トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 7日目 2011年3月9日(水) エルサレム ←→ ネオット・ケドゥミーム 朝、窓の外を見ると、曇っているばかりか、雨が降った形跡もあります。 今日は、このツアーの本来の予定ではエルサレムの旧市内の観光でした。エルサレムはイエスが磔になった場所であり、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地ですから、イスラエル観光の筆頭です。 しかし、私はこれには参加せず、一人で花を見にいくことにしました。日本にいる時、旅行会社に、自由行動で日帰りで花を見られるような場所を探してくれるように依頼しました。旅行会社の人はたぶん武田さんなどに問い合わせてくれたのでしょう。エルサレム市内の植物園と、車で三十分ほど離れたネオット・ケドゥミーム(Ne’ot
Kedumim)を候補に上げてくれました。 朝食は昨日と同じです(6:50〜)。昨日は混んでいたので、早めに朝食に行きました。我々のグループの席が確保してあります。 他の人たちと同じ8時半にロビーに行き、武田さんに頼んで、ホテルからタクシーを呼んでもらいました。ベンツのタクシーです(写真下)。もっとも我々が乗っているバスもベンツ社製です。片道が$58とチップ$2で、合計$60とのことでした。イスラエルはドルが使えるので楽です。イスラエルは日本のタクシーと違い、距離制なので、その点は安心です。 途中から雨が降り出し(写真下右)、私はカッパを着ました。しばらく進むと雨は止みました。一日中、こんな天気でした。 ネオット ケドゥミーム(Ne’ot Kedumim)に到着。 (http://www.neot-kedumim.org.il/public/) タクシーを降りて受付に行くと閉まっており、門も鍵がかかり、閉められています。ここのホームページには、八時くらいに開門すると書いてありました。九時すぎているのに開いていないなんて、どうなっているのだとあきれていると、たくさんの高校生らしい人たちが現れ、引率の人が門を開けました(写真下左)。隣に大きなテントがあるから、昨夜はここに泊まったようです。なんだかよくわからないが、私も彼らの後について中に入りました。 写真上右では、青、緑、黄色と色分けされたコースが示されています。この公園のホームページによれば、個人で歩くための2.5km(1.5時間)から5km(3.5時間)くらいの散歩コースが四つ準備されていて、おそらくその内の三つがこれらの看板なのでしょう。丸一日歩いてみましたが、どれがそのコースなのか最後までわかりませんでした。(http://www.neot-kedumim.org.il/public/) コースはともかく、道沿いにはたくさんのシクラメンが咲いています。 写真上 キクラメン・ペルシクム(『世界のワイルドフラワーT』p.151) 下の衛星写真はネオット・ケドゥミームのほぼ全域を示しています。青い線と@〜Qは私がこの日に歩いた所です。どこまでがこの公園の敷地なのか、詳しい地図がないのでわかりません。私が今のいる所は入り口から入ったところです。 シクラメンの森 衛星写真の@とAあたりが緑の森になっているのがわかります。その中はシクラメンが一面に咲いていました。 入って百メートルも歩かないうちに、私は今日ここに来たのは正解だと確信しました。死海などの南部では花がうまく見られませんでしたから、ここは大丈夫だろうかと、実はちょっと心配していたのです。この公園はホームページを見ても、花を売り物にしているのではなく、聖書時代の自然体験や自然学習を目的としているようです。心配になってメールで、「花は咲いているのか」と問い合わせたのですが、返事はありませんでした。 衛星写真で見るかぎり、これだけ広い敷地の丘陵地帯なのだから、花が一本もないことはないとは思いました。しかし、万一、何もなければ、すぐにエルサレムに引き返し、旅行会社が紹介してくれたもう一つの候補であるJerusalem Botanical
Gardensに行くつもりで、住所や地図も準備してきました。そちらはエルサレム市内にあり、ホテルからも5kmほどのヘブライ大学に付属する植物園です。自然の花が好きな私にとっては、植物園は魅力がいま一つですが、何もないよりいい。 しかし、そんな不安はどこへやら。シクラメンの森を見ただけで、十分であり、丸一日ここにいられそうです。 ここは普通の観光コースからも外れているらしく、日本人の書いた旅行記を見ても、ここを訪問したという記録は探せませんでした。ここは花を見る者にとっては穴場です。ベングリオン空港のすぐそばで、エルサレムとテルアビブの中間だから、どちらからでも簡単に立ち寄れます。良い所を紹介してもらい、旅行会社と武田さんには感謝です。 ガリラヤ湖に行く途中のシクラメンの丘や昨日も二カ所でシクラメンを見ました。しかし、ここのシクラメンは一ランク上です。これだけの広さの森全体がシクラメンだらけだという点がすごい。ちょっと歩いた程度では途切れることもなく、森の中から次から次と見事シクラメンのお花畑が出現します。 私がうれしいのは人がいないことです。私が最初後ろについた高校生たちもどこかに行ってしまいました。たまたま今日は天気も悪く、平日だから人が少ないのでしょう。 歩道の周囲を除くと、森の中はあまり人が歩いた形跡もありません。たいてい人が踏み込むとどうしてもそこに通路ができてしまうものです。たぶん多くのイスラエル人は通路から見る程度なのでしょう。シクラメンの丘もなかなかきれいだったが、欠点は多くの観光客がいたことです。写真を撮る上で彼らは邪魔です(笑)。だが、ここは誰もいません。 森は、私がタクシーに乗ってきた幹線道路に面しているので遠くに車の騒音があり、荒れ模様の天候で風が吹き抜けます。しかし、それ以外は、人の気配は完全に消えて、シクラメンの森にいるのは私一人のようです。これだけのシクラメンの森に中にたった一人でゆっくりと花が見られるなんて、なんて贅沢なことか。集合時間も気にしなくていい(笑)。 私の実家は温室があり、冬も出荷用のシクラメンやサイネリアが育てられていました。雪の積もった寒い外から温室の中に入ると、きれいな花々と、湿った空気の中にフリージアの甘い香りが詰まっていました・・・漂うなんてものではありません。鉢植えでしかみられなかったシクラメンが、森一面に自生しているのはなんとも不思議な光景です。 野生のシクラメンとはもっと小さいものかと勝手に思いこんでいました。しかし、目の前にあるシクラメンは大きさは市販されているシクラメンと変わりません。色は真っ赤などの派手な色はないが、ピンクや白はそのまま鉢植えにして売れるくらいです。 シクラメンは地中海が原産で、野生のシクラメンは地中海周辺では珍しくありません。ギリシャの石灰岩の白い岩肌の上にシクラメンが咲いている写真を見て、いつか原種を見たいものだと思っていました。イスラエルも原種のある国で、シクラメンの丘のことは他の人の旅行記でも読んで見ていました。しかし、こんなにたくさんあるとは驚きです。 今回は南部が季節が早くてうまくチューリップなどが見られませんでした。逆にシクラメンが満開の時期に来たようです。 シクラメンの森を歩いていると、車が走れるくらいの道路に出ました。道を横切り、もう一つの森に行くと、ちょっと様子が違いました。これまでは一面にシクラメンが生えていたのが、こちらは低い樹木が生えていて、邪魔です。 先ほどの森は、森の中を自由に進めたのは、こちらのは低い樹木が邪魔して進むのが容易ではありません。写真を撮るのにも樹木が邪魔です。私はこれ以上、森の中を進むのをあきらめて、さきほどの道を行くことにしました。 シクラメンの森は自然に写真のような状態にあるのではなく、人間が低木などを伐採しているのでしょう。放置すれば、たちまち低木が生えてきて雑木林になり、陽が当たらないからシクラメンは減ってしまう。シクラメンが一面に生えているのは、人間が手をかけたからのようです。 自然のままにするのが良いのか、少し手をかけたほうがいいのか、難しい問題だが、現実には低木を伐採して手をかけなれければ、これほどきれいなシクラメンの森はできないでしょう。 シクラメンの森を出てから少し行った所の道端の松の木の根本に、ピンクと白のシクラメンがきれいに咲いています。 イスエラル人は動物や自然を大切にしているようです。しかし、どこにでも不心得者はいるものです。写真下をごらんください。誰かがシクラメンを掘った跡です。 シクラメンの生えている林は松林です。しかし、シクラメンが元気に一面に咲いているわりには、頭上の松の木はどれも半分枯れたような状態です。冬の間にこうなってしまうのか、それとも何かの理由で弱っているのか、よくわかりません。 オリーブの木の下で雨宿り シクラメンの森を出ると道端にはいろいろな花が咲いています。 写真上 Geranium robertianum(Wildflowers of Israel) 写真下は花は良く似ているのに、葉が違うから、別種のようです。 写真上 Cercis sitiquastrum
(『世界のワイルドフラワーT』p.142) 写真上 Scandix iberica
(『イスラエル花図鑑』p.171) シクラメンの森を抜けてから、少し行くと、谷に面した斜面があり、オリーブが植えられています(衛星地図のB)。その間に、赤いアネモネが咲いています。 オリーブの植えられた斜面に何か記念碑のようなものが二つあります(写真下)。2001年にテルアビブでテロによって殺された14〜21歳の21人の若者の名前が刻んであるようでした。これでは高校生の課外授業に鉄砲を持った人が同行するのも当然です。花の美しさに酔っていた私は、一気に酔いが覚め、黙祷してそこを去りました。 雨が降ってきて、だんだんひどくなったので、私は真っ赤なアネモネが咲く斜面のオリーブの木の下で、アネモネを見ながらしばらく止むのを待つことにしました(衛星地図のC、11:02)。 写真上 アネモネ・コロナリア(『世界の山草・野草』p.105) 雨が上がり、晴れてきました(写真下, 11:26)。 写真上:Erodium gruinum (Wildflowers of Israel) 植樹をしている斜面の草花 北側の斜面で何か作業をしている人がいます(写真下、衛星写真のD)。苗木を植えているようでした(写真下右)。 斜面には樹木がないので何か花があるかもしれないと、登ってみることにしました。植林をする前はこのあたりはみんなこんな草地で、彼らが植林をして、今日の緑豊かな風景を作っているのかもしれません。そうしてみると、さきほどのシクラメンの森は案外、植林によってできた半ば人工的な環境かもしれません。 紫色のサルビアがあります。一番目立つ上に花のように見えるのは、実は葉です。 写真上下:Salvia horminum (『イスラエル花図鑑』p.67) 雑草の中にたった一本、小さなルピナスが咲いています。 写真上 Lupinus pilosus (『イスラエル花図鑑』p.195) 写真上 Telmissa microcarpa (『イスラエル花図鑑』p.175) ここはマメ科の草花が何種類か見られました。 写真上:Lathyrus marmoratus (Wildflowers of Israel) 上と下は同じマメ科の植物で、花も良く似ていますが、葉や茎が違いますから、別種のようです。 写真下の青紫の花のマメの仲間はよそでも見かけたのに、図鑑からは探せませんでした。 写真上Allium neapolitanum (Wildflowers of Israel) 写真上:Trifolium dsyurum (Wildflowers of Israel) 写真上 Echium rauwolfii (『イスラエル花図鑑』p.34) 写真上 Silene aegyptiaca (『イスラエル花図鑑』p.71) ヒョウが降ってきた 斜面を降りて、道路沿いに登って行きましたが、舗装された道路のそばではあまり花はありませんので、左側の斜面の山道を登ることにしました。 写真下の花は花びらが縮んでいます。図鑑によれば、これは枯れ始めているのではなく、元々こういう花のようです。 写真上:Cistus creticus (『イスラエル花図鑑』p.26) ヤブの中にランがたくさん咲いています。 写真上下:Orchis papilionacea (Wildflowers of Israel) 写真下左のように薄いピンク色の花も一株だけありました。形が同じなので、同じ種類のランと思われます。 雲行きが怪しくなり、ランを撮っている最中からまた雨が降り始めました。 雷が鳴り、雨が強く降り出し、私は山頂付近の大きな松の木の下に逃げ込みました(12:39、衛星写真のE)。ずいぶん強い雨だと思ったら、小さな氷の粒です。ヒョウが降ったのはほんの一瞬でしたが、気温がかなり低く感じます。私はセーターの上に雨合羽を着ているのに、それでも寒い。使い捨てカイロを取り出して、ポケットに入れました。足は雨でグショグショです。 写真上 アドニス・パレスティヌスAdonis microcarpa (『世界のワイルドフラワーT』p.143, Wildflowers of
Israel) 私は寒さから、これ以上この山の中に留まるのはまずいと判断して、とりあえず、ゲートの近くにあったレストランまで戻ることにしました。戻って、天候を見て、どうするか判断するつもりでした。 これまで来た道を引き返すのは芸がありませんから、別な道を帰ろうと、北側の斜面を降りることにしました。ここまで来た時間から逆算しても、一時間もあれば行けるはずです。しかし、まさか、この後、レストランにたどりつくのに四時間近くもかかるとは、この時は予想もしませんでした(笑)。 写真上 Anthemis palestina (Wildflowers of Israel) 山の斜面に沿って細い道を降りて行きます(写真下、衛星写真のF)。道には番号がついた札が所々に立っています。番号による案内などより、ここがどこなのか全体図を示してくれればいいのに、ありません。これはどこまで行ってもありませんでした。私は衛星写真を持っていたから良いが、なかったら、写真下のような山野が広がるだけですから、どこがどこなのかさっぱりわからなかったでしょう。 雨は上がり、青空も見えて来ました。私は花がたくさん咲いている斜面で、ビスケットで遅い昼食を取ることにしました。しかし、いつまた雨が降り出すかわからないので、あまりのんびりしてはいられません。 道沿いの花 写真上:Trifolium clypeatum (Wildflowers of Israel) 斜面を降りると、谷に沿って道があります。菜の花が咲いていてなかなかきれいです。ナツメヤシやブドウも植えてあります。 道は上り坂になり、道端にちょっと変わった姿のランが咲いています(衛星写真のG)。 写真上:Ophrys flavomarginata (『イスラエル花図鑑』p.234) 写真上 Salvia dominica ((『イスラエル花図鑑』p.170) 写真上 Salvia fruticosa (Wildflowers of Israel) 写真上 Biscutella didyma (『イスラエル花図鑑』p.90) 道端にあるイネ科の植物はなかなか迫力があります。 写真上 Pennisetum orientale (Flowers in Israel) 写真上 Reseda alba (『イスラエル花図鑑』p.167) 写真上と下の花は雰囲気が良く似ていますが、葉が別ですから別種です。 写真上 Reseda alopecuros (Wildflowers of Israel) 写真上 アンクーサ・ストリゴサ(『世界のワイルドフラワーT』p.145) 写真下はワスレナグサです。ただ、ワスレナグサのイメージと違い、踏まれても忘れそうもないくらい強そうです。 写真上 Myosotis uncata (Wildflowers of Israel) 丘の上に到着 丘の上のほうまで登ってみるとシュンギクがきれいに咲いています(衛星写真のH)。 写真上 Chrysanthemum coronarium (『イスラエル花図鑑』p.94) 丘の上は整備され、なにやら小屋がいくも立っています。おそらく、ここで聖書時代の体験学習をするのでしょう(衛星写真のI)。ここも人影はまったくありません。 北側の斜面に沿った道を下りて行くと、そこにもいろいろな花が咲いています。 写真上 Silene aegyptiaca (『イスラエル花図鑑』p.71) 写真下は葉はアザミのようですが、かろうじて数個だけ咲いている黄色い花を見ると、違うようです。図鑑の解説によれば、地中海から西アジアまで広く分布し、何種類かあるが、イスラエルにはこれ一種類しかないそうです。 ] 写真上 アカントゥス・シリアクス(『世界のワイルドフラワーT』p.135) 斜面にローマ式の円形劇場があります(写真下左)。しかし、使っている様子もなく、ここも建物の中には誰もいません(衛星写真のJ)。先ほど、山の斜面で植樹をしている人に会ったのが最後で、この日、この後も、入り口近くに戻るまで、まったく人とは会いませんでした。 写真上:Plantago langopus (『イスラエル花図鑑』p.218) 写真下は沢のような草地の中に見つけたアヤメです。これまでも何回も見たアヤメと姿形は同じなのに、一つ違うことに気が付きました。 写真上Gynandriris sisyrinchium (Wildflowers of Israel) 普通、アヤメは茎の頂点に花が咲いていますが、このアヤメは一つの茎に複数咲いています(写真下)。図鑑で捜しても、こんな変な咲き方をするアヤメは見つかりませんでした。 北側の斜面に建物があり、射撃をしているような音が聞こえます(写真下左、衛星写真のK)。どうやら、敷地の境界まで来たらしいので、私はそれ以上道を進まず、谷を横切って、西側の道(衛星写真のL)を行くことにしました。 近道をしようとして道に迷う 斜面に沿って、白いユキヤナギのような花が一面に咲いています(写真下、衛星写真のM)。これまでも何度かこの花は見ましたが、ここまで大きく、たくさん花を咲かせているのを見たのは初めてです。和名はシロレダマといい、図鑑によれば、この木から良質の炭が作れるために乱獲されたそうです(『世界のワイルドフラワーT』p.142)。 写真上下 Retama raetam (『イスラエル花図鑑』p.167) 地図を見ると、あと少しでゲートなので、私は迂回せずに、丘の上を通って近道をしようとしました(衛星写真のM→N)。これが裏目に出ました。丘を越えると道が複数あり、車まで走っているのに、自分のいる場所がわからくなり、後でわかったのですが、ゲートとは反対方向に進んでいました(O)。おまけにまた雨まで降ってきました。時間が時間なので、とにかく見当を付けて進むと、午前中通過した見覚えのある地点まで来ました(P)。これでようやく位置がわかり、というよりも、ゲートとは反対の方向に進んでいることに気が付き、道を引き返しました。 かろうじて間に合った 息を切ってゲートに到着したのは四時半をすぎていました(Q)。ところが、ゲートの受付はすでに閉められています。私はあわてました。なぜなら、ここでタクシーを呼んでもらうつもりでいたからです。レストランがあることを思い出し、そちらのほうに行ってみると、これも閉まっています。中をのぞくと誰かいます。ドアを叩き、出てきた人にタクシーを呼んでもらえないかと頼みました。彼が案内してくれたのは先ほどのゲートで、裏口から事務室に入り、そこにいた女性に頼んで、タクシーを呼んでもらえることになりました。 写真上 Colutea istria (『イスラエル花図鑑』p.95) 私が「エルサレムまで行きたい」というと、彼らは「?」という顔をしました。エルサレムとは日本語であり、ジェルサレムというのが正しい発音のようです。 私は彼らにお礼をいい、ストーブのある暖かいその部屋でタクシーが来るのを待たせてもらうおうとすると、彼女はもう帰るというのです。だって、まだ4時45分です・・・私はこの時、自分がぎりぎりに間に合ったことに気が付きました。あと10分、いや5分ここに来るのが遅れていたら、彼女は帰宅してしまい、タクシーを呼んでもらうこともできなかったのです。 職員らしい男性も出てきて、私が一日中一人で歩き回ったと聞いて、「一人で!?」と驚いていました。そんなに驚くことなのかと私も驚きました(笑)。彼は親切にも、タクシーの来る入り口の所まで彼の車で送ってくれるというのです。しかし、そこまでは数百メートルもないし、車に乗る距離でありません。私はお礼を言って、雨ガッパが濡れて汚れているのを理由に断りました。 写真上 Amygdalus communis (『イスラエル花図鑑』p.136) 無事ホテルに到着 タクシーは十分ほどで来ました(16:54)。ホテルまで$44だという。来る時のチップを含めて$60はどうやらホテル価格だったらしい。ホテルのカード(写真下)を見せると、運転手はどこかに電話をして確認して、出発です。 雨の中を歩き回り、最後には走ったので、私はすっかり疲れてしまい、タクシーの窓から雨が降ったり止んだりする夕暮れの景色をぼんやりとながめていました。余裕で戻れると甘く見ていただけに、最後はちょっとあせりました(笑)。 渋滞に巻き込まれることもなく、エルサレムのホテルに到着(17:54)。一時間近くかかったのは、渋滞ではなく、ネオット・ケドミームから幹線道路に出る所の信号が、どういう訳か、かれこれ15分以上も変わらなかったからです。 旅行中、初めてホテルの部屋の暖房を入れました。濡れた靴や衣類を全部取り替えてすっきりして、夕飯です(写真下, 18:30〜)。昼飯はビスケットだけだったので、夕飯がうまい。エルサレムの旧市街の観光をした他の人たちに聞くと、こちらも雨が降ったり止んだりで、雷まで鳴る天気だったようです。 イスラエルの観光といえば、何を見なくてもエルサレムの旧市街だけは行くでしょう。イスラエルに観光で行って、それすら見なかった私は少数派です(笑)。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |