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8日目 2012716()

ウシュグリ→シハラ氷河→ウシュグリ→メスティア

 

 

 今日が4回目、最後のハイキングです。外に出て見ると、晴れです!!さすがはマリア様と晴れ男だけのことはあって、雲一つない。

 

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 七時に朝食を済ませ、八時に出発です。昨日、教会から戻ってきた時の道をちょうど逆に向かいます。

 今日は、シハラ山を目指して、氷河の近くまで往復します。目的は、もちろん、氷河ではなく、その手前にある花です。

 

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 写真下のように、ウシュグリのゲストハウスから、目的地のシハラ氷河まで直線で約8kmくらいありますから、実際には往復で18kmくらいあるでしょう。しかし、川沿いであることや、ゲストハウスが高度2100mに対して、終点のユリのある所でも2400mですから、たいへんなだらかな道です。

 

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 村を通過する頃から、雲一つないシハラ山が見えてきました。マリア様、万歳!晴れ男、万歳!

 

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 朝日を浴びると花もまた違って見えます。

 

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 名前もわからず、アザミかどうかもわからない、白いアザミです。

 

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 アザミが朝日を通して白く輝いて、その間にいる豚すらも妙に美しく見える。

 

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山の上ならではの光と影がくっきり出て、どこも風景がきれいです。

 

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 写真下の、振り向いている牛君の向こうに見えるのが村はずれにある橋です。ここがウシュグリの終わりで、googleの地図でも道はここまでしか載っていません。橋は工事中のようです。

 

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写真上下 Cicerbita racemosa

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.275)

 

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 写真下は花弁がひっくりかえったようなキクの仲間です。単に花の終わりなのか、あるいは朝早いので、今から花弁が立ち上がるのか、それともこういう種類なのかわかりません。たぶん、まだ陽が十分にさしていないからでしょう。

 

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こちらは同じように花弁の垂れたピンク色のデージーです。

 

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 こちらの白いデージーはきちんと咲いています。ただし、葉の付き方などが違いますから、別種です。

 

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 橋を渡ると川沿いの土手に黄色い花が咲いています。良く見ると、二種類あります。

 

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写真上 Senicio sosnowskyi

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.261)

 

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昨日もちょっとだけ咲いていた黄色みを帯びたオレンジのポピーです(写真下)

 

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我々が歩いている山道のそばには少ないが、良くみると、川の対岸にはたくさん咲いています(写真下)

 

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 このポピーは写真上の川の土手に群生するくらいであまり群生していません。これは私には意外でした。赤みを帯びたケシがヨーロッパから中央アジアにかけて一面に咲く光景が写真によくあるので、ジョージアも今の時期ならケシの群生が見られるのではないかと期待していました。しかし、結局、今日のハイキングで見たのが一番多かっただけでした。

 

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写真上 Silene spergulifolia

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.47)

 

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 ワスレナグサがきれいに咲いています。

 

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写真上下 Myosotis alpestris

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.177)

 

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 昨日は白いアカツメクサに、赤いシロツメクサでしたが、ここは写真上の赤いシロツメクサだけでなく、赤いアカツメクサがあります(写真下)。しかし、白いアカツメクサはありませんでした。

 

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写真上 Trifolium pratense

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.113)

 

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 昨日の山の斜面でも少し見かけたピンク色の花がここではあちらこちらにあり、背も高い。

 

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写真上 Scutellaria saghestanica

 (The Caucasus and its Flowers, p.231)

 

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写真上下 Helianthemum gradiflorum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.)

 

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写真上 Symphytum asperum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.173)

 

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 牛たちも谷の奥に草を求めてご出勤です。

 

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 写真下のシソの仲間は高さが十センチほどさえない姿ですが、図鑑を見ると50cmくらいまでなり、まるで五重塔のような植物です。残念ながら、こんな小さく、花もはっきりしない個体しかありませんでした。

 

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写真上 Ajuga orientalis

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.177)

 

 

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写真上下 Inula gradiflora

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.259)

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馬に乗って川を渡る

 馬に乗った人が我々を追い越していきました。この後でお世話になりました。

 

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 川が道を横切っています。私以外の人たちは、男性は靴を脱いで自力で、女性は背負ってもらうなどして、すでに渡り終えています。ダリさんがさきほどの馬に乗せてもらい、川を渡りました(写真下左)。これを見て、私が黙っているはずはない。私も馬主に身振り手振りで乗せてほしいと頼みました。中国の馬と違い、やや大型で、乗り心地は良い。ゴム長靴を履いた運転手に手綱を引っ張ってもらったので、ただ乗っただけですが、気分は最高。

 

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私に続いて、馬主とポーターが馬に乗り川を渡りました。写真でみると大した川には見えません。たしかに底は深くありませんが、帰り道、裸足でこの川を渡ると、かなり冷たく、あっという間に足の体温を奪われました。やはり、馬のほうが良い。

 

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 馬を貸し終えて、彼は悠然と雪山のほうに去って行きました。なんか絵になりますねえ。

 

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 石だらけの河原には黄色い花が花束のように咲いています。

 

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写真上 Senicio sosnowskyi

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.261)

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 ただし、この花が花束のように咲く性質があるのではなく、石だらけの河原の環境に適用した姿にすぎないことは、写真下の橋の近くの土手に咲いていたのを見ればわかります。

 

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写真上下 Campanula collina

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.225, The Caucasus and its Flowers, p.273)

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 ブタも食わない白いアザミが一面に咲いています。

 

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 写真下のアザミは明らかに別種ですが、蕾はあるが、花がしっかりと開いていません。昨日、タマラ女王の城跡に行くとき、村と村の間で見かけた写真下右の赤い花のアザミではないかと思います。

 

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タマラ女王の城跡に行った時は一本しか見かけなかったアザミです。

 

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 写真上と下は外見は良く似ていますが、同じなのかどうか自信がありません。写真上は日本のノアザミのように、花弁ではなく針状のオシベやメシベが葱坊主風なのに対して、写真下は花弁が上向きに咲いています。

 

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 両者を比較するために花の一部を拡大したのが写真下です。写真下左は針状のオシベやメシベらしいものだけで、写真下右は周囲に花弁があり、イメージ的にはヤグルマギクみたいです。

 

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 写真下は白いヤグルマギクです。

 

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写真上 Centaurea cheiranthifolia

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.243, The Caucasus and its Flowers, p.313)

 

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 写真下は葉が五本指を広げたような特徴ある葉で、そちらこちらに群落しています。

 

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写真上 Alchemilla tredecimloba

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.89)

 

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 スイバは生えてはいますが、ウシュグリの村の周囲よりは数が少ない。

 

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写真上下 Rumex alpinus

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.33)

 

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 小川の土手にピンク色のサクラソウが咲いています。ここでしか見つかりませんでした。今回の旅行で見つけた唯一のサクラソウです。

 

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写真上 Primula auriculata

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.161, The Caucasus and its Flowers, p.201)

 

 昨日のタマラ女王の城跡の近くでも見かけたピンク色の花のようなガクを持つ植物です。

 

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写真上 Tragopogon reticulatus

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.269, The Caucasus and its Flowers, p.417)

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 写真下は上と似ていますが、花弁の付き方が違います。上はジシバリのような花弁、下はタンポポのような花の付き方です。

 

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 典型的な花を示すと、写真下左がジシバリ型、右がタンポポ型です。ただ、花弁以外はとても良く似ていますから、単に花弁の数の違いだけで、同じ種類かもしれません。

 

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写真上 Lotus caucasicus

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.107)

 

 写真下のマメの仲間は、写真上と同じ種類だと思いますが、色がオレンジ色です。

 

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 写真下はウメバチソウでしょう。数はとても少ない。

 

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写真上 Parnassia palustris

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.81)

 

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 たった一本だけ見つけた白いランです。

 

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写真上 Traunsteinera sphaerica

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.297)

 

 こちらもたった一本しか見つかりませんでした。本当はもっと見栄えするランですが、この個体は花もさえない。

 

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写真上 Orchis ustulata

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.297, The Caucasus and its Flowers, p.373)

 

 もっとも多く見かけるランは写真下のハクサンチドリの仲間です。少し色の薄いピンクの花もありますが、花弁の模様が同じなので、同じ種類でしょう。

 

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写真上下 Dactylorhiza urvilleana

(The Caucasus and its Flowers, p.367)

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写真上 Asyneuma campamuloides

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.231, The Caucasus and its Flowers, p.293)

 

 写真下のトウダイグサの仲間は花も色も黄色というよりも薄緑色で実に良く目立たない。

 

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写真上 Euphorbia iberica

(The Caucasus and its Flowers, p.168)

 

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写真上 Saxifraga kolenatiana

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.81, The Caucasus and its Flowers, p.120)

 

 写真下はこれまでのピクニックでも何度も見かけた花で、とても特徴ある姿です。図鑑を見ると、この後、茎の部分から緑色の葉が開いてくるようです。

 

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写真上 Sempervivum caucasicum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.77)

 

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 意外だったのが、この日のハイキングではバラが少なかったことです。薄ピンクのバラが草むらに埋もれるように咲いていました。

 

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写真上 Rosa oplisthes

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.91)

 

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写真上 Stachys balansae

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.187)

 

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写真上 Verbascum laxum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.201)

 

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写真上 Aquilegia caucasica

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.57)

 

 山というよりも、ここは河原なのでしょう。一面に花が咲いています。

 

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 河原から斜面を登り始めてもお花畑が続きます。

 

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 一見サクラソウ風のシソの仲間がここにもたくさん咲いています。

 

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写真上下 Betonica macrantha

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.189)

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 タマラ女王の城跡の斜面にはたくさん咲いていたイブキトラノオはここではそれほど多くありません。すぐそばなのに、意外に植生が違う。

 

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写真上下Polygonum carneum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.33)

 

 川縁の日陰に咲くフウロソウは赤みが強く、なかなかきれいです。

 

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写真上下 Geranium ibericum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.117)

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写真上下 Pyrethrum parthenifolium

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.255)

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 クサフジがなかなか立派な花を咲かせています。

 

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写真上 Vicia variabilis

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.107)

 

 写真上のように紫が主体のクサフジの他に、写真下のように白や赤の混じったものもあります。花の大きさも大きいように見えます。ただ、別種なのかどうかよくわかりません。

 

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 クサフジでもこちらのは花の色が赤です。今回は一カ所でしか見かけませんでした。

 

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写真上 Hedysarum caucasicum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.109, The Caucasus and its Flowers, p.154)

 

 写真下もマメ科の花のように見えますが、この花の写真はこれ1枚で、写真下右は左を拡大したものです。

 

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 見事なシシウドです。学名のヘラクレウム(Heracleum)はギリシャ神話のヘラクレスから来たもので、その堂々とした姿にふさわしい。。

 

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写真上下 Heracleum mantegazzianum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.155)

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写真下の人と比べると、花が大きいのがよくわかります。花そのものは日本のシシウドと同じで、そんなにさえないが、図体が大きいので存在感がある。

 

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 トリカブトは数が少なく、色もくすんでいます。

 

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写真上 Aconitum nasutum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p55., The Caucasus and its Flowers, p.83)

 

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 馬を連れた人たちがこちらにやってきました。対岸の彼らがいたあたりに湧き水があるらしい(写真上右)。馬に乗せて連れて行ってくれるのかと期待したが、山岳ガイドなどと少し話をした後、また川向こうに行ってしまいました。残念、お馬さんが行ってしまう・・・。

 

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岩の木陰で昼食

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 川にかけられた危なっかしい橋を渡り、対岸にある写真下の大きな岩の影で昼食です(11:17,2150m)。川を渡らないと適当な木陰がありません。写真下右は、左か私のポーター、山岳ガイド、運転手です。

 

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 木陰で、生のキュウリとトマトにパンで食事を済ませ、また川を渡って、元の道に戻り、さらに上流を目指します。

 

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 道が見えないほどシシウドの生えた山道をシシウドを押し分けながら歩いていきます。ここのシシウドは先ほどの河原にあったシシウドと違い小型です。

 

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写真上下 Heracleum asperum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.153)

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写真上 Chaerophyllum roseum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.145)

 

 先ほどの河原の近くに生えていた巨大なシシウドがあります。とにかくでかくて、迫力がある。

 

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写真上下 Heracleum mantegazzianum

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.155)

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写真上 Epilobium dodonaei

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.141)

 

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美女が・・・

 「ユリがあるよ!」という声が前のほうから聞こえました(2200m)。食事の後、さらに奥に進んだのも、このユリを見るためです。私はカメラを握りしめ、早足で声のするほうに向かいました。あった!黄色いユリが一本見事に咲いています。

 

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写真上下 Lilium monadephum

 (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p., The Caucasus and its Flowers, p.)

 

 遅れて到着した私に、ポーターが盛んに手で首を切るジャスチャーをします。何を言いたいのかよくわからない。とにかく彼の後に付いていって、仰天!!

 山岳ガイドがなんとユリをたくさん手に持っているのではないか!(写真下)

え゛――――― っ!!ユリを切ったの??!!

 ポーターが首を切るジャスチャーはこれだったのです。私は呆然、唖然、絶句・・・ヲレは何んか悪い夢でも見てるんか。

 

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 山岳ガイドがユリを切ったにしてはちょっとおかしい。と言うのは、私が一番遅れて到着したとは言え、ユリを見つけたという声が聞こえて、まだ数分もたっておらず、その間に探すのに苦労するほど少ないユリを彼がこんなにたくさん集められるのだろうかという点、そしてもう一つ気になったのは、今切ったにしてはユリが元気がない。

 後で光田さんに聞いてみると、やはり山岳ガイドが切ったのではなく、切ったユリが捨てられていたというのです。つまり、我々よりも早くここに来て、おそらくは球根ごと掘り起こし、花の部分は邪魔だから切って捨てていったのです。ひどいことしやがる。

 

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 私はショックで茫然自失。これまでの三回のピクニックではユリがなかったので、ユリが見られるという話に私は大いに期待していました。我々はユリを見つけたので、ここで引き返すように、ユリを見るためにわざわざここまで来たのです。

 美女がいるというから、大いに期待して遠路はるばる訪ねて来たら、美女の首を差し出されたようなショックです。

 しかし、ショックだなんて言ってられません。他にもあるはずだから、急いで探して写真を撮らないと時間がない。左側の山の斜面にあるのを何本か見つけました。背丈よりも高い草が密生した急な斜面に突撃です。写真下の左側の斜面です。写真だと大したことがなさそうですが、かなり難しい。

 

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これが岩場ならばなんとか登れるのだが、ここはユリが生えるくらいで湿気があり、そのため一面に2メートルくらいの草が生えているので、草が滑って登れない。草をロープ代わりにしてつかまり、よじ登ろうとすると、足が草で滑って、転んでしまう。わずか5メートルほど上に、さらに別なユリがあるのだが、「帰るよ」という声が下からかかり、二カ所のユリだけで、あきらめました。

 

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 後で図鑑を調べて驚いたのは、コーカサス地方にはユリが少ないことです。図鑑に載っていたのは、これと似たような黄色いユリが数種類、色の違うユリが一種類です。日本などに比べてユリが少ない。

 

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 ユリが切られていたことが情けないやら、頭に来るやらで、私の頭の上にはクレヨンしんちゃんが出てきて、「ユリを切った奴はお尻ペンペンだぞう」と言っていました。

 まだ開いていないユリもあります(写真下)。折られてもめげずに花を咲かせてほしい。

 

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 写真下もこのあたりで初めて見る花です。写真を撮っていると、運転手が隣で撮り終えるのを待っています。これを摘んで持ち帰るのです。薬草なのか、いずれにしろ、彼らにとっても珍しい花なのでしょう。でも、採らないでほしい。

 

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写真上 Pedicularis atropurpurea

 (The Caucasus and its Flowers, p.252)

 

 運転手はごらんのように花を摘んでいます。暑くてしおれてしまい、お土産にもならないのですが。

 

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 目的のユリが見つかったので、ここで引き返すことになりました(写真上右)

 

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写真上 Campanula latifolia

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.221

 

 私は後ろを振り返っては写真を撮っているので、いつものように遅れる。

 

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 写真下の花はここ一カ所でしか見られませんでした。前のハイキングでも一本くらい見つかったのだが、どこでも数が少ない。

 

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 下山途中でこれから山登りする二人に出会いました(写真下左の右側の二人)。休憩中らしく、暑いから半裸で裸足です。

 

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 河原の両側は花畑です。

 

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我々が下山する頃から少しずつ雲が増えて、ついにシハラ山にもかかり始めました。

 

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 私はいつものように先頭からは後れに後れて、とぼとぼと歩いています。晴天の下、雪山を見ながら一面花の咲く谷をのんびりと歩くのはあまりにすばらしい。急いで帰るなんて、問題外です。

 

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写真上 Geranium pyrenaicum

(The Caucasus and its Flowers, p.164)

 

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「写真など撮っていないで、ゆっくりと風景や花を楽しめよ」と先ほどから後ろのシハラ山の女神様がささやいている。

時々、ポーターが足の遅い私を待つために、道の脇で大の字になって寝ています。そりゃ、気持ちがいいだろう。

 

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 はるか彼方にウシュグリの教会の塔が見えて来ました(写真下左)。と言っても、村まではまだ一時間以上もかかります。

 

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 暑いので冷たい川の流れが気持ちが良い。

 

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 来る時は花に夢中になっていて気がつかなかったのが写真下の道です。崩れてきたらしい植物の根や瓦礫が道を覆っているのだが、その下は氷です。これだけ暑いのに氷がしっかりと残っている。氷河ではないのに、いったいどこからこの氷は来たのか。地面の下はかなりの部分が凍っており、それが土砂崩れを起こして、氷が露出したのかもしれません。

 

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 一頭の馬に乗った男女が来ました。どうみてもデートです。いいですよねえ、こんな広々とした花の谷を馬でデートなんて。

 

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 シハラ山の頂上部は完全に雲に覆われてしまいました。マリア様の光輪のとおり、あるいは、晴れ男の宣言どおり、見事に今日は晴れて、ハイキングが終わったので雲がかかり始めた。

 

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 運転手は我々を川を渡すためにわざわざゴム長靴をはいてきたため、足が靴擦れを起こしています(写真下)。村の近くなので、彼は長靴を脱いで、裸足で歩き出しました。足を見ると、裸足になれているように見えない。

家畜の糞がそのへん中に転がっているのだから、破傷風などが恐いと思い、私は「靴下を持っているが、それだけでも履いたらどうか」と提案しましたが、彼は裸足のほうが良いと言う。ちょっと痛々しい。

 

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 ウシュグリに戻ってきました。

 

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 村に入ると、ポーターの知り合いらしい馬に乗った少年が現れました(写真下)。村中知り合いなんでしょうけど。何か二人でふざけあっている。私も乗ってみたいと思ったが、鞍が付いていない。裸馬では私には無理です。

 

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 ゲストハウスに戻って来て(15:19)、ほぼ全員が隣のビアガーデンに直行し、彼らは生ビールを、私はコカコーラを飲みました。ちょっと甘すぎるが、水分補強にはちょうど良い。

 

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 ウシュグリは一泊では惜しい。ゲストハウスのトイレの数が多ければ、少なくとも数日滞在したい所です。ゲストハウスの設備は不十分だし、村の中は家畜と糞だらけ、でも、ここは素晴らしい。

 

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このツアーとほぼ同じようなコースのA旅行社では、メスティアからウシュグリを日帰りで往復します。これはホテルと呼べるのがメスティアにしかないからです。しかし、それではウシュグリの滞在は半日にもならず、良さを体験したとは言えません。

 

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 ゲストハウスの中庭で一休みした後、二台の車に分乗して、メスティアに向けて出発です(15:48)。ブタ君や牛君たちともさようならです。

 

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メスティアに戻る

 峠を越える手前でトイレ休憩(17:54)。走っているのはこんな悪路です(写真下左)。のどかに広がる谷の向こうには雪山が見えます(写真下右)

 

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写真上 Campanula collina

(Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.225, The Caucasus and its Flowers, p.273)

 

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 峠を越えて、メスティアの手前の谷に入ると(写真下左)、そろそろウシュバ山が見え始めます(写真下右)

 

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 メスティアの街中に入る前に車を停めて、夕方の街の風景を撮りました。日本もこういう絵になる街の風景を作りたいものです。

 

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 往きよりも一時間も早く、約三時間ほどで夕方のメスティアに到着(19:01)。夕飯にはゲストハウスの女主人のレラさんの手作りのデザートが出ました(写真下右)。なかなかうまかった。

 

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 部屋は二日前と同じで、鍵もかけておらず、スーツケースもそのまま置いてあります。ここも通りを牛が散歩しているのだが、小ぎれいな部屋に入ると、大都市に戻ってきたようで、ホッとします。

 

 

 

 

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