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雲南のノモカリスと青いケシ

5日目 2019626()

老君山 シャングリラ

 

 

 朝六時頃起きました。室温は21.6℃です。昨夜は雨が降っていたが、今は曇り空です。ここでは雨さえ降らなければ合格です。もっとも、昨日は雨が降ったおかげで、滴のついた青いケシの写真が撮れました。

 

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 今日は老君山を出発して、200kmほど北にある香格里拉(シャングリラ)に行き、香格里拉の西にある石卡(シーカー)雪山に登り、三種類の青いケシを探します。

 

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 いつもの広々とした食堂で朝食です(7:00)

 

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 麺があり、なかなかの人気です(写真下左)。今日も名前のついたゆで卵です(写真下右)

 

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 移動距離が長いので、少し早目の8時に出発。ほぼ二日前に来た道を降りて行きます。ところが、昨夜の大雨が原因か、落石があちこちにあります。そのたびに車を停めて、運転手たちが石を片付けます(写真下)。手で片付けられないような大きな石が落ちていたらとヒヤヒヤしましたが、幸い、それはありませんでした。

 

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 ガイドが何度か車を降りて、道に異常がないか確認しています(写真下左)。川は増水し、泥で濁っています(写真下右)

 

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 一時間半ほどかかって無事に山道を下りて、舗装された国道214号に出て、ホッとしました。

 

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 白壁と灰色の瓦屋根で統一された集落はとてもきれいです。田んぼやトウモロコシ畑の広がる農村地帯で、山と山の間にはさまれているから、水も豊かなのでしょう。

 

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 集落の道沿いのそこここに小さな店があり、雑貨や食べ物を売っています。写真下の店は間口はそれほどでもないのに、「海洋綜合服務部」という広々とした名前です。

 

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 道端にいる女性たちにナシ(納西)族などいくつかの民族衣装が見られます。

 

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金沙江の展望台

 国道214号の左側に金沙江が現れ、これを見るために、長江第一湾観景台という展望台でトイレ休憩です(10:12)。下の地図のように、金沙江が北から流れてきて、この展望台の少し手前でV字に向きを変えて100kmほど北に流れて、再びV字に向きを変えて、ちょうど麗江をはさんで反対側を南に流れています。中国らしい雄大なスケールです。

 V字に向きを変えた所にも展望台があり、七年前、そこに立ち寄りましたが、スケールが大きすぎて、ただ河が流れているのが見えるだけで、V字であることはわかりませんでした。

 

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 建物の中よりも、前の広場にある露店がにぎわっています。地元産のように見えるバナナを一房で買おうとすると60(1080)だという。日本では売っていないような変わった形のバナナではあるが、私の行きつけのスーパーでの値段と比較して、財布を引っ込めました。

 

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 トイレのある建物の中にも店はあるが、外に比べて活気がない。この建物で一番驚かされたのが、ドアのないニーハオ・トイレでした。最近、トイレの改善運動が中国国内で進んでいるから、さすがに観光地では珍しい。

 

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 二つ目の驚きは、酸素ボンベが60元だという(写真下左)。2日前、麗江で買った15元の酸素ボンベは老君山では使わなかったので、大事にすることにしよう。写真下右のお茶には値札がないので、店員に値段を聞いても答えられません。

 

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 建物は斜面に作られているので、展望台は階下にあります(写真下)。店があって、その通路が展望台になっている。それも写真下左のように、店舗用の左側ではなく展望台の通路に衣類を並べていますから、通行や展望の邪魔です。

 

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 写真下左のように、展望台の奥の方は店が入っていないから、ここはあまり流行らないらしい。吹きぬけの展望台にたくさんの衣類が売られているというのも奇妙な光景です。売れるから並べているはずで、こんな所で衣類が売れる理由は何なのだろう?ここは田舎町で大きな衣料品店はないから、地元の人が買っているのかもしれません。

 

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 店の人なのか、ナシ族のオバアサンが座って、行きかう客たちを眺めている(写真下)

 

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 肝心の眺望は写真下のようなもので、大きな河が南()から北()に流れているだけで、特に絶景というほどではありません。対岸や眼下の集落のほうが見ていてはおもしろい。

 

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 川下りもしているのか、雨カッパが備えてあります(写真下左)。展望台から河口までは写真上を見てもわかるように、かなりの高低差があり、上り下りだけでもたいへんそう。後で写真下右のような、金沙江を走る観光船らしい船も見かけました。

 

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 私たちも船ではなく車で、金沙江に沿って川下りをしていきます。これだけ大きな河なのだから、輸送に使えそうだが、観光船を見ただけで、それらしい姿はありません。

 

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 写真下の金沙江にかかる橋を渡って、河の西岸に沿って、標識にも出ている香格里拉(シャングリラ)を目指します。

 

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 道端の料理店では、どの店も魚などの文字や絵がありますから、金沙江で採れた魚料理を出してくれるのでしょう(写真下)

 

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 昼にはまだ早いので、店の前に停まっている車は少ない。

 

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 河の両側の山の斜面に集落が見られます(写真下)

 

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 ここも白壁に灰色の瓦屋根が多く、風景に統一性があり、きれいです。いつも思うのだが、日本ももう少しこういう点を見習えないものだろうか。田舎に行っても、建物や屋根の色がバラバラで、見苦しい。

 

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 私たちが走る国道に並行して高速道路(高速公路)が見えます。私達が行くシャングリラまでを建設中で、55%が橋脚とトンネルでできているというから、素人目にも巨額な費用がかかるのがわかります。

 

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虎跳峡で昼食

 国道214号は金沙江の本流から離れて、北西から来る支流をさかのぼります。ここから金沙江の本流は両側を玉龍雪山(5596m)と哈巴雪山(5396m)に囲まれて、急激に川幅が狭くなっています。

 

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 金沙江が狭くなった激流が虎跳峡と言われる有名な観光名所で、名前どおりに、昔、虎がこの河を渡ったという伝承があるからです。私はこの話を聞いた時に驚いたのは、つまり、ここには昔は虎がいたのだ!今でも中国北部でアムール虎が生息していますから、不思議なことではありません。

 

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 本流から支流に入った所が虎跳峡鎮という街で、虎跳峡に来る観光客相手のホテルや土産物店が並んでいます(写真下)。両側から山と谷にはさまたれた街なので狭く、建物は川ぎりぎりに建っています。

 

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 虎跳峡鎮の木楼閣飯店で早目の昼食です(11:07、写真下左)。店の裏側には金沙江の支流が流れています(写真下右)。写真下右で、堤防のコンクリートが建物の下と、その向こうでは別な工事で、継ぎ目から崩壊しそうです。

 

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 レストランの入口には中国文化の狛犬が、上にはチベット文化のたぶんヤクの頭が飾ってあります(写真下)

 

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 昼食にはまだ早く、私たち以外のお客さんはいないので、中国にしては珍しく静かです(写真下)

 

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 店には道教系の商売繁盛の神様が祭ってあります(写真下)。店は家族で切り盛りしているらしく、たぶん写真下右の二人がその夫婦です。

外にあるトイレは有料(1元)だそうで、店の客ではないのにトイレだけ利用する人がいるからでしょう。

 

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 お土産の中で目を引いたのが漢方系の生薬です(写真下)。「高原野生当帰」が一束20(360)で売られています。「当帰」はセリの仲間の根で、婦人科系の漢方で良く用いられます。日本のそれに比べてかなり安いはずです。チベット圏ではこういう生薬がお土産屋や道端で売られていて、冬虫夏草のようにいったん人気が出ると、急激に値上がりします。

 

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 ここでもお茶ではなく、韃靼茶のような飲み物です(写真下左)。店のレッドブルは10(180)で、日本で売られているレッドブルとの決定的な違いは、炭酸ではない(写真下右)。一説には中国人は炭酸が苦手な人が多いからだそうです。私は日本にいる時にはレッドブルは飲みませんが、海外では良く見かけるので、味の違いを試します。

 

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 早目の昼食を取り、12時前には店を出ました。

 

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 車を停めて、対岸の崖に白い花を咲かせているサトイモの仲間を撮りました。今は白しかないが、昔はピンク色もあったそうです。見られなくなった原因は、もちろん乱獲です。

 

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写真上 Arisaema candidissimum

 

 乱獲したために、写真下のような誰も行けない対岸しか残らなかったようで、私の望遠ではうまく撮れません。

 

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 道端にはナデシコとアマの仲間が花を咲かせています。このあたりで標高が2200mほどです。

 

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写真上右 Linum perenne

 

 天気は相変わらずで、たまに小雨がぱらつく。

 

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 金沙江の支流の作った谷に沿った道を登って行きます。

 

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 道のそこここに小さな集落があります。下段の仮面は何なのでしょう。京劇の面やチベット仏教のマスクとも違います。

 

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チベット圏に入る

 観光バスを停めて見ている人たちの前の風景は写真下右です。特別な風景ではないのに、わざわざ展望台を作るはずはなく、たぶん、この展望台の目的は雲の中です。

 

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 下の地図のように、晴れていれば、道路の右側、写真上の雲がある位置に、高さ5396mの哈巴雪山(Haba Xueshan)が見えるはずです。

 

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 やがて仏塔が見られるようになりました(写真下)。チベット仏教圏に入ってきたのです。

 

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 写真下はコンクリートで作った四角い仏塔の上に、文字を書いた石を積み上げたものです。

 

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 写真下は赤い石かレンガを積み上げた仏塔で、ここまで来ると、仏塔の本来の意味が失われ、ほとんど装飾になっています。

 

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 展望台から少し登ると白い仏塔が並んでいるのが見えてきました(写真下)。チベット仏教圏ではそれほど珍しい光景ではありません。

 

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 仏塔の手前に看板があります(写真上左、写真下左)。仏塔の名前かと思ったら、看板には「歓迎免費参観藏獒」とあります(写真下)。「藏獒」とは写真下右のチベタン・マスティフ (Tibetan Mastiff)というチベットの犬のことです。犬を無料で見せますよという宣伝で、看板に描かれているのも二匹の犬です。寒いチベットに適用して毛足が長く、オオカミと闘うほどの大きくて獰猛な犬です。値段が高いことから、中国の金持ちの間ではこの犬を飼うのがステータスになっているようで、繁殖させているのでしょう。仏塔で観光客を集めるよりも、犬を売ったほうが儲かるらしい。

 

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写真上右 Wikpediaより転載

 

 

シャングリラに到着

 トイレ休憩を兼ねて、ちょっとだけ道端の花を観察します。水辺のアマビレが涼し気です。これを道端に見ると、チベット圏に来たと実感する。

 

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写真上 Cynoglossum amabile

 

 野原には黄色いマメの仲間がちょっとした花畑を作っています。

 

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写真上左 Anemone rivularis

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写真上左 写真上 Euphorbia jolkinii

 

 建物の雰囲気が変わってきました(写真下)。ナシ族の建物のように屋根を尖らせことはなくなり、窓枠や壁面に飾りが付いています。

 

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 私たちが走ってきた道と並行して見えていた工事中の高速道路がすぐそばに見えるようになりました(写真下)

 

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 やがて道路は片側三車線の赤い提灯の付いた立派な道路になり、はるか彼方に巨大な仏塔が見えてきました(写真下)。この仏塔は香格里拉(シャングリラ)の南側に建っている和塔中塔で、写真だと大きさがわかりにくいが、高さ108mですから、軽く30階のビルくらいの高さがあります。

 

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 私たちは香格里拉の市街地には入らずに、西にある石卡(シーカー)雪山のゴンドラの駅に行きます。

 

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 石卡雪山の方角の山々は写真下のように、どう見ても雨が降っている。すぐ目の前にあるはずの石卡雪山は見えません。

 

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ゴンドラで登る

 ゴンドラの麓の駅に到着(写真下左)。このあたりは藍月山谷景区(藍月山谷石卡雪山景区)と呼ばれ、石卡(シーカー)雪山の山頂近くまでゴンドラで登ることができます。地元の人たちは赤いターバンをしてチベット系の民族衣装を着ています(写真下)

 

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 良く見ると、ターバンのように頭に巻いているのではなく、帽子のようです。女性たちの顔が面長で、いかにもチベット系です。

 

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 下の地図で、私たちが今いるのが麓の駅で、直線で描かれたゴンドラ(索道)で中間駅(索道中間站)まで行き、そこで別なゴンドラに乗り換えて終点の山頂駅(索道山頂站)まで行きます。山頂駅から石卡雪山の展望台まではわずかです。ただ、今いる麓の駅が標高3500m、山頂駅は標高4300mですから、高山病がニッコリとほほ笑んでいます。私は麗江で買った酸素ボンベをお守り代わりにリュックに入れました。

 

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 駅の中は展示室になっていて(写真下)、右端にゴンドラの改札口があり、階段を上って行きます(写真下右)

 

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 ゴンドラは4台がひとまとまりになっていて、8人乗りのゴンドラに適当に分乗します(写真下左)。私たち以外のお客さんは少ない。ゴンドラは片側一車線で、上から降りて来るのと交換するために、途中で停まります(写真下右)。それがわかっていても、突然、空中で停まると何か事故でもあったのかとドキッとする。

 

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 山をしばらく登ると、やがて中間駅のある平地が見えてきました(写真下右)

 

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 富士山の山頂ほどの標高3720mの中間駅で乗り換えます(14:47)。いったんここで駅の外に出て、それから次の駅に入るようにできています。これはここで観光をするようにという商売と、高山に順応するために休憩して一気に上まで登らないためです。前回、六月上旬には周囲は紫色のツヅシのようなシャクナゲが満開でした。

 

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 こちらのゴンドラは3台が一組です(写真下)

 

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 狭いゴンドラなのにゴミ箱があり、酸素ボンベの空き缶が捨てられている(写真下左)。無賃乗車の客もいます(写真下右)

 

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 山の斜面には薄いピンク色のシャクナゲ(写真下の上段)が咲いています。写真下の下段の白い花はバラでしょう。降りて写真を撮りたいから、ゴンドラを止めてくれ、という訳にもいかない。

 

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 山頂の駅に到着しました(15:14、写真下)

 

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 終点駅から展望台に向かって木道が続いており、4300mを越えていることを除けば、山道としては楽です。本来ならはるか北に梅里雪山などが見えるはずなのだが、霧で近くの山でさえも見えにくい。風景ではなく花を見るのが目的なので、霧は致命傷にはなりません。

 

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石卡雪山の花

 真っ先に目についたのが、岩の上に花束のように咲く紫の花です。写真下の二枚は同じ株です。

 

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写真上下 Paraquilegia anemonoides

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 チベットではこの花と似たParaquilegia microphyllaがあり、これのほうが一般的です。ここのと同じように見事な花がネット上の旅行記に出ていていて、私は一度、これを見たいと思っていました。

 

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 この花は崖っぷちが大好きらしく、写真下など、岩のわずかな隙間に根を下ろしています。

 

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 中央アジア、中国南西部、チベットなどに広く分布しています。

 

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 ここに来た大きな目的の一つが青いケシです。三種類あるという。一つ目のルディスは、数も多く、葉などがトゲだらけなので、区別が容易です(写真下)

 

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写真上下 Meconopsis rudis

 

 写真下は複数の花が同時に咲いていますから、古い株で根に栄養を貯めているのでしょう。

 

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 写真下の二枚は同じ花で、下から光を通すと青く、上から花の裏を見るとくすんだ青に見えます。太陽光線が当たると、くすんだ青が金属のような光沢を帯びます。

 

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 雨と風で花はうなだれています。花はほぼ全て一番咲で、二番咲用のつぼみが花の下にいくつも付いています。

 

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 写真下のようにピンク色が混ざってしまうとあまりきれいとは言えません。老君山で見たベトニフォリキアはピンクの混ざり方がきれいだったのに、ここのはまだらになっている。

 

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 2種類目のケシは花が紫色で、明瞭な違いは葉などに毛がありません。また、写真ではあまりわからないが、一番目のケシに比べて小柄です。中国名は「丽绿绒」だそうですが、読めない。

 

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写真上下 Meconopsis pseudovenusta

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 毛が生えていないと言っても、茎やつぼみには小さな毛が生えています。

 

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 3種類目のランキフォリアが写真下で、写真上と良く似ています。違いは、こちらは葉に明瞭な毛があることとされていますが、正直なところ、両者の明瞭な違いが良くわからない。比較として、花が枝状か、根元から出ているか、オシベの色の違い、葉の形、毛があるかないか、と言った違いを見ても、ほとんど区別がつきません。

 

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写真上下 Meconopsis lancifolia

 

 例えば、写真下左は葉に毛があるからpseudovenustaで、写真下右は葉に毛が生えているからlancifoliaと判断することになります・・・つまり、ほとんど区別がつかない。

 

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写真上左 Meconopsis pseudovenusta 、写真上右 Meconopsis lancifolia

 

 花の色の再現も難しく、写真下の中と右は同じ花です。カメラの違いだけでなく、光を通してみるかどうかで、これだけ色が違って見えます。

 

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 天気は悪くなる一方です。

 

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 エーデルワイスを見ると、高山に来たという感じがする(写真下)

 

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写真上下 Leontopodium himalayanum

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 写真下は寒さに耐えられるように、セーターをまとって保温しています。真ん中から花の集合体がこれから出てくるのでしょう。ツボミの状態らしい。チベットや雲南で広くみられ、中国ではこれの仲間を雪蓮花と呼び、漢方薬として使われます。

 

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写真上下 Saussurea medusa

 

 学名のmedusaはギリシャ神話に出てくる怪物で、彼女の眼を見ると石になってしまうという。写真下などの上から見た姿をメドゥーサの眼に例えたのでしょう。

 

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 写真下のセリの仲間は地べたにはりつくように広がり寒さを防いでいるのでしょう。

 

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写真上下 Pleurospermum foetens

 

 エンゴサクの仲間が数種あるが、名前がわかるのは一つだけです。

 

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写真上 Corydalis pachypoda

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 マメの仲間が何種類かあるが、その名前はわからないことが多い。

 

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 写真下は名前のわかる数少ないマメの仲間で、曇り空の下でも色が良く目立つ。

 

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写真上 Spongiocarpella yunnanensis

 

 ピンク色のサラクソウで、日本でもお馴染みの姿です(写真下)

 

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 写真上と下では別種のようで、そう言われると花の付き方や色が違う。

 

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写真上 Primula bella

 

 黄色い大型のサクラソウはすでに老君山で何度か見ました(写真下)

 

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写真上 Primula sikkimensis

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 写真上右でプリムラと一緒に写っているのが写真下のシソ(Salvia)の仲間で、名前がわからない。

 

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 シオガマギクの仲間は写真下の二種類ありました。チベットはシオガマギクの種類も量も多い印象でしたが、今回はそれほど見かけません。

 

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写真上 Pedicularis roylei

 

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写真上 Pedicularis siphonantha

 

 写真下は学名のyunnanensisに雲南(Yunnan)の名前が入っているように、このあたりが代表で、雲南、四川、チベットに分布し、中国名は「云南葶」です。

 

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写真上 Draba yunnanensis

 

 写真下も同じDrabaの仲間で、こちらは全体が座布団のようにまとまって岩に張り付き、寒さ対策が行なわれています。

 

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写真上 Draba winterbottomii

 

 写真上も下もアブラナの仲間です。

 

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写真上 Cardamine pulchera

 

 写真下のスミレは日本にもあるコバナノコマノツメです。南北アメリカ、欧州、中央アジア、中国、朝鮮半島、そして日本と世界中に分布しています。日本では亜高山から高山地帯に分布し、スミレの多い日本でも、黄色いスミレは少数派で目立ちます。

 

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写真上 Viola biflora

 

 バイモが岩の間から花を出しています。二本しか見つからず、しかも開いていない。

 

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写真上下 Fritillaria delavayi

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 写真下もユリかバイモのように見えますが、キクの仲間です。

 

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写真上 Cremanthodium campanulatum

 

 私の畑に生えている嫌われ者のギシギシと写真下はお仲間なのだが、高山植物風だとちょっと違ってみえるからおもしろい。

 

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写真上 Rheum delavayi

 

 写真下のシャクナゲはゴンドラから見えたシャクナゲとは別種のように見えます。中国名は「草杜」で、サクラソウのようなシャクヤクという意味で、学名にもprimuliflorumとプリムラが付いています。たぶん花が同心円状に咲いていることから連想したのでしょうが、あまり似ていない。

 

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写真上 Rhododendron primuliflorum

 

 雨も本降りになって来たので、戻ることにしましょう。ゴンドラは私たち以外は誰も乗りません(写真下右)

 

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 4300m頂上の駅は写真上のように霧と雨なのに、3700mにある乗り継ぎの中間駅あたりは写真下のように薄日が差しています。

 

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香格里拉で夕飯

 雨カッパを脱いで、香格里拉市内に行きます。

 

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 周囲の建物は直方体ででっぱりなどが少なく、窓も小さく、頑健な造りで、この地方の冬がいかに厳しいかを示しています。たぶん、写真下などは比較的裕福な人たちの個人宅でしょう。

 

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 写真上のように温室のようなガラス張りの建物が付属していたり、写真下のように最上階がガラス張りになっていることは良くあります。たぶん、冬など光を取り入れるためでしょう。

 

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 立派な建物だけでなく、写真下のような庶民的な家が多数を占めます。

 

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 香格里拉の中心部は計画的に作られた街で、中に伝統を活かした独特の建物が目立ちます。

 

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 市内の家福飯店で夕飯です(写真下)

 

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 写真上が店で、元々二軒だった店を一つにつないだように見えます。写真下右で中国では珍しくない丸い通路は、壁が厚いから、隣と仕切られた壁をぶち抜いたのでしょう。

 

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ホテル到着

 本日のホテル・雲南龍鳳祥大酒店(云南龙凤祥大酒店)に到着。中国の役所かと思うようなゴツイ面構えで、2001年に開業して206室の客室があります。

 

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 外見にふさわしく、ホールは広く天井も高く、天井には裸の男女と子供が描かれた意味不明のレリーフが飾られています(写真下)

 

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 ホールの一面には銀色のターラ(多羅)菩薩のレリーフが飾られています(写真下)。ターラ菩薩は密教の菩薩で、たいてい菩薩は性別がはっきりしない中、この菩薩は明瞭に女性です。日本ではあまり有名ではありませんが、チベットは白ターラと緑ターラは非常に人気があり、寺院や土産物屋の仏像や仏画で良く見かけます。ホテルのホールにこういう仏像などがあるのはチベット圏では珍しくなく、ここでも装飾ではなく、信仰の対象としては祭ってあります。

 

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 写真下が私の部屋で広々としています。

 

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 洗面所の蛇口のお湯と水の表示が逆なのは愛嬌としても、お湯の出が悪いのは問題です。これ以外は問題ありませんので、このホテルへの個人評価は五段階評価の4.0、満足とします。

 

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 備品のようだが、シャングリラとその周囲を紹介した雑誌や本が置いてあります。

 

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 中国以外のホテルではあまり見かけないのが、コンドームと体重計です(写真下)

 

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 近くの広場で何か音楽会をしているらしく、チベット系の音楽がうるさい。空の高いチベットでは声をかぎりに絶叫するように歌うのが特徴で、七年前のツアーでは若い運転手が車の中で音楽をかけ続けて、さらに歌いだして困ってしまったことがあります。幸い、イベントは9時で終了したらしく、鳴りやみました。

 ここに二泊します。

 

 

 

 

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