トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

 

7日目 201139()

エルサレム ←→ ネオット・ケドゥミーム

 

 朝、窓の外を見ると、曇っているばかりか、雨が降った形跡もあります。

 

R1043289 R1043290

 

今日は、このツアーの本来の予定ではエルサレムの旧市内の観光でした。エルサレムはイエスが磔になった場所であり、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地ですから、イスラエル観光の筆頭です。

 しかし、私はこれには参加せず、一人で花を見にいくことにしました。日本にいる時、旅行会社に、自由行動で日帰りで花を見られるような場所を探してくれるように依頼しました。旅行会社の人はたぶん武田さんなどに問い合わせてくれたのでしょう。エルサレム市内の植物園と、車で三十分ほど離れたネオット・ケドゥミーム(Ne’ot Kedumim)を候補に上げてくれました。

 

移動0309

 

 朝食は昨日と同じです(6:50)。昨日は混んでいたので、早めに朝食に行きました。我々のグループの席が確保してあります。

 

R1043291

 

 他の人たちと同じ8時半にロビーに行き、武田さんに頼んで、ホテルからタクシーを呼んでもらいました。ベンツのタクシーです(写真下)。もっとも我々が乗っているバスもベンツ社製です。片道が$58とチップ$2で、合計$60とのことでした。イスラエルはドルが使えるので楽です。イスラエルは日本のタクシーと違い、距離制なので、その点は安心です。

途中から雨が降り出し(写真下右)、私はカッパを着ました。しばらく進むと雨は止みました。一日中、こんな天気でした。

 

DSC_9929 DSC_9931

 

 

ネオット ケドゥミーム(Ne’ot Kedumim)に到着。

(http://www.neot-kedumim.org.il/public/)

 タクシーを降りて受付に行くと閉まっており、門も鍵がかかり、閉められています。ここのホームページには、八時くらいに開門すると書いてありました。九時すぎているのに開いていないなんて、どうなっているのだとあきれていると、たくさんの高校生らしい人たちが現れ、引率の人が門を開けました(写真下左)。隣に大きなテントがあるから、昨夜はここに泊まったようです。なんだかよくわからないが、私も彼らの後について中に入りました。

 

DSC_9941 DSC_9942

 

 写真上右では、青、緑、黄色と色分けされたコースが示されています。この公園のホームページによれば、個人で歩くための2.5km(1.5時間)から5km(3.5時間)くらいの散歩コースが四つ準備されていて、おそらくその内の三つがこれらの看板なのでしょう。丸一日歩いてみましたが、どれがそのコースなのか最後までわかりませんでした。(http://www.neot-kedumim.org.il/public/)

 コースはともかく、道沿いにはたくさんのシクラメンが咲いています。

 

DSC_9946 DSC_9947

写真上 キクラメン・ペルシクム(『世界のワイルドフラワーT』p.151)

DSC_9949 DSC_9952

 

下の衛星写真はネオット・ケドゥミームのほぼ全域を示しています。青い線と@〜Qは私がこの日に歩いた所です。どこまでがこの公園の敷地なのか、詳しい地図がないのでわかりません。私が今のいる所は入り口から入ったところです。

 

ケドミーム01

 

 

シクラメンの森

 衛星写真の@とAあたりが緑の森になっているのがわかります。その中はシクラメンが一面に咲いていました。

 

DSC_9955

 

DSC_9958

 

 入って百メートルも歩かないうちに、私は今日ここに来たのは正解だと確信しました。死海などの南部では花がうまく見られませんでしたから、ここは大丈夫だろうかと、実はちょっと心配していたのです。この公園はホームページを見ても、花を売り物にしているのではなく、聖書時代の自然体験や自然学習を目的としているようです。心配になってメールで、「花は咲いているのか」と問い合わせたのですが、返事はありませんでした。

 

DSC_9961 DSC_9962

DSC_9965 DSC_9984

 

 衛星写真で見るかぎり、これだけ広い敷地の丘陵地帯なのだから、花が一本もないことはないとは思いました。しかし、万一、何もなければ、すぐにエルサレムに引き返し、旅行会社が紹介してくれたもう一つの候補であるJerusalem Botanical Gardensに行くつもりで、住所や地図も準備してきました。そちらはエルサレム市内にあり、ホテルからも5kmほどのヘブライ大学に付属する植物園です。自然の花が好きな私にとっては、植物園は魅力がいま一つですが、何もないよりいい。

 しかし、そんな不安はどこへやら。シクラメンの森を見ただけで、十分であり、丸一日ここにいられそうです。

 

DSC_9970 DSC_9975

DSC_9977 DSC_9978

 

ここは普通の観光コースからも外れているらしく、日本人の書いた旅行記を見ても、ここを訪問したという記録は探せませんでした。ここは花を見る者にとっては穴場です。ベングリオン空港のすぐそばで、エルサレムとテルアビブの中間だから、どちらからでも簡単に立ち寄れます。良い所を紹介してもらい、旅行会社と武田さんには感謝です。

 

DSC_9983

 

DSC_9979

 

 ガリラヤ湖に行く途中のシクラメンの丘や昨日も二カ所でシクラメンを見ました。しかし、ここのシクラメンは一ランク上です。これだけの広さの森全体がシクラメンだらけだという点がすごい。ちょっと歩いた程度では途切れることもなく、森の中から次から次と見事シクラメンのお花畑が出現します。

 

DSC_9987

 

DSC_9994

 

私がうれしいのは人がいないことです。私が最初後ろについた高校生たちもどこかに行ってしまいました。たまたま今日は天気も悪く、平日だから人が少ないのでしょう。

 

DSC_9993

 

DSC_9995 DSC_9998

 

歩道の周囲を除くと、森の中はあまり人が歩いた形跡もありません。たいてい人が踏み込むとどうしてもそこに通路ができてしまうものです。たぶん多くのイスラエル人は通路から見る程度なのでしょう。シクラメンの丘もなかなかきれいだったが、欠点は多くの観光客がいたことです。写真を撮る上で彼らは邪魔です()。だが、ここは誰もいません。

 

DSC_9956 DSC_9957 DSC_9960

DSC_9963 DSC_9964 DSC_9967

 

森は、私がタクシーに乗ってきた幹線道路に面しているので遠くに車の騒音があり、荒れ模様の天候で風が吹き抜けます。しかし、それ以外は、人の気配は完全に消えて、シクラメンの森にいるのは私一人のようです。これだけのシクラメンの森に中にたった一人でゆっくりと花が見られるなんて、なんて贅沢なことか。集合時間も気にしなくていい()

 

DSC_9999 DSC_0001

DSC_0002

 

DSC_0003 DSC_0004

 

私の実家は温室があり、冬も出荷用のシクラメンやサイネリアが育てられていました。雪の積もった寒い外から温室の中に入ると、きれいな花々と、湿った空気の中にフリージアの甘い香りが詰まっていました・・・漂うなんてものではありません。鉢植えでしかみられなかったシクラメンが、森一面に自生しているのはなんとも不思議な光景です。

 

DSC_0005 DSC_0006

DSC_0007

 

 野生のシクラメンとはもっと小さいものかと勝手に思いこんでいました。しかし、目の前にあるシクラメンは大きさは市販されているシクラメンと変わりません。色は真っ赤などの派手な色はないが、ピンクや白はそのまま鉢植えにして売れるくらいです。

 

DSC_0008

 

DSC_0012 DSC_0034

 

シクラメンは地中海が原産で、野生のシクラメンは地中海周辺では珍しくありません。ギリシャの石灰岩の白い岩肌の上にシクラメンが咲いている写真を見て、いつか原種を見たいものだと思っていました。イスラエルも原種のある国で、シクラメンの丘のことは他の人の旅行記でも読んで見ていました。しかし、こんなにたくさんあるとは驚きです。

 

DSC_9986

 

DSC_0016 DSC_0017

DSC_0018

 

今回は南部が季節が早くてうまくチューリップなどが見られませんでした。逆にシクラメンが満開の時期に来たようです。

 

DSC_0020 DSC_0021

DSC_9976 DSC_0350

 

 シクラメンの森を歩いていると、車が走れるくらいの道路に出ました。道を横切り、もう一つの森に行くと、ちょっと様子が違いました。これまでは一面にシクラメンが生えていたのが、こちらは低い樹木が生えていて、邪魔です。

 

DSC_0033

 

DSC_0034

 

 先ほどの森は、森の中を自由に進めたのは、こちらのは低い樹木が邪魔して進むのが容易ではありません。写真を撮るのにも樹木が邪魔です。私はこれ以上、森の中を進むのをあきらめて、さきほどの道を行くことにしました。

 

DSC_0035 DSC_0041

DSC_0042 DSC_0044

 

 シクラメンの森は自然に写真のような状態にあるのではなく、人間が低木などを伐採しているのでしょう。放置すれば、たちまち低木が生えてきて雑木林になり、陽が当たらないからシクラメンは減ってしまう。シクラメンが一面に生えているのは、人間が手をかけたからのようです。

 

DSC_9950 DSC_9953

DSC_9954

 

 自然のままにするのが良いのか、少し手をかけたほうがいいのか、難しい問題だが、現実には低木を伐採して手をかけなれければ、これほどきれいなシクラメンの森はできないでしょう。

 

DSC_9991 DSC_9996

DSC_9992

 

 シクラメンの森を出てから少し行った所の道端の松の木の根本に、ピンクと白のシクラメンがきれいに咲いています。

 

DSC_0068 DSC_0069

DSC_0074

 

DSC_0072

 

 イスエラル人は動物や自然を大切にしているようです。しかし、どこにでも不心得者はいるものです。写真下をごらんください。誰かがシクラメンを掘った跡です。

 

DSC_9968 DSC_9969

 

 シクラメンの生えている林は松林です。しかし、シクラメンが元気に一面に咲いているわりには、頭上の松の木はどれも半分枯れたような状態です。冬の間にこうなってしまうのか、それとも何かの理由で弱っているのか、よくわかりません。

 

DSC_0043 DSC_0081

 

 

オリーブの木の下で雨宿り

 シクラメンの森を出ると道端にはいろいろな花が咲いています。

 

DSC_0027 DSC_0028

写真上 Geranium robertianum(Wildflowers of Israel)

 

 写真下は花は良く似ているのに、葉が違うから、別種のようです。

 

DSC_0061 DSC_0062

 

DSC_0030 DSC_0031

DSC_0183

 

DSC_0045  DSC_0095

 

DSC_0064

 

DSC_0051 DSC_0052

写真上 Cercis sitiquastrum (『世界のワイルドフラワーT』p.142)

 

DSC_0056

 

DSC_0057 DSC_0058

写真上 Scandix iberica (『イスラエル花図鑑』p.171)

 

 シクラメンの森を抜けてから、少し行くと、谷に面した斜面があり、オリーブが植えられています(衛星地図のB)。その間に、赤いアネモネが咲いています。

 

DSC_0085 DSC_0098

DSC_0099 DSC_0100

 

 オリーブの植えられた斜面に何か記念碑のようなものが二つあります(写真下)2001年にテルアビブでテロによって殺された1421歳の21人の若者の名前が刻んであるようでした。これでは高校生の課外授業に鉄砲を持った人が同行するのも当然です。花の美しさに酔っていた私は、一気に酔いが覚め、黙祷してそこを去りました。

 

DSC_0094 DSC_0090

 

 雨が降ってきて、だんだんひどくなったので、私は真っ赤なアネモネが咲く斜面のオリーブの木の下で、アネモネを見ながらしばらく止むのを待つことにしました(衛星地図のC、11:02)

 

DSC_0101 DSC_0169 DSC_0103

DSC_0116 DSC_0087 DSC_0088

DSC_0102 DSC_0118

写真上 アネモネ・コロナリア(『世界の山草・野草』p.105)

 

 雨が上がり、晴れてきました(写真下, 11:26)

 

DSC_0122 DSC_0123

 

DSC_0092 DSC_0060

写真上:Erodium gruinum (Wildflowers of Israel)

 

DSC_0127 DSC_0136 DSC_0296

 

 

植樹をしている斜面の草花

 北側の斜面で何か作業をしている人がいます(写真下、衛星写真のD)。苗木を植えているようでした(写真下右)

 

DSC_0166 DSC_0130

 

 斜面には樹木がないので何か花があるかもしれないと、登ってみることにしました。植林をする前はこのあたりはみんなこんな草地で、彼らが植林をして、今日の緑豊かな風景を作っているのかもしれません。そうしてみると、さきほどのシクラメンの森は案外、植林によってできた半ば人工的な環境かもしれません。

 

DSC_0154 DSC_0155

 

 紫色のサルビアがあります。一番目立つ上に花のように見えるのは、実は葉です。

 

DSC_0131 DSC_0134 DSC_0138

写真上下:Salvia horminum (『イスラエル花図鑑』p.67)

DSC_0135 DSC_0320 DSC_0148

DSC_0150

 

 雑草の中にたった一本、小さなルピナスが咲いています。

 

DSC_0363

写真上 Lupinus pilosus (『イスラエル花図鑑』p.195)

 

DSC_0145 DSC_0147

写真上 Telmissa microcarpa (『イスラエル花図鑑』p.175)

 

 ここはマメ科の草花が何種類か見られました。

 

DSC_0151 DSC_0157

DSC_0160

写真上:Lathyrus marmoratus (Wildflowers of Israel)

 

 上と下は同じマメ科の植物で、花も良く似ていますが、葉や茎が違いますから、別種のようです。

 

DSC_0239 DSC_0240

 

 写真下の青紫の花のマメの仲間はよそでも見かけたのに、図鑑からは探せませんでした。

 

DSC_0107

 

DSC_0163

写真上Allium neapolitanum (Wildflowers of Israel)

 

DSC_0164 DSC_0165

写真上:Trifolium dsyurum (Wildflowers of Israel)

 

DSC_0167 DSC_0170

写真上 Echium rauwolfii (『イスラエル花図鑑』p.34)

 

DSC_0171 DSC_0173

写真上 Silene aegyptiaca (『イスラエル花図鑑』p.71)

 

 

ヒョウが降ってきた

 斜面を降りて、道路沿いに登って行きましたが、舗装された道路のそばではあまり花はありませんので、左側の斜面の山道を登ることにしました。

 

DSC_0179 DSC_0182

 

 写真下の花は花びらが縮んでいます。図鑑によれば、これは枯れ始めているのではなく、元々こういう花のようです。

 

DSC_0188 DSC_0189

DSC_0190 DSC_0191

写真上:Cistus creticus (『イスラエル花図鑑』p.26)

 

 ヤブの中にランがたくさん咲いています。

 

DSC_0216 DSC_0443 DSC_0126

写真上下:Orchis papilionacea  (Wildflowers of Israel)

DSC_0242 DSC_0246 DSC_0198

 

 写真下左のように薄いピンク色の花も一株だけありました。形が同じなので、同じ種類のランと思われます。

 

DSC_0214 DSC_0211

 

 雲行きが怪しくなり、ランを撮っている最中からまた雨が降り始めました。

 雷が鳴り、雨が強く降り出し、私は山頂付近の大きな松の木の下に逃げ込みました(12:39、衛星写真のE)。ずいぶん強い雨だと思ったら、小さな氷の粒です。ヒョウが降ったのはほんの一瞬でしたが、気温がかなり低く感じます。私はセーターの上に雨合羽を着ているのに、それでも寒い。使い捨てカイロを取り出して、ポケットに入れました。足は雨でグショグショです。

 

DSC_0222 DSC_0223 DSC_0227

DSC_0226 DSC_0228

写真上 アドニス・パレスティヌスAdonis microcarpa (『世界のワイルドフラワーT』p.143, Wildflowers of Israel)

 

私は寒さから、これ以上この山の中に留まるのはまずいと判断して、とりあえず、ゲートの近くにあったレストランまで戻ることにしました。戻って、天候を見て、どうするか判断するつもりでした。

 

DSC_0230 DSC_0231

 

 これまで来た道を引き返すのは芸がありませんから、別な道を帰ろうと、北側の斜面を降りることにしました。ここまで来た時間から逆算しても、一時間もあれば行けるはずです。しかし、まさか、この後、レストランにたどりつくのに四時間近くもかかるとは、この時は予想もしませんでした()

 

DSC_0236 DSC_0140

DSC_0330 DSC_0422

写真上 Anthemis palestina  (Wildflowers of Israel)

 

 山の斜面に沿って細い道を降りて行きます(写真下、衛星写真のF)。道には番号がついた札が所々に立っています。番号による案内などより、ここがどこなのか全体図を示してくれればいいのに、ありません。これはどこまで行ってもありませんでした。私は衛星写真を持っていたから良いが、なかったら、写真下のような山野が広がるだけですから、どこがどこなのかさっぱりわからなかったでしょう。

 

DSC_0237 DSC_0238

 

 雨は上がり、青空も見えて来ました。私は花がたくさん咲いている斜面で、ビスケットで遅い昼食を取ることにしました。しかし、いつまた雨が降り出すかわからないので、あまりのんびりしてはいられません。

 

 

道沿いの花

DSC_0108 DSC_0309

DSC_0248 DSC_0249

写真上:Trifolium clypeatum (Wildflowers of Israel)

 

 斜面を降りると、谷に沿って道があります。菜の花が咲いていてなかなかきれいです。ナツメヤシやブドウも植えてあります。

 

DSC_0258 DSC_0259

 

  道は上り坂になり、道端にちょっと変わった姿のランが咲いています(衛星写真のG)

 

DSC_0269 DSC_0274 DSC_0312

DSC_0273 DSC_0304

写真上:Ophrys flavomarginata (『イスラエル花図鑑』p.234)

 

DSC_0280 DSC_0387

DSC_0430 DSC_0388

写真上 Salvia dominica ((『イスラエル花図鑑』p.170)

 

DSC_0332 DSC_0251 DSC_0250

DSC_0355 DSC_0359

写真上 Salvia fruticosa  (Wildflowers of Israel)

 

DSC_0282 DSC_0283

DSC_0284 DSC_0285

写真上 Biscutella didyma (『イスラエル花図鑑』p.90)

 

 道端にあるイネ科の植物はなかなか迫力があります。

 

DSC_0291 DSC_0292

写真上 Pennisetum orientale (Flowers in Israel)

 

DSC_0334 DSC_0335

 

DSC_0339 DSC_0341

写真上 Reseda alba (『イスラエル花図鑑』p.167)

 

写真上と下の花は雰囲気が良く似ていますが、葉が別ですから別種です。

 

DSC_0053 DSC_0054

写真上 Reseda alopecuros (Wildflowers of Israel)

 

DSC_0048 DSC_0343 DSC_0055

DSC_0049

写真上 アンクーサ・ストリゴサ(『世界のワイルドフラワーT』p.145)

 

DSC_0286 DSC_0287

DSC_0289 DSC_0373

 

 写真下はワスレナグサです。ただ、ワスレナグサのイメージと違い、踏まれても忘れそうもないくらい強そうです。

 

DSC_0360 DSC_0361

写真上 Myosotis uncata (Wildflowers of Israel)

 

 

DSC_0346 DSC_0347

 

 

丘の上に到着

丘の上のほうまで登ってみるとシュンギクがきれいに咲いています(衛星写真のH)

 

DSC_0354 DSC_0337

DSC_0356 DSC_0369

写真上 Chrysanthemum coronarium  (『イスラエル花図鑑』p.94)

 

 丘の上は整備され、なにやら小屋がいくも立っています。おそらく、ここで聖書時代の体験学習をするのでしょう(衛星写真のI)。ここも人影はまったくありません。

 

DSC_0364 DSC_0372

 

 北側の斜面に沿った道を下りて行くと、そこにもいろいろな花が咲いています。

 

DSC_0376 DSC_0377

写真上 Silene aegyptiaca (『イスラエル花図鑑』p.71)

 

DSC_0378

 

 写真下は葉はアザミのようですが、かろうじて数個だけ咲いている黄色い花を見ると、違うようです。図鑑の解説によれば、地中海から西アジアまで広く分布し、何種類かあるが、イスラエルにはこれ一種類しかないそうです。

 

]DSC_0382 DSC_0461

DSC_0384 DSC_0458

写真上 アカントゥス・シリアクス(『世界のワイルドフラワーT』p.135)

 

 斜面にローマ式の円形劇場があります(写真下左)。しかし、使っている様子もなく、ここも建物の中には誰もいません(衛星写真のJ)。先ほど、山の斜面で植樹をしている人に会ったのが最後で、この日、この後も、入り口近くに戻るまで、まったく人とは会いませんでした。

 

DSC_0389 DSC_0390

 

DSC_0395  DSC_0396

写真上:Plantago langopus (『イスラエル花図鑑』p.218)

 

 写真下は沢のような草地の中に見つけたアヤメです。これまでも何回も見たアヤメと姿形は同じなのに、一つ違うことに気が付きました。

 

DSC_0410 DSC_0398 DSC_0439

写真上Gynandriris sisyrinchium (Wildflowers of Israel)

 

普通、アヤメは茎の頂点に花が咲いていますが、このアヤメは一つの茎に複数咲いています(写真下)。図鑑で捜しても、こんな変な咲き方をするアヤメは見つかりませんでした。

 

DSC_0399 DSC_0405 DSC_0406

DSC_0409 DSC_0464

 

DSC_0412 DSC_0413

 

 北側の斜面に建物があり、射撃をしているような音が聞こえます(写真下左、衛星写真のK)。どうやら、敷地の境界まで来たらしいので、私はそれ以上道を進まず、谷を横切って、西側の道(衛星写真のL)を行くことにしました。

 

DSC_0419 DSC_0431

 

DSC_0434 DSC_0441

 

 

近道をしようとして道に迷う

 斜面に沿って、白いユキヤナギのような花が一面に咲いています(写真下、衛星写真のM)。これまでも何度かこの花は見ましたが、ここまで大きく、たくさん花を咲かせているのを見たのは初めてです。和名はシロレダマといい、図鑑によれば、この木から良質の炭が作れるために乱獲されたそうです(『世界のワイルドフラワーT』p.142)

 

DSC_0428 DSC_0393

写真上下 Retama raetam (『イスラエル花図鑑』p.167)

 

DSC_0425 DSC_0427

DSC_0450 DSC_0452

 

 地図を見ると、あと少しでゲートなので、私は迂回せずに、丘の上を通って近道をしようとしました(衛星写真のM→N)。これが裏目に出ました。丘を越えると道が複数あり、車まで走っているのに、自分のいる場所がわからくなり、後でわかったのですが、ゲートとは反対方向に進んでいました(O)。おまけにまた雨まで降ってきました。時間が時間なので、とにかく見当を付けて進むと、午前中通過した見覚えのある地点まで来ました(P)。これでようやく位置がわかり、というよりも、ゲートとは反対の方向に進んでいることに気が付き、道を引き返しました。

 

DSC_0175 DSC_0176

 

 

かろうじて間に合った

 息を切ってゲートに到着したのは四時半をすぎていました(Q)。ところが、ゲートの受付はすでに閉められています。私はあわてました。なぜなら、ここでタクシーを呼んでもらうつもりでいたからです。レストランがあることを思い出し、そちらのほうに行ってみると、これも閉まっています。中をのぞくと誰かいます。ドアを叩き、出てきた人にタクシーを呼んでもらえないかと頼みました。彼が案内してくれたのは先ほどのゲートで、裏口から事務室に入り、そこにいた女性に頼んで、タクシーを呼んでもらえることになりました。

 

DSC_0305 DSC_0306

DSC_0307 DSC_0445

写真上 Colutea istria (『イスラエル花図鑑』p.95)

 

 私が「エルサレムまで行きたい」というと、彼らは「?」という顔をしました。エルサレムとは日本語であり、ジェルサレムというのが正しい発音のようです。

 私は彼らにお礼をいい、ストーブのある暖かいその部屋でタクシーが来るのを待たせてもらうおうとすると、彼女はもう帰るというのです。だって、まだ4時45分です・・・私はこの時、自分がぎりぎりに間に合ったことに気が付きました。あと10分、いや5分ここに来るのが遅れていたら、彼女は帰宅してしまい、タクシーを呼んでもらうこともできなかったのです。

 

DSC_0077 DSC_0047

 

 職員らしい男性も出てきて、私が一日中一人で歩き回ったと聞いて、「一人で!?」と驚いていました。そんなに驚くことなのかと私も驚きました()。彼は親切にも、タクシーの来る入り口の所まで彼の車で送ってくれるというのです。しかし、そこまでは数百メートルもないし、車に乗る距離でありません。私はお礼を言って、雨ガッパが濡れて汚れているのを理由に断りました。

 

DSC_0326 DSC_0327

DSC_0328 DSC_0329

写真上 Amygdalus communis (『イスラエル花図鑑』p.136)

 

DSC_0423 DSC_0424

 

 

無事ホテルに到着

 タクシーは十分ほどで来ました(16:54)。ホテルまで$44だという。来る時のチップを含めて$60はどうやらホテル価格だったらしい。ホテルのカード(写真下)を見せると、運転手はどこかに電話をして確認して、出発です。

 

グランドホテル_ページ_1

 

 雨の中を歩き回り、最後には走ったので、私はすっかり疲れてしまい、タクシーの窓から雨が降ったり止んだりする夕暮れの景色をぼんやりとながめていました。余裕で戻れると甘く見ていただけに、最後はちょっとあせりました()

 渋滞に巻き込まれることもなく、エルサレムのホテルに到着(17:54)。一時間近くかかったのは、渋滞ではなく、ネオット・ケドミームから幹線道路に出る所の信号が、どういう訳か、かれこれ15分以上も変わらなかったからです。

 

旅行中、初めてホテルの部屋の暖房を入れました。濡れた靴や衣類を全部取り替えてすっきりして、夕飯です(写真下, 18:30)。昼飯はビスケットだけだったので、夕飯がうまい。エルサレムの旧市街の観光をした他の人たちに聞くと、こちらも雨が降ったり止んだりで、雷まで鳴る天気だったようです。

イスラエルの観光といえば、何を見なくてもエルサレムの旧市街だけは行くでしょう。イスラエルに観光で行って、それすら見なかった私は少数派です()

 

R1043293 R1043294

 

 

 

トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10