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8日日 201081(日)

理塘←→曲登小学校

 

 6:30に起きて、窓の外を見ると曇りです(写真下)。雨さえ降らなければ合格です。なぜか、ホテルの前にはでかいトラックが駐車したままです。

 

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 バスに乗り、27日に理塘に寄った時と同じ天天小喰屋という食堂に朝食を食べに行きました(写真下、8:10)。いつもの犬クンたちが店の前にいます(写真下)。外見はチベット犬だが、おとなしい。

 

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 店は街の中心部であるのに、まだ車も人通りも閑散としています。朝8時は北京時間であり、北京とは東西に千キロ以上も離れていますから、一時間から一時間半くらいのずれがあります。

 

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理塘02

 

 店もまだ準備に忙しいようです。店の人に頼んで、厨房を撮影しました。

 

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 写真下左が私の朝食です。我々が食事をしているとぽつりぽつりとチベット人のお客さんも入ってきました(写真下右)

 

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ジープが来ない

 今日は、理塘から北西にある曲登郷の小学校を訪問します(下の地図参照)。ここは烏里さんが主催する「チベット高原初等教育・建設基金会」が最初に建設した小学校です。片道約90kmあり、最初に西に向かう道路は幹線道路ですから舗装されていますが、途中から北に向かう道路はジープがかろうじて通れる山道です。

 

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食後、最初に泊まる予定だったポタラ・ゲストハウスに行きました(8:56、写真下左)。しばらくロビーで待っているとジープが来ました。今日は山道なので、バスで行くのは無理です。12人が四台のジープに分乗することになりました。

 

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 ジープが確保できないらしく、烏里さんは手配に苦労しているようです。どちらにしろ、この国では時間通りは無理です。犬ものんびりと日なたで居眠りをしていますから(写真下左)、我々ものんびりと待ちましょう。

 

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 目の前の通りを人はもちろん馬まで通ります(写真下)

 

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 理塘はチベット人の街ですから、被写体には困りません。

 

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曲登郷に向けて出発

 一時間以上待ち、ようやく車がそろい、出発です(10:17)。中国製のジープなのであまり乗り心地は期待していませんでした。しかし、実際はそれ以上でした()

 

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 出発する時、私が乗る車に運転手の他に若いチベット人が乗りました。ジープは運転手の隣に一人、後ろに二人ですから、そこに三人乗るのは、狭いというだけでなく、そもそもチャーターしているはずの車になんで他の客がいるのかと、私は烏里さんに苦情を言いました。

 彼は街外れまで行くから、乗せてほしいというのです。私は、チベット人の「街外れ」とはどこまでを指すのか、怪しみました。しかし、チベットではヒッチハイクはお互い様で珍しいことではなく、ここのやり方ならしかたないと妥協しました。後で、私の「街外れ」への懸念は当たるどころか、それ以上のとんでもない話だとわかりました。

 

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 実は彼は客でもなんでもなく、この車の助手だったのです。ですから、街外れではなく、この日、往復、一日中、私の隣に座っていました。写真上は彼が気持ちよく居眠りしているところです。なにせカム地方のチベット人は勇猛果敢で有名ですから、体格の良い人たちが多く、彼もその例外ではありません。図体が大きくて、どっちが客かわらないような状態です。

 

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 走り出してから気がついたのが、私の座った席の後ろ窓の一部にはガラスがない。吹きさらしです。身体を前にすれば風はとりあえず避けられます。ガラスがないから、とっさに外の風景を撮るのには便利です()。あれで雨が降ったり寒かったら、どうするのでしょう・・ま、気にしないのでしょうね。

 

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 困ったのは窓ガラスよりも座席です。お尻の下の所にパイプが入っているらしく、どちらにずらしても、たいへん座りにくい。隣に助手がいなければ、そちらにずれることもできるが、図体の大きい彼によって完全に阻まれています。舗装されていない山道になると、車は激しく揺れて、まるでイモ洗いのような状態でしたから、丸一日、お尻が痛くて苦労しました。

 

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 苦痛はこれだけでは済まず、運転手も助手もタバコを吸う。私はすぐにやめるように言いました。金を払ってタバコを吸わされたのではたまらない。

 そこでタバコを吸いたい運転手が考えた便法は、窓を開けてタバコを吸うからいいだろうというものです。彼なりの歩み寄りだろうし、怒らせても始まらないから、不愉快だが妥協しました。

しかし、これだと私の隣にいる助手は吸えません。そこで助手が考え出したのは、運転手に代わってタバコに火を付けるという役割です。火を付けて、急いで吸って、それを運転手に渡す。これを彼らは一日中繰り返していました。

 

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 途中のガソリンスタンドでリッター6.44(90)のガソリンを詰めて(写真上左)、理塘から北西に向かって、平原の中の幹線道路を進みます(写真下)。この道はこのまま西に千キロほど進めば、ラサまで行きます。

 

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 道路の両側にはのどかな牧草地が広がっています。

 

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一時間ほど走り、ちょっと休憩です(11:18)。道端にある草花も高山植物です。

 

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 走っている道路の周囲は牧草地帯が広がり、ヤクが放牧され、馬が走り、人々が輪を作って食事をしています(写真下)

 

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 「曲登郷 31.77km(写真下左)と書いてある看板の所で、幹線道路を右()に曲がり、いよいよ舗装もされていない山道を走ります(11:44)。この看板には31.77km0.77kmという端数がついています。これだけアバウトなチベットにしてはずいぶん厳密な数字だと感心しました()

 

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 峠の頂上付近でバイクに乗ってきたチベット人たちが食事をしていました(12:09)。パンをどうだ、と差し出されました(写真下右)。こういう時、食べたほうが交流になるのだが、問題は私の胃腸がついていけないことです。うまそうだったが、やめておきました。

 

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 チベットのバイクは、なんとなくたくましそうにみえるからおもしろい(写真下左)。写真下右のように、ここはたまたま道路が平坦だが、ほとんどは悪路で、まるでイモ洗い機に入れられたように激しく揺れます。

 

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 峠を越えたあたりに斜面にダイオウが咲いているのが見えました(写真下)。この植物は湿地などに生えるのかと思っていたら、こんな乾いた所にも生えるようです。

 

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 峠を下り、今度は川に沿って上流を目指します。ここまでで山道の半分ほどです。

 

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 我々の乗っているジープだけが、橋を渡った所で突然止まりました(13:05, 4005m、写真下)

 

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どうやら、ラジエターの水がなくなったようで、運転手は助手に水を汲めと容器を渡しました。私は、橋のそばで止まったことから見ても、川から汲んで来いという意味かと思ったら、助手は道路の脇の濁った溜まり水から水をくみ始めました(写真下左)

 

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 いくら中国製のジープが頑丈でも、こんな濁った水を入れたら、エンジンがおかしくなるだろうに、チベットでは気にしないのかと妙に感心して見ていたら、さすがに運転手が川から汲んでこいと命令したらしく、彼はきれいな水を汲みに川のほうまで行きました(写真上右)。助手は運転を交代するでもなく、ほとんどいなくてもいいようなもので、いったい彼は何のためにいるのだろう。

 

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 道端の瓦礫の間に白い花が咲いています(写真下)

 

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写真上:タフロスペルマム・フォンタヌム(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.536)

 

 

曲登郷の小学校

さらに二十分ほど悪路を走り、ようやく本日の目的地の小学校に到着しました(13:29, 4075m)。理塘の街から約90km、車で三時間半かかりました。

 

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 子供たちが遊んでいますが、今日は日曜日で、おまけに今は夏休みです。後でわかったのですが、彼らは我々のためにわざわざ集まってくれたようでした。

 

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 こういう時の交流に一番良いのがカメラです。写真を撮り、それを見せてあげると、子供たちは大喜びです。デジタルカメラは便利です。

 

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 群馬さんは子供たちとの交流も実にうまい(写真下)

 

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写真を撮ると、子供たちは「見せろ、見せろ」ともみくちゃになります(写真下)

 

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 元気いっぱいの子供たちをごらんください。

 

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 私や群馬さんなどがこうやって子供たちと遊びまくっている間に、校長先生と我々一行との挨拶式があり、食事をごちそうになっていたのです。私は子供たちのほうが楽しいので、外で遊んでいました。

 

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 「挨拶式くらい出た方がいい」と後で注意されましたが、私は「はあ、そうですね」と笑ってごまかしました。儀式が苦手というよりも嫌いな私には、子供たちと意味もなくワイワイと騒いでいるほうが楽しい。気がつかない内に儀式が終わったのならちょうど良かった()

 

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 建物の端にある建物で食事を準備してくれていたようでした(13:57)。チベット式の彩色された椅子があるので、ここはおそらく来客用なのでしょう。天井はビニール製で、外の光がそのまま入ってきます(写真下左)。旅行中も、こういう屋根にビニールを張って採光している建物を見かけました。

 真ん中に毛沢東の写真が飾ってあります(写真下右)

 

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我々の訪問中の大人は校長先生一人でしたから、おそらく食事の手配も校長先生がしてくれたのでしょう。写真下の焼いた黄色いパンは、脂っこいのではないかと恐る恐る食べたのですが、それほどでもなく、適度な甘さがあり、なかなかうまかった。

 

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 学校に我々からの心ばかりの贈り物をしました(写真下)。校長先生はとても穏やかで物静かな人です(写真下左の左側の人物)

 

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 食事をしていると、近くの人たちが騒ぎを聞きつけたのか、子供を連れてやってきました。オレンジ色のすごい帽子をかぶっています。おそらく正装なのでしょう。めったにない被写体です。

 

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 黒い服をきた女性の背中にはメダルのようなものがかけてあり、よく見ると、おそらく昔の銀貨でしょう(写真下左)。これはチベットの女性にはよくあることで、装飾品であると同時に、元々は、戦争などで逃げるために常に身につけていたのでしょう。

一緒に来た小さい女の子は「なに、この人たち?」と、ちょっと怯えたような表情がかわいい(写真下右)。彼女もいずれこの学校で学ぶのでしょう。

 

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 教室で子供たちが歌を披露してくれました(14:21)

 

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「チベット高原初等教育・建設基金会」がこの小学校を2004年に建てた経緯がゲーサンメドのホームページに書かれています。

 五年前まではここの子供たちは教育を受ける機会すらなかったのです。この村はまさに東チベットの奥地で、ここから先は車で行ける道はありません。

 

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 我々はこの学校をゲーサンメド小学校と呼んでいます。ゲーサンメドとは、今の時期などのチベットの野に咲く赤や黄色い花のことを指すようです。日本語では適当な訳がありませんが、「野の花小学校」というところでしょうか。

子供の着ているジャージの名前を見ると(写真下左)、次のように書いてあります。

「理塘県曲登郷中心校」

 たぶんこれが中国側の公式名称なのでしょう。

 

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 校長先生が学校を案内してくれるというので、ついて行きました。良く見ると、建物は石作りと、石と土が混ざったような壁と、丸太小屋風の建物とがあります。

 

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まずは職員室です。校長先生を含めて6人の先生がいますが、今は夏休みなので、ここにはいません。

 

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 先ほど食事をいただいた部屋と同様に、壁には毛沢東、鄧小平、周恩来の写真が飾ってあります(写真下左)。その真下に洗濯機があるのがおもしろい(写真下右)。洗濯機に給排水が接続されていないし、この部屋のどこで洗濯をするのだろうと給排水設備を探しましたが、ありません。たぶん、普段は屋外で使っているのを、今は休みなので職員室に入れてあるのでしょう。

 

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 写真下が職員の机です。それぞれの机の上にしっかりと中国の国旗が飾ってあり、しかも、一人につき一つです。賞状が何枚か飾ってあります(写真下右)。日本の賞状に比べてカラフルです。

 

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 パソコンもあり、インターネットにつながれているようです(写真下左)。パソコンやネットは地域的なハンディキャップを埋めてくれる道具ですから、彼らには小さい頃から慣れ親しみ、世界を見てほしいものです。

ネットは衛星通信を使っているのだろうから、どこにパラボナがあるのかとケーブルをたどると、ケーブルは屋外に出ています。窓の外に出してある部分が写真下右です。窓ガラスが割れており、そこからケーブルを外にだしているのです。これはちょうど窓ガラスが割れていたから通したのか、それとも外に出すため割ったのか、両方の可能性について私はちょっと考えてみましたが、四千メートルの高地のせいか、わかりませんでした()

 

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 写真下左は寄宿室で、遠方から来る生徒は普段はここに泊まっています。今は夏休みなので、みんな家に帰っています。今日来ている子供たちはこの近所に住んでいることになります。写真下右はトイレです。ニーハオトイレですが、一応、仕切はあります。

 

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 写真下左は保健室のようです。なんでそこにチェーンソーがあるのか、よくわかりません。写真下右は図書室です。

 

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 写真下は厨房です。右側に写っているのは太陽電池で、今は夏休みなので室内に入れています。この村には電気は来ておらず、太陽電池などの自家発電装置に頼っているのでしょう。

 

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 来た時から気になっていたのが、周囲に生えている高山植物です。学校の塀や屋根の上に花が咲いていてきれいです(写真下)。もちろん、植えたのではなく、自然に種が飛んできて生えたのでしょう。

 

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 ここでは高原のあちこちで見かけるウサギギクがたいへん大きく育っています(写真下)

 

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写真上:ビレトルム・タツィエネンセ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.100)

 

 学校の裏手(西側)に出ると、川が流れています。

 

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 川でオートバイを洗っている人、洗濯をしている人がいます。

 

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 川に沿って集落があり、ここも建築ラッシュのようです。

 

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理塘盆地の草花

学校の見学を終えて帰途につきました(15:08)

 

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 おっ!草原にジリスらしい動物がいます(写真下左)。中国では旱獺といい、マーモットです。車の中からの撮影なので、ボケと手ぶれは勘弁してください。今回の旅行中、何匹か見かけました。彼らは道路のそばでも平気です。ということは、チベット人は食わないようです。ころころと太っていて、なかなかうまそうでした()

 

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 道路の脇に黄色いジープが落ちている、と思ったのですが、エンジンを見ているところから、邪魔にならないようにわざと落としたようです(16:40、写真下)

 

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イモ洗いのような悪路から、ようやく幹線道路に戻り、ちょっと休憩です(16:53-17:14)

 

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写真上:サルヴィア・カンパヌラタ(『ヒマヤラ植物大図鑑』p.203)

 

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写真上:ペディクラリス・ミクロチラ(『雲南花紀行』p.168)

 

 最初は曇っていたのが、少し晴れて、日が差して来ると、ディルフィニウムが一段ときれいです。

 

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ディルフィニウム・テニイ(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.81)

 

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 走るにつれて青空が見えてきました。

 

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草原の中に赤いダイオウが見えたので車を止めてもらいました(17:17)。枯れ始めると赤くなるのは昨日通った海子山自然保護区でのダイオウの様子からわかりましたが、ここでは生えているダイオウがすべて赤です。まさか赤い種類のダイオウではないだろうと確認したかったのです。

 

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レウム・アレクサンドラエ(『雲南花紀行』p.149、『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.74)

 

 近づいて見ると、やはり元々黄色だったのが、枯れかけて赤くなっているようです。

 

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 ダイオウは水がある所に生えるので、ここもまるで田んぼのような湿原です。私は片足を突っ込んで、泥だらけになりました()

 

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 下の写真はいかにもチベット高原らしくていいですよねえ。ただ、自然にこの状態だったのではなく、運転手がどこからかこの骨を持ってきて、岩の上に置いてくれたのです。

 

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遊牧民のテントを訪問

 道路の近くでテントを張っている遊牧の人たちを見つけて訪問しました(写真下、17:41-18:02)。チベット人はこういう突然の訪問を嫌がることはまずありません。

 

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 テントの近くには燃料用のヤクの糞が干してあります(写真下左)

 

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 テントの中から子供を連れた女性が出てきました。彼女の後ろにいるのは夫というにしてはちょっと若いような気がします。

 

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 テントに入れてくれるというので、訪問しました。テントはヤクの毛で出来ています。テントの中に入ると、さらに男性二人がいました。年齢的には写真下左の人物が夫なのでしょう。

 

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 中で煮炊きをしているので、テントの中は煙っていて、長時間いるにはいささかつらい。外に干してあったヤクの糞を焚いているのでしょう。臭いはありません。こうやってテントの中でいぶすことで虫除けにもなっています。 

 

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 テントの広さはおおよそ12畳くらいでしょうか。家財道具などが所狭しと置いてあります。

 

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 祭壇にはダライラマと活仏が祭ってあります(写真下左)。テレビもありますから、太陽電池を持っているのでしょう。

写真下右は、真ん中にカラスが写っています。彼らのペットです。脅かすとかわいそうなので、ストロボは焚きませんでした。カラスは利口な鳥だから、なつくと可愛いのかもしれない。

 

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 ビニールのシートの上にはヤクの毛で、これをこれから紡ぐのでしょう(写真下左)。また、写真下右はヤクの干し肉を作っているようです。

 

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パンクした

 彼らお礼を言ってテントを後にして、十分も走らないうちに車が止まりました。パンクのようです(18:07-18:51, 3785m、写真下)

 

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 周囲は一面にお花畑ですから、時間をつぶすには何の問題もありません。牧草地らしく、鉄条網が張ってあるので入れませんが、黄色いキンポウゲとピンクのサクラソウが一面に咲いています。

 

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 理塘につく少し手前の道路で五体投地をして進む人たちを見つけました(18:57)。理塘に大きなお寺がありますから、参拝に行くのでしょう。こういう行為はお釈迦様が教えた仏教からはかけ離れてはいるが、彼らの信仰心と体力には驚かされます。一つ不思議に思ったのは、彼らが道路の右側で五体投地をしている点です。日本と違い、ここは「車は右、人は左」ですから、反対側を歩いていることになります。後で理由を聞こうと思って、忘れてしまいました。

 

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 夕方の美しい理塘盆地(私が勝手につけた名前)の中を車は順調に走ります。

 

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理塘に戻る

 七時すぎにようやく理塘の街に戻ってきました(19:11)。雨が降ったらしく、道が濡れています(写真下)

 

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 理塘は中心街すらも道路はどこも良くありません。泥道と、歩道などが工事中のように掘り返された跡がそのままになっているのがあちらこちらに見られます(写真下)

 

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 街並みを見ていてもう一つ気がつくのが、ここがチベット人の街なのに、店の看板で目に付くのはまず中国語で、たいていチベット語はその上に小さく書いてあることです(写真下)。日本人にはわかりやすいが、チベット文化という点ではどうなのでしょう。

 

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 写真下左のおばさんたちが座っている後ろにヤシの木があるのが見えるでしょうか。大通りで、もちろん、四千メートル近いこの街でヤシの木が育つはずもなく、ビニール製です。ヤシの木もビニール製であることも、率直に言って街の雰囲気にまったく合いません。

 

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 通りの店はいかにもチベットらしく、入り口は金属の飾りがついていて重厚で派手です。ビニールのヤシの木よりもこういう雰囲気のほうがこの街には合います。

 

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 ホテル到着(19:13)。その後、バスで昨日と同じ街の中心部にある味真餐というレストランで夕食です(写真下左)

 

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 味も良く、何よりも食器や箸などが消毒され梱包された状態で出てきたのには驚きました(写真下右)。これなら安心して使えます。私は中国の食堂で出す箸は信用していないので、割り箸とプラスチックのスプーンを日本から持ち歩いて、使い捨てにしています。

 

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