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4日日 2010728()

稲城→日瓦(香格里拉、シャングリラ)

 

 7時起床。空は昨夜のまま曇っています。まあ、雨期ですから、雨さえ降らなければ合格です。

 ホテルの北側は民家が並んでいる裏通りです (写真下)

 

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 今日は、目的の亜丁よりも20kmほど手前の香格里拉(シャングリラ)と呼ばれている日瓦(リワ)に向かいます。昨日と違い、距離が短いですから、余裕をもって行けます。

 

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 昨夜と同じホテルの敷地内にあるレストランで朝食です(8:00、写真下)

 

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今日は途中で昼食を食べられるような街がないので、ホテルの西側の波瓦街で簡単な食料を調達することになりました(写真下)

 

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 まず市場に行って果物を買います。市場は知らなければ通り過ぎてしまうくらい狭い入り口です(写真下、~9:12)

 

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 市場の中は新鮮な野菜や果物が豊富です。朝早いせいか、まだ客足は少ないようです。

 

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 果物の中で目立つのがバナナやマンゴーなどの南方系の果物です(写真下左)。ここは亜熱帯の雲南省と隣接していますから、そこから運び込んでいるのでしょう。松茸も無造作に並んでいます(写真下右)

 

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 市場と反対側の小さなスーパーで、昼食用の他の食料を買いました。私はビスケットが欲しいといったので、烏里さんは私に一袋渡し、これが後で私の昼食になりました()

 

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 ついでに通りの店をのぞいてみましょう。朝なので店では饅頭の湯気が上がっています。

 

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 オバサンが子供(孫?)を背負いながら朝の散歩、犬はまだ眠っています(写真下)

 

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 写真下で売っている円筒形のパンのような物は、ヤクのミルクから作ったチーズやバターだそうです。チーズと聞いて、食べてみたい気もするが、私のお腹では耐えらないだろうし、あの大きさでは手がでません。

 

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 買い物を終了して、116km先の亜丁に向けて出発です。

 

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稲城の近くの棒河橋

 稲城の街から五分ほど走った郊外の棒河橋で写真撮影をしました(9:33, 3560m)。大半の人が三脚を持ち出して撮影を始めます(写真下右)。私のように手持ちで撮影している人のほうが少数です。

 

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 晴れて、空気も澄んでおり、気持ちが良い。

 

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 橋の上にいる時には気がつきませんでしたが、橋を横から見ると、アーチ型をしていて、なかなかきれいで、風景を壊しません(写真下右)

 

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 私は河原に降りて、花の写真を撮り始めました。ここも三千メートルを越える高地ですから、河原の雑草も高山植物です。

 

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写真上:ステルレラ・カマエヤスメ

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.364、『中国秘境に咲く花』p.105、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.125)

 

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写真上:オキシトロピス・ラッポニカ (『ヒマヤラ植物大図鑑』p.416)

 

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写真上左:写真上:サルヴィア・スブバルマティネルヴィス(『雲南花紀行』p.166)

写真上右:キノグロッスム・アマビレ(『天の花回廊』p.18、『雲南花紀行p.164)

 

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波瓦山風景区

 橋での撮影時間を終えて、山を登り始めて二十分ほどで、山の中腹にある波瓦山風景区という展望台のような所に到着しました。 (写真下、9:4810:23, 3895m)

 

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 ここにも様々な高山植物が生えています。斜面にはたくさんの薄紫のキキョウが咲いていてきれいです。

 

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写真上:アデノフォラ・フォレスティー(『雲南花紀行』p.173)

 

 上の花と写真下のネルボサとは色を除けば、姿形はそっくりです。また同じ場所に生えています。

 

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写真上:コドノプシス・ネルボサ(『世界の山草・野草ポケット事典』p.165)

 

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写真上:モリナ・クルテリアナ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.125、『世界のワイルド・フラワー』p.79)

 

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写真上:ハレニア・エリプティカ(『雲南花紀行』p.163)

 

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ゲラニウム・モウピネンセ(『世界の山草・野草』p.188)

 

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写真上左:レオントポディウム・ストラケイイ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.80)

写真上右:リグラリア・ウィルガウレア(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.104)

 

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写真上右:ギムナデニア・コノプセア(和名・テガタチドリ、『ヒマヤラ植物大図鑑』p.695、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.130)

写真上右:ゲラニウム・レフラクトゥム(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.387、『エベレスト花街道を行く』p.43、『エベレスト花の道』p.69)

 

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写真上:プリムラ・シッキメンシス

(『中国秘境に咲く花』p.47、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.83、『雲南花紀行』p.128、『エベレスト花街道を行く』p.24)

 

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写真上:ラヌンクルス・ブロデルシー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.630)

 

 キンロバイがあちこちに茂みをつくり、なかなかきれいです。

 

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ポテンティラ・フルティコサ・リギダ(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.436)

 

 バスを停めていた所に、近くに住んでいる子供たちが集まってきました。学校は夏休みのようです。こういう子供たちと交流するのは群馬さんが得意です(写真下右)

 

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 私がカメラを向けると子供たちはわざと後ろを向いてしまいます(写真下)

 

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 私も負けずに、カメラを構えたまま待ちます()。当然、子供たちはその遊びにすぐに飽きて、ごらんのようになります(写真下)

 

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 子供たちに別れを告げて、さらにバスは峠をめざして登ります。

 

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 走り出してすぐに、反対側の山の上に熱烏寺があり、ハズを停めました(写真下、10:32, 4015m)。四千メートルのこの高地に、今は夏だからすごしやすいだろうが、冬はどうするんでしょうね。六百年の歴史があるといいます。ここから見るかぎりでは建物も新しく、お金には困っていないようです。

 

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 デコボコ道も道路を修理する人があちこちにいます(写真下)。チベットでバイクに乗っていると皆さん、なんとなく様になるから不思議です。こんなに空気が薄いのに、よくエンジンが動くものだ。

 

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峠の沼地の草花

 熱烏寺から十分ほど登ると、峠の山頂に到着しました(10:4311:10, 4225m)。道路の脇に湖があり、湿地帯が広がっています(写真下)

 

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 高地なので花はいずれも小さく、普通なら、寝転がって撮りたいところですが、足下はグチャグチャで、しゃがみこむしかありません。すると、胸を圧迫するので、写真を撮り終えた後の苦しいことといったらない。

 

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 写真上右のように小さな島がたくさんあり、そこに草花が生えています。それらの写真を撮るには靴が濡れることを覚悟するしかありません。実際、泥だらけになりました。

 

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写真上:アスター・ディプロステフィオイデス

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.88、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.72)

 

 

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写真上:ペディクラリス・ロンギフロラ・ツビフォルミス(『雲南花紀行』p.168)

 

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写真上:ポテンティラ・ステノフィラ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.443

 

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写真上:ラヌンクルス・ネフェロゲネス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.632)

 

 

お花畑

 峠から少し降りて、道路の脇のお花畑で撮影です(11:21-11:30)

 

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写真上:ペティクラリス・シフォナンタ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.173)

 

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写真上:ラヌンクルス・ブロテルシー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.630)

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写真上:サウスレア・ブルゼワルスキー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.62)

 

 お花畑と道路の反対側にテントをはっているチベット人の夫婦らしい人が来ました(写真下)。小さい子供がいるが、これが彼らの子供なのか孫なのかわかりません。

 

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川縁で昼食

 さらに下り、道路のそばの川のほとりで昼食を取ることになりました。しかし、私は「ダンゴより花」ですから、食事は後にして花の写真を撮りました。

 

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写真上:アストラガルス・レウコケファルス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.410)

 

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写真上:ユンクス・ギンギー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.636)

 

 川縁にナヤギランがたくさん生えていて、なかなか見事です。バスで走っていると、道路の脇の土手にに植えたかのようにヤナギランが咲いていることがあります。

 

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エピロビュム・アンガスティフォリウム(ヤナギラン)

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.352、『花の回廊』p.18)

 

 岸辺にカラマツソウがたくさん生えていて、満開です(写真下)。図鑑にピンク色のカラマツソウだけで白いのは載っていません。

 

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カルダミネ・マクロフィラ・ポリフィラ

(『中国秘境に咲く花』p.96または『ヒマヤラ植物大図鑑』p.534.、『雲南花紀行』p.152)

 

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写真上:キノグロッスム・アマビレ(『天の花回廊』p.18、『雲南花紀行p.164)

 

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写真上:ハレニア・エリプティカ(『雲南花紀行』p.163)

 

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 たった一本だけ大きな赤い花が斜面にポツンと咲いていました(写真下)。まるで花が落ちているかのように、背が低いのにめいっぱい大きく目立つ花を咲かせます。ノウゼンカツラの仲間だそうです。

 

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写真上:インカルヴィレア・フォレスティー

(『世界の山草・野草ポケット事典』p.170、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.105)

 

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写真上:シレネ・グラキリカウリス(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.106)

 

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写真上:アステル・バタンゲンシス(『雲南花紀行』p.175)

 

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写真上:アナファリス・コントルタ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.84)

 

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写真上:パルナッシア・キネンシス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.475)

 

 草花だけでなく、樹木もおもしろい。モミのような木に大きな松ぼっくりがついています(写真下左)

 

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写真上:コドノプシス・ネルボサ(『世界の山草・野草ポケット事典』p.165)

 

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写真上:ペディクラリス・デンシスピカ(『世界の山と高山植物のアルバム』)

 

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写真上:ぺディクラリス・モンベイギアナ(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.105)

 

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写真上左:ラミウム・アルブム(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.198)

 

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ヴァーバスクム・タプスス(和名:ビロードモウズイカ)

(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.147、『ヒマラヤ百花』p.64)

 

 撮影を終えてバスに乗ってから、私は、朝の買い物の時、烏里さんに渡されたビスケットと残っていたリンゴで昼食です(写真下)。リンゴは手にすっぽり入るほど小さくて、未熟で美味しくはありません。

リンゴにこだわりのある私としては、もう少しうまいリンゴはないものかと今回の旅行でも探してみましたが、ありませんでした。帰国前日、成都のイトーヨーカドーの売り場で見たリンゴはなんと一個10(150)で、これでは日本と変わらないから、日本から輸入したリンゴかもしれません。中国のリンゴはかなり改良の余地があります。もっとも、中国の農家が良質のリンゴを作り、安く日本に輸入したら、日本のリンゴ農家は全滅するでしょう。

 

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ユリがある!

 「ユリがある」という烏里さんの声でバスは急停車。私も窓の外は見ていたが、気がつきませんでした。ユリはバスの左側に生えており、烏里さんは右側に座っていたのですから、相変わらずすごい眼力です。私もバスを飛び降り、烏里さんの後を追い、道を引き返します(写真下、12:5713:13, 3255m)

 

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 日本にはない茶色のユリです。3本まとまって生えて4つ花が咲いており、1本が少し離れた所にあります。4つの花のうち、上の二つは盛りをすぎているものの、後の2つと、離れた所に生えている1本はちょうど見頃です。後で近辺を探しても、ユリはここだけでした。

 

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写真上:リリウム・バケリアヌム・デラヴェイイ

(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.78, p.100)

 

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写真上:ルメックス・ネバレンシス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.669)

 

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写真上:デルフィニウム・デニイ(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.81)

 

 

麦刈り

 道のそばで女性たちが麦狩りをしているのを見て、車を停めました(13:49, 3190m)。仲推村という村だそうです。

 

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 どやどやと我々カメラマンが畑の中まで入り込んで写真を撮っても、いやな顔をするどころ、写真下右のようにVサインまでしてくれます。いや、そこまでサービスしてくれなくてもと遠慮がちにしていると、彼女たちは歌を歌って、中には作業しながら踊りの身振りまでする。なかなか陽気な人たちです。もっともチベット人が唄いながら作業をするのはよくみられることです。

 

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 女性だけでなく、男性も二人いました(写真下)。しかし、十数人ものカメラマンの中で彼らにレンズを向けたのはたぶん私くらいでしょう。右端の若い男の子は写真を撮られるのが嫌なのか、座ったきり手伝おうともしません。義理で撮ったけど、男じゃ絵にならないからなあ。

 

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 刈り集めた麦は背負って、道まで運びます。だが、麦の量は半端ではありません。一見、枯れて乾いているように見えますが、触ってみると麦の茎はまだ湿気を含んでいます。試しに、私が片手でこれを持ち上げようとしてビックリ。

 旅行用のスーツケースは20kgという制限がありますから、この重さはだいたいわかります。この麦の重さはもちろん手で持ち上げるなどというレベルではありません。そこで揺らしてみました。その感触からすると、倍の40kgはあるでしょう。重さもすごいが、ものすごくかさばっている。さあ、これをどうやって背負うのか。

まずは背負う部分に白い布をあてて、ロープをかけてしっかりと締め上げます(写真下)

 

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 次に麦に背中を押しつけてしゃがみ、ロープでしっかりと自分の身体にくくりつけ(写真下左)、そのまま麦の束の上に寝ころぶように背中を伸ばします(写真下右)

 

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 反動をつけて、自分が起きあがりながら、麦を背中に背負い(写真下左)、そのまま立ち上がります(写真下右)

 

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 背負っているというよりも、麦の束が背中に乗っかっているような感じです(写真下左)。これを畑よりも高い道路に停めてある耕耘機まで運びます(写真下右)

 

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 近所の子供たちが集まってきました(写真下)

 

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仲推村の黒豚

 麦畑より南に下がった所にある仲推村ののどかな風景を撮りました。

 

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ここもたたずまいが美しい村です。道路脇の草原にもたくさん花が咲いています。さっそく・・・うん?黒豚がいます(写真下左)。なにせイノシシの親戚ですから、怒らせないように静かに近づくと、近くの茂みからガサガサと音を立てて子豚が2匹出てきました(写真下右)。おお、うまそう、と思ったかどうかは忘れました。

 

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 ここで一番目立つのは下の黄色い花で、ノウゼンカツラの仲間だそうです。

 

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インカルヴィレア・ルテア

(『世界の山草・野草ポケット事典』p.170、『雲南花紀行』p.170)

 

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写真上:タリクトルム・デラヴァイー

(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.611(『世界の山草・野草』p.172)

 

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キノグロッスム・アマビレ

(『天の花回廊』p.18、『雲南花紀行p.164)

 

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テッセンが咲いています。大きさは栽培品種と変わりません。

 

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写真上:コドノプシス・コンヴォルヴラケア(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.93)

 

強い日差しの当たる原っぱに白い石のような丸いキノコが生えています(写真下)

 

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 ウスユキソウは今がちょうど盛りのようで、きれいに咲いています(写真下)

 

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レオントポディウム・ストラケイイ

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.80、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.89)

 

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 道路の脇の生け垣にツルニンジンがからみついて花を咲かせています(写真下)

 

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ツルニンジン属の一種

(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.120)

 

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写真上:サキシフラガ・メラノケントラ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.507)

 

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日瓦(香格里拉、シャングリラ)到着

日瓦の宿泊ホテルの驿站酒店(Yading Yizhan Thematic Hotel)に到着(写真下、14:39, 2890m)。日瓦は古い地名で今は 四川省甘孜州稻城県香格里拉鎮という住所です。

 

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 ホテルの広々したフロントには(写真下左)、明日見る予定の亜丁の三山の絵がかけてあります(写真下右)

 

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 ホテル自体は改装をしているらしく、玄関は工事中で、入り口から見て右側でも何か大きな建物を建築中です(写真下右)

 

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日瓦の街を散策

 夕食まではまだ時間もあり陽も高いので、街を散策しようと、通訳の周さんを連れだって五人ほどで出かけました(15:30、写真下)

 

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 香格里拉は小さな街で、我々のホテルは街の南側にあります(下の地図参照)。ホテルから出て、商店街のある東側の赤土河路に向かいます。

 

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 歩き始めてまず気がつくのが、どこもここも工事中だらけだということです、土を掘り起こし、建物を建てています。この後、歩いた町中も同様でした。古くからある街ではあるが、ただいま建築中なのです。

 

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一軒目の民家訪問

 赤土河路のすぐ手前に建築中の家がありました(写真下)。屋上で人が作業しているので手を振ると、こっちに来いといいます(写真下)

 

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 群馬さん(仮名)が屋上に上ってもいいかと聞くと、いいと言います。なんと物好きの二人は写真下のハシゴを登って屋上に行きました。私が及び腰で一段ずつハシゴを登るものだから、屋上にいる女性たちが笑っています。

 

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 写真下は家の屋上で、まるで地面のようで、かなり固く突き固めてあります。断熱と防水のためでしょうか。

 

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 建物の中は建築中なのにすでに住んでいます。写真下のように、柱は石を積み上げた上にただ乗せてあるだけです。チベット式の家屋の多くは一階が天井の低い物置になり、二階部分に居住します。だから、この後、二階部分用の床板が貼られるのでしょうから、柱を横から支えるのでしょう。石の上にただポツンと乗せてある柱を見ると、地震が来たら、柱の下の石自体が外れて柱は倒れ、屋上のあれだけの土の重さで、ひとたまりもなくこの家は崩壊するように見えます。

 今年(2010)4月には青海地震で、青海省の玉樹(ジェクンド)などが大変な被害を受けています。こういう昔ながらの構造では当然でしょう。

 

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 建築しながら生活もします。まだ床板の張っていない地面にベッドが置いてあり(写真上右)、我々がいる床板を張った部分には台所用のストーブやテレビなど日常の生活用品が置いてあります(写真下)

 

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 家の中に鍋や釜からバイクまで、家財道具が並べてあります(写真下)

 

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 群馬さんは初対面の人たちとの交流が得意で、しかも、周さんが通訳してくれます。子供たちが学校で習った歌を披露してくれました(写真下)

 

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 集まってきた人たちは家族なのかと思ったら、近所の人たちも含まれていて、彼らは家を建てる仕事を手伝っているようです。

 

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 周さんの通訳で、いろいろと聞いていると、子供たちが奇妙なことを言いました。彼らは中国名の名前しかなく、日常でもチベット語は使わないというのです・・・えっ?!私も群馬さんもこの返答にギョッとしました。

彼らはどう見てもチベット族ですから、チベット語とチベット文字を使い、チベット人の名前を持っているはずです。だが、子供の世代になると、もはやチベット語すらも使わない??これから生きていくためには中国語は欠かせないのはわかるが、だからといって自分たちの言葉を失っていいことにはなりません。ただ、通訳を通しての話だから、何か我々の聞き間違いなのもしれないし、あまりこういう問題を突っ込むのはお互いに得策ではありません。

 

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二軒目の民家訪問

 私は屋根に登り汗ばんでいた首筋が少し冷えてきたのでそろそろ出ることにしました。ちょうど、工事を手伝っていた女性が、我々を自宅に招待したいと申し出てくれました。二つ返事でついていくと、彼女の自宅はちょうど道路をはさんで北側の家でした(写真下)

 

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 中は特に変わった様子もなく、普通のチベット人の家という感じです。部屋の中の写真を撮らせてもらっていると、彼女は乾燥させた何かの薬草と冬虫夏草を出して、買わないかと持ちかけました。私はいらないので断り、もう一度彼女にネックレスをつけて写真を撮らせてくれというと、彼女は拒絶。我々が買い物をしないので気分を害したようでした。気持ちを察した群馬さんが彼女の出した冬虫夏草を一本買いました。20(300)は相場としては高くはありません。写真を撮らせてもらった入場料だとわかっていても、少々後味が悪くなったので、退散しました。

 

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 我々が訪問した所に限らず、街はどこもここも建設中です。石造りなので、日本人の目には古そうにみえるだけで、街全体が新築です。我々が泊まっているホテルもすぐそばに新しいホテルを建築中です。

 

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 後で烏里さんが持っていたこのあたりを開発している会社のパンフレットを見せてもらいました。ここはチベットの桃源境を意味するシャングリラ(香格里拉)を自称して観光地として売り出しているようです。我々が明日行く亜丁はここから20kmほどですから、これを含めて、ここをリゾート地として開発しようという計画のようでした(下図参照)

 

(http://www.yadinghotel.com/jsgh.aspより転載)

 

 香挌里拉(シャングリラ)という名称は雲南省の中旬という街がすでに名乗っており、飛行場もあるなど一歩先んじています。ここと雲南省のシャングリラは直線で百キロほどしか離れていません。雲南省シャングリラと四川省シャングリラの一騎打ちで、ちょっとこちらのほうが出遅れています。こちらのほうが、明日我々が行く亜丁の三山という秘境もあるから、有利な条件はそろっています。

 

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 街全体はチベットの田舎町程度で、にぎわいもなく、店も少なく閑散としているが、おそらく数年もたてばここは一大観光拠点となっているのでしょう。

 

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 通りにも店はそれほど多くなく、開いている店も数えるほどです。土産物屋に入りました(写真下)

 

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 女性が好みそうな小さなアクセサリーをたくさん売っています。ただし、品物はありふれた内容でイマイチ特徴がありません。

 

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 いつの間にか、我々五人だけでなく、烏里さんなどホテルに残っていた人たちも来ています(写真下)。ホテルが停電になってしまい、いてもしかたないので、散歩に来たそうです。街は狭く、開いている店は限られていますから、行き先は同じというわけです。

 

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 私の目を引いたのは店の商品よりも、店の前の歩道で干してある植物です(写真下左)。雪蓮花です。雪蓮花は滋養強壮の漢方として近年着目されています。防寒のために綿毛に包まれたようなトウヒレンの仲間で、5千メートル前後の高地に生えます。日本でも冬虫夏草と並んで高値で売られていますから、乱獲が心配されています。

 ここで売られているのは1本が10(150)だというのだから、安い。我々のグループの一人が買いました。この雪蓮花はまだ十分に乾燥していないので、干すように店の人から言われました。スーツケースに入れっぱなしにすればカビか生えます。そこで、これを買った人は旅行中は洗濯物の靴下と一緒にハンガーにぶら下げて、乾かしました(写真下右)。靴下も雪蓮花もよく乾いたでしょうか()

 

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三軒目の民家訪問

 店を出て通りを歩いていると、群馬さんの人見知りしない性格のおかげで、別な民家も訪ねることができました。入り口から入ると、ごらんのように、一階は天井も低く、たいてい物置です(写真下右)

 

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 家畜を飼っている場合は一階が家畜小屋になります。家族の住まいは階段を上がった二階にあります。家はまだ建築中らしく、階段を上がった広間は作りかけです(写真下左)

 

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 家族の居間は、広間の左側にあります(写真下)。広々として天井も高く、外の暑さが嘘のようです。ここが家族の居間、台所、仏間、客間です。

 

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 お!居間の中心、ストーブの前には仏壇があります(写真下)。チベットはこうでなくちゃ。一つ目に訪問した建築中のチベット家族の様子を聞いて、中国語しか話せないとか、チベット名の名前がないなどと言われてショックを受けていた私や群馬さんはようやくホッとしました。

 

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 チベット人なら仏壇を飾り、信仰心があるべきだなどと期待するのはこちらの勝手な希望なのだが、チベット仏教がチベット文化と深く関わっているだけに、これがなくなったら、チベット文化のかなりの部分が失われてしまうからです。

 真ん中の仏壇にはポタラ宮殿の絵や活仏らしい人の写真が並べられています(写真下)。日本のようにご先祖さんの戒名が並んでいる仏壇とはちょっと趣が違います。

 

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 家族は娘さんを含めた家族三人で、お父さんはトラックの運送業をしています(写真下)

 

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四軒目の民家訪問

 通りを歩いていると、若者がバイクを手入れしています。バイクのガソリンタンクに書かれたマークを見てください。「YAMAHA」の隣に「HONDA」とあります。ヤマハ製のホンダのバイク?!案外、このバイクはヤマハでもホンダでもない中国製かもしれません。

 

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 バイクの若者が家を見せてくれるというので、四軒目を訪問しました(写真下)。ここは民宿のようです。

 

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 一階の階段を上がると広間があり、その広間に居間や寝室が面しており、写真下右で寝室のドアが空いています。広間の壁はいかにチベットらしい派手な色彩で飾られています。前に訪問した家も完成した後の広間こんなふうになるのでしょう。

 

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 居間の位置は先ほどの家と同じで、居間の真ん中にはストーブがあり、その前にすごく立派な仏壇もあります(写真下)

 

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 屋上に上り、民宿の女主人といろいろと話をしました(写真下)。陽もかげっているので、そんなに暑くはありません。

 

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 日瓦の街が一望できます。谷合にあるありふれたチベットの街にすぎず、ごらんのように特に街並みが美しいいうこともなく、これがシャングリラという桃源境だと言われてもねえ。

 

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予定では下の絵のようになるらしい。シャングリラとして売り出したのなら、もう少し町並みに統一感を持たせないと下の街は絵に描いた餅にしか見えません。新しく作っている街なのだから、専門家が設計して、計画的に開発したら難しくないような気がします。まあ、数年後に期待しましょう。

 

(http://www.yadinghotel.com/gyxz.aspより転載)

 

 そろそろホテルに戻ることになり、別な道を歩いていくと、またしても建築中の家です。というよりも、街全体がどこもここも建築中なのです。

 奥さんが30代、石の上に座っているご主人が40代で、子供が小さいところを見ると、結婚が遅かったようです(写真下)

 

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 彼らの右後ろにある平屋の建物が彼らの自宅です。彼らは家を建てるのはそれほど大変ではないと言っていました。たぶん、理由の一つが、最初に訪問した家がそうであったように、本人や近所の人たちが家を造る手伝いをするからでしょう。日本のように一生住宅ローンに追いまくられ、払い終わる頃には家はボロボロで、建て主は死んでしまうという笑うに笑えない状況と違い、彼らの反応には余裕が感じられます。

 

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 通りでは、まだ子供たちがオママゴトなどをして遊んでいます(写真下)

 

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コーヒーはまだか

 ホテルに戻り、ホテル内にあるレストランで夕飯です(19:00)

 

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 レストランには明日行く予定の亜丁の有名な三つの山の絵がかけてあります。こんなふうにきれいに見えればいいのですが。

 

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 食後、皆さんでホテルの敷地内にある喫茶店でコーヒーでも飲もうということになりました(写真下19:53)。外観はチベット風のちょっとおしゃれな店です。

 

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 店には客は誰もおらず、お姉さんが一人いるだけです(写真下左)。私だけがお茶で(写真下右、10元、150)、他の人たちはコーヒーです。お茶は10元という値段相応で、特においしくもまずくもありませんでした。

コーヒー一つと私のお茶はすぐに来ましたが、それっきり待っても来ません。どうやら、私と群馬さんが現金で先に払ったので、注文はそれだけだと思ったようです。そこで再度、お姉さんを呼んで、全員のコーヒーが必要なのだと言いました。すると、もう一つコーヒーが来ました。だが、またしてもそれっきりです。

 

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 要するに代金を払わないと注文したことにならないのです。事態を理解したので、お姉さんを呼んで、残りの人の分のコーヒー代金を払い、全員が無事コーヒーにありつけました。全員がコーヒーにたどり着くのに二十分ほどかかりました。

 

ホテルは一泊580(8700)もしますから、部屋の清潔さなどは申し分ありません。バスタブはないが、お湯も出るし、問題ありません。全員一階で、私の部屋はホテルの表に面して、火災ならいきなり窓から逃げられるのは結構だが、窓の鍵がかかりません。烏里さんに相談したら、「ここは泥棒はいないよ」というので、今さら部屋を変えるのも面倒なので、そのままにしました。

 

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 専用のスリッパまであるくらいの一流ホテルです(写真上右)。一番の不満は、ホームページ(http://www.yadinghotel.com/)を持っているホテルなのに、部屋でネット接続ができないことです。烏里さんに聞いてもらったら、ロビーで無線ランが使えるといいます。しかし、パソコンは反応しません。私のパソコンは海外でも無線ランに接続していますから、反応しないということは電波が出ていないのでしょう。

結局、フロントで使っているパソコンのネットケーブルを借りて接続しました。彼らもケーブルを使ってネットに接続しているのですから、どう見てもロビーで無線ランを使っているようには見えません。 

 

 

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