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西オーストラリアのラン

7日目 2016928()

エスペランス パース

 

 

 朝、六時頃起床。一晩中、強風を伴った雨が激しく降っていました。雨で今日の花の観察はダメかと恐る恐る窓を開けてみると、雨が止み、遠くには青空すらも見えて、空は明るい(写真下)。強風は相変わらずだが、雨さえ止んでくれれば大歓迎です。

 

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 テレビのABCニュースではエスペランスは晴れと出ていました。もっとも、その前の二日間はこの天気予報が外れていますから、期待はできません。

 今日は午前中はエスペランス北部の保護区でランを観た後、午後エスペランスから飛行機でパースに戻り、その後、来た時と同じように香港経由で帰国します。三機を乗り継ぐことになります。

 

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ヒョウが降った

 荷物をまとめなければならないし、天気が悪いので散歩をやめるつもりでいました。しかし、空は晴れており、風が強くて冷たいが、雨は上がったようなので、海岸の様子だけでも見に行くことにしました(7:33)

 雨の後らしく、カタツムリが朝の散歩中です(写真下左)。樹木の枝が強風で飛んだのか、朝早くから片付けの作業をしています。

 

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 砂浜は日差しもあり、波もそんなに高くありません(7:38)

 

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 強風で海が荒れた証拠に海岸にはたくさんの海草が打ち上げられ、しかも昨日まであまり見かけなかった黄土色の海草が見られます(写真下右)。たぶん沖合から押し寄せられたのでしょう。

 

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 カモメだけでなく、日本では見かけないカモがいます(写真下右)Pacific Black Duckでオーストラリアやニュージーランドに棲息しています。

 

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写真上右 Anas superciliosa

 

 空は青空も見えているのに、突然雲が広がり、強風とともに激しい雨が降って、海面にたたきつけて来ました(写真下左, 7:49)。太陽が見えていた時から10分もたっていません。強風で傘は役立たない。雨合羽の帽子をかぶっても雨が当たり痛い。何か変だと地面を見ると、小指の爪ほどの大きさのヒョウです(写真下右)。これはたまらん。私は走って逃げ帰りました。地面は排水が追いつかなく、川のような状態で、そこを走ったから靴は雨でグシャグシャです。

 

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意外に安くないガソリン価格

 予定どおり、八時半前に荷物をまとめてモーテルを出発。近くのガソリンスタンドで給油します。ガソリンは三種類あり、1ドルを80円で換算するなら約101(126.9ドル)110(137.9ドル)115(144.9ドル)です。この時期、私が日本で買ったレギュラー・ガソリンは110120円でしたから、日本よりもちょっと安い程度です。

 資源の多いオーストラリアでは石油の自給率も日本とは比較にならないほど高いが、それでも輸入していて、ますます輸入量が増えるだろうと言われています。

 

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 給油したガソリン代金は店に入って支払います。ゴードンさんがクレジット・カードで支払う所まで付いて行った物好きは、もちろん乗客の中で私一人です()。日本とは順序が違うのが面白い。私が普通ガソリンをセルフ・サービスで詰める時は、先にクレジット・カードを入れて確認してからです。ところが、ここでは先にガソリンを入れて、それから店に行き払っている。どうやら泥棒が少ないらしい。

 

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大規模な山火事の跡

 バスで進むにつれて目立つのが沼です(写真下)。これだとまるで水の豊かな地方のようですが、もちろん湖沼のない所は乾いています。大地が平らなので、たまたま少し低い所に溜まっているというだけなのでしょう。今年は雨が多かったようですから、今回、あちらこちらでこういう光景を見たのを普通とはみなさないほうがよさそうです。

 

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 普段は乾いている証拠が山火事です。道の両側の森で大規模な山火事があったらしく、広範囲で樹木が黒く焦げています。後で昼食の時に立ち寄った公園でわかったのですが、これは去年2015年にあった火災で、死者が出るほどでした。

 

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 動物に気をつけて、という警告です(写真下)。日本と違いカンガルーがいる。

 

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 写真下右がロード・トレインで、オーストラリアでは普通に見かけます。写真では小さく見えますが、隣を通りすぎると、名前どおりに列車が通過したような迫力があります。日本の道路ではまず通行が無理でしょう。

 

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 踏切のマークです(写真下)。日本と違うのは、信号が付いている踏切では、信号が鳴っていなければ一時停止もせずにそのまま通過します。最初、停まらずに通過した時には、列車が来ていないがわかっていても怖かった()

 

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青空の雨

 最初はエスペランス北部にあるSwan Lagoon Nature Reserveの近くの数カ所で花を探します(9:48-10:20) (10:49-11:21)

 

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 写真のように、青空が見えているのに雨がぱらつくので傘をさしています。雨が降るのはありがたくないが、虫がいないので助かる。

 今回の旅行では、車を降りたら、毎回まず虫よけスプレーを振りかけました。そのくらい森には虫が多い。おかげで日本から持ってきた虫よけスプレーを昨日で使い切ってしまい、まさかこんなに多いと思っていなかったので予備もなく、今日はどうしようかと思っていたのです。間髪的な雨のおかげでなくても済みました。

 

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 雨が激しく降ってきて他の人たちは撮影を中止しても、私だけは花の中に雨宿りしている虫を撮影しました(写真下中)。こんな時でもないと虫はジッとしてくれない。こうして見ると、ランの花の形が雨傘の役割もして、虫を集めているのがわかります。

 

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写真上下 Pterostylis mutica

 

 ひどく降ったのは五分ほどで、その後は再び晴れたり小雨になったりを繰り返しました。幸いこの日、観察を中止しなければならないくらいの雨はこの五分ほどだけでした。

 

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 白いスパイダー・オーキッドです。一つの株から枝分かれしているのがおもしろい。

 

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写真上下 Caladenia longicauda

 

 写真下を見てください。ランの花弁が風で激しくゆれている姿です。花弁がヒゲのように長いのがわかります。

 

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 White Spider Orchidは毎日見ているのに、今日が最後だと思うと、熱心に撮ります()

 

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 ランの花は何度見ても複雑な姿をしています。その一つ一つに何か深い理由や意味があるのでしょう。詳しく質問してみたいが、残念ながら、花はしゃべれないし、私はテレパシーができない()

 

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 写真上では、唇弁(リップ)の両側に紫色のヒゲが生えているに、写真下のように短くて、ほとんど生えていないランもあります。

 

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 写真下のランは真ん中の唇弁が両側に大きく発達しています。また、これまでのスパイダー・オーキッドと比べると、「手足」が短い。

 

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写真上下 Caladenia doutchiae

 

 Purple-veined Spider Orchidという名前で、唇弁の部分が茶色なのが特徴です。

 

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 写真下のように下から撮ると、花の印象がちょっと違います。

 

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 写真下は足をすぼめ、交差させてダンスしているように見えます。見れば見るほど形が奇妙なので、つい擬人的に見てしまう。あるいは、スルメにも見える()

 

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 全体が赤茶けた色の個体もあります。

 

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 写真下のスパイダー・オーキッドの唇弁は黄色い翼を広げたような格好をしています。

 

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写真上下 Caladenia falcate

 

 花弁とガクの「手足」が長いので、全体(写真下上段)を写すと中心部がわかりにくく、中心部(下段)だけだと全体像がつかめない。

 

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 「手足」を思いっきり空に向けてのばしている。

 

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 斜め上から見ると、黄色いエリマキを付けたカマキリ宇宙人に見える()

 

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山火事の林の中

 写真下は乾いたような小さな花で、ビニールで作ったような透明感のある薄い水色がとてもきれいです。

 

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 写真下はHibbertiaの仲間ではないかと思われますが、種類が多すぎてわからない。

 

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 地面に綿を置いたような花です。写真下の左右では葉の色がだいぶん違うが、同じ植物でしょう。

 

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 地面を良く見ると、山火事で地面が焼け焦げたような跡があります。そこにもたくましく這うようにして広がっている植物があります。スベリヒユの仲間だと言われると妙に納得します。

 

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写真上 Calandrinia corrigioloides

 

 林の奥に青い花が広がっています。

 

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 写真下は黄色い実がなるのでカンガルー・アップルという名前が付いています。

 

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写真上 Solanum laciniatum

 

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 写真下は日本で言えばエノコログサで、やや小柄です。

 

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写真上 Neurachne alopecuroidea

 

 

百年前の開拓民

道路脇の公園で昼飯です(11:34-11:59)。松森さんが買ってきたキュウリのピクルスが妙においしい。

 

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 ここは開拓移民たちを記念するScaddan Pioneer Parkという公園です(写真下)

 

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 トイレなど建物の壁には当時の様子を示す絵が描いてあります(写真下)

 

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 1910-1959年が移住してきた年なのでしょう。エスペランスの公園などもそうだが、このあたりは開拓が始まったのはわずか百年ほど前のようです。エスペランスに欧米人が来たのは1800年前後らしいが、入植は1870年代からといいますから、日本で言えば明治以降です。

 

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 エスペランスの海岸にあった記念碑もそうだが、彼らは何かこうやって記録を残そうとする習性があるのが興味深い。日本では戦さや大事件の記録はあっても、こういう一般庶民の記録は少ない。

 

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 建物の内側には開拓民たちらしい写真が二枚あります(写真下)1913年撮影で、入植して数年、今から百年前で、たぶん誰も生きていません。記念写真を撮るのだから、よそ行きの服装をしたのだろうが、貧しいとか、飢えているという雰囲気はありません。全員の名前が残っているのもすごい。

 

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壁に名前の書いてあるプレートが貼ってあります。名前の下に年代があり、たとえば1931-1934など、わずか数年と書いてあるのは夭折したという意味なのか、その期間しか滞在しなかったという意味なのか、良くわかりません。

 

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 写真下の記念碑は2015年に山火事の消火中に亡くなった人らしい。午前中、バスから見ただけでも、大規模な山火事だったのがわかります。

 

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 道端にはピンク色の花が咲いているで車を止めます。

 

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 これまでも何とが見た花ですが、ここのは生垣のように見事です。

 

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写真上下 Beaufortia schaueri

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人数が増えた?

 食事を終えて、次の観察場所に向かいます。

 

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最後に訪れたのがHelms Forestry Reserveです。

 

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 写真下の松ぼっくりを見てください。私のつま先と比較してもデカイのがわかります。

 

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 お馴染みのドンキー・オーキッドの一つBee Orchidです。

 

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写真上 Diuris laxiflora

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 こちらのスパイダー・オーキッドの中でもまた別な種類らしい。外見が似ているので、図鑑をいくら見ても、素人には分類は無理です。

 

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写真上下 Caladenia georgii

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 ここにもスネイル・オーキッドがあります。良く見ると突き出た先に黒い点があり、まるで本当に目みたいです。Pterostylisの仲間だが、名前が確定されていないようです。

 

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 森の中を歩いている内に、いつの間にか私たち一行の人数が一人増えました()。あら?この女性はどなた?

 

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写真上下 Caladenia flava

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 私たちが花を探して撮影しているのを見て、彼女も車までカメラを取りに戻り、加わったようです。私たちは専門家が花を探してくれるから後を付いていくだけで良いが、ただ森の中を歩くだけでは花を探すのは容易ではない。良い被写体を見つけた時は「ここのがきれいだよ」と教えてあげました。一緒に春の花を楽しみましょう。

 

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 ランの五つの花弁のように見えるのは、実は上一枚と下二枚は花弁ではなくガクであり、横に突き出た二枚と真ん中の唇弁が花弁です。しかし、この黄色いランの花は、上一枚のガクは横二枚の花弁と大きさと配色が良く似ており、下二枚のガクとは大きさも配色も違います。こうしてみると、このランは進化のかなり初期の段階でガクと花弁の区別をやめてしまい、一緒に変化させて来たということなのでしょう。

 

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 毎日見かけるモウセンゴケの花で、茎が細いので、まるで花だけが落ちているかのように見えます(写真下)

 

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写真上 Drosera menziesii

 

 写真下はこれまでも何度も見かけた花で、ここは群生していて見事です。写真下の二枚の写真はほぼ同じ位置から撮りました。左が一眼レフ、右がコンパクトのカメラです。それぞれの特徴が出ていておもしろい。

 

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写真上 Chamaescilla spiralis

 

 写真下も上段二枚が一眼レフ、下段二枚がコンパクトです。一眼レフは色の階調が細かいので中間色が良く出て、コンパクトは色や形のメリハリが効いてすっきりと見える。一眼レフは自然の色に近く、コンパクトは強調されているのできれいに見える。

 

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 特徴あるフマリエの仲間が咲いています。今回の旅行では初めて見ました。

 

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写真上 Fumaria capreolata

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 この保護区が最後で、花の観察はこのフマリエですべて終了です。

 

 

プロペラ機

Gibsonにあるエスペランス空港に到着(13:25)。四時すぎの飛行機ですから、三時間近く余裕があります。

 飛行場はすごく小さい。一日にパース往き三便、パースから三便しかない典型的なローカル空港です。空港の前が駐車場になっているので、客がいないわりにはたくさんの車が停まっています。私の住む茨城県の茨城空港はここと同じで駐車場が無料ですので、ぜひお越しください()

 

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 ここで六日間お世話になったドライバーのゴードンさんとはお別れです(写真下)。彼はこれから車を運転して、750kmの道をパースまで戻ります。時々、日本人が日常で使うような単語が彼の口から飛び出すので、不思議に思っていたら、奥さんは日本人だそうです。

 

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 飛行機の座席を前もって予約できず、しかも、係員が全員の分を勝手に取ってくれるので、私だけ後で変更を申し出ました。幸い、飛行機の離陸時間の三時間も前に行ったせいか、乗客が少ないのか、簡単に変更できました。

 

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 私たちが早めに到着したので他に客もおらず、待合室はまるで専用です。荷物を広げ、靴などを履き替えることが楽にできる。

 

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 機内持ち込みできる手荷物は二つのみで、一つが7キロまでだという(写真下右)。私と松森さんの手荷物が重量オーバーの警告が出て、私はカメラを取り出し、合格。もちろんカメラもこのまま機内に持ち込むのだから、何がマズイのかよくわからない()。荷物が棚から落ちてきた時の危険を避けるための基準かもしれません。

 

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 さらに驚いたのが、手荷物検査は重さを量るだけで、実際に飛行機に乗る時の手荷物検査はありません。もちろん、エックス線検査なんてありません。検査なしに飛行機に乗るなんて、たぶん初めてではないか。水はもちろんのこと、これなら爆弾を持って入ることも、ハイジャックも可能です()。ただし、この飛行機でエスペランスから海外に出るの無理でしょう。

 

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 パースから飛行機が到着(15:56、写真下左)。虹も出て(写真下右)、どうやら、欠航にはならないようなので一安心です。パースで見た時もそうだが、気のせいかオーストラリアの虹って、日本よりも大きく感じる。だぶん広々とした所に虹がかかるからなのでしょう。

 

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 荷物の積み込みが始まりました・・・えっ!係員は女性ではないか(写真下)。私のスーツケースなど20kgありますから、それを荷台の位置から胸の高さくらいまで持ち上げるのだから、ほとんど重量あげです。最大で33人分を一人で持ち上げる!腰がおかしくなりそう。

 

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 いくら男女平等でも、ちょっとひどくないか。なんでリフトを使わないのだ?ここはこの型の飛行機しか来ないのだから、専用のリフトを作れば良いだけです。結局、最後まで彼女一人で荷物を持ち上げ(写真上)、庫内の整理をしてから(写真下左)、自分で運転して去りました(写真下右)。彼女のすごい体力に軟弱な私は妙に感心してしまいました()

 

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 四時すぎに搭乗が始まりました(16:19)。待合室から、検査もなしに、そのまま飛行機に乗りますから、列車に乗るような感覚です。

 

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 飛行機はリージョナル・エクスプレス航空(Regional Express Airlines)ZL2376便で、機体はSaab 340のプロペラ機です。スウェーデンのサーブ社とアメリカのフェアチャイルド社が共同開発した33人乗りの小型機で、今は生産されていません。私は、もちろん、この飛行機に乗るのは初めてで、旅行が始まる前から楽しみにしていました。

 普通のジェット機には付いていないプロペラがあるので、何となく嬉しい()

 

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ローカル線なので前もって座席を予約することができません。前日に松森さんが予約しようとしたら、紙の打ち出しを持って来いという無理な指示で、結局当日受付ということになりました。私は下記の座席図面を見ていたので、一番後ろで一人座席の11Aを取りました。ところが、実際に座席にたどり着いて驚きました。一番後ろはバスの最後部座席のように4座席でした。つまりこの飛行機は34人乗りだった。幸い、私ともう一人だけだったので、隣は空席でした。いろいろと予想外のことがあるものです。

 

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 ほぼ予定通りに飛行機は激しい振動と轟音を立てて離陸しました(16:34)。約一時間半の空の旅で、出発地のパースに引き返します。六日間の間にずいぶん遠くまで車で走ったものです。

 

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 他のお客さんたちはあまり振動がなかったといいますが、私の座席の天井にある荷物入れのあたりで何か振動しているらしく、客室乗務員が気にするほどの振動音がでます・・・頼むから着陸するまで壊れないでくれ()

 

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 離陸後、エスペランスの緑の大地が見えていましたが、やがて雲の上に出ました。それほど雲は厚くありません(写真下右)

 

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 離陸後、間もなく飲み物とビスケットが出ました(16:50)。客室乗務員は一人で、最大34人の客とは言え、何でもこなさなければならないから、それなりに大変そうです。大変な理由の一つが写真下で、コップやビスケットを配る時にコーヒーや紅茶などの選択を質問して(写真下左)、全員の選択を聞いてからポットを取りに行き、再度、最初のお客さんから選択を質問して注ぐ(写真下右)。飲み物によって容器が違うのかもしれないが、工夫すれば一度の質問で済むような気がする()

 

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 下の風景を見ると、ジェット機よりも飛行高度が低いような気がします。地上を走った時と同様に、意外に緑が多い。

 

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 煙が見えます(写真下)。写真下右も遠くに煙が少なくとも7カ所見えます。煙の範囲が狭いので、山火事ではなく、焚き火のようです。しかし、山火事が多く、大規模な被害を出しているこの国で、森の中で焚き火をするのはどういうことなのだろう。

 

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 飛行機は高度を下げ、やがてパースの街並みが見えて来ました(写真下)

 

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パース空港でハンバーグ

 ほぼ予定通りの時間に飛行機は夕方のパース空港に無事到着(17:57)。春の強風で飛行機そのものが飛ぶかどうか危ぶまれましたが、まったく飛行には支障がありませんでした。一時間半の飛行はそれなりの長さなのだが、国際線に比べると短く感じます。

 

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 パースの空港で植物ガイドのブラウンさんともお別れです。案内された場所で次々とランを探し出し、また同定する能力はすごい。西オーストラリアだけで五百頁のランの本を書いたというのもすごい。「蘭オタク」という称号を授与します()

 

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 パースの空港に降りても、国際線の表示がなく、探すのに苦労しました。建物の外に出て、別なターミナルまでかなりの距離を歩きました。国内線から国際線への乗り換えなどがわかりにくい空港は珍しくないが、まったく表示のない空港は初めてみました。

 

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 空港で夕飯です(18:28)。これから乗る飛行機で夕飯が出るのは夜中の0時をすぎます。そこで旅行会社からのサービスということで、皆さんでハンバーグを食べました(写真下)

 

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 空港の二階に店があり、真ん中が椅子とテーブルで食べられるようになっています。人は多いが、混んでいるというほどではありません。

 

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 十時すぎから搭乗手続きが始まりました。

 キャセイパシフック航空CX170便はエアバス社A330-300です。写真下左が今夜の私の寝床で、予約どおりで、後ろから二番目74Aです。幸い、隣の人は来ませんでした。

 

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 ほぼ予定通りの時間に離陸(29日の0:10)

 

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 一時間ほどして夕飯が出ました(29日の01:16)。先ほど空港でハンバーグを食べたし、こんな時間に食事を取るのは私の胃腸が受け付けてくれないので、水分を少し取るだけにしておきました。

 

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 モニターを見ると、飛行機は間もなくオーストラリア大陸から海に出ます(写真上右)。ランをたくさん見せてくれたオーストラリアともさようならです。香港には明日の八時頃に到着予定ですので、それまで少し眠りましょう。隣がいないので多少は眠りやすい。毛布や枕が二人分あるのも助かります。

 

 

 

 

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