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2日目 201134()

テルアビブ ナザレ ガリラヤ湖

 

 

朝食で太る?!

 昨夜は十二時少し前に寝たのに、夜中に何度も眼を覚まし、四時半頃に目を覚ましてからは眠れなくなり、あきらめて五時に起きました。朝の五時は日本時間に直すと正午ですから、眠れないのは当たり前です。

 今日はテリアビブから北に向かい、カイザリアから東に向かい、ガリラヤ湖畔のティベリヤに行く予定です。その間に、いくつか花と遺跡を見ます。

 

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 朝食です。現地ガイドの武田さんに言わせると「朝食で太りますよ」とのことでした。つまり、そのくらいイスラエルの朝食はおいしいというのです。この言葉に嘘はなく、旅行中、ほぼすべてのホテルの朝食はうまかった。ホテルの朝食というと、昨日切ったようなパサバサのパンに甘いだけのジャムやバターを付け、紅茶で流し込むというのが私のイメージでした。従業員はお湯をわかすだけです。

 だが、写真下をごらんください。イスラエルは違います。

 

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 このホテルだけが特別なのではなく、他のホテルも同様でした。品数や量が半端ではない。チーズ一つにも何種類もあり、チーズの好きな私は片端から取りました。バイキング形式だと普通は客が皿を持ち並びます。だが、ここは品数が多いので並ぶ必要などなく、各人が勝手にそれぞれの料理を取れます。

 朝から新鮮な野菜や果物が好きなだけ食べられるのはすばらしい。野菜も生野菜を切ったものだけでなく、サラダにした物など何種類もあります。パンもたくさんあり、どれもうまい。

 パン用のマーマレードを食べて、びっくり。明らかに自家製です。マーマレードには私は一言あるほうで、市販されている物の多くは、皮の苦みなどを取るために多量の砂糖を入れて味をごまかしていることが多い。だが、私が好きなのは、その皮の持つ苦みです。ここのマーマレードは苦みがそのままです。

 朝食を終えて、出発まで時間があるので、私はホテルの屋上に上がってみました。このホテルを紹介した雑誌に、おしゃれな屋上の展望台が写っていたからです(写真下左)

 

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 だが、屋上に上がってみると何にもありません(写真上右)。どうも、このビルの写真ではなく、他のホテルの記事だったようです。

 

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 屋上は期待はずれでしたが、眺望はすばらしい。西側に地中海が広がっています。ちょっと海まで散歩に行ってみましょう。

 

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地中海の浜辺を散歩

 ホテルから歩いて十分も行かないところに海があります。市民が楽しめるように、遊具やレストランなどもあり、浜辺の砂も掃除した跡があります(写真下)

 

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 朝早いせいか、人も少なく、ジョギングする人やバトミントンのような球技をしている人たちがいて、のんびりした雰囲気です(写真下)

 

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3月だというのに海で泳いでいる人もいます(写真下左)。水はそれほど冷たくはないが、さすがに泳ぐのにはちょっと肌寒い気がします。もっとも、近くには水泳禁止の看板が立っています(写真下右)

 

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 先ほどホテルから見えた突端の部分(写真下左)に行ってみると、防波堤になっており、釣りをしている人たちがいます(写真下右)

 

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 砂は極めて細かく、なんとエジプトのナイル川から来た砂だそうです。砂が細かいので、足跡がくっきりと残ります。

 

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 写真上の足跡の主は写真下左のハトで、写真下右は、もちろん人間です。

 

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 海岸付近に生えている植物でまずどこでも目につくナツメヤシです(写真下左)。その隣に植えてあるのは、何なのでしょう(写真下右)。葉は松のように細く、ひょろひょろしていて、いかにも乾燥地帯に生えていそうな樹木です。

 

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 地面を見ると、アロエのような多肉植物が生えており、またわざわざ植えられています(写真下)

 

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 花壇(たぶん)には黄色い大きな花が咲いています。

 

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 浜辺から帰る途中の駐車場の植え込みには紫色の花が一面に咲いています。この植物はイスラエルのあちこちの植え込みに見られました。

 

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 民家の小さな庭には柑橘類がなっており、アロエがよく見られます(写真下)。ここの気候が暖かく乾燥していることを示しているのでしょう。

 

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国道2号を北上

 朝の散歩から戻り、いよいよ出発です(8:32)。写真下左が我々が乗った車で、この角度から見ると小さいが、運転手と助手以外に、客席だけで通路をはさんで横に3人が4列、最後部は4人座るので合計16人、運転手と助手を加えると18人乗れます。日本からの一行は9人で、現地ガイドの武田さんと運転手のサルマーンさんを加えても11人ですから、余裕です。座席をつぶすことなく、後ろの荷物入れに全員の荷物が詰め込めました。

 

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現地ガイドの武田さんは高校卒業後、1970代にイスラエルに来て、こちらの大学を卒業し、長年イスラエルに滞在しました。現在は日本に住んでおり、3月の旅行シーズンに合わせて、4月までこちらでガイドをします。イスラエルでの旅行ガイドの資格を持っています。人なつこく、人当たりのよい方ですが、ガイドの仕事に関しては、さすがはプロです。花についても、かなり下調べをしていました。

写真上右に写っている運転手のサルマーンさんはアラブ人で、物静かで紳士的な雰囲気で、私のイメージのアラブ人とは外見も様子もだいぶん違いました。家では料理も作るそうで、お母さんに習ったそうです。私は「あなたのお母さんは良いお母さんだ」と誉めました。

 こんなふうに、今回は添乗員の本間さん、現地ガイドの武田さん、運転手のサルマーンさんと人材には恵まれました。

 

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 車はまずテリアビブから海岸に沿って北に向かいます。ごらんのように、イスラエルは道路がたいへん良く整備されており、今回の旅行中も舗装されていない道路はほんの一部でした。

 

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 道には所々、ブーゲンビリアが生け垣のようなっていて満開です(写真上左)。 目的のポレグ保護区のあるネタニア市に入りました。ここも近代的な街並みです(写真下)

 

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ポレグ保護区

自然保護地区だというから、厳重に柵でもあるのかと思いきや、どこが入り口なのかはっきりしないほど、ただの野原です(9:10)。遠くにビル群が見えますから、ここもやがては開発される予定だったのでしょう。

 

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 写真下の衛星写真が本当にポレグ保護区なのかどうか、正直のところ自信がありません。いずれにしろ、ここは写真で見えている部分以外は街として整備されていて、ここだけが保護区としてポツンと残っています。

 

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 入り口の周辺で早速見つかったのが野生のチューリップです。ここでも一週間くらいしか咲かないそうで、そこにいた人(管理人?)が、我々は運が良いと言っていました。

 しかし、数はそれほど多くはありません。もっとあるのではないかと、周囲を探したのですが、結局、入り口付近にあるのがすべてでした。これはこれしかないということなのか、それとも花が咲いていないから見つからないだけなのか、よくわかりません。また、今回の旅行でチューリップを見たのはここだけでした。

 

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写真上下 Tulipa agenensis (Wildflowers of Israel)

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 写真下を見てもわかるように、人が歩くような所に生えています。これでは減少してしまうでしょう。私は踏んづけられたチューリップの周囲に石を置いてきました。ちょっとだけですが、効果があります。

 

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 チューリップに比べて、たくさん咲いているのが濃い紫のアヤメです。

 

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写真上下:イリス・アトロブルプレア(『世界のワイルドフラワーT』p.140)

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 花によって微妙に濃淡があり、紫というよりも黒に近いものから、写真下のような茶色に見える花もあります。

 

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 チューリップは入り口の所にほんのわずかあるだけだったが、アヤメはあちらこちらに生えてています。

 

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 強い日射しの中で目に刺さるように目に付くのが、写真下の青い花です。

 

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写真上 Alkanna strigosa (Wildflowers of Israel)

 

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写真上 Maresia pulchella  (『イスラエル花図鑑』p.51)

 

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写真上 Anthemis palestina  (Wildflowers of Israel)

 

 丘陵地帯がずっと続いています。

 

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 低木に白い花をつけた樹木が野原一面に咲いています。

 

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写真上 Retama raetam(『イスラエル花図鑑』p.167)

 

 花は咲いていないが、いったい何だろうと思わせるほど見事な葉が生えています(写真下)。リュウゼツランのように見える葉です(写真下右)

 

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 海の方に向かって歩いたつもりが、たどりつくはるか手前で時間が来てしまいました。ここは弁当と水を持って、丸一日歩き回るのにちょうど良い所です。

 

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カイザリア国立公園

 さらに海岸沿いに北上して、遺跡のあるカイザリアに向かいました。遺跡の入り口を入るとまず目立つのが直径170mあるという円形劇場(ローマンシアター)です(写真下、10:28)

 

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 この円形劇場では今でもコンサートが開かれるそうです・・・あら?なんか合唱が聞こえます(写真下)。でも、ヘブライ語にしては変で、どこかで聞いたような・・・中国語です。来る時の飛行機の中にも中国人たちがたくさんいて、どこにいても、彼らはにぎやかです。

 

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 宮殿跡のほうに行ってみましょう。柱しか残っていません。でも、こういう海に少し突き出た所に宮殿があったら、たしかに素敵でしょうね。

 

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 宮殿の横には海岸に沿って学校のグランドほどの大きな競技場があります。これもヘロデ大王時代の遺構だそうです。どうも彼は土木建築がローマ人並に好きだったようです。

 

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 私の目をもっとも引いたのは遺跡ではなく、写真下のシカです。イスラエルの遺跡や自然保護のシンボルで、つぶらな瞳がなんとも印象的です。本物のシカにはネゲブ砂漠のミツペ・ラモン(3月8日)で対面しました。また、車で走行中も、崖の上にその姿を見かけました。

 

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 直射日光が照りつけ、暑い。周囲には大きな樹木が少ない。写真下の樹木など、ある時期まではせっかく大きく育ったのに、途中からダメになってしまったようです。

 

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 円形劇場の北側にある、ローマ時代に作られた水道橋の遺跡に行きました(11:20)。カルメル山から9km引かれているそうです。ローマの土木建築技術はとにかくすごい。

 

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私の写真では人がいないかのようですが、それはうっとうしいから人がいない時を狙って写しただけで、実は回りは観光客だらけです。

 

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水道橋から戻る途中の道端に赤いポピーを見つけて、本間さんが車を停めてくれました(11:40)。今回の旅行で唯一見つけたポピーです。本間さんは何度かこんなふうに花を見つけては車を停めてくれました。これはとても助かる。停めてほしいと思っても、他のお客さんたちの手前、なかなか言いだしにくいからです。

 

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写真上 Papaver subpiriforme (Wildflowers of Israel)

 

 

十字軍の遺跡の中で昼食

 カイザリアの次の遺跡は十字軍の街の跡です(11:49)。円形劇場の北側に隣接して、こちらにはレストランもあります。

 

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 入り口の近くで果物を売っています(写真下左)。イスラエルは果物が豊富で、どれもおいしい。今日は暑いので、果物はうまそうです。おじさんがザクロを箱一つなら安くしておくから、買っていけといいます(写真下右)。大きくてうまそうなザクロでも、一箱は無理です。

 

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 十字軍が築いた城壁にアロエが見事に花を咲かせています。

 

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 遺跡の中にイチジクが生えています(写真下)。日本のそれとはずいぶん雰囲気が違いますが、実から見るとまちがいなく、イチジクです。

 

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かのイエス・キリスト様は、イチジクを食べようとしたが、一個もないので、呪いをかけてしまい、その木には実がならなくなったとか。食い物の恨みは恐ろしい。

 

イチジクに呪いをかけるイエス(Wikipediaより転載)

 

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 十字軍の街と紹介しましたが、ローマ時代の城壁跡もあるなど、二千年にわたる複雑な歴史があるようです。

 

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 武田さんが図を示しながら、この遺跡の由来について説明してくれました(写真上左)。しかし、相変わらず、遺跡がただの岩にしか見えない私には、どちらかというと花や動物など生きているほうが好きで・・・おっ、ちょうどネコが通りかかりました(写真下左)。「おい!ネコ君、こっち向いて」と写真に撮ってやろうと声をかけましたが、悠然と無視して行ってしまいました。しょうがないので、店の看板のネコでも撮ることにしましょう(写真下右)

 

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 遺跡の中にはいろいろな店があり、たとえば写真下左の屋根が崩れかけたような建物は実はブティックです。写真下右のように、イスラム寺院の隣にあるのですが、違和感がなく、風景に溶け込んでいます。日本の観光地ももう少しこういう点を真似て、雰囲気を壊さないような建物を建ててほしいものです。

 

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遺跡を一周して、レストラン「アリスト」で昼食です(写真下)。ここでもカマドでパンを焼いています(写真下右)。焼きたてのパンはおいしい。

 

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 ミント茶があるというので、私はさっそくいただきました(写真下右)。空気が乾いて暑いので、ちょうど良い。私は日本でもアップルミントをよく飲んでいます。

 

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シクラメンの丘

 海岸を離れ、東に向かう国道70号を672号との交差点で右折して、10kmほど丘陵地帯を南下すると、シクラメンの丘に到着です(14:01)。写真下左の松林がある部分がシクラメンの丘です。写真下左を見てもわかるように、丘の南側は松の木がなく、後で行ってみると牧場になっていました。おそらくは元々はこのような松が生えた丘だったのを切り倒してしまったのでしょう。周囲は菜の花などが咲く畑や牧草地です(写真下右)

 

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 写真下の衛星写真を見ると、周囲のほとんどの樹木が伐採されて畑や牧草地になっており、かろうじて、ここだけが残っているのがわかります。

 

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写真上下 Cyclamen persicum (『イスラエル花図鑑』p.31)

 

 ネット上の旅行記を読むと、ここのシクラメンは自然のものではなく、シクラメンが生えていた所が造成されたために、移植したともあります。ただ、来る途中の道端にもシクラメンが見えましたから、元々ここに生えていてもおかしくはありません。

 

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 シクラメンの生えているのは北側の斜面だけで、登ると南側の丘全体は牧草地になっており、鉄条網で仕切られています。牧草地には一面に赤いアネモネが咲いています。

 

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写真上Gynandriris sisyrinchium (Wildflowers of Israel)

 

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写真上 Asphodelus ramosus (Wildflowers of Israel)

 

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写真上 Scandix iberica (『イスラエル花図鑑』p.171)

 

 

道路脇のルピナス

車は国道70号に戻り、ナザレに向けて東に進みます。途中、右折して国道75号に入って間もなく、武田さんがルピナスの群生が見られると案内した場所が、写真下です・・・どう見ても、道路脇のマクドナルドの駐車場ですよね(15:30)

 

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ところが、あったのです。マクドナルドと道路の間の空き地というか、斜面にたくさんのルピナスが咲いていました。

 

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写真上下 ルピナス・ヴァリウス・オリエンタス(『世界のワイルドフラワーT』p.142)

 

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 アメリカの野原に青いルピナスが一面に咲いている写真を見て、自宅の庭にずいぶん植えたことがあります。だが、まったくダメでした。

 

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鉢植えを買ってきて植えると、その年は花を咲かせるが、翌年には生えても来ません。根が残らないのだろうと、種をまくと、芽は出るのだが、小さいまま成長しません。土質に問題があるのかと調べても、ルピナスは土質をあまり選ばないという。関東で、都会の真ん中ではありませんから、極端に暑くも寒くもない。誰に聞いても、そんなに難しい草花ではないという。

いったい何が悪かったのか、今でもわかりません。私の頭の中では、ここみたいに一面にルピナスが咲くはずだったんですけどねえ・・・。

 

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ナザレの受胎告知教会

 国道75号をそのまま進み、ナザレに到着(16:01)

 キリスト教では、この街で天使がマリアに懐妊を告げたことになっています。その場所を記念して作られた教会が受胎告知教会です。

 

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『受胎告知』レオナルド・ダ・ヴィンチ (ウィキペディアより転載)

 

教会までの参道には店が並び、お土産物や食料品を売っています(写真下)。教会よりもこっちのほうがおもしろそう()

 

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 参道の坂を上りきったところに大きな教会が建っています。

 

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この教会は1969年に建てられたというのですから、新しいようで、そう言われれば、ステンドグラスが現代的です(写真下)

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中ではなにか儀式が行われています。信者たちはひざまずいており、私のようにただの物見遊山の者がいるのが、申し訳ないような雰囲気です。

 

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 儀式の行われている左側(写真下左)が受胎告知が行われた洞窟のようです。

 

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 二階に行くと、こちらは普通の教会の様式です。外から見えたドームを真下から見上げることができて、最近の建築なのがよくわかります。

 

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壁には、各国から寄せられた聖母マリアの絵が飾られています。日本からも真珠をちりばめたという絵が飾られています。しかし、和服姿のモンゴロイドのようなマリアとイエスというのは、どうもピンと来ません。

 

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 隣接するヨセフ教会に行きました。外にマリアとイエスのおもしろい銅像が立っています(写真下左)。かなり庶民的な雰囲気で、マリアがイエスに「ワインが足りないんだけど、あんた、出してよ」と言うと、「え?おれが!?おれは酒屋じゃなくてメシアなの」と言っているみたいです。この会話と似たような話が福音書に出てきます。

 

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 マリアの処女懐胎の話の是非はともかく、部外者の私から見ると、キリスト教にとってマイナスになっているように思えます。なぜなら、イエスの教えとは、彼の父親が誰であるかなんて関係ないからです。それを生まれからして特別であるかのように権威にするのは、彼の教えを卑しめてしまいます。

 父親が誰であろうが関係なく、生まれも血筋も関係なく、イエスは彼の教えにおいて人々を諭したのだから、それで十分です。

 

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 イエスはマリアのことを「女よ」と呼びかけています。母親に向かって「女よ」というのは何とも奇妙な言い方です。解説を読むと、当時の習慣として母親や女性をこういう呼び方をしていたのではなさそうです。違和感を覚えるのは私だけではないから、この部分を「母よ」などと訳している人たちもいるそうです(『イエスの母』石川康輔、ドン・ボスコ社)。しかし、それって意図的な誤訳ですよね。

今ではカトリックを中心にマリアは聖母として重要な役割をしています。世界各地の地母神信仰と結びついて、イエス本人よりも人気があったりします。ファティマなど聖母が姿を現したという目撃談は数多いのに、イエス本人が姿を現したという話はあまり聞きません。イエスのこの呼び方から推測すると、今日のマリア信仰はイエスの意図とは関係ない方向に行っているように見えます。

 

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 夕暮れのナザレの街が広がっています(写真上)。車から見える街は入り組んでいるので、ここがかなり古い街なのがわかります。

 

 

ヨナ山のナザレ・アイリス

 武田さんがもう一カ所、珍しいアヤメ、ナザレ・アイリス(Nazareth Iris)があるというヨナ山に案内するというのです(17:14)。これは受胎告知よりも重要です()

 

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ここも春が早いせいか、お目当てのナザレ・アイリスはありませんでした。武田さんが二週間ほど後の3月下旬に再びここを訪れた時は咲いていたそうです。写真をいただきましたので、ご紹介します(写真下)。日本の野生ではまず見られないアヤメです。

 

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写真上 Iris bismarckiana  (『イスラエル花図鑑』p.190、撮影:武田信也氏)

 

目的のアヤメの代わりに、今回の旅行でよく見られたアヤメが咲いていました(写真下)

 

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写真上Gynandriris sisyrinchium (Wildflowers of Israel)

 

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写真上 Sinapis alba (『イスラエル花図鑑』p.122)

 

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 道端には、写真上の黄色い花と、写真下のピンク色の花が一面に咲いています。

 

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写真上 Silene aegyptiaca (『イスラエル花図鑑』p.71)

 

 ここにもツルボランの仲間がたくさん生えています。

 

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写真上 Asphodelus ramosus (Wildflowers of Israel)

 

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写真上 Asphodeline lutea (Wildflowers of Israel)

 

 あたりは夕暮れが迫って、眼下の街が夕日にあたり、浮かび上がっています。

 

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安息日のレストランは大混雑

 今日の宿泊ホテル、レオナルドクラブ(LEONARDO CLUB)に到着(写真下左、18:08)。ガリラヤ湖のすぐそばに建つ立派なホテルです。内部は吹き抜けになっています(写真下右)。もっとも、これが原因で、騒音が階上の部屋まで伝わってきます。

『地球の歩き方』を見ると、このホテルは別な名前で書いてあります。私の本は昨年発行されたばかりなので、武田さんにお聞きすると、すでに所有者は三度ほど変わっているそうです。

 

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 ホテルで夕飯を取りました。ここもバイキング形式なので、好きな物を好きなだけ食べられてすばらしい。もう目移りして、どれから手をつけていいかわからないほどです。

 

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 果物の中に柿を見つけました。春先に柿というのも驚かされます。武田さんによれば、今の時期に実るように調整しているのだといいます。

 

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レストランは三カ所ほどに分かれていて、かなりの広さです。しかし、その中は、写真下のように大混雑です。今日は金曜日で、日没からユダヤ教のサバト(安息日)なので混んでいるようです。安息日とは「なにもしてはならない日」だそうで、当然、仕事はもちろん、食事も作りませんから、皆さんこうやってレストランに家族連れで夕食に来るというわけです。

 

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 男女ともに労働から解放されるという意味では良い習慣でしょう。同時に、それだけ豊かであることを意味します。日本人など近代まで盆と正月以外は休みがなく、主婦などは盆と正月は親戚一同が来るので、かえって忙しかったそうです。

 サバトは若者にとっては無礼講らしく、かなり夜遅くまで、ホテル内と外で大騒ぎをしていました。

 

 一流ホテルらしく、部屋の設備は問題ありません。洗面台の排水溝の蓋まであるのは珍しい(写真下の下段の写真左)

 

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 私は部屋は湖とは反対側の街のほうに面しています。そこから見ると、岡の上のほうにも街が広がっているのが見えます。ガリラヤ湖は海抜マイナス213mですから、岡が高いのではなく、こちらが低いのです。

 

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