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5日目 2006年6月5日

フォブジ 学校訪問

 

 

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写真上:RSPNの事務所にはってあった谷の地図。

 

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5:50 寒くて何回も目が覚めてしまい、あきらめて起きました。からりと晴れています。

 散歩に出ました。朝日の当たる東側斜面に出ると、ジギタリス(キツネノテブクロ)が一面に咲いています。雑草の生えた斜面に一面に咲いているから、もしかして自生品かもしれません。あるいは人家のすぐそばだから、栽培品が広がった可能性もあります。

 

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ジキタリスの中に、先端に花が咲いているのを見つけました(写真下)。ティンプーのRSPNでのお茶会でも飾ってあった花の中にあったのと同じです。ただし、白だけで、ピンクではこういう花は見つかりませんでした。こうしてみると、ブータンではこういうジギタリスが当たり前のようです。

 

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斜面にジャガイモ畑があり(写真下)、畑を囲む柵についている梯子を使い畑の中にはいりました。畑を横切り、柵を乗り越えて出ようとして振り返ったら、下のほうから農民がこちらを見ています・・まずい。畑に入った私が泥棒ではないかと疑ったのでしょう。

この谷のジャガイモ畑はおいしいことで有名だそうです。ジャガイモの栽培はスイス人が教えたということです。ブータンのジャガイモはおいしい。

 

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東の斜面を歩いていくと、ピンクのサクラソウなどが咲いています。

 

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写真上左:プリムラ・デンティクラタ(サクラソウの仲間)

写真上右:アリサエマ・コンサンギネウム(テンナンショウの仲間)

 

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 昨日、バスで来た道に出ると、ちょうど添乗員さんが散歩していました。やはり寒くて眠れなかったそうです。オグロヅルを見にこの谷まで前に来たことがあり、その時には、オグロヅルの騒音のすごさに驚いたという。

 

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 村の中も人々の活動が始まっており、店も開いています(写真上左)

 

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 ゲストハウスのあるガンテ・ゴンパの方に戻ります(写真上左)。ホテルとガンテ・ゴンパの間に木材が積んであり、とても良い香りがします(写真下左)。サイプレスといい、イトスギの一種で、檜の仲間だという。

 

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7:40 朝食。寒いので温かい食事がうまい。

 

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小学校訪問

8:45 今日の訪問先である小学校に向けて出発。

 

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ガンテ・ゴンパの両側は谷になっており、その谷がガンテ・ゴンパの南側で合流して、もっと大きな谷を形成しています(写真上)。その谷でオグロヅルが越冬し、小学校もその近くにあります。

 

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西側の斜面を降りて、谷に入ると、谷の西側には農家があります(写真上左)。ジャガイモ畑が多く、ジャガイモのおかげで、このあたりの農家は豊かだという。

 

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谷にそって南下し、途中からバスを降りて、1kmほど歩きます(写真上)。牧場のようになっており、ピンクのサクラソウが一面に生えていてきれいです。

 

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谷の平地のど真ん中にぽつんと小学校があり(写真上)10:00少し前に学校に到着。校長先生が出迎えてくれました。

 

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この学校には正規の先生は一人しかおらず、あとは見習いで、たいていは一年の赴任で転勤していくといいます。学校は広い敷地に平屋の建物が4つあり、一番奥のコの字型の建物がメインのようです。

 

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学校の敷地の隅に、自然保護を勉強するための花壇があり、シャクナゲなどを植えてあります(写真上左)。構内には自然保護についての掲示板にもあります(写真上右)

 生徒を集めて、挨拶と人形の贈呈式が行われました(写真下)。全員民族衣装の制服に大半が赤いゴム長靴を履いています。

 

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続いて、寄付する楽器を演奏してみせます(写真下)。これらはすべて学校に寄付するために日本で集めたものだそうです。私はここに来るまでそんなことすら知りませんでした。彼らの情熱には頭が下がる。

 

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続いて紙芝居をしました(写真下)。「笠地蔵」の話だが、ブータンにも似たような笠があります。小さな紙芝居で、これだけ大勢の子供の前で大丈夫かと心配しましたが、子供たちの注意をうまくひいていました。

 

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周囲の住民が三々五々集まって見物しています。ブータン人は写真を撮られるのをいやがらないのがいい(写真下)

 

 

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教室に入り、折り紙を教えます(写真下)。私が写真を撮ろうと、邪魔しないようにそっと部屋に入ると、高学年の生徒は「Good morning, Sir!」といっせいに立ち上がって挨拶をするので驚きました。あわてて挨拶を返し、座るように言いました・・・焦った。

 

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生徒の中には、折り紙の解説書を見ただけで折り出す子供もいて、その生徒が周囲に教えるので、自然に広がりまた。しかし、低学年に折り鶴を教えるのはやはり難しかったようです。男の子達に一番人気の折り紙は紙飛行機でした。

 

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折り紙の間、外では、茶会が開かれ、先生たちに抹茶をさしあげました(写真下)。初めての行事と、抹茶の苦さに驚いたようだが、彼らは礼儀正しいので、おいしいと言う。マズイといったブータン人は一人もいませんでした。こういう点は日本人に似ています。また、ブータン人は一般に甘い物が苦手のようで、抹茶の前に出された甘いお菓子も、違和感があったようです。それにしても日本人のメンバーは大活躍です。

 

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こちらの人数に限りがあったので、別な建物にいた生徒たちには折り紙を教えることはなかったようです。私はそちらのほうの建物に行くと、子供たちはどうやら、建物から出るなと命令されているようです(写真下)。写真を撮ると好奇心満面で出てくる。後はなんだかわからないけど、押し合いへし合いの大騒ぎです。こういう意味のないバカ騒ぎは私は大好きで、子供達が生き生きとしており、写真を撮るのが楽しい。

突然、子供たちがいっせいに教室に入った?・・・なあんだ、騒ぎに気が付いた先生が近づいてきたからです。楽しかったのに、ちょっと残念。

 

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今度は子供達がお礼として踊りや歌を披露してくれました(写真下)。小さい頃から、当たり前のように歌と踊りを身につけているようです。

 

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帰る頃になると、生徒たちは学校の敷地だけでなく、周囲で弁当を食べ始めました(写真下)。毎日が遠足のようなものです。

 

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13:40 学校を後にして、すぐ近くにある機織りの建物に行きました。建物の外見はあまりよくありません。灯りもない薄暗い中に56人の生徒と一人の先生がいて機織りをしていました。収入をえるための自立の手段のようです。

 

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13:48 ゲストハウスに帰る途中にあるオグロヅルの観測所建設予定地に行きました(写真下)。西側の斜面に建築中で、土台もできていません。現在の観測所は生息地である湿地の真ん中にあるので、こちらに移動したいとのことでした。この時期、オグロヅルはいないのですが、ケガをしたのか、残っているのが一羽いて、かろうじて湿原の中に見えました。

 

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14:08 ゲストハウスで昼食を取りました。午前中は天気がよかったのに、雨が降り出しました。

 

 

ガンテ・ゴンパの見学

15:1016:10 ゲスト・ハウスの目の前にあるガンテ・ゴンパ(お寺)を見学しました。ブータンにあるニンマ派の最大のお寺で、四角に囲まれた中庭があり、南側から門に入り、北側に本堂があります。本堂と3つ部屋を見せてもらいました。

 

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撮影はできないが、特別に中まで見せてくれるといいます。一階の本堂の一番奥には釈迦が祭られているが、他の部屋は本尊がパドマサンヴァバなどです。

 

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二階の奥の部屋のドアの下の部分に穴が開いています(写真下)。ねずみを捕ってくれる猫を入れるためだという。室内は撮影禁止なのだが、これは撮らせてくれました。

 

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18:45 ゲストハウスで夕食。もうお茶会はないので、残った抹茶をいただきました。ブータンの山奥で、ストーブにあたりながら、抹茶を飲むというのは、なんとも奇妙な感覚です。ブータン人の添乗員に飲ませると、必ず「おいしい」と言うが、何度見ても、無理して言っているように見えます。

 

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ブータンの英語教育

 小学校に行って驚いたのは、低学年は英語はしゃべれないが、高学年になると普通に英語をしゃべっていることです。日本では中学、高校と英語を習っても、会話ができないのが現実です。日本の英語は受験英語という学問であって言葉でないからです。最近これが見直されつつあるのは良いことです。ただ、英会話のできない先生がどうやって教えるのかという問題は残ります。

 英語よりもまず日本語を学ぶことが大事だという建前論を振りかざす人もいますが、世界の流れから見たら空しい叫びです。

 ブータンではゾンカ語が国語ですが、英語教育がしっかりしています。そのために、たいていのブータン人は英語が話せます。日本に来たブータン人が、日本人が英語がしゃべれないことに驚いたといいます。学校教育がゾンカ語と英語で行われるために、方言しかしゃべれない親との間に溝か生じたという話も聞きました。こういう問題点など、日本でこれからどのような英語教育をするべきかを模索する上で参考になる話です。日本よりも先に進んでいるブータンの英語教育事情を調べて、参考にしてはどうでしょう。

 

 

 

 

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