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1日目 201133() 

成田→仁川(韓国)→テルアビブ(イスラエル)

 

 イスラエルが花の王国だと聞いて、驚く人もたくさんいるでしょう。私も旅行会社のチラシを見るまでは知りませんでした。イスラエルといえば、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、これだけでも私とは縁がなさそうだし、その上、中東の火薬庫のような危ないイメージでしたから、できれば行きたくないというのは私だけではないはずです。でも、イスラエルの春は花が咲き乱れると聞いて、ビクビクしながら()、行ってみることにしました。

 参加者は、直前に病気でキャンセルした一人を除く客8人に添乗員の9人で、内訳は女性6人、男性3人です。添乗員の本間さんはまだ二十代で、高校と大学の7年間、チアリーダーをしていたそうです。明るく、語学も達者です。

 

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 成田空港も、春らしく生の花が植えられています(写真上)。こんな薄暗い所でよく花が咲いているものです。人間の目は明るさを調整しますから、気がつかないが、植物にとっては暗い環境です。出発ロビーの一部が写真下のようになっています。誰が芸術家が設計したもののようです。作品の好き嫌いはともかく、日常の中に芸術があることは良いことです。

 

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 成田からイスラエルへの直行便はなく、韓国経由です。香港経由やさらには欧州経由の飛行機もあるようです。他の人の旅行記を読むと、ウズベキスタン経由の飛行機に乗り、翌朝イスラエルに到着して、そのまま観光に向かったなど、なかなかきつい旅行もあります。いずれにしろ、乗り継ぎを含めると1720時間ほどかかります。

 我々は成田を9時半頃に発ち、イスラエルに到着するのは、翌日の午前3時すぎですから、18時間ほどかかります。日本からのイスラエルへの旅行者は年間2万人を越えて、そろそろ直行便を出すとのことですから、これなら3〜4時間早くなるでしょう。

 成田から韓国の仁川空港までは最近珍しくなったジャンボ機です(写真下左)。機内は比較的混んでいます。

 

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 大韓航空706便は9:29に成田を離陸。晴れているので東京がよく見えます(写真下)


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 東京上空を通り過ぎると眼下には富士山が見えました。

 

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 朝食が出ました(写真下左、9:55)。五時半に家を出て、何も食べていなかったので、全部たいらげました。十時半頃には日本海を渡り、眼下に朝鮮半島が見えてきました(写真下右)

 

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 11:45に仁川(インチョン)国際空港に到着(写真下)。仁川国際空港はソウルの首都圏の基軸空港として、仁川市の沖合にあった干潟を埋め立てて2001年に造られた新しい空港です。外は−3℃だという。我々は乗り継ぎですから、外にでることはありません。

 

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写真上右:ウィキペデアより転載

(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Map_Incheon-Airport.jpg)

 

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 ここで乗り継ぎの飛行機を待ちます。登場手続き開始が3時ですから、三時間近くも時間があります。飛行機が違うとはいえ、同じ大韓航空なのにずいぶんと間があります。日本語の案内を見ると、1〜2時間のツアーが準備してあります(写真下)。乗り継ぎに三時間もあれば、一時間のツアーくらいなら、余裕で戻って来られます。もしかして、ツアーに誘うためにわざと時間を開けて・・・いや、これは私の勘ぐりでしょう。

 

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 空港は新しく機能的です。写真下左の案内板を見てください。ゲートを示す看板は最初にハングルで、次に日本語(ゲート)、中国語(登机口)、英語(Gates)の順に表記されています。日本人の旅行者がいかに多いかを示しています。しかし、遠くない将来、日本語と中国語の順序は逆になるでしょう。

 

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 店の中で胡弓のような楽器の演奏をしています。建物の無機的な感じを和らげて、なかなか良い企画です。

 

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 椅子があればじっくりと聞きたいのだが、演奏を立ったまま聞いているのも疲れてきたので、私は階上でインターネットをしながら、お茶を飲むことにしました。

 店には客は誰もおらず、コーヒーを飲んでいるのは私一人です(写真下左)。そばの長椅子はバッグパッカーらしい人たちが横になり、中にはイビキをかいて寝ている人もいます(写真下右)

 

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 三時すぎに登場が始まりました。飛行機はエアバス社のA330-200です。定員が250人ほどで、12000kmを飛行します。

 

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 機内はほぼ満席です。予定では12時間の飛行ですから、その間、両側を人にはさまれたままの席は相当な苦痛です。昔のジャンボ機などは、トイレに行くのに二人の人に立ってもらう必要がありました。旅行前から、私は旅行会社に通路側の確保に努力してほしいと頼みました。本間さんは「空港に早めに来てがんばってみる」とのことで、幸い通路側の席を確保してくれました。

私は飛行機が動き出す前に飛行機の後ろ側を見に行くと、窓側の二座席に空き席があります。客が来たら戻ればいいだけなので、そちらの席に移りました。幸い、誰も来ませんでした。

 

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 KE957便は予定通りに離陸しました(15:44)。飛行経路を見ると、中国やロシア、そして中央アジアの諸国を通過してようです(写真上左)。毛布とモニター用のイヤホンの他に、歯ブラシとスリッパが配られました(写真下左)。長時間の飛行なので、スリッパはありがたかった。

 

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 飲み物とピーナッツが配られ(写真下左、16:19)、その後で食事が出ました(写真下右、16:40)

 

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食事は2種類あり選択を聞かれます。ところが、私はスチュワーデスからいきなりハングルで話しかけられました。どうやら、私は日本人ではなく韓国人に見えるらしい。私はヨン様そっくりなんだ()

 

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 太陽をおっかけますから、飛行時間の大半は明るいはずで、窓際と高い所が好きな私は、外をゆっくりと眺めようと楽しみにしていました。ところが、食事が終わって間もなく、スチュワーデスがやって来て窓を閉めて、天井の蛍光灯も消してしまいました。日本時間でまだ午後五時すぎです。こんな時間に寝ろと言われても、無理です。

 

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 窓を閉じてしまうのは、長距離の飛行機でよく見られます。しかし、幼稚園じゃあるまいし、強制的に眠れもないもので、眠りたい人のためにはアイマスクでも配ればいいだけのことです。

客のためというよりも、乗務員が休息を取るためなのでしょう。12時間連続勤務はたしかに大変だろうが、だからといって客の自由度を奪うのはいかがなものか。

 幸い、目の前のモニターでは映画を観られるようです。最新のまだ見ていない映画もあります。一昔前は映画が前のスクリーンに上映され、好みでもない映画を観るしかありませんでした。今は好きな映画を選んで観られるのだから、まだましです。この日だけで三本も観てしまいました。

 

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 2本映画を観て、さすがに目が疲れたので眠ることにしました。二座席を占領していても、エコノミークラスですから、寝にくい。何度も目が覚め、ウトウトしたら、もう眠れなくなりました。そっと窓を開けてみると、夕暮れです(写真下左, 23:05)。経路を見ると、ちょうどアラル海の上空にさしかかっているようです(写真下右)

 

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 二度目の食事が出ました(写真下、24:03)。日本時間で言えば夜食です。普段、夜食は取らないので、果物や野菜など半分ほど食べました。

 

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 飛行経路を見ていると、カスピ海を渡り、トルコに入った後、わざわざトルコを横断して、地中海に出てから、キプロス島の上を通過してイスラエルに入っています(写真下左)。カスピ海からまっすぐ飛ばずに迂回するのは、おそらくシリアやヨルダンなど敵対するアラブ諸国の上空を通過しないためなのでしょう。

 

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 眼下にテルアビブの街の灯りが見えてきました(写真下、27:10)。ここで時間を7時間戻します。イスラエル時間の20:15に、ベン・グリオン国際空港(Ben Gurion International Airport)に到着しました。

 

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 空港内は撮影禁止とのことでしたが、韓国からの客らしい人はさかんにシャッターを切っていました()。税関や入管などを除き、禁止というほどではないのでしょうけど、文句を付けられては他のお客さんに迷惑になるので、私も遠慮しました。

 荷物の検査が厳重なことで知られるイスラエルですが、入国は普通の国の検査とそれほど変わりません。

 入国の際、スタンプを押さないように頼まなければなりません。「No stamp please」というと、係員は別な紙に押して返し、その後、出口で別な係員が回収しました。これはイスラエルの入出国のスタンプを押されると、アラブ諸国に入国する時にトラブルになるからです。逆に、アラブ諸国のスタンプがあると、尋問されることがあるようです。幸い、全員が無事通過できました。

外に出ると、日本よりも気温が少し高いのが感じられます。

空港を出て(21:19)、専用車でテルアビブ市内のタルホテル(TAL HOTEL)に到着(写真下、21:46)

 

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 部屋に入ってまず驚いたのが、ドアから入るとすぐに水場があったことです(写真下左)。イスラエルではそれほど珍しくないそうで、今回の旅行ではこのホテルともう一つありました。普通、湯沸かしは部屋の中にあり、わざわざ水を汲みにいく必要がありますから、この点、とても楽です。

 コーヒーが2種類、紅茶が1種類に砂糖とミルクがあります。これはエルサレム以外のホテルではほとんどこの組み合わせでした。

 

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 紅茶は一種類なのに(写真下左)、コーヒーの袋が2種類あります(写真下右)。どうしてわざわざ2種類あるのでしょう。しばらく考えていましたが、考えるよりも飲んでみることにしました。

小さいほうがインスタント・コーヒーで、大きいほうは粉にしたコーヒーでした。しかし、ここにはコーヒーを出すためのフィルターなど道具はないのに、どうやって粉にしたコーヒーを飲むのでしょう?粉が細かいことから推測すると、カップに粉のまま入れて、粉が沈むのを待って、上澄みだけ飲むのでしょうか。ティーバッグのようなコーヒーにすればいいような気がします。

 

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 部屋もトイレも特に問題はありません。シャンプーや石けんはありますが、歯ブラシがありません。イスラエルのホテルには歯ブラシはないようです。

 

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 部屋に雑誌が置いてあり、「ここを見ろ」とばかりに付箋が貼ってあります(写真下)。美術関係の雑誌らしく、このホテルが取り上げられているようでした。

 

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 そういう目で見ると、部屋の色使いや壁の絵にもこだわりを感じます。普通のホテルは形式的にどうでもいいような絵が一枚かけてあるだけなのに、ここは三枚飾ってあります。

写真下左のベッドは、壁に垂直ではありません。ベッドの頭の部分と壁との間にある灯り部分が三角形なので、ベッドは部屋に斜めに置いてあります。これもわざとそのようにしてあるようです。

 

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 写真下左の右半分は鏡です。大きな鏡を用いることで写真下右のように部屋が広く感じます。今回の旅行で泊まった他のホテルもしばしば鏡を使って部屋を広く見せる手法が使われていました。

 

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 こちらでは夜の11時でも、日本時間では朝の6時です。朝起きてから丸24時間以上たっています。急いで風呂に入り、避難路を確認して、眠ることにしました。

 

 

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