東チベットの青いケシ 1日目 2019年7月18日 成田 → 成都 東チベットの林芝(ニンティ)に青いケシを見にいきます。旅行は5日間で短いのは、昨年、林芝で確認されたばかりのメコノプシス・インペディタなど、青いケシの最盛期に見に行くという特化した目的があるからです。 成田まで来る途中は曇り空でした。今年は七月に入ってから、関東から北は曇り空や雨ばかりで、晴れた日がほとんどなく、七月にエアコンも付けずに夜寝ていられるなど例年ならありえない。 参加者はツアーリーダーの松森さん(仮名)を含めて女性3人、男性2人の5人です。来年以降、このツアーは企画する予定がなく、私にとっては最後のチャンスですから、何とか催行してくれるようにお願いして、ようやく実現しました。会社側は採算が難しいだろうが、こちらは少人数のほうが楽です。 今日は成田から成都まで行き、そこで一泊して、明日、林芝に向かいます。 中国国際航空CA 460は 8:50に成田を発ち、5時間半飛行して、成都に13:20到着予定で、機体はエアバス社のA320-200です。機内はかなり混んでいて、私の座席の隣は二人の中国人です。 予定どおりに曇り空の成田を離陸(9:00)。あっという間に、雲の上に出て、下は見えなくなりました。 古い飛行機なので、国際線でも座席にモニターが付いておらず、イヤホンも配られません。五時間以上の飛行でモニターも付いていないのはなかなか辛い。自分の好きな映画や音楽もなく、今どこを飛んでいるのか位置確認もできません。また、中国国際航空はネット上で座席の確認や予約ができないという、私から見たら致命的な問題があります。私のこの飛行機に対する個人評価は不満足、Dです。 水が配られ、その後で食事が出ました(10:10、写真下)。 青いケシを見に林芝(ニンティ)に行きたいと思ったのは十年近くも前です。旅行が困難とされていた林芝に、2007年に成都から直行便が就航しました。青いケシを見るツアーが企画され、私はC旅行社からパンフレットを取り寄せ、2009年の参加を考えていました。ちょっとした事情で参加を見合わせ、その後はC旅行社の企画もなくなり、なんと十年もたってしまいました。 今回参加したネイチャリング事業部では、ツアーリーダーの松森さんが最初ここに調べに来たのは2002年のようです。そこで企画されたのが、林芝から拉薩(ラサ)まで行き、その間に青いケシやセイタカダイオウなどを見るツアーで、毎年、人気のコースです。今回のツアーは青いケシを集中的に見るためにラサ行きを省略されています。 成都が近づくと飛行機は高度を下げ始めました。 雲の間から、四川省の平野が見えてきました(写真上下)。成都双流国際空港に着陸(中国時間12:46、日本時間13:46)。 着陸してから、近くの客が客室乗務員にゴミを渡そうとすると、座席のポケットに入れておけという返事でした。日本人のお客さんは自分の座った座席をきれいにして立ち去ろうとし、中国人の客室乗務員はゴミを片付けるのは自分の仕事ではなく、掃除係が来るから置いておけ、というのでしょう。こういうやり取りを見ると、中国に来たと実感します。 飛行機は空港の建物に横づけではなく、バスで移動です。 空港内で目についたのが、写真下左の象牙の輸入禁止の警告です。日本と中国は象牙の消費大国で、それがゾウの密猟を助長しています。象牙は全面的に輸出入も売買も禁止するべきです。もちろん、私は象牙は買わないし、使いません。 空港の外には、先月の雲南のツアーでも見た金色のパンダだけでなく(写真下左)、制服姿の二匹のパンダもいますが、面倒くさそうな標語の番人らしいので見なかったことにします(写真下)。 迎えのバスに乗って成都市内中心部のホテルに移動します。今日の現地ガイドは「金」さんです(写真下右)。 成都は紀元前から続く、ごらんのような近代的な大都市です。 四川省はパンダの故郷ですから、空港や市内にも生息していて、写真下右のように顔がピンク色という珍しいパンダも出没しています。 日本とかなり違うのは重要な交通手段が電動バイクだという点です。写真下のほぼすべてが電動で、排気ガスは出しません。毎回、申し上げることだが、どうして電動バイクが日本では普及しないのでしょう。環境に良いことは言うまでもなく、車を減らし、交通渋滞をなくすなど、様々な効果が期待できます。 ホテル周囲の散策 本日のホテル・銀河王朝大酒店(银河王朝大酒店、Yinhe Dynasty Hotel)に到着。銀河王朝!なんて、『スターウォーズ』でも始まりそうな名前です。創業1996年、2009年に改築した全367室で、26階建てのタワーホテルです。 下の地図のように、成都のド真ん中にありますから、銀河の中心にあるらしい(笑)。銀河王朝にもパンダはいる(写真下右)。 銀河王朝のロビーの飾りつけは三国志のレリーフ、中央アジア風の彫刻、ヨーロピアンな家具だという(写真下)。 『スターウォーズ』のロボットのR2-D2がいる!さすがは銀河王朝だ(写真下)。レイア姫から私への伝言がないか、質問したのですが、何も言いません。Tami Robotics社製のただのホテルの案内係らしい。 食事までに時間があるので、皆さんで周囲に買い物に出かけることにしました。市の中心部ですから、近くには伊勢丹などもあるそうで、買い物には困りません(写真下)。 中国らしく店も商品も赤が多い(写真下)。 私はお茶を買いました(写真下)。「三花印象」(83.6元、1337円)と「青城瓢雪」(45.8元、732円)はジャスミン茶です。日本では安いジャスミン茶が多く、はっきり言ってまずい。中国は値段に相応した味を出しています。 ここにもパンダがいます(写真下)。パンダは著作権や肖像権を請求しないから便利です。 写真下の人たちを見れば、外がいかに暑いかわかります。四川盆地にある成都は冬は暖かく、夏は暑い。 街中でまず目に着くのが、大量のレンタル自転車です(写真下)。ここに限らず、空港からホテルまでの道の脇にもたくさんのレンタル自転車がありました。供給過剰のように見えます。 写真下の自転車はすべてレンタル自転車でしょう。 道端では露店があります。ただ、ほぼ写真下のような手帳やストラップなどの小物が売られているだけです。日本なら百円ショップで売られているような物が売れるのだろうか。 写真下左で赤丸で囲ったA4くらいの印刷された紙を見てください。大半の店にはこれが置いてあるか、ぶら下がっている。何かの一覧表のようで、数十枚の厚さがあります。わざわざ掲示しているから、営業許可証のように見えるが、それなら自分の名前の載っている一枚でいいはずなのに、何なのだろう。 不思議なのは写真下の二人の男性で、看板はあるのに商品がない。休憩中なのか、ただの場所取りなのか。こんなふうに、道端の露店にも中国の不思議が転がっている。 もう一つの不思議はここは成都でも中心部なのに、未だに電柱があることです(写真下)。こうやってみると、とても見苦しいと思いませんか。実は、日本でも私たちの頭の上にもこういう光景が広がっています。GDPが二位だの三位だのと威張っても、これではねえ・・・。 本日の花の観察はベゴニアとマリーゴールドです(写真下)。 薬膳レストラン 五時半にバスで夕飯に出かけました。市内は夕方で混んでおり、実はホテルから歩いても三十分ほどで行ける距離なのに、到着まで一時間ほどかかりました。 成都市は人口1600万人で東京よりも人口は多いが、面積が東京都の約7倍ですから、比較は意味がありません。成都のある四川省一つで日本全体よりも面積が広い。 おや!なつかしい毛沢東です(写真下左)。大躍進や文化大革命などの大失敗で、彼の評価は一時低かったが、今日ではむしろ建国の父として人気があるので、中国共産党はうまくこれを利用しているようです。今後、中国各地に毛沢東の銅像が増えるかもしれません。 やがてそれまでの単調なビル街と違い、昔なつかしいような建物が現れました・・・あれ、これは錦里(ジンリ)古街の入口ではないか(写真下左)。六月末に雲南に来た時、最終日の午前中に訪れた観光用の古街です。 目的地のレストランは錦里や武候祠を西に通りすぎた交差点の所にあるので、人と車の行き交う中、急いでバスを降りました。 薬膳レストラン「欽善斎(钦善斋)」は有名らしく、日本人の団体旅行などでは良く利用されるようです(写真下)。 入口と同様に室内も紫檀や黒檀のような重厚な家具が並んでいます(写真下)。 店には神様たちが祭られていて、写真下中の黄色い神様は「招財○○」という文字を掲げ、写真下右の刀をもった武人の頭上にも「宝○財○」とあり、お金を集めてくれそうな神様たちです。私も財布を握りしめながら、「ニーハオ」と愛想よく彼らに挨拶したのですが、誰も返事してくれませんでした(笑)。 店は「ロ」の形の大きな二階建てで、真ん中の庭を回廊から眺められます(写真下)。二階の回廊には赤い提灯がぶら下げられた東屋があり、そこでも食事ができるようになっています(写真下)。 この店は薬膳料理として有名なのに、辛いのが苦手な私はほとんど試食もしませんでした。私はカレーも好きだが、旅行中はいっさい辛い物は取らないことにしています。ここは辛いことで有名な四川料理の本場ですから、写真下左の豚肉を除いて、私にはすべて辛く、つまり食べられない。 昔は現地ガイドに頼んで、辛くない物を出してもらったが、それがまた辛く、無駄な努力だとわかったので、出された物の中から、辛くないのを探して食べるようにしています。他の人たちに毒味を頼み、辛くないという物を少量口に入れて少し待ち、それで辛くなければようやく食べる。今回も一品だけ合格でした。 食事を終えて薄暗くなり始めた道をホテルに戻ります(19:43)。 写真下が今日の私の部屋です。部屋が建物の端なので、長方形ではありません。 窓からは高層ビルが見えて、下を歩く人たちも小さく見える(写真下)。 中国の普通のホテルらしく、ミネラル・ウォーター2本、湯沸かし器などが付いています。茶葉が二種類付いているのが、いかにも成都のホテルらしい。成都のホテルでは何回か、おいしいお茶に出会ったことがあります。個人的な評価は、何の問題もないので、五段階評価の4.0で満足とします。 明日は出発が早いので、早目に寝ましょう。 |