上が三角形で下が丸ですから、別な種類です。

 

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写真上 Rhynchocorys elephas 

 (The Caucasus and its Flowers, p.251)

 

 木陰にリンネソウが咲いています。

 

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滝が見えて来た

 やがて反対側()の山の斜面に二つの滝が見えてきました。今回の終点は「滝の見える所」ですから、そろそろ目的地が近いはずです。

 

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 林の木漏れ日の中に見事なヤマブキショウマが咲いています。

 

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写真上 Aruncus vulgagaris

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.91)

 

 たった一本見つけたオダマキです。

 

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写真上 Aquilegia caucasica

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.57)

 

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写真下は日本でも良くみられるオオイヌフグリです。かわいいですね。写真下右に写っている葉は他の植物の葉です。

 

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 写真下に花はオオイヌフグリなのに背が高く、30cmほどもあり、日本のヤマクワガタに似ています。

 

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写真上 Veronica peduncularis

 (The Caucasus and its Flowers, p.249)

 

 

ようやく到着

 斜面を下りて川を渡り、滝のある東側に行きます(写真下)

 

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 斜面を少し上がると森の中に小屋があり、大きな犬がいます(写真下)。誰かが住んでいるのだ。鎖でつながれているからいいが、大きいだけでなく激しく吠えるので恐い。

先に行った皆さんはそのあたりの木陰で食事を取って、そろそろ戻ろうとしていました。私はここに来る途中、歩きながらキュウリやトマトなど水っぽい野菜で昼食をとりましたし、ここはめぼしい花もないようですから、いつでも引き返せます。

 

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 ここから写真下の滝まではさらに往復一時間ほど歩くそうで、一部の人たちは滝の近くまで行ったようでした。

 

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 滝の近くまで行った人たちが戻ってきたので、帰ることになりました。

すると、馬を連れ、銃を持った人たちが現れました(写真下)。登って来る途中でも、同じように格好の人たちが下山していくのと会いましたから、彼らかもしれませんが、馬の数が違うような気がします。こちらの入山許可証を調べているようでした。

 後で光田さんの話でわかったのは、彼らはロシア兵であり、山小屋のように見えたのは彼らの基地でした。ロシア兵がなんでこんな所にと思いますが、何年か前、ジョージアは南オセチアを巡ってロシアと戦争をして負けています。この山の向こうはロシアとの国境です。

 

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 私が登って来る途中で会ったロシア兵は、写真を撮ろうとすると拒絶しましたから、撮影禁止のようです。では、上の写真は何なのでしょう?カメラのシャッターが何かにぶつかり、たまたま撮れてしまったようです、ということにしておきます。

 

 

では、戻りましょう

 川を渡り、来た道を引き返します(写真下)

 

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 今度は遅れてもいいことにはないから、ついていかなければなりません。と言われても、やはり写真を撮るから遅れます。

 

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 カンカン照りで、とにかく暑い。もちろん雨が降るよりははるかにましです。私は500mLのペットボトルを2本準備し、この日だけで800mLほどの水を飲みました。日本からポカリスエットの粉末を持って来たのは正解でした。それでいて、ほとんどトイレには行っていない。つまり、汗となって大半が蒸発したことになります。

 

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 この上スヴァネティ地方は地形的な理由から犯罪者たちが逃げ込み、隠れ家になっていて、住民や観光客を脅かしていたといいます。2004年に掃討作戦が行われてから、観光客も旅行ができるようになったというのだから、わりと最近まで危険地帯だったようです。

 

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 木の陰で一同が休憩しました。出発しようと皆さんが立ち上がった時、同行している山岳ガイドが地面の石をはがして、その下に何か捨てて石を元に戻しました。私がこういう面白い光景を見逃すはずはありません。

 

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皆さんが行った後、私は最後に立ち上がり、その石を取り除き中を見ると、光田さんが疲労回復に皆さんに配ったアメの袋でした。ビニール袋は埋めても腐らないことを知らないはずはありません。山岳ガイドはこの自然のおかげで飯を食わせてもらっているのだろうに、どうも彼らの意識はまだまだのようです。

 

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 突然、後ろから大きな犬が現れ驚きました(写真下左)。どうやら、馬に乗った人たちの飼い犬らしい。こんな所を馬に乗ったら気持ちが良いでしょうね。花も撮り終えたし、いい加減くたびれたので馬に乗って帰りたい。

 

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 山を下り、出発地点に近づくにつれて、板で囲われた牧草地が現れました。これは牛などが入らないようにして、冬用の牧草を育てているのでしょう。たぶん一ヶ月前はここはお花畑だったはずです。

 

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 橋を渡り坂を上ります。ここまで来ると、もう到着したかのように気を抜いたので、最後の坂が意外にきつかった。水を飲みながら、ようやく車まで到着しました(15:35 1595m)

 

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車でゲストハウスに戻り、スーツケースなどの荷物を積み込み、ベチョーを出発しました(16:16)。ベチョーからメスティアまでは1時間もかかりません。地図を見ればわかるように、メスティアはベチョーの隣の谷です。

 

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メスティアに到着

一時間ほどで今日の宿泊地のメスティア(Mestia)に到着しました(17:03, 1340m)。写真下がゲストハウスへの大通りからの道です。この街では大通り以外はたいていこんな道で、車がかろうじて入れる幅しかなく、角は何度も切り返しをしないと曲がれません。しかも、角の柵の上で雄鳥がよそ者をにらみつけている。

 

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 メスティアはこの地方としては大きな街で飛行場や店もたくさんあります。しかし、本格的なホテルは昨年できたばかりなので、我々はゲストハウスに泊まります。これから観光開発をしようとしている街です。

ここもゲストハウスの名前がありません。写真下が本館で、食事などもここでとります。

 

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写真下右の階段を良くごらんください。階段が斜めなのがおわかりでしょうか。私が斜めに撮っているのではありません。

 

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 食事までまだ時間があるので、私は街中の散歩にでかけました。六時間半近く山歩きをしたので、かなりくたびれていたが、一時間ほど車で休んだこともあり、もう一時間くらいの平地なら歩けます。暑いので、水を持って出発です。

 

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 牛が街中を歩いていて、人間と同じくらいの頻度で会います。写真下の牛のいる所は歩道です。もちろん、私は牛様に道をお譲りして、車道を迂回しました。

 

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 牛はもちろんことの、犬も歩道で寝ている。ニワトリもいる。いずれも街の中心部の普通の風景です。

 

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 下の衛星写真の青い線が私の散歩コースです。

 

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 私は牛や犬を見たいのではなく、車からも見えた、写真下の斜面に建ててある塔のある所に行きたいのです。大通りに沿って、北側に抜ける道を探すのだが、見つからない。すぐそばに塔が見えるのに道がない。後でわかったのは、まるで個人の家の裏道のような道なので、見逃したのです。

 

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 通りを東にまっすぐ進むうちに警察や公園などがある街の中心部らしい所に来ました。ごらんように、モダンアートのような建物です。ジョージアでは時々こういう変わった建物を見かけます。好みはともかく、おもしろい。

 

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 公園の周囲は商業用と思われる建物が建築中です(写真下)。その一つの店が旅行者向けらしいので、この街の地図がないか尋ねましたが、「ない」という返事でした。

 

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 中心部の大通りに面した建物は個人の住宅も含めて、どれも真新しい。ここだけ見ると、メスティアは高原の避暑地という雰囲気です。

 

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 この通りで新しく作っている建物の半数は木造なのが興味深い。伝統的には石造りのように思いますが、それは写真下など一部のみです。

 

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この中心部は開発している最中なので建物も道路も工事中で、車が通るとものすごいホコリが立ち上がります。写真下左の土を見ればわかるように目が細かく、見ただけでもホコリっぽい。

 

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 大通りに面した掲示板に地図があります。だが、赤で示された現在位置が違っています。おそらくこの地図は元々赤で示された場所にあったのを、中心部の開発に合わせて、道路側に移動したのでしょう、と気がつくのにしばらく時間がかかりました。

 

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 メスティアは観光開発を進めているのでしょう。街中を歩いても、写真下のように真新しいゲストハウスとその看板が良く目立ちます。

 

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 建築ラッシュの大通りから一歩北側の裏通りに入ると、これが元々この街の姿なのだろうと思われるような古い建物と、やはり牛がいます。

 

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 結局、空き地や家の庭の花の写真を少し撮っただけで、目の前に見える塔までたどり着く前に時間切れになり、ゲストハウスに戻ることにしました。

 

 

昔のメスティア

 写真下左は、『長寿への挑戦 コーカサスの旅』(永堀善作、ダイヤモンド社、1979)という本に載ったメスティアの写真です。著者の永堀氏は1977年にこの街を長寿の調査のために訪れています。上スヴァネティ地方が長寿村として有名だったとは知りませんでした。写真下右は、背景の山の位置などから、たぶんかなり近い場所のほぼ同じ方角の35年後の写真です。

 

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  写真下左は同じく『長寿への挑戦』に載った写真で、背後の塔の位置関係から、写真下右の近くの河原で撮られた写真ではないかと思います。建物はやや増えているが、それほど風景が変わっていません。

 

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 この本で面白いのは、この街で使われていたという井戸の写真で、水が鉄分を多量に含んでいるので、赤茶けています。しかし、街を歩いた範囲では、この種の井戸にも、また鉄分を含んでいるような水にもお目にかかりませんでした。

 

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写真上 『長寿への挑戦 コーカサスの旅』(永堀善作、ダイヤモンド社、1979)から転載

 

 街の中にもこの時期ですから、それなりに花が咲いています。

 

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 ゲストハウス近くの道端にはカンゾウが咲いています。

 

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 写真下の花は英語名はRamb's ear(子羊の耳)、日本名はワタチョロギといい、花壇などに植えられ、ハーブとして用いられることがあるそうです。トルコ、アルメニア、イランが原産とも言われていますから、野生の可能性もあるが、たぶん栽培でしょう。旅行中に見たのはここだけでした。

 

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写真上下 Stachys byzantina

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 大通りには写真下のような店があります。看板がついている所が店です。看板がなければ普通の住宅のようであり、店はいずれも小さく、個人の住宅をちょっと改造した程度です。

 

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 私はゲストハウスの近くの店でコーラと水をちょうど3ラリ(150)で買いました。領収書をくれないので、後で光田さんに聞くとコーラが1.2ラリのようです。失敗したのが、炭酸入りの水だったことです。触った時、ペットボトルが厚手なのを奇妙に思ったが、大きいのはそれしかありませんでした。

 

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 七時から夕飯です。ここもパンとチーズがおいしい。

 

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やった!またしても別館

 私の部屋は、またしても別館です。本館だけでは全員が泊まれないので、一人はみ出したのです。もちろん、私は真っ先に名乗りをあげました。

 別館といっても、ベチョーと同じで、近くにある別なゲストハウスです。写真下左が私の泊まったゲストハウスです。ここもゲストハウスの名前がありませんから、ゲストハウスです。写真下右の、左側の建物が私が泊まった別館、道路反対側の柵の奥に見える建物が他の人たちが泊まった本館です。

 

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 建物は古いが、西にも東にも雪山が見えるなかなかの場所です。ゲストハウスの建物の南側に小さな家があり、オーナー家族が住んでいるのでしょう(写真下右)。周囲はジャガイモ畑です。

 

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 西にはベチョーからも見えた雪山が(写真下左)、東にはウシュバ山などの雪山が見えます(写真下右)

 

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 別館に入ってみましょう。外に取り付けられた鉄の階段からいきなり二階に上がると、東と南はL字のベランダになっています(写真下)

 

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 ベランダは開放的で、椅子に座ってここでお茶を飲んだり、何もせずに風景をながめているだけで、とても豊かな気分になります。この建物の南側には川が流れており、そちらが低くなっていて、川の向こうは山ですから、眺めは良い。建物の外見は古いが、中は小ぎれいで快適です。

 

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 私の部屋はベランダからドアをあけた廊下の奥にあります(写真上)。ベッドが二つあり、北側に窓がついています。8畳ほどの狭い部屋だが、清潔で、窓やカーテンがおしゃれで、私はとても気に入りました。これでシャワーとトイレがついていたら、文句なしです。

 

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 白い窓からはジャガイモ畑が見えます(写真下右)。ドアと窓を開けると、とても気持ちの良い風が通りすぎます。窓を開けたまま出かけたら、窓が風で建物の壁に当たったらしく、ガラスが1枚外れて、下に落ちていました。なにせ、釘で留めただけのガラスですから、衝撃で簡単に外れます。

 家主に申し出たところ、急遽、透明なガムテープを貼って、風をしのぎました。一日、間をおいて、三泊しましたが、街にはガラス屋はないとのことで、私がいる間にガラスが入ることありませんでした。でも、ガラスがなくてもとても心地よい部屋でした。

 

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 階段を上がってすぐの東側のベランダに面してトイレとシャワー室があります(写真下)。中は清潔で、トイレットペーパーもあり、お湯も出ました。別館に泊まったのは私と光田さん、運転手と後で一人客が加わっただけでしたから、トイレやシャワーが著しく混雑することもありませんでした。

 

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