トップページ 日程表 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 11  12

 

7日日 2010731(土)

日瓦→海子山自然保護区→理塘

 

 7:00に起床し、8:00からホテル「亜丁驿站酒店」のレストランで朝食を取りました。ここの饅頭はなかなかおいしい(写真下右)

 

R1041861 R1041862

 

 ホテルを出発して(9:04)、香格里拉(日瓦)内の店で水などの買い物をしました。食料品を中心した日用雑貨の店です。

 

DSC_3314 DSC_3316

 

 新鮮な野菜もあります。写真上だけ見ると日本とあまり変わりありませんが、写真下右の乾物や香辛料が袋ごと並べられているのはいかにも中国らしい。

 

DSC_3315 DSC_3317

 

 肉の置き方がたくましい(写真下左)。写真下右はワカメのような海草ではないかと思います。食事にそれらしいのが出ました。

 

DSC_3318 DSC_3319

 

 

給水場の周囲の花

 まずは、稲城に向かって出発。山の斜面を見ていて気になったのが、樹木がけっこう立ち枯れしていることです。下の写真にも枯れた樹木が白く写っています。このあたりは森林限界でもあるから、ちょっとした気候の変化にも敏感に反応するはずです。昨日、亜丁の入り口近辺の、サルオガセが生えて立ち枯れしている木もまたこの斜面の樹木と同じことが原因となっているのかもしれません。

 

DSC_3322Re

 

 途中で車に給水をしました(10:03-10:26, 3660m)

 

DSC_3323 DSC_3388

 

 道路に沿って周囲には高山植物がたくさん花を咲かせています。ネルボサが見事に咲いています。

 

DSC_3327 DSC_3332 

  

DSC_3367 DSC_3351

 

DSC_3378 

 DSC_3384

写真上:コドノプシス・ネルボサ(『世界の山草・野草ポケット事典』p.165)

 

DSC_3324 DSC_3335

写真上左:ゲンティアノプシス・バルドサ

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.241、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.92)

 

DSC_3325 DSC_3326

 

 

DSC_3329 DSC_3331

DSC_3338 DSC_3339

 

DSC_3363

 

DSC_3343

写真上:ロードデンドロン・カピタータム(『中国秘境に咲く花』p.56)

 

DSC_3344 DSC_3362

レオントポディウム・ストラケイイ

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.80、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.89)

 

DSC_3347 DSC_3361

写真上:アスター・ディプロステフィオイデス

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.88、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.72)

 

DSC_3348 DSC_3359

 写真上:ポテンティラ・アンセリナ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.442)

 

DSC_3355 DSC_3356

エピロビュム・アンガスティフォリウム(ヤナギラン)

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.352、『花の回廊』p.18)

 

DSC_3357 DSC_3372

サウスレア・ブルゼワルスキー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.62)

 

DSC_3358 DSC_3369

 

DSC_3371 DSC_3373

 

 

稲城の松茸

 来るときに見かけた熱烏寺と(写真下左)、子供たちのいた波瓦山風景区(写真下右)を通過して、一路、稲城を目指します。

 

DSC_3393 DSC_3395

 

 27日に一泊した稲城に到着(11:18)。街並みを見ると大都会に来たように錯覚します。見た範囲では、道路が直線的に整備されていていますから、人工的に作られた街なのでしょう。

10073101 

DSC_3450 DSC_3454

 

 写真下左の子供乗ったドラエモンの自転車はきっとコピー商品でしょう。

 

DSC_3409 DSC_3460

 

 昼食にはまだ時間があるので、街を散策することにしました。キノコなどの乾物を扱っている店があります(写真下)

 

DSC_3411 DSC_3414

 

 冬虫夏草も「虫草」と略されて売っています(写真下左)。ビニールの袋に入ってるのは松茸か?!(写真下右)

 

DSC_3416 DSC_3419

 

おお!乾燥した松茸もあるではないか(写真下左)。早速、一人が袋詰めしたのを買いました(写真下右)

 

DSC_3415 DSC_3417

 

 続いて私も買おうとすると、なんか店の人の態度が奇妙です。袋詰めしてあるものはすでに予約が入っていて、一つくらいならいいが、これ以上はダメだということのようです。

こちらは数人しかいないのだから、一人一個買っても大した量ではありません。それに、まだ小分けしていない大袋に入った松茸があります(写真下)。足りなくなった分を小分けにすればいいだけです。

 

DSC_3412 DSC_3418

 

小分けしてあった松茸の質が違うのだろうかと比べてみても、素人目には同じに見えます。私が彼らなら、日本人の客を待たせてでも、その場で袋詰めして売ります。だが、彼らは売りたくないらしい。どうもよくわかりません。しかし、売りたくないというのだから、店を出て他を捜すしかありません。

 道路の反対側の薬草が並ぶ店にいくと、ありました(写真下)。一袋が80(1200)というのだから、前の店と同じです。お土産に大半の人が購入しました。

 

DSC_3423 DSC_3424

 

 店の陳列物もおもしろい。トカゲやヒトデを干した物が袋詰めされて売られています(写真下)。たぶんこのまま酒に漬けて飲むのでしょう。虎の絵も描いてあります。昔、虎の骨を酒に漬けて売っていました。しかし、今は保護動物ですから、実際に虎が入っていることはないでしょう。

 

DSC_3426 DSC_3427 DSC_3428

 

 高山病に効くという紅影天という薬草も売っています(写真下)。私はこれを日本で粉末に加工されたのを購入して、旅行中は飲んでいました。現物を見るのは初めてです。天然生薬で高山病に効果があるのはこれだけだと言われています。私は酸素と併用しているので、実際どの程度効果があるのかよくわかりません。

 

DSC_3429

 

 次に寄った店は食料品から仏具までなんでもありの雑貨屋です(写真下)

 

DSC_3431 DSC_3436

 

 壁には亡くなったパンチェン・ラマ10世の写真がかけてあります(写真下左)。彼が亡くなった後、輪廻転生したパンチェン・ラマ11世をタシルンポ寺が捜し出し、ダライ・ラマ14世が認めました。ところが、中国側はこれに反発して、独自に別なパンチェン・ラマ11世を探しだし、なんと二人の輪廻転生者がいるという事態に発展。輪廻転生して二人になるなんてまるでアメーバみたいです。しかも、ダライ・ラマが認めたパンチェン・ラマ11世を中国政府が両親とともにどこかに連行して隠してしまったという。ここでは宗教が火薬庫のようです。

 お釈迦様は「生まれによってバラモンなのではない」と生まれや家柄を否定した人です。もちろん活仏なんて認めておらず、チベット仏教が14世紀頃に作り出したものです。生まれた時から決まっている活仏なんて変な話で、そろそろこういう疑似仏教はやめたほうがいい。

 

DSC_3434 DSC_3435

 

 束ねてあるのはたぶんビーフンのような麺類でしょう。白と黄色でどんなふうに味が違うのか、試してみたいが、荷物になるので買うわけにもいきません。

 

DSC_3437

 

肉がそのまま置いてあるのがいかにもチベットです(写真下左)。日本なら腐ってしまうが、ここは気温も低く乾燥しているから、こんな状態でも平気なのでしょう。特に悪臭はありません。他の店では、写真下右のようにビニールに密閉して売っている肉もあります。しかし、これも特に冷蔵されてはいません。

 

DSC_3440 DSC_3420

 

 写真下左は布袋様のようなに見えますが、たぶん仏教の仏像です。中国ではよくこういう太り気味で、ガハハと笑っているのがお釈迦様だったりします。実際のお釈迦様や仏弟子たちが太っていた可能性はほぼゼロです。

 写真下右は電動式のマニ車のようです。マニ車とは円筒の筒の中に経典がはいっており、それをクルクルと回すとお経を唱えたのと同じ功徳があるという仏具です。文字の読めなかった時代の人たちにとっての代用品だったのでしょう。チベット寺院に行くと大きなマニ車があり、参拝者がこれを回すのを見かけます。また水車に取り付けて自動的に回すマニ車もあり、これを電動式にしたものです。なんともまあ安易な発想。

 

DSC_3438 DSC_3432

 

 この店の娘か孫でしょうか。カウンターの向こうから珍しい客を見ていました。

 

DSC_3439

 

 通りのどこを見ても目に付くのが扉の模様です。今回の旅行で訪れたいろいろな街でもこういう扉を見かけました。どうやら、チベット人は彫金にも優れているらしい。

 

DSC_3444 DSC_3499

 

 トイレのドアにまで飾りが付けてあります(写真下左)。入ってみたかったが、鍵がかかっています。

 

DSC_3405 DSC_3500

 

 オバサン二人が道端で金属のペンダントを売っていました(写真下)。なかなかきれいです。聞けば彼女たちの手作りだという。手作りといっても、たぶん鋳型に流しこんだのでしょう。真鍮などを溶かす炉を持っていることになります。チベットは鉱物資源の豊かな所だから、冶金や金属加工も盛んなのかもしれません。私のたちのグループの女性たちがあるだけ全部買いました。

 

DSC_3448 DSC_3449

 

 道に沿っていろいろな店がたくさんあり、見ているだけでも楽しい。

 

DSC_3457 DSC_3459

 

 道端の店もあります。店も客も漢族ではなく、チベット人です。

 

DSC_3473 DSC_3474

 

 歩道の端で売っているのはまだいいほうで、写真下のように、歩道を完全に占領して売っている人たちもいます。写真下左など、歩道に椅子を出して話し込んでいるし、写真下右は歩道をふさぐように絨毯を紐に掛けて売っています。おおらかというか、誰も気にしないようです。

 

DSC_3441 DSC_3476

 

 道の歩道にはあちこちで人が座っていて、暇そうに周囲を見ています(写真下)。これは疲れたから休んでいるのか、それともただ暇なのか・・・どちらかというと後のほうのように見えます。

 

DSC_3462 DSC_3464

 

 街の中はチベット族と思われる人たちしか歩いていないので、被写体には困りません

 

DSC_3461 DSC_3452

DSC_3466 DSC_3469

 

 都会に行けば行くほど、チベット族などの民族衣装は少なくなります。稲城は理塘と同じで、女性の大半はチベットの民族衣装をつけています。写真を撮るほうにしてみると、とてもありがたい。

 

DSC_3483 DSC_3485

 

私はチベット族と簡単に分類していますが、はっきりしません。中国には少数民族が百以上もあり、ここに写っている人たちもチベット族だということにはなりません。だから、丁寧に見ると、女性たちの服装や頭に乗せている物などが微妙に違っています。しかし、区別がつかないので、全部チベット族ということにします()

 

DSC_3455 DSC_3467

DSC_3475 DSC_3496

 

 街には写真下のようなゴミ収集用らしい缶もあり、通りはきれいです。この黒い帽子のオバサンはゴミを回収しているのか、あるいは売れそうな物を集めているのかもしれません。このオバサンがかぶっているのは、ヤクの毛から作った雨や雪にも強い帽子でしょう。

 

DSC_3477

 

 波瓦街に行くために曲がった所で果物を売っていました(写真下)。私は桃を食べてみたいと一個買いました(写真下)。しかし、相手の言っている値段がよくわからない。それもそのはずで、一個の値段ではなく、グラム売りをしているのです。重さでいくと2.5元だが、2(30)にまけてくれたらしく、0.5元を出しても受け取りませんでした。要するに、一個だけ買っていく客なんていないのでしょう。

 私は桃の写真を撮る前に食べてしまった()。小ぶりの桃で、日本ではもちろん商品にはなりませんから、この値段が安いか高いかは微妙なところです。味は普通でした。

 

DSC_3478 DSC_3479

 

 ヤクのチーズとバターを売っています(写真下左)。写真下の赤い布で髪を結って、居眠りしている男性は勇猛で有名なカンパ族です。私は長い間、この赤い鉢巻きをしている人たちがカンパ族なのだと思っていました。しかし、カムとは我々が旅行した地域はもちろんのこと、青海省、雲南省、四川省を含めた東チベットをさし、カンパとは「カムの人」くらいの意味で、特定の種族を指す言葉ではないようです。赤い鉢巻きをした彼はカンパには間違いないが、それを言うなら、ここにいるほとんどのチベット人はカンパなのでしょう。

 

DSC_3481 DSC_3482

 

ここでも雪蓮花を干した物を道端で売っています(写真下左)。籠からどさっとそのまま並べたという雰囲で、このオバサンが掘ってきたようです(写真下右)

 

DSC_3490 DSC_3491

 

 写真下はいずれも酒屋さんです。どちらも大きな瓶があるところを見ると、このあたりはこういう瓶に詰めて、量り売りをするのでしょう。

 

DSC_3493 DSC_3494

 

 写真下左は理髪店、写真下右は照明器具の専門店です。照明器具の趣味が日本のそれと違うのがおもしろい。

 

DSC_3492 DSC_3495

 

 

旅行中一番うまかった花茶

 波瓦街を歩いて、27日に泊まった雲貴酒店に到着しました(写真下)。ここのレストランで昼食を取ります。

 

DSC_3502 R1041867

 

 隣のテーブルで烏里さんたちがお茶を飲んでいますので、私も注文してもらいました(20)。出てきたのはいわゆるジャスミン茶です(写真下)

飲んで驚きました。うまい。味といい、香りといい申し分ありません。

改めてよく見ると、まずジャスミンの色が白い。それから、お茶の葉も大きさがそろい、きれいな緑色をしていて、質の良い茶葉を用いているのがわかります。ジャスミン茶(茉莉茶)というと、私のいつも行くようなスーパーでは安いお茶しかないのに、さすが中国では様々な等級のがあります。

 私はこんなにおいしいジャスミン茶は初めてなので、通訳の周さんに名前を書いてもらいました。

「碧璋飄雪」

 え?!この名前には記憶があります。昨年、四姑娘山の帰りに成都で買ったお茶です。しかし、飲んでもこんなにおいしくはなかった。私は成都でこのお茶をもう一度買ってみようと思いました。

 しかし、後になって良く考えてみると、この名前はお茶の銘柄を表すだけで、このレストランのお茶がおいしいのだから、頼んで譲ってもらえばよかったのです。空気が薄くて、そこまで考えが及ばなかったことにします。後になってちょっと後悔するくらいおいしいジャスミン茶でした。

 

R1041869 R1041868

 

 食事を終えて、本日の目的地である理塘に向けて出発です(13:04)

稲城の街を出て河を渡ると、来る時に立ち寄ったガソリンスタンドがあり、その北側に巨大な仏塔があります(写真下左)。写真では今ひとつ大きさがわかりにくいが、写真の左下に車が一台あるのが見えるでしょうか。大きさを比較してもらえればわかるように、基底からの仏塔の高さはおそらく二十メートルくらい、つまり五階建てのビルくらいの大きさはあるでしょう。

 

DSC_3506

 

 道を走っていると、他にも、写真下のように仏塔を見かけます。いずれも最近作られたように見えることから、このあたりの人たちは結構豊かなのがわかります。

 

 DSC_3508 DSC_1347

 

10073102 

 

斜面に咲くキキョウ

山を登り始めて間もなく、花が咲いているのでバスを停めました(13:55)

 

DSC_3539 DSC_3540

 

 ここはキキョウが斜面のあちこちに咲いていて、とてもきれいです。

 

DSC_3516 

DSC_3557 DSC_3531

写真上下:アデノフォラ・フォレスティー(『雲南花紀行』p.173)

 

DSC_3525  DSC_3517

DSC_3521 DSC_3518

 

DSC_3527 DSC_3553 DSC_3536

 

DSC_3520 DSC_3547

写真:スクテラリア・ヒィペリキフォリア

(『世界の山と高山植物のアルバム』)

 

DSC_3550 DSC_3565

写真上左:ハレニア・エリプティカ(『雲南花紀行』p.163)

写真上右:ウスレア・ブルゼワルスキー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.62)

 

DSC_3519 DSC_3544 DSC_3548

写真上:アナファリス・ネパレンシス (『ヒマヤラ植物大図鑑』p.82)

 

DSC_3522 DSC_3523 DSC_3530

写真上:シレネ・グラキリカウリス(『世界のワイルドフラワーⅡ』p.106)

 

 DSC_3556 DSC_3559

写真上左:ビレトルム・タツィエネンセ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.100)

写真上右:リグラリア・ウィルガウレア(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.104)

 

DSC_3601 DSC_3618

ステルレラ・カマエヤスメ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.364)

 

 さらに登っていくと、放牧しているヤクの群れと出会い、バスを停めました(14:21)

 

DSC_3571 DSC_3583

DSC_3587 DSC_3590

 

 周囲には一面に黄色い花が咲いています。この花が斜面をおおって山全体が黄色くなっているのをあちらこちらで見かけます。去年、四姑娘山に行った時も海子溝の斜面に一面に咲いていました。路傍の花と言ってもいいくらい、東チベットではありふれた花です。ところが、図鑑をいくらめくっても、このありふれた花の名前がわかりません。

 

DSC_3602 DSC_3603

DSC_3580 DSC_3600 DSC_3591

DSC_3596 DSC_3592

DSC_3598 DSC_3609

 

 立派な石に、ここで稲城県の天然林資源の保護を1998年から2010年まで実施していると刻まれています・・・たぶんそんな意味でしょう。

 

DSC_3620

 

天然林というと日本人は森林をイメージしますが、周囲は写真下のように灌木があるだけで、具体的に何をしているのかよくわかりません。

 

DSC_3615 DSC_3621

 

 バスを走らせて間もなく、左側の山の斜面に頭部の白いワシのような鳥が見えました(写真下、14:37)。残念ながら、バスはそのまま通り過ぎたので、ピンボケの写真しか撮れませんでした。

 

DSC_3623Re

 

 

海子山自然保護区(海子山国家地質公園)

 周囲はますます大きな川原石が一面に広がる光景になってきました(写真下)。まるで河原のようですが、ここは4千メートルの山の上です。

 

DSC_3625 DSC_3626

 

 海子山自然保護区は氷河が流れた跡だというのですから、これらの石は氷河が運んだようです。まるで川が流れた跡のように石がみんな角が取れて丸くなっています。

 

DSC_3627 DSC_3629

 

南北93キロ、東西49キロ、面積3287平方キロの中に、1145個の湖沼があるといいます。その一つらしい湖が向こうに見えます(写真下右)

 

DSC_3631 DSC_3632

 

 所々にダイオウ(中国では水大黄)の群生が見られるようになり、群落がある所でバスを停めました(14:43)727日にここを通過した時には、夕方で雨で、撮影は無理でした。今日は天気もまあまあです。旅行の初めに烏里さんからここでダイオウの大群落が見られるかもしれないと言われていたので、期待していました。

 

DSC_3638 DSC_3746

DSC_3641

写真上下:レウム・アレクサンドラエ(『雲南花紀行』p.149、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.74)

DSC_3647 DSC_3648

DSC_3650

 

 見渡す限り一面にダイオウが生えています。花のように見える黄色い部分は葉です。図鑑によれば、葉には葉緑素がなく、温室のように葉で保温するので外部との温度差が五℃もあったといいます。

 

DSC_3652 DSC_3653

DSC_3661 DSC_3670 DSC_3677

 

テレビ番組でこのダイオウの茎を生のまま食べるという場面がありました。見た目は大根を切ったような感じで、下のほうが苦みもなく、うまいそうです。食べてみたいが、ここは自然保護区なので、やめておきましょう。

 

DSC_3723  DSC_3742

DSC_3733 DSC_3740 

 

 赤いダイオウもあります。どうやら枯れ始めると赤くなるようです。

 

DSC_3743 DSC_3676 DSC_3662

 

 外側の黄色いのは花ではなく葉っぱです。花は終わっていて、葉の内側には赤い種のようなものが見えます(写真下)。この種がやがてここの強風に煽られて周囲に飛んでいくのでしょう。

 

DSC_3643 DSC_3838

 

 湖がたくさんあるので湿地が広がっています。しかし、湿地にありがちな泥ではなく、地面は固いので歩く分にはそれほどこまりません。人が入った様子がなく、いたる所被写体だらけです。

 

DSC_3656 DSC_3681 DSC_3663

写真上下:ラゴティス・クナウレンシス(『花のヒマラヤ』p.67)

DSC_3660 DSC_3702

 

DSC_3669 DSC_3714

写真上:ペディクラリス・ロンギフロラ・ツビフォルミス(『雲南花紀行』p.168)

 

DSC_3682 DSC_3738

写真上:クレマントディウム・カンパヌラトゥム(『雲南花紀行』p.176)

 

 写真下は写真上とよく似ていますが、別種です。写真下は今回の旅でも何カ所かで見て、数も多いのですが、図鑑に載っていません。

 

DSC_3673 DSC_3657

 

DSC_3675  DSC_3732

写真上左 ペディクラリス・トリコグロッサ(『天の花回廊』p52)

 

DSC_3688 DSC_3826 DSC_3741 

写真上:ビレトルム・タツィエネンセ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.100)

 

 DSC_3689 

 DSC_3710 DSC_3718

写真上:アスター・ディプロステフィオイデス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.88)

 

DSC_3694

写真上下:リグラリア・ヴィルガウレア

(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.89、『世界の山草・野草ポケット事典』p.167)

DSC_3698 DSC_3703

 

 風が吹くと、花びらがまるで吹き流しのようになります(写真下)

 

DSC_3717 DSC_3720

 

 

DSC_3700 DSC_3736

ポテンティラ・フルティコサ・リギダ(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.436)

 

DSC_3704 DSC_3705

 

DSC_3712

ビストルタ・マクロフィラ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.660)

 

DSC_3728 DSC_3729

 

 我々が来た南のほうを見ると、雨が降っているのがわかります(写真下)。雨に追いつかれる前に退散しましょう。

 

DSC_3730 DSC_3750

 

 

黄色いキンポウゲのお花畑

 バスの窓からから遠くの斜面に黄色い花が一面に咲いているのが見えたので、行ってみることにしました(写真下、15:49)

 

DSC_3755

 

近くまで行ってみると、黄色いキンポウゲが一面に咲いています。

 

DSC_3768 DSC_3769

 

 真ん中にいると360度がキンポウゲだらけです。

 

DSC_3774 DSC_3775

 

 花に悪いが、寝転がってみました。花の中で空を見ているのはこの上もなく贅沢な気分です。

 

DSC_3780 DSC_3781

 

DSC_3776  DSC_3777

写真上下:ラヌンクルス・ブロデルシー(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.630)

DSC_3766 DSC_3778

 

DSC_3785 DSC_3783

写真上:レウム・アレクサンドラエ(『雲南花紀行』p.149、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.74)

 

DSC_3760 DSC_3757

 

 川のそばにきれいなコリダリスが咲いています。

 

DSC_3799 DSC_3807

DSC_3810 DSC_3812

写真上:コリダリス・コンスペルサ(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.563)

 

 

ウサギ山峠

 標識では海抜4686mの兔儿山の峠に到着(16:29, 4495m)。名前の兔とはそのままウサギのことだそうです。

 

DSC_3813 DSC_3814

 

 こんな高山にもウサギがいるのかと思ったら、烏里さんが岩山を指さします(写真下左)。岩山の左にウサギの耳のように岩が二つ突き出ていて、ウサギがうずくまっているように見えないことはありません。

「建設山川秀美」と書いてあるコンクリートの看板(写真下右)には理塘県とありますから、どうやら稲城県をすぎて理塘県に入ったようです。

 

DSC_3881re DSC_3882

 

 道路から少し登った尾根にはトラノオが一面に咲いていて、しかも、よそではピンクか白の一色が群落するのに、ここはピンクと白が混ざって咲いています。ビストルタ・マクロフィラと判断しましたが、図鑑によれば、ピンクしかないそうですから、違うのかもしれません。

 

DSC_3817  DSC_3821

DSC_3818 DSC_3820 

写真上:ビストルタ・マクロフィラ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.660)

 

DSC_3816 DSC_3819

写真上:キアナントゥス・ロンギフロルス(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.80)

 

DSC_3822 DSC_3823

写真上:サウスレア・コルムナリス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.58)

 

DSC_3815 DSC_3824

写真上左:ソロセリス・ヒルスタ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.69)

写真上右:サキシフラガ・ブルノニス(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.492)

 

DSC_3825 DSC_3879

写真上左:アナファリス・ネパレンシス・モノケファラ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.82)

 

DSC_3827 DSC_3829

写真上左:アリウム・タングティクム(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.119)

写真上右:ポテンティラ・フルティコサ・リギダ(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.436)

 

 バスを停めた峠の頂上から来た道をちょっと戻ると、そこは川が流れていて、ダイオウが一面に生えています。

 

DSC_3833 DSC_3863

写真上下:レウム・アレクサンドラエ(『雲南花紀行』p.149、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.74)

DSC_3834 DSC_3836 DSC_3853 DSC_3845 

DSC_3852 

DSC_3854 DSC_3855

DSC_3840 

DSC_3839 

 

DSC_3837

写真上:サウッスレア・ヴェルティナ(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.88)

 

DSC_3844 DSC_3849

 

DSC_3858 DSC_3860

写真上:サキシフラガ・リクニティス(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.489)

 

 沢の水のそばに咲いていたコリダリスも実にきれいです(写真下)。先ほど、黄色いキンポウゲのお花畑近くで見たのと同じ種類ではないかと思われますが、色が違います。

 

DSC_3841 DSC_3847 DSC_3848

DSC_3859 DSC_3861

 

 一株だけブルーポピーを見つけました。

 

DSC_3868

写真上:メコノプシス・ラケモサ(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.98)

 

DSC_3872 DSC_3866

 

DSC_3874 DSC_3886

 

DSC_3876 DSC_3877

 

 

チベットの農村風景

 道の右側にチベットの農村が見えたのでバスを停めました(17:34, 3550m)。甲窪郷という村のようです。

 

DSC_3891 DSC_3892

DSC_3893 DSC_3894

 

 道路の土手に咲いたサルビアに夕陽が当たって、とてもきれいです。

 

DSC_3903 DSC_3913 DSC_3921

DSC_3906 DSC_3918

 

DSC_3920 DSC_3914

写真上:サルヴィア・スブバルマティネルヴィス(『雲南花紀行』p.166)

 

 ここで多くの見かけるのは上のサルビアと写真下のトリカブトです。図鑑を見ても、名前がわかりません。

 

DSC_3907 DSC_3908

DSC_3923 DSC_3900

 

DSC_3916  DSC_3919

写真上:レオントポディウム・ストラケイイ

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.80、『世界のワイルドフラワーⅡ』p.89)

 

DSC_3917 DSC_3910

写真上右:サルヴィア・カンパヌラタ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.203)

 

 

こんな所にブルーポピー?

 ようやく、夕暮れの理塘の盆地が見えてきました(写真下、18:20)

 

DSC_3925 DSC_3927

 

 理塘の盆地を走り始めて間もなく、烏里さんがバスを停めました(18:29, 3760m)。ここにブルーポピーがあるというのです。烏里さんがブルーポピーの生えている所で停めると予告していたので、私は先ほどのウサギ山峠のことだろうと思っていました。だから、バスを停めた場所を見て、「えっ?こんな所にブルーポピーがあるの?」と思ったのは私だけではなかったでしょう。

写真下のように、道路のすぐそばだし、すでに理塘の盆地に下りていますから、山ではありません。平原となだらかな丘があるだけで、岩場にはいつくばるように生えるブルーポピーがあるような場所ではありません(写真下)

 

DSC_3998 DSC_3943

 

 ところが、あったのです。写真下をご覧ください。トラックが走る道路の溝のような所に、雑草のように生えているのがブルーポピーです。というよりも、ここではブルーポピーは路傍に生える雑草の一つです。

 

DSC_3985 DSC_3933

 

 数は多くないが、それでも花の咲いている個体だけでも十本くらいあります。花の終わったものも何本か見つけました。

 

 DSC_3936 DSC_3937

 

花の下のつぼみは緑色ですが、花の上の蕾のように見えるのは茶色になっていますから、上についているのは種ではないでしょうか。

 

DSC_3940 DSC_3941

 

 花の上の蕾のように見えるのが種ならば、花は上から下に咲いていくことになります。また、写真上のように種と蕾の真ん中頃に花咲かせているのはまだ若いが、写真下のように花が下についていて、花の下に蕾がないのは、咲き終わりに近いことになります。

 

DSC_3951 DSC_3952

DSC_3953 DSC_3955

DSC_3959 DSC_3960

 

 写真下など、一輪しか咲いておらず、しかも、花の下にはつぼみはありません。花の上には咲き終えたのがたくさんあるところを見ると、この花が最後の一輪なのでしょう。

 

 DSC_3956  DSC_3957

 

 そこから推測すると、このあたりのブルーポピーは花の盛りの後半のようです。

 

DSC_3970 DSC_3969

 

DSC_3972 DSC_3974

 

DSC_3962 DSC_3991

写真上左:アジュガ・ルプリナ(『世界の山草・野草ポケット事典』p.215、『雲南花紀行』p.166)

 

DSC_3963 DSC_3968

 

DSC_3948

写真上:アリウム・マクラントゥム

(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.758、『世界のワイルド・フラワー』p.78)

 

 

多功能彩灯控制器

 理塘のホテルに到着・・と思いきや、予定していたホテルに全員が泊まるだけの客室がないというのです(19:163780m)。急遽、このホテルに泊まる一組を残して、後の人は別なホテルに宿泊先を変更です(写真下)

 

R1041871 File4643

 

 部屋が足りなく、ドミトリーになった人たちもいましたから、一人部屋が取れた私は文句は言えません。

 

R1041882 R1041883

 

 トイレは中国式の水洗トイレで臭いが漂っています。また設備も高級感はないが、一人部屋の値段が188(2820)ですから、ここでは安いホテルではありません。歯ブラシやシャンプーもきちんとそろっています(写真下左)。トイレットペーパーが誰かが手で引きちぎった跡がそのままなのは気にしないことにしましょう(写真下右)

 

R1041884 R1041885

 

 ただ、ベッドの脇の引き出しの中はゴミが入っているし(写真下左)、洗面台のガラス製の台が外れて、足下に放置してあります(写真下右)

 

R1041890 R1041891

 

 テレビのケーブルは壁を破って直接取り出し(写真下左)、電線をコンセントに直接つないでいます(写真下右)・・・仕事が雑です。

 

R1041888 R1041889

 

 部屋の中で最も私の注目を引いたのが、テレビの上に置いてある装置です(写真下左)。なんだと思いますか。「多功能彩灯控制器」とあるから、何か灯りの調整器のように見えます。ただ、スイッチを入れ、ボリュームを回しても部屋の明るさは変わりません。装置から電線がのびていて窓から外に出ています(写真下右)。ごらんのように、電線がありますから、窓は閉まりません。今は夏でも朝方は冷えるし、冬はどうするのでしょう。

 窓の外に出た電線を目で追いかけると、ホテルの入り口の上のネオンサインにつながれていました。つまり、この装置はネオンサインを点滅するのに用いていたのでしょう。過去形でいうのは、おもしろそうなので、点滅させて写真を撮ってやろうと試しても、何の反応もなかったからです。ネオンサインの装置が客室にあり、窓は閉めることもできず、しかも使いもしないのに放置されたままなのです。おおらかというか、おおざっぱというか、客も気にしないのでしょう。

 

R1041887 R1041886

 

 夕飯は街中にあるレストランに行きました(写真下、20:11)。前に遅い昼食を食べた天天小喰屋とは十字路をはさんで反対側です。

 

R1041892 R1041896

 

 ホテルに戻り、すっかり疲れていたので、シャワーを浴びて、さっさと寝ました。

 

 

 

 

トップページ 日程表 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 11  12