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2日目 200062() 

バンコク→パロ→ティンプー

 

 

4:15 起床。

5:20 ホテル出発。

5:37 空港到着。

ホテルから持ってきた弁当で朝食。空港税500B(1500)

 

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ブリテッシュ・エアロスペース社製 BAe146-100

 

8:18 ドゥルックエア125便で離陸。

ドゥルックエアは国営航空で、7080人程度の中型機です。ビジネスクラスが二座席確保できたとのことで、抽選したら、なんと私に当たりました。ブータンのくじ運の神様に感謝しながら、年配の方に譲るように辞退したところ、もう一人当たった方も辞退して、年配のご夫婦に座ってもらうことになりました。

ブータン人のスチュワーデスは背が高い。ブータン人とはみんなあんなにすらっとしているのかと最初驚きましたが、旅行した結果、どうやら、スチュワーデスだけのようでした。

 

10:47 カルカッタ着。せっかくだからインドに立ち寄って行こうとしましたが、機内からは出られないようです。

11:37 再離陸。

12:25 雲が多いが、左の窓からヒマラヤの雪をいただいた山がみえます。

11:41(ブータン時間) パロ空港に到着。

 

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着陸少し前には、雲の間から眼下に山並みと畑などが見えました。昨日まで雨で、今日の飛行も無理だろうと言われていたほどでしたが、雲があるだけで、地上は晴れています。どうやら、ブータンのお天気の神様も味方してくれているようです。

 

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空港の建物は最近建てられたらしく、けっこう立派で、建物の中もブータン独自の装飾がほどこしてあります(写真上右)。日本人による設計のようです。

 

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パロは有視界飛行なので、天候が悪いと飛行機は欠航するようです。上の写真は後日、対岸から空港を撮った写真で、空港が河原に作られているのがわかります。そのくらいブータンには平地がありません。滑走路のすぐそばに民家がみえます(写真上右)。本数が少ないから、気にならないのでしょう。

 

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 我々のツアーはTingriという旅行会社が担当しており、マイクロバス二台で迎えにきています。

12:33空港をバスで出発。一路、パロから首都のティンプーに向かって、いったん南東に向かって走ります。

 

 

 

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今回旅行した範囲で言うなら、ブータンは平地が川に沿って少しあるだけで、ほとんどすべてが山で出来ています。従って、道もほとんど曲線の山道で、上がるか下がるかのどちらかで、平らな道は空港近くの道くらいしかありません。

 

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バスからの風景は山また山だが、日本と違い、山にはあまり大きな樹木はありません。風のせいではないかとのことでした。上の二枚の写真の山の中腹に見える建物は個人のお寺だそうです。

 

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南下してチュゾムという4本の幹線道路が合流している地点に到着しました。二方向からの川が交わって、インド方向に向かう地点です。後日も何度かここを通過しました。チュゾムとは地名というよりも、合流点というくらいの意味のようです。橋と検問所と3つのチョルテン(仏塔)が川岸にあり、路上に二軒ほどの出店があるだけです。ここで、東の方向に曲がります。

 

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 チョゾムを過ぎたあたりから、少しずつ緑が多くなりました(写真下左)

 

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14:10 道は山道で舗装はされているが、上がり下がりの激しく、きついカーブが続きます。

 

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ティンプーに近づくにつれて、田んぼも見られるようになります。やがて、ティンプーの街が見えてきました(写真下)

 

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14:35 首都ティンプー到着。上右の写真が「首都」だと聞いて、たいていの日本人は驚きます。ティンプーは南に流れる川にそってできた谷に広がる街で、日本の田舎町程度の規模しかありません。

 

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ホテルRiverview Hotelは川の東側にあり、名前通り、川が目の前にあり、寝ているときも、川の流れる音が聞こえました(写真上)

ホテルは外見は4階建てで立派だが、中の設備は古っぽくあまり大したことはありません。ティンプーは標高2400mなのに、建物にはエレベーターがなく、4階まで上がると息が切れます。荷物を持ち上げるポーターには女性もいて、さすがの彼らも疲れるらしく、休みながら持ち上げていました。

バスタブはしっかり掃除をしていないらしく、底にゲジゲジのような虫の死骸が・・いくらなんでもこの虫の死骸は入浴剤ではないよなあ。おまけに古いらしく、ヒビが入り、足を乗せるとフカフカして、底が抜けそうです。お湯は一応出たが、バスタブに満タンになった頃から水になりました。ブータンでお湯が最後まで出たことはありませんでした。

 

 

 

植樹祭

15:30 最初の行事であるバンケットホールでの植樹祭に出かけます。バスで川沿いに北に10分ほど行った所にバンケットホールがあります。入口の道路に、赤青緑黄色など、色とりどりの布が飾ってあります。後で知ったのですが、これは我々への歓迎を示したものだったようです。(写真下左)

 

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建物に入ると会議場に案内される。壇上にはCherry Plantation Program Social Forestry Day-2nd June 2000と書かれ、お偉いさんがすでに待っていました。3時からの予定をこちらは30分ほど遅刻して到着したことなります。

 

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写真上左:環境副大臣Nado Rinchhen

写真上右:RSPN会長のDasho Sangay Thinley

 

植樹祭だと思っていたので、会場の物々しい雰囲気に、少々、驚きながらも中に入りました。観客を含めて60人くらいでしょうか。環境副大臣などブータン側のお偉いさん二人がスピーチしました(写真上)

ただ桜の木を植えるだけなのに(失礼!)、これだけの行事をするとは・・・儀式の苦手な私は最初からビビリました。

 

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建物の外で植樹が行われました。バンケットホールの建物の前にある、バラなどが植えてある庭に、ブータン側、日本側の代表者たちがまず植樹し(写真上)、続いて、我々も植樹をしました(写真下)

 

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この様子は、ブータン新聞KUENSELRSPNの機関誌に掲載されました()

 

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植樹が終わった後、庭に大きなテントが二つあり、そこでお茶会になりました(写真下)。テントは龍などブータン独特の模様が入っていて、なかなか美しい。お茶や軽食が用意されており、学生たちがたくさんいました。

 

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17:00 植樹祭は終了。

17:18 ホテルに戻る。

ホテルでUS$1004281Nuを換金しました。

 

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写真上:ホテルからの対岸の眺め

 

夕飯まで時間があり、まだ明るいので、ティンプーの街を散歩することにしました。繁華街は川向こうです。上から見るかぎり、川の水はかなりきれいです。

 

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家は川岸の崖っぷちに建っています。ここでは平地がないので、当たり前のことなのでしょう。死者の供養を表す旗が立っています(写真右中)

橋の所まで来ると、造成工事をしています。ここは有名高校で、その父兄は金があり、車で来るものだから、駐車場を造成しているとのことでした。ブータン人はあまり教育熱心ではないが、ティンプーの金のある層では教育が加熱しているという。

 

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橋を渡ると(写真上左)、ブータン風のガソリンスタンドがあり、警察官が交通整理しています(写真上右)。車は多くありません。まっすぐ西に行くと、メモリアルチョルテンがあるが、明日行く予定なので、行くのをやめました。

北に行くとすぐに時計台のある繁華街があります。そこで13Nuの水を買いました。

来る前にホテルで水を買うのに$1出すと、5Nuのお釣りが来ました。換金したドルから推測して、おおよそ$142Nuだから、ホテルの水は37Nuしたことになります。街で13Nu(40)ですから、ホテルは三倍近い値段ということになります。店があまりに安いので、聞き違いをしたのかと思い、「30 thirty 」と聞き直すと「13 thirteen」というので、驚きました。

 

19:00 植樹祭のRSPN (Royal Society for the Protection of Nature)主催の夕食会に招待されました(写真下)。対岸のホテル・ペリンに行きました。壁にそって長椅子が並び、その前に、椅子と同じ高さの四角いテーブルが並んでいます。全員が対面するような配置で、ブータンの宴会はよくこの配置で行われるようです。テーブルが狭いので使い心地はあまりよくありません。

 

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ブータンではまず最初に簡単なおつまみと飲み物が出て、しばらく談笑して、その後、食事がバイキング方式で出ます。その間に、スピーチや贈り物の交換などが行われます。談笑時間が30分、長いときには1時間近くも続き、こちらは腹が減っているので、このやり方には旅行中ほんとうに困りました。

招待してくれたDasho Sangay Thinleyは日本人そっくりで、背広を着て歩けば、だれも日本人だとは疑わないでしょう。詳しい方によれば、彼の着ている民族衣装である赤いゴー(Gho)は野生の絹であるブラ(Bura)を使った高級品だそうです。

 

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20:40 突然停電。ブータン人は「しばらくぶりだ」と言ったが、現地の日本人は「昨日もあった」と言っています()。ローソクをつけて、電気がついても、つけたままにしてあります。現地の人たちは慣れているなあと感心していると、電気がついているのが当たり前の日本人たちはローソクを消しました・・・彼らがつけっぱなしにするのは理由があるからで、よせばいいのにと内心思ったら、予想通り、また停電しました。

 

 

ブータンと日本は違う

 私たち日本人はブータン人に、まるで親戚に会ったような奇妙な親近感を持ちます。外見が同じモンゴロイドであるだけでなく、男性の民族衣装ゴーは日本のドテラと似ているし、布は日本のカスリを連想させるような模様です。国民の大半が稲作を中心とした農民であり、山の多い風景はまるで日本の里山のようです。仏教を文化の土台として、目上の者を重んじ、日本の古い村社会を思わせるような礼儀と付き合いを重視した社会習慣も日本人には馴染みがあります。

 こういう点から、日本人はブータンとブータン人に親近感を持ってしまい、もちろん、私もその一人です。日本人の書いたブータン観を読むと、ブータンに日本のあるべき理想郷のようなものを見いだしているのには驚かされます。これなど親近感が高じた結果でしょう。

だが、ブータンについての本を読み、一度この国を訪問して感じることは、彼らと付き合うには、日本人との共通点を探すのではなく、逆に、違う点を自覚することのほうが大切だと実感しました。

 似ているようでありながら、むしろ違う点のほうが多い。彼らの文化の土台はチベットであり、そこに中国とインドが加わっています。似ているように見えるのは、それらの混ざり具合と環境であって、むしろ、「他人の空似」です。

 これからブータンを訪問しようとしている方は、ぜひ共通点に親近感を持つのではなく、違う点を探してください。

 

 

 

 

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