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ボルネオの花

4日目 2014515()

コタキナバル ←→ クロッカー・レンジ国立公園

 

 

 六時起床。雲はあるが晴れています。六時半からホテルのレストランで朝食です。

 

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 食べ物については悪くはないが、うまくもない。写真下右のジャムなどは、どれも砂糖だけでできた安物のジャムみたいです。南方で果物が豊富なのだから、もう少し工夫ができないものだろうか。

 

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 八時にホテルを出発です。今日は昨日のキパンディ・パークからさらに登り、クロッカー・レンジ国立公園にある植物園を散策します。

 

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午後は雨が降りやすいので、少し早目の出発です。実際、午前中はこれだけの天気でありながら、山の上では雨が降りましたから、もっと早く出発しても良いような気がします。

 

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 キパンディ・パークに到着(9:13)。ここで植物ガイドのリヌスさんを乗せて、ついでにトイレ休憩です。

 

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 昨日も見た薄紫の花にクマバチが飛んできています。この花はよほど彼らのお気に入りらしい。気のせいか、日本のクマバチよりも大きいような気がする。

 

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 駐車場の隣の林の中に植えたランが花を咲かせたそうで、案内されました。前はこの近くの山に自然のままに生えていたが、誰かが盗ってしまったそうです。いずこも心無い人がいる。

 

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写真上Paphiopedilum lowii  (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.67)

 

 車で移動して、高度1600m付近で今日最初のラン探しです。ここはヒルもいるといいますから、皆さん、足元を固めて出発です。

 

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掲示板の上の丸い板(写真下右)にあるTaman Banjaran crockerとはクロッカー・レンジ国立公園(Crocker range park)のことです。下の横板にKawasan Taman Dilarang Masukとあり、帰国後、これを翻訳機にかけてみると、「保護区域 立入禁止」くらいの意味のようです。我々には植物ガイドがついていますから、問題ありません。キナバル山に登るのにも個人で勝手に登ることはできず、必ずガイドを雇わなければなりません。

 

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 公園といっても、人が歩いたとわかる程度の山道があるだけで、晴れているのに日中でも薄暗い。かなりの急斜面を下りていきます。地面は昨日の雨が残っており、滑りやすい。これでランがあるなら、完全に自然です。

 

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 ありました。本日、最初のランは黄色です。葉はまるで枯れたみたいな変な色をしている。だが、これが正常な状態のようです。葉緑素がないようだが、どうやって栄養を摂るのでしょう。

 

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写真上下 Nephelaphyllum aureum

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 樹木に花が咲いているみたいに、ランが樹木に張り付いています。

 

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写真上 Robiquetia pinosukensis (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” p.309.)

 

写真下は花が開いていなくても、模様のある葉に特徴があるので判別できます。

 

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写真上 Macodes lowii (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.59)

 

 日本の林と様子が違うのが、樹木などに張り付いた植物がたくさん見られることです。

 

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 森の中はどこもコケだらけです。だが、キノコは少ない。

 

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 樹木にも着生したシダが生えています。

 

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 お目当てのランが見つかりました(写真下)。なんとまあ、奇妙なラン。よだれかけをしたような葉っぱが一枚で、花から四本もヒゲが出ています。しかも、ヒゲはオシベやメシベではなく、ガクでしょうか。それにしても、このヒゲは何の役に立っているのだろう?「おーい、虫さん、こっちにいらっしゃ~い」と手を振っているとか?

 

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写真上下 Corybas piliferus  (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.31)

 

 とても可愛いが、小さくて撮りにくい。写真下のボールペンは太さが約1cm、写真に写っている部分が約10cmですから、いかに小さいかわかります。

 

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 生えているのは写真下のような雑木林ですから、教えてもらわないとこんな小さなランは見つけられません。それどころか、「そこにあるよ」と教えられても、まだ分からず、また一度花から目を離すと「あれ?どこだっけ」になったのは私だけではありません。

 

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 さらに少し降りて行くと、また同じようなランがありました(写真下)。しかし、これは別種だという。はっきりわかるのが葉の違いです。写真上は白い線が入っているが、写真下は入っていません。また花の中を見ると、写真上は一様に赤いのに対して、写真下はその赤い色の中に白い筋が入って縞模様が見えます。

 

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写真上下 Corybas piliferus

 

 こちらも大きさは前のと同じくらいで、写真下のボールペンの先と比べて見ればわかるように、本当に小さい花で、しかも、小さいわりにはランらしく複雑な花の構造をしている。

 

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 一瞬、ムカデかと思うような派手な配色の虫が出てきました(写真下)。ジェリーさんはムカデと紹介しましたが、サンヨウベニボタル(英語名 trilobite beetles)というホタルの幼虫です。けっこうすごい早さで逃げていきました。見た目は多足類みたいですが、六本しか足はありません。

 ネット上の旅行記にもこの幼虫が出てくるが、まさか見られるとは思いませんでした。

 

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写真上 サンヨウベニボタル Duliticola paradoxa

 

 森の中では虫はあまり見かけません。

 

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 ランとホタルの幼虫も見たので、引き返すことにしました(11:27)

 

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写真上左 Rubus fraxinifolius (『キナバル山の植物』p.91)

 

 

有料トイレ

 グヌンアラブの道沿いのレストランRasa Sanyangで昼食です。水洗トイレは有料です(写真下右)。普通、食事をしたらタダになりそうだが、RM0.3(10)を取られました。10円でもお金を払って入りたいトイレではありません。

 

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 店はテーブルが四つほどあるだけの小さな食堂で、中国系の人が店主のようです。

 

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 ここにはネコが何匹かいます。食堂なのでエサが豊富なのか、あるいは高山で涼しいせいか、毛並みも良い。

 

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 料理は普通の中華料理なので食べやすい。皿がプラスチックでさえないが、味はそれほど悪くありません。鹿の肉が出ました。日本でも野生の鹿が増えて、高山植物が食い荒らされるなど困っています。獲って食べてはどうでしょう。クジラやイルカなど獲らずに、鹿を獲りましょう。

 

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 ここに着いた時から霧雨で地面が濡れていたのに、昼食の途中から本格的に雨が降り始めました・・・またか。山の上は、日本もそうだが、午後になると天気が悪くなる。ここは熱帯ですから、午前中に太陽が照って大量の水が蒸発して雲になり、午後になるとそれが雨となるのでしょう。この雨があるから豊かな植生が生まれるのだから、良いことなのだが、観光客にとってはありがたくない。

 

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 食事の後、近くのクロッカー・レンジ国立公園の自然植物園に行きました。入口には写真下左のような看板が出ています。冒頭のSelamat datangとはマレーシア語の「ようこそ」と言う意味です。Tama Banjaran crockerは次のCrocker range parkと同じ意味で、ここの公園名です。

 写真右の掲示板には、許可無くして立ち入ってはならない、とあります。

 

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 クロッカー・レンジ国立公園は下の地図の緑の部分で、サバ州の西側に75kmにわたり広がっています。我々が訪れたのはその北側で、タンブナム(Tambunan)の近くです。

 

Location map of Crocker Range Park

(http://www.mysabah.com/wordpress/crocker-range-park-part-1-of-4/から転載)

 

 ジェリーさんらが公園側との手続きを取っている間にトイレを済ませ、雨具で装備します。天気が天気ですから、我々以外の観光客は誰もいません。

 

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 駐車場の花壇にもランが咲いています。

 

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写真上左中 Coelogyne kinabaluensis (『キナバル山の植物』p.32)

 

まずは公園の東側の山道に入ります(写真下)。山道の入口に「Nepaenthies Rhododendron Garden」とありますから、ウツボカズラ(Nepaenthies)とシャクナゲ(Rhododendron)が咲いているようです(写真下左)

 

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 山道はコンリートなどで舗装されてはいるが、雨で濡れ、コケなどが生えているので滑りやすい。

 

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 まず目についたのが、ウツボカズラです。壺がけっこう密生しています。それだけ虫もいるということなのでしょう。

 

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写真上 Nepenthes tentaculata (『キナバル山の植物』p.71)

 

 写真下のウツボカズラは上段と下段で色や模様が違うように見えるが、同じ種類のようです。

 

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 写真下のウツボカズラなど、蓋が役立たないので、壺の中に雨水が貯まってしまっています。これでは消化液が薄くなって虫も採れないでしょう。雨が多いのだから、水分だけ排泄するような機構があるのか、それとも自然に蒸発する分でバランスがとれるようになっているのでしょうか。

 

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写真上 Nepenthes lowii (『キナバル山の植物』p.75)

 

シャクナゲの公園というわりには、見つけたのは写真下の二種類くらいで、他は気が付きませんでした。この時期はシャクナゲの開花時期ではないのかもしれません。

 

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写真上 Rhododendron crassifoliu 

 

 写真下は白いシャクナゲで、葉が細い。背は1メートルほどと低く、暗い林の中ではこれ以上成長が難しいのでしょう。花をたくさんつけるシャクナゲのイメージとはかなり違っており、言われないとシャクナゲであることにも気が付きません。

 

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写真上 Rhododendron himantodes

 

 これだけ水と湿気のある森ですから、キノコが生えてはいるが、メシラウ同様に、日本の森林に比べるとむしろ少ない。

 

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 樹木にはどれもこれもコケが生え、そこにランなどの植物が着生しています。

 

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 植物ガイドのリヌスさんは事前にここを調べているらしく、道から外れて林の中を案内してくれます。写真の暗さそのままで、雨で煙り、薄暗い。

 

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 地面を這う根もコケだらけです。

 

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 薄暗い森の中、いくつかランがありました。

 

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写真上Coelogyne radioferens (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.27)

 

 写真下は、午前中に見た四本のヒゲのあるランと同じように、花に二本のヒゲが生えています。

 

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写真上 Chelonistele sulphurea var. sulphurea (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.19)

 

 写真下の花など、子供の小指ほどもありません。薄暗い林の中で、ジェリーさんやリヌスさんが探し出してくれるからわかるが、一人で来たら、とても見つけられません。もっとも、これが何の花なのか良くわからない。

 

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 私のカメラは液晶が動いてくれないので、これらの小さな花を撮るためには、雨でグチョグチョに濡れている地面に横になって、ファインダーや液晶をのぞき込むしかありません。カメラ・メーカーにお願いだが、液晶は可動式にしてほしい。値段の安い入門機は可動式なのに、上位機種にはほとんどありません。可動型の液晶を素人向けのオマケ程度に考えているからでしょうが、ピンボケです。

 

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 地面に寝転がって見ると、小さなコケやシダなどが目の前にあり、盆栽のように小さな宇宙を作り出していて、なかなか美しい。熱帯雨林の中で、雨に打たれながら、ぼんやりと水滴のついたコケを見て、しばらく寝そべっていようか・・・あら?他の人は先に行ってしまった。

 

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 林の中は夕暮れくらいの暗さで、写真を撮るのは容易ではありません。やむを得ずフラッシュを使ってみるが、たいていダメです。

 

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 写真下はコケだそうです。最初、スギナかと思ったほど大きく、形も似ています。

 

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傘が樹木に引っかかり、強引に引っ張ったので骨が曲がってしまった。この傘はずいぶん長い間、私の海外旅行のお供をしてくれました。重さがわずか160gで、骨はアルミニウムだから柔いが、曲がっても折れず、意外に丈夫です。帰国後、ネットで同じ傘を680円で購入しました。

傘がないとカメラに雨があたり、後半、カメラのフィルターには曇りが出てきて、拭くのに一苦労です。

 

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 山道を一周して駐車場に戻りました(14:21)。雨は相変わらずで、それを避けるかのようにルリマダラの仲間が止まっています(写真下)。名前どおり、表側が瑠璃色で、羽を開いて見せてくれないかとしばらく待ったのですが、ダメでした。

 

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写真上 Euploea mulciber vandeventeri

(http://www.asahi-net.or.jp/~EY4Y-TKNM/Sumatra97/sumphoto3.html)

 

 

野生ランの山道

 雨は相変わらずです。一休みしたいくらいだが、もう一つの西側の山道にランを見に行くことになりました。

 

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看板には「野生ランの園(Wild Orchid garden)」とあります。山道(Wacau trail)は一周が440mとあり、雨でなければちょうどよい距離なのですか・・・。

 

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 こちらは板の歩道がついていて、上に金網の滑り止めが張ってあるので、先ほどの山道よりもはるかに歩きやすく、また上り下りが少ないので楽です。板の上を歩けば、地面を踏み固めないので、樹木の根も踏まれることがなく、植物への影響も最小限でしょう。道の真ん中の木はそのまま残してあります(写真下右)

 

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 写真下のランは遠目には花が終わったように見えますが、むしろ真っ盛りのようです。時々こういう「枯れ枝の花」のような咲かせ方をするランがあります。

 

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 写真下は1メートルもある背の高いランです。個体差なのか、環境なのか、日陰では写真下左のように葉が青く、太陽が当たる所に生えていた写真下中と右は葉や茎が赤い。

 

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 写真下も背が高く、葉の付き方は写真上と似ています。花は緑色で、薄暗い林の中では教えてもらわないと花が咲いていることにも気がつきませんでした。

 

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 写真下は雪のように真っ白なランです。ところが、二株ともに真ん中からオレンジ色の花弁のような物が突き出ています。何なのでしょう?

 

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写真上 Pholidota clemensii (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” p.286)

 

 写真下は3株ともこれで花が開いた状態なのでしょう。まるで花が閉じているように見えるが、虫はどうやって蜜を吸うのだろう?

 

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写真上 Calanthe aff. Aureiflora (“The Plants of Mount Kinabalu 2: Orchids” PL.16)

 

 周囲の樹木にはどれもこれもコケが生え、そこにランなどの植物が着生しています。毎日、こんなふうに雨が降れば水分には困らないのでしょう。

 

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 写真下は、数珠の先に付いているのがランの花のようです。虫が這っているのかと思った()

 

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 ちょっと気になったのが、写真下です。ごらんのように、ランを樹木に針金で巻き付けてある。人間に都合よく見学コースにランが着生してくれないだろうから、すべて自然のままとはいかず、人為的に着生させているのでしょう。でも、それなら入口の「野生ランの園」という看板はちょっと偽りありということになります。

 

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 写真下はいずれも樹木に着生しているランです。

 

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 写真下のランなど茎がまるで樹木の枝のような柄になっています。

 

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 サトイモの仲間の花のつぼみのようです(写真下)。薄い人肌のような色なので、まるで森に中にうっすらと灯りがともっているような感じで、雨で煙った森の中、なかなか美しい。

 

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写真下左は切株に生えた茶色のコケかキノコ?近くに、ここで見た数少ない虫がいます。ゴミムシのキマワリに似ています。

 

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 ラン以外の花はあまり多くありません。熱帯なのだから、派手な色の花があるかのように期待しますが、意外に地味。

 

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一時間ほどで出発地点に戻り、東屋の中で一休みです。周囲は雨と霧で煙っています。本日の花の散策も雨の中で終了(15:49)

 

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コタキナバルに戻る

 来た道をコタキナバルに戻ります。山を下りると雨はやみ、コタキナバル市内は雨が降った様子もありません。雨は山のほうだけです。

写真下右の青いボディの車はミニバスです。我々が乗っているのと同じようなタイプの車で、庶民の足のようです。

 

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 五時半頃にホテルに戻りました。雨と汗でグショグショに濡れており、すべて着替えました。夕食まで一時間あったので散歩に出かけるつもりでした。しかし、ネットで帰りの飛行機にチェックインして、座席を予約していたら、出発前に見ていたサイトが見つからず、ただ予約するのに三十分ほどかかりました。予約した内容を宇留間さんに頼んで、ホテルで印刷してもらいました。当日、空港に持ってこいというのです。ネットで予約させて、それを紙で印刷させるというのも、なんか時代錯誤。

六時半から食事で、車に乗り、近くのレストランに行きました。

 

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 料理は海鮮料理の鍋です。この店の壁には、「豚肉は取り扱わない(Serve no pork)」とありますからイスラム教系の店です。ところが、このレストランのマレー系のお姉さんは、左手で野菜などをつかんで鍋に放り込んでいました。前日のレストランで中国系の人たちが左手を使わないようにしているのに、イスラム教徒と思われるマレー系の人が気にしていないのはおもしろい。

 

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 食後、お土産を買いたい人のために、近くの店によりました。店の入り口に「いらっしゃいませ」と日本語に書いてあるのを見て、私の薄っぺらな財布は警戒警報を発しました()。警報どおり、JCBのカードも使えるし、日本語のできる店員がいて、丁寧に説明してくれます。コーヒーやお茶などがあれば買おうかと思ったのですが、品質も値段も良く、私は何も買わずに出てきました。

 

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 ホテルに戻り、ふっと部屋の天井を見上げたら、矢印があります(写真下)。どうやら、あれがメッカの方向らしい。日本もイスラム圏からの旅行客に期待しているなら、こういう細かい気遣いが必要です。

 

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ヒルに血を吸われた!

 湯船につかり、身体を洗おうと膝の後ろに手をやると、何かあります。取ってみると、小指の爪の半分くらいの大きさの血の塊です。ヒルです。それにしても予想したよりも小さい。後で膝の後ろを鏡で見ると、4~5カ所、かまれた跡がアザになっていました。

 ツアーのおしらせにもヒルがいるので虫よけなど準備するようにとの注意書きがありましたが、旅行会社のほうでヒル除けのソックスを準備してくれるというので、私は虫よけを準備しませんでした。

 ツアー会社がくれたヒル除けが写真下で、布製でリーチ・ソックスと言うそうです。これをズボンの中にはいて、口の部分を縛るというのです。私もそのようにしたが、ヒルもさるもので、このソックスを膝まで見事に這い上がり、私の血をたんまりと吸ったという訳です。

 

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 小さなランなどを撮影するために、何度も地面に寝転がっていますから、ヒルにしてみれば有り難い獲物だったのでしょう。寝転がりながら、これってヒルの格好の獲物だよなあと思っていたら、現実になった。

子供の頃、田んぼでヒルに吸われて以来なので、私の血を吸って血の塊のようになっているヒルを記念写真に撮ろうとしているうちに、バスタブの中に落としてしまい、撮り損ねました。血の塊から推測して長さは1センチほどで、意外に小さい。

 ガイドのジェリーさんなどは写真下のようにわざと足を露出させてジャングルに入ります。吸い付いたら一刻も早く見つけて取ったほうが簡単で確実だということのようです。ジェリーさんによれば、土砂降りの雨にでもならない限り、晴れようが雨が降ろうがヒルはやってくるそうです。

 

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 困ったのは、血が止まらない。傷バンを貼っても効果がないので、テッシュを当てて寝ました。翌日まで血が止まらず、一週間ほど痒みが残りました。

 ヒルに献血した日本人は私一人でした()

 

 

 

 

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