地中海に咲く花 ゴゾとマルタ 8日目 2024年3月28日(月) (ドバイ) → 成田 昨夜、飛行機が遅れて夜中の4時すぎにドバイを離陸した後で、さらに食事が出たから、寝るのも遅かったのに、私は数時間ウトウトしただけのようです。物音で目が覚めると、飛行機は中国の上空を飛んでいます(ドバイ時間10:11)。 起きたばかりで朝食のような、しかし時間的には昼食のような奇妙な食事です(ドバイ時間、11:26)。 毎度、ひたすら待つしかないくらい時間が余っている時には、頭を使わないで済む映画が一番で、選んだのがディズニーの映画『クルエラ』(Cruella、米、2021年)です。半世紀以上前の『101匹わんちゃん』(One Hundred and
One Dalmatians、米、1961年)に登場する悪役を主人公にした物語です。観客が、冷酷な毒女であったクルエラに共感を持つように仕向けるのは、ディズニーの制作力なのか、主演のエマ・ストーンの強烈な個性なのか、いずれにしろ、私には頭を使わないで済む映画でした。 写真上 Wikipediaから転載 朝飯を食べた印象で外を見ると朝日のようだが、実は夕陽です(ドバイ時間12:45、写真下)。 マルタから20時間ほどかかり、約一時間遅れで、ようやく成田です(18:21)。これでも往きよりも時間が短い。 海外旅行は遠くなった 今回の旅行でかかった主な費用は下記のようになっています。旅費だけでなく、一人部屋と燃油サーチャージがとにかく高い。燃油サーチャージは原油の上下の差額を払う仕組みなのに、航空券を安くみせるために、差額ではなく、燃油代金をそのまま払わせているのではないかと思うほどの料金です。 新型コロナ前は旅行代金以外の諸経費は5~10万円でした。今回など諸経費だけで約20万円で、旅行代金の半額近い金額です。昔参加したS旅行会社のジョージア(中央アジア)の旅行代金が2012年には29.8万円でした。今年そのツアーは52.8万円、つまり1.8倍で、燃油サーチャージと一人部屋まで考えると、ほぼ2倍です。 直撃しているのは円安ですが、日銀も財務省も本音は大歓迎なのでしょう。目先では、円安で企業業績が良くなり、物価高で消費税が増税したみたいに増えて、NISAの海外投資でもっと円安が進み、中国からたくさんの投資が入って株価が上がり、訪日外国人が増えて大喜びしている。 だが日本はGDPをドイツに抜かれただけでなく、一人あたりのGDPも続落中だから、国民の多くは景気が良くなったという実感はありません。要するに、日銀と財務省は庶民の懐に手をつっこんでいる。日銀や財務省が無能無策で喜んでいる間に、円安はもっと進み、ついには制御不能になってしまいます。今の状態は、金持ちはもっと金持ちになり、貧乏人はもっと貧乏になるというここ十数年の傾向をもっと強め、良い意味での競争ではなく、格差と社会不安をもたらします。 日本は国力が坂道を続落中で、庶民が気軽に海外旅行に行ける時代は過ぎてしまったのかもしれません。
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