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赤道直下エクアドル・アンデスの花

1日目 201999()

成田 ヒューストン() キト

 

 

いきなり台風15

 南米エクアドルのアンデス山を訪ねて、最高峰のチンボラソ山の麓にランなどを探しに出かけます。今日は、アメリカのヒューストン経由でエクアドルのキトに行く予定です。

 

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 ところが、旅の始まりの成田空港から台風でつまずきました。前日、台風15号が関東地方を直撃して、猛烈な風が吹いて、夜中にしばしば目が覚めました。幸い、朝、起きた時には、台風は茨城県の北部にいて、間もなく太平洋に抜けるので、私の乗る夕方の便には問題ないだろうと、ひと安心していました。15号は小型ながら、中心気圧が960hPaというかなり強い台風で、東京都内では強風で大きな街路樹が折れ、運転停止していた首都圏のJRが再開されたのは朝9時すぎで、つくば市から成田までの圏央道は閉鎖されていました。最大風速は千葉県で57m/sだったという。

 

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写真上左はウェザーニューズ、写真右はtenk.jpから転載

 

 10時頃にはつくば市でも風がおさまりました。成田までの圏央道は閉鎖されたままなので、家を早目に出て、一般道を行くことにしました。茨城県から県境の利根川を越えて千葉県に入るまでは順調だったのに、成田空港まであと10kmほどのところから渋滞が始まりました。

 

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写真上はウェザーニューズから転載

 

 集合時間を1時間近くも遅刻して三時少し前に息切って集合場所に行くと・・あら?誰もいません()。すると近くに座っていた方が話しかけてきました。上野さん(仮名)は参加者の一人で、台風と聞いて昨夜から空港にいたという・・・それは正解だ!しばらくして合計4人が集まりました。肝心のツアーリーダーの松森さん(仮名)はもう一人のお客さんと一緒にタクシーで成田に向かっているが、間に合うかどうかわからない。

 

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 航空会社の職員から、飛行機に乗るかどうか、質問されました。松森さんが間に合わなかったら、客だけ四人で出発することになります。想定していなかった事態だが、私は激しく決心して、他の誰にも相談せずに「行きます!!」と宣言しました()

 参加者の冨野さん(仮名)はなんと植物学の専門家だという。私は上野さんと二人で「冨野さんを隊長にして、エクアドル植物探検隊を結成しよう!」と決定しました。もちろん、後々まで冨野さんは自分が隊長にさせられたことは知りませんでした()

 

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 客である私たちが行くと告げたのだから、荷物の預け入れをしなければ、飛行機の出発は遅れます。出発予定表を見ると、16:35出発がすでに17:10になっていますから、あと一時間ほどです(写真下左)。松森さんが到着するまで、どうやって引き延ばすかが作戦で、担当者に、あと10分、あと5分とのばしながら建物の入口を見ていると、四時半すぎにようやく二人が飛び込んできて、一安心しました。惜しいことに、結成したばかりのエクアドル植物探検隊四人組は解散しました()

 

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ようやく出発

 当初、ユナイテッド航空UA 006便は成田を16:35に離陸し、12時間5分の飛行の後にヒューストンに14:40に到着する予定でした。

 

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 アメリカの航空機はたいてい座席を予約するのにお金がかかります。しかし、12時間もの長時間飛行を考えると、自分の身体のためにもやむをえない。ところが、お金を払ってもなぜか後ろの座席は予約させない。

 下図が予約の時の画面で、35番以降の後ろの座席は満席ということになっています。どちらかというと嫌われる後ろの席が完璧に満席などありえない。実際に乗ってみると空いているばかりか、当日手続きをした他のお客さんは後ろの席でした。つまり、予約を取らせないようにしてあるのです。今でも意味がわかりません。結局、私は往復四便に必ずしも希望ではない座席にお金を払って予約しました。

 したがって、この飛行機を含めたユナイテッド航空に対する個人評価は五段階評価のD、大きな不満があるというものです。お金を払っているにもかかわらず、空いている希望の座席が取れないというのは変です。

 

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 テンヤワンヤの後、予定よりも一時間半ほど遅れて、夕焼けのきれいな成田空港を離陸しました(写真下, 18:12)

 飛行機が朝の便でなかったのが幸いで、それなら確実に運行停止になっていたでしょう。後で聞くと、成田空港では午後五時すぎの飛行機の多くはキャンセルになったそうです。つまり、私たちはかろうじて「狭い隙間」を通り抜けて出発できたのです。

 

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 後でわかったもう一つのラッキーは、この便のパイロットが東京のホテルに宿泊していたため、成田への到着が遅れて、飛行機の出発時間が遅れたという点です。彼(彼女?)が成田市内にいたら、予定どおりの出発時間になってしまい、本当にエクアドル植物探検隊四人組になっていたかもしれません。

 

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 残念なのは、申し込んでいたお客さんの内、四人が参加できなかったことです。新幹線が止まってしまったため、神奈川県に住んでいた三人は出発そのものをあきらめました。もう一人は成田空港までタクシーで来たが渋滞で動かず、車を降りて歩き出したが、間に合いませんでした。結局、松森さんを含めて、女性が二人、男性が四人の六人が何とかこの飛行機までたどり着きました。

 

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 離陸して一時間ほどで食事が出ました(19:01)。いくらエコノミーでも夕飯なのにずいぶん貧弱なメニューです(写真下)。後でわかったのは、台風15号の大混乱で、千葉県は大停電が起きて、野菜など食材が届かなかったのです。それを補うためか、食後のデザートにアイスクリームが出ました (19:37)

 

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 飛行機は台風の影響もなく、カムチャツカ半島の南を東に向かって飛んでいます(下図)

 

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 12時間もの長時間飛行の暇つぶしには映画が一番です。最新の映画が見られます。

『アラジン』(Aladdin、アメリカ、2019年)

Dark Phoenix(アメリカ、2019)

 映画の内容はともかく、音が悪すぎてうまく聞き取れない。イアホンが悪いのか、音声端末がいかれているのか、わかりません。もっとも聞き取れなくても、困らないような映画で、後者が興行的には赤字だったというのも当然でしょう。

 

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写真上 Wikipediaから転載

 

 夜食が出ました(23:14、写真下)。私はこの時間は食事はしないので、後で旅行中に食べました。

 

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 夜11時頃に窓の外を見ると、もう夜明けです(写真下)。さっき夕焼けを見ながら離陸したのに、もう朝焼けです。

 

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 日本時間では夜中の零時を過ぎていますから9月10日なのに、日付変更線を越えたので、再び、前日の9月9日に戻りました。

 

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 やがてアメリカ大陸に上陸して、窓の外には広大な大地が広がっています(写真下)

 

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 朝食です(03:57)。つまり、後二時間弱でヒューストンに到着するということです。

 

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 雲はあるが、晴れています(写真下)

 

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入国してすぐに出国

 ヒューストンの市街地が見えてきました(写真下)

 

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 ヒューストンのインターコンチネンタル空港(George Bush Intercontinental Airport)に着陸(ヒューストン時間9/915:28, 日本時間9/1005:28)。ここで時間を14時間遅らせ、今は99日の午後三時半です。成田を離陸した時には夕方で、その四時間後には朝が来て、さらに六時間後には午後三時半だというのだから、時間感覚がメチャクチャになります。

 

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 ヒューストンは通過点で、エクアドル行の飛行機に乗り換えるだけなのだが、いったんアメリカに入国して、すぐに出国するという意味不明の儀式を受けなければならず、これが難題です。日本にいる時、ネットでESTAというアメリカの電子ビザを取っているので、簡単に入国できるはずです。ところが電子ビザは入国の許可書ではなく、実際に入国を拒否された日本人がいるとネットにありました。特に2015年以降、北朝鮮やイランなどアメリカが敵対国とみなしている国に渡航歴のある人に審査が厳しくなって、入国を拒否された人たちがいます。

 

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 入国審査は空いていることもあり、わりとスムーズにいきました。ESTAなのだから、機械による審査だけで済むかと思ったら、全員が係員の審査を再度受けました。行先を尋ねられたので、エクアドルだというと、入国スタンプを押して、手でわざわざエクアドルと記入しました。これは私だけでした。

 

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 幸い、全員、何事もなく入国し、すぐに出国の手続きをしてようやく出発ゲートにたどり着きました。通路にはたくさんの店が並んでいます。ここで目を引いたのが棚に並んだ金色の招き猫です(写真下左)。招き猫の上に描かれた女の子は、ミニスカートのようなミニ浴衣で、頭にはウサギの耳を付けて、丼のようなものを持っている(写真下右)。派手に目立つので、ここは日本人にとって集合場所として大変わかりやすく、実際に帰国の時に役立ちました。

 

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 写真下左は、真ん中にあるのは日本酒の四斗樽で、その上下には大正ロマンを感じさせるビールの広告が、そして周囲にはビール瓶が棚一面に並べられています(写真下右)。中国風の赤い提灯も下げられ、国籍不明の自己主張がすごい。

 

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 写真下はビールの醸造をイメージした装飾のついた酒場で、写真上に比べるとおとなしい。

 

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 ここでは食べ物の注文は座席の前にあるモニターでするようです。無人の店もあり、各人がカードなどを使って精算します。日本では、店そのものがカードを受け付けてくれない所があって、カード会社の手数料が日本は異常に高いからだと言われています。現金を使いながら、経済を活性化させようとしても無理です。

 

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 2016年にやっとマイナンバー制度を導入して、三年もたっているのに何の役にも立たない。車の免許証、健康保険証、年金、銀行口座などすべて統一してしまえば事務処理だけでなく、経済に良い効果が起きます。ところが日本の政治家たちは相変わらず現金を使い、官僚はハンコを押しているから、マイナンバー制度も単に国民に番号を付けただけだと思っていて、本当の価値がわからないから彼らには使いこなせない。

 

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 日本と大きく違うのが写真下のトイレです。これは個室の内側から見たもので、ごらんのようにドアに隙間があります。これは工事ミスではなく、わざと隙間を開けて、いざとなったら、外からのぞけるようにしたのでしょう。

 

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 エクアドル行の飛行機はユナイテッド航空UA1035 便はボーイング737-700で、ヒューストンを18:20に発ち、5時間 15分の飛行の後、エクアドルのキトに23:35に到着予定です。機内は満席ではないが、混んでいます。

 

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 五時間もの飛行がある国際線なのに、座席にはモニターがありません。写真下が私が25ドル払って予約した座席26Aで、翼の近くなので、本当はもっと後ろに予約を取りたかった。

 

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 下図が私がネットで予約した時の画面で、予約できる一番後ろの窓側は26列のみで、それよりも後ろは実際には空いているのに予約を入れさせない。皮肉なことに予約金を払っていない他のお客さんが後ろの窓側の席に座りました。この飛行機についても、Dで大いに不満があるとします。

 

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 飛行機は予定どおりの時刻にヒューストンを離陸しました(18:37)

 

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 離陸して間もなく、翼の下に虹が出ました(写真下)。空気に湿気があり、太陽との角度がそろえば、このような現象が起きてもおかしくはないが、私は初めて見ました。時々、虹が二重になって見えます。

 

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 夕日を浴びて雲が黄色やピンク色に染まって、とてもきれいです(写真下)

 

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 夕飯が出ました(19:43)。陽が沈んでしまうと、外は真っ暗で何も見えません。

 

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キト到着

 やがてエクアドルの首都・キトの街の灯りが見えてきました(写真下)

 

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 ほぼ予定どおりにキトのマリスカル・スクレ国際空港( Aeropuerto Internacional Mariscal Sucre)に着陸(23:26)。ヒューストン(アメリカ中部時間)との時差はありません。

 

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 入国審査は外国人用は四つしかなく、長蛇の列です。ここは2013年に開港したばかりの国際空港です。

 

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 現地の日本語ガイドのパエスさんがにこやかに出迎えてくれました(写真下)。彼と一緒にいたのは到着と帰国の二日のみだったので、あまり詳しい話はできませんでした。とても流暢な日本語で、人あたりも柔らかです。

 

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 迎えのバスに乗って、空港近くのホテルに向かいます(写真下)。空港自体がキト市街地から東にあり、ホテルは空港の南にあります。

 

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 今日の宿泊用のホテルGARDEN HOTEL SAN JOSEに到着しました(写真下、0:33)

 

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 建物は主に平屋で、一部二階建てで、なかなかおしゃれな雰囲気です。しかし、ホテルに到着したのは夜中の零時半で、しかも、翌朝は七時すぎの飛行機に乗るので、ここを六時に出ますから、ホテル内を見学できる時間どころか、ゆっくりと寝る時間もありません。

 

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 ここにある写真も、ホテルの玄関と自分の部屋を一往復する時に撮ったものです。中をゆっくりと見学したいような良い雰囲気のホテルです。

 

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 写真下がわずか5時間ほど滞在した私の部屋です。ホテル全体は大きいのに、部屋は少々狭い。だが、ホテル内のおしゃれな雰囲気が良いので、五段階の個人評価は余裕で4.0で満足です。

 

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 昼と夜がグチャグチャになり、日本を出てから何時間たったのか、何日たったのか、感覚が麻痺しています。身体がものすごく疲れているのだけはわかりますから、とにかく、一刻も早く寝ます・・・あっ、いかん、避難経路の確認を忘れた。でも、ここは二階だから、最悪、飛び降りても、死ぬことはあるまい()

 

 

 

 

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