トップページ 日程表 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13

 

 

 

 

南アフリカの夏の花

9日目 2017221()

Houw Hoek → Kogelberg自然保護区 → ケープタウン

 

 

 五時すぎに目が覚めました。ここは水不足なくらいですから、晴れです。庭には涼やかな風が吹いています(写真下)

 

DSC_7754 DSC_7755

DSC_7796

 

 本日はこの近くのKogelberg自然保護区で花を見て、その後でケープタウンに行きます。

 

routemap170221

 

 朝の散歩に出かけました。昨日歩いた山道にあったゼニアオイが気になっていたからです。

 

DSC_7786 DSC_7762

 

 このゼニアオイは人の背の高さをはるかにこえているばかりか、「木」の根元は写真下中のように直径は5cmくらいあります(写真下)。こんな大きなゼニアオイを見たのは初めてです。大きさを除けば普通のゼニアオイです。

 「巨木のゼニアオイ」とでも名付けましょう。私の畑に生えるゼニアオイは毎年枯れます。このゼニアオイも一年でこれだけ成長したのだろうか?

 

DSC_7764 DSC_7765 DSC_7613

 

 写真下の花は昨日は気がつきませんでした。

 

P1090003 DSC_7789

 

 山道のあちらこちらに、私有地につき立ち入り禁止の看板があります(写真下)。昨日の私のように、気がつかない内に私有地に入ってしまう人たちがいるからでしょう。

 

DSC_7788 DSC_7783

 

 七時半から、本館のレストランで朝食です。

 

P1090011 P1090012b

P1090008 P1090010

 

 8:45にホテルを出発。Kogelberg Nature Reserveを目指します。道路標識には制限速度が100km/h80km/hとあるが、これが普通の道路です。日本は速度制限が強すぎる。たまに走る山形道など平地でも片側一車線だと70km/h、二車線でも80km/hです。こんな速度で走っていたら、他の車に迷惑です。

 

DSC_7806 DSC_7810

 

 天気が良いと気持ちが良い。雨が降らずに水不足に悩んでいるようだが、天気の心配をしなくて良いのはありがたい。

 

DSC_7808 DSC_7809b

DSC_7817 DSC_7819

 

 

伐採も自然保護

 Kogelberg自然保護区(Kogelberg Nature Reserve)に到着して、ここから歩きます(9:24)。山道といっても登り下りはほとんどなく、平地とかわりません。

 

DSC_7842 DSC_7838

 

 道の右側に松林があるのに、どれも黒こげです。山火事があったらしい(写真下)

 

DSC_7857 DSC_7858

 

 山火事の跡の松林は、石灰岩なのか白い地面が露出して乾燥した印象です。しかし、良く見ると、地面に小さな木が生えている。

 

DSC_8291 DSC_8290

 

 山火事などものともせず、地面を再び松葉で覆いながら、新しい松が成長しているのです。写真下右の松ぼっくりを見てください。私のつま先と比較してわかるように、日本のそれよりもはるかに大きい。こいつが種をまき散らして森を再生している。

 

DSC_8299 DSC_8311

 

 松のたくましさに感動して、がんばって成長して自然を回復させろよ!と応援しながら、歩いて行くと、実はそうも言っていられないことがわかりました。

 

DSC_8297 DSC_8282

 

 道の左側の斜面にはほとんど松は生えていません。右側の斜面にも植樹すればいいのに、自然保護区にしてはずいぶん人工的な光景だと思っていたら、その理由がわかりました。

 

DSC_7841 DSC_7865

 

 左側の斜面に生えている松を伐採しています(写真下)。えっ!伐採?右側にだけ松を植樹したのではなく、左側の松を伐採していたのだ。松はドラケンスバーグでも見たように、木材として用いるために大量に植えられています。それがこの自然保護区にも侵入して、生態系を壊しそうなので、伐採していたのです。

 松が増えることは自然回復ではなく、むしろ自然破壊なのだ。先ほどの山火事の跡にたくさん新しい松が生えているのを見ても、これを駆除するのは容易ではないでしょう。

 

DSC_7875 DSC_7868

 

 写真下右のように松以外の樹木は伐採していません。

 

DSC_8254 DSC_8255

 

 写真下右など松の侵略の最前線が明瞭にわかります。たしかに松が生えてしまうと日陰になるから、今生えている草花には大打撃です。実際、道の右側の松林の根元と、左側では草花の量が違います。また、松は松ヤニがあるので燃えやすく、火力を強めてしまい、その意味でもありがたくない。

 日本と同じで、植林された杉林の下は薄暗いのでそれまであった草花も消えてなくなります。

 

DSC_8175 DSC_8214

 

 山の斜面にはいろいろな花が咲いています。しかし、マニングさんは先にもっと良い被写体があるから、写真は後にして、先を急ぐように言います。こういう時は植物ガイドの指示に従うのが一番良いことは私も体験済みです。しかし、約一名はそれでも焼けた松の写真なんか撮っているから、いつものように遅れて(写真下左)、かなり遅れて、そして誰もいなくなった(写真下右)

 

DSC_7885 DSC_7895

 

 

ハイキング開始

 ハイキングの山道Perdeberg Hiking Trailの入り口に到着(10:06)。ここで集合時間を12時と決めて解散です。

 

DSC_7905 DSC_7906

 

 マニングさんの予告どおり、入り口付近から被写体となるような花がたくさん咲いています。

 

DSC_7908c

 

 晴れていて、眺めも最高です。

 

DSC_7913 DSC_7914

DSC_8223 DSC_8221

 

 この後、山道に沿って散策した結果、この入り口付近がもっとも花が混んで咲いているのがわかりました。

 

DSC_8179 DSC_8180

 

 花が多い所で記念撮影です。

 

DSC_8182 DSC_8193

DSC_8190b DSC_8194

 

 先に行ってみましょう。ここは一般車両は進入禁止ですが、写真下のように車が通った跡のある広い道なので、歩くのは楽です。山の上といっても、起伏が少ないので、ほとんど平地です。

 

DSC_7936 DSC_7924

 

 灌木が生えている程度なので、道からそれて草原の中に入るのは簡単です。周囲は石灰岩らしい白い岩が露出しています

 

DSC_7931 DSC_8069

DSC_8084 DSC_8106

 

 

花弁のリサイクル

 目につくのが昨日の散歩でも見かけたドライ・フラワーのような花です。その多くは花弁はあるが、オシベとメシベがありませんから、花としては終わっている。

 

DSC_7909 DSC_7910 DSC_7923

写真上下 Phaenocoma prolifera

 

 同じ枝にピンク色のまだ開いていない花と、開ききって花弁しかない白い花があるところを見ると、やはり開花した後で時間とともに脱色していくのかもしれません。

 

DSC_7933 DSC_7938

 

 開花前と後とが一本の中に混ざっている。つまり、オシベやメシベのない終わった花も虫を呼び集めるのに役立っているのです。普通の花は開花が終わると枯れて落ちてしまうが、この植物は使用後の花弁も虫を集めるのにリサイクルしていることになり、なかなか賢い。

 

DSC_7998 DSC_7934

 

 ほとんどが良く見るとドライ・フラワーなのに対して、わずかながら花を咲かせているのもあります。

 

DSC_7974 DSC_7976

DSC_8128

 

 花が開きかけている途中なのでしょう。開いた状態よりもこっちのほうがよりきれいです。

 

P1090045

 

 乾いた草原の中にドライ・フラワーのような、というか、ドライ・フラワーになっているこの花が花束のようにポツンとあります(写真下)。まるで花嫁が投げたブーケが誰にも拾われることもなく残っているみたいです。

 

P1090072

 

 最近はプリザーブド・フラワーという花をそのまま保存できるようになりました。技術のすごさには感心はするが、正直のところ、見てもあまり感動しない。生きている花こそが美しい、とは自分の言葉に酔っているのではなく、子供の頃、たくさん虫を殺して学んだ教訓です。

 

P1090053

 

DSC_7999 DSC_8045 DSC_8053

 

 写真下の白いドライ・フラワーみたいな花は別種です。と、後で知りました()。大半がすでに咲き終えていますから、お花畑に見えるが、実は枯れた花です。Cape everlastingという名前ですから、ケープ地方では一般的らしい。

 

DSC_8001

写真上下 Syncarpha speciosissima

 

 道の両側などに一面に咲いています()。風に吹かれると日射しで銀色に輝くので、店に展示されているような動かないドライ・フラワーとは印象が違います。

 

DSC_8113 DSC_8265

DSC_8249 DSC_7911

 

 ピンクの混ざった花(写真下右)と比較すると、葉の形がまったく違うので区別がつきます。またピンク色のほうは樹木化しているように見えます。

 

DSC_8012 DSC_7932

 

 写真下のように両者を比較すると、言われてみれば、大きさも違う。

 

DSC_8178 P1090055 DSC_8177

 

 この白いドライ・フラワーも白い石が良く合う。

 

DSC_8078 DSC_8079 DSC_7984

DSC_8119 DSC_8117

 

 

マニングさんが見せたかったアヤメ

 マニングさんがここで見せたかったのはドライ・フラワーではなく、写真下のアヤメ科の花です。

 

DSC_8171

写真上下 Nivenia stokoei

DSC_8216 DSC_8204

 

 バスから降りて歩いて来る途中にもあったが、マニングさんは「先にもっとある」と急がせただけのことがあり、あちらこちらに咲いています。

 

DSC_7927 DSC_8163

DSC_7959

 

 南アフリカの南部に自生し、このKogelberg自然保護区の特産品の一つです。

 

DSC_7957 DSC_7958 DSC_8227

DSC_8149 DSC_8122

 

 このままで園芸品種としても販売されています。地中海性の気候にあっているので、夏の間は週に二度も水をやれば十分で、かけすぎに注意しろとあります。

 

DSC_8206

 

DSC_8201 DSC_8003 DSC_8167

 

 花弁にも微妙な差があり、普通は楕円形だが、中には先が少し細くなっているのもあります。

 

DSC_8008 DSC_8010

DSC_8203

 

 アヤメ科といっても、日本人になじみのアヤメとはだいぶんイメージが違います。Niveniaの仲間はケープ州に主に自生する花です。

 

DSC_8022 DSC_8093

P1090024 P1090026

 

 写真下は薄紫です。咲いている場所は限定され、花弁も長いので別種かと思っていましたが、色違いのようです。

 

DSC_8209 DSC_8187

DSC_8210 DSC_8186 DSC_8184

 

 

荒れ地のエリカ

 赤い花を咲かせて目立っているのが写真下で、これがエリカだというから、私の持っていたエリカのイメージとずいぶん違います。最初見た時、オーストラリア原産のカンガルー・ポーを連想しましたが、緑と赤の配色は逆です。

 

DSC_7942 DSC_7920 DSC_8109

DSC_7964 P1090016

写真上下 Erica massonii

 

 この花も石灰岩の白い岩肌と良くに似合う。花はベタベタした粘液が付いています。虫を呼び寄せるのに何か役立っているのだろうか。

 

DSC_8076

 

DSC_8088 DSC_8103 DSC_8102

 

 こんなに目立つエリカなのに、ネットで調べても、詳しい説明が探せません。

 

DSC_8235 DSC_8237

P1090030 P1090034

 

 花の雰囲気は似ているが、写真下は花全体がオレンジ色で、別種でしょう。

 

DSC_7979 DSC_7981 DSC_8147

 

 写真下はピンク色のエリカです。ここでは大変多い。

 

DSC_8024 DSC_8136 DSC_7978

写真上下 Erica pulchella

 

 エリカは乾ききった荒れ地をものともせずに成長するすごい植物です。

 

DSC_8030 DSC_8267

DSC_8019 DSC_8020

 

 花を拡大するとエリカの花はなかなかかわいらしい。

 

DSC_8137 P1090093

 

 こちらは薄紫で、花の形が写真上と微妙に違うから、別種のエリカかもしれません。下段はやや色が薄い。

 

P1090082 P1090083

P1090088 P1090089

 

 

乾燥に適応した花たち

 エリカなどは花がはっきりしているので名前はわからなくても区別しやすいが、乾燥に適応したために似たような姿形の花がたくさんあります。

 

DSC_7960 P1090023 DSC_8166

DSC_7952 P1090031

写真上下 Saltera sarcocolla

 

 写真下は昨日登った山でもたくさん見かけたAulaxの仲間で、ここでも雌株に気がつきませんでした()

 

DSC_8133 P1090035

写真上 Aulax umbellate

 

 乾燥に適応するために葉を小さくするで、葉で花を区別するのが難しくなります。

 

DSC_8035b DSC_8036b

DSC_8054 DSC_8134

 

 写真上と下では一見似ていますが、花の色も葉も微妙に違います。

 

DSC_8063

 

DSC_8064b DSC_8065

 

 写真下は写真上に比べて花の色も違うし、オシベなど突き出ていませんから、別種でしょう。

 

DSC_8056 DSC_8057 DSC_8058b

 

 写真下は写真上と姿はそっくりだが、花の色が違います。岩のわずかな隙間から生えているのがすごい。もっとも、岩の間は土は少ないが、岩のおかげで温度差が少なく、雨水などが確実に流れ込むから案外居心地が良いのかも知れません。

 

DSC_8081 DSC_8105

 

 写真下は良く見ると姿形も別だが、遠くから見ると、みんな似たような植物に見えます。

 

DSC_8258 DSC_8261

DSC_8257b DSC_8262b

 

 南に海が見えます。たぶんクレインモンドの海岸でしょう。右側に街があるはずだが、山に隠れて見えません。

 

DSC_7949

 

P1090086

 

 トカゲ君のお見送りをいただきながら(写真下左)、同じ道を歩いて帰ります(12:15)。日射しが強烈で暑い。

 

DSC_8161b DSC_8256

 

 写真下の黄色い花は、どちらかというと、道路脇に多いから、もしかして外から入って来たのかもしれません。

 

DSC_8155 P1090101 DSC_8225

DSC_8274 DSC_8300

 

 道端にドラゲンスバーグでも良く見かけたLobeliaの仲間が咲いています(写真下)

 

DSC_8313 DSC_8315

 

 他のお客さんが、松林の中に新しい花を見つけました(写真下)。往きは急いでいたので、気がつきませんでした。キキョウの仲間で葉は乾燥に適して小さくなっています。

 

DSC_8302 DSC_8301b DSC_8306b

写真上 Roella cilliata

 

 内側に斑点が付いているので見分けがつきます。

 

DSC_8303 P1090111

 

 写真下も同じRoellaの仲間です。花が咲いていなければ、こんな花を咲かせるとは思えないような枝葉です。

 

DSC_8040 P1090099 DSC_8153

写真上 Roella amplexicaulis

 

 

サイダー酒とハニー・ブッシュ茶

 車に乗って(12:55)、山を下りて、ドライブインのように店が集まった施設で昼食です(13:17)

 

DSC_8318 DSC_8319

WS000387

 

 店の一つに行くと、Everson’s Siderというサイダーを売っています(写真下)

 

DSC_8320b DSC_8321

WS000392

(http://eversonscider.com/)

 

 暑いので、サイダーの好きな私は飛びつきました(R20180240)。一口飲んだら、変です。アルコールが入っている。サイダーではなく、リンゴから作る発泡酒のシードルだ!私は飲めません。一緒に買った冨山さんはアルコールに気がつかなかったらしく、そのまま飲み干してしまい、酔いがまわったようでした。

 

WS000386

(http://peregrinefarmstall.co.za/)

 

 マニングさんが同じ敷地にあるPeregrine Farm Stallという店に案内してくれました(14:08)

 農産物を生産から加工や販売までを手がける店らしく、生の果物から加工された食品までかなりの品揃えです。品質も悪くなく、皆さんにもお勧めですので、近くまで来た時はお立ち寄りください。

 

P1090114 P1090115

 

 ルイボス茶を量り売りしています。何種類かあるが、中身はわからないし、値段もそれほど差はないので、私は適当に袋を一つ買いました。

 

P1090118 P1090119

P1090121c P1090117b

 

 ところが、マニングさんに見せると、それではなくHoney Bush Loosというラベルがあるほうがうまいという。私はレジに申し出て、差額を払い、交換してもらいました。聞いてみるものだ。帰国後、飲んだところ、かすかな甘味があり、うまい。調べてわかったのは、これはいわゆるルイボス茶ではなく、名前どおりのHoney Bushというマメ科の植物から作ったお茶です。抗酸化性のイソフラボンを含み、カフェインはなく、タンニンも少ないので、子供でも飲めます。

 

bush01b

 

 私は山登りの時などペットボトルに詰めて飲むのに使っています。市販の緑茶などのペットボトルは率直に言ってマズイ。茶葉から出したお茶を入れても時間がたつとマズイ。ハニー・ブッシュ茶は時間がたっても味が変わらず、重宝しています。マニングさんには良いお茶を教えてもらいました。

 

P1170053 P1170056

 

 マニングさんが案内するだけあって、ここの商品はかなり質が良い。日本まで持ち帰ることを考え、イチジクなど保存できるドライフルーツをいくつか選びました(写真下)。値段は日本に比べたら全般にやや安い。私のスーツケースはすでに重量がぎりぎりなので心配でしたが、日本に帰る前に、半分くらい食べてしまったので、問題ありませんでした()

 

DSC_8648

 

 

スラム街

 車は西に進み、ケープタウンを目指します。

 ケープタウンが近づくと、行く時にも見たスラム街が見えて来ました(写真下)。車は時速80km以上出しており、スラム街を通過するのに十数分かかりました。つまり、十キロ近くもスラム街が続いていたことになります。

 長年の人種差別政策の後遺症もあるのだろうが、これだけ資源の豊かな国でありながら、大規模なスラム街が解消できないのは、何か政治に決定的な問題があるからでしょう。

 

DSC_8374b DSC_8396b

 

 日本も児童の六人に一人が貧困だというから、他人事ではありません。日本は江戸時代にすでに寺子屋という優れた教育制度があり、総じて教育には熱心でした。昔、イギリス人が日本に来て、掃除係のオバサンが新聞を読んでいるのを見て驚いたという話があります。

 だが、今の日本は先進国の中では教育の予算が最低レベルだということをご存じでしょうか。日本のような先進国で経済的に豊かな国なのに、高校でさえも授業料を払い、奨学金を返済するなんて、おかしい。

 それなのに日本の軍事研究費が2017年度は昨年に比べて18倍になったという。さらには1948年に国会で人権侵害とされた教育勅語を、安部内閣は教材として認める閣議決定をしたという。高等教育を無償化するのに憲法を改正する?!現行法律でもすぐにできるのに、教育を自分の政治目的の道具に使っている。

 こういう政策も問題だが、私が最も問題だと思うのは、こういう政策を次々と繰り出す内閣に国民の半数以上が支持している点です。スラム街が他人事ではなくなる。

 

DSC_8390b DSC_8392b

 

 

おしゃれなホテル

 本日のホテルProtea Hotelに到着(15:45)。ごらんのように、ケープタウンの中心地からは離れているので、緑豊かな中に建っています。

 

DSC_8531 DSC_8500

 

 入り口を入った所に本館があります。門側から見た西側が写真下右で、正面のように見えますが、ここは入り口としては使われていません。

 

WS000575

P1090124 DSC_8597

 

 実際の入り口は南側にあります。屋根が茅葺きです。

 

P1090122 DSC_8406

 

 本館の入り口から入ると写真などが飾ってある展示室のような部屋で(写真下)、この部屋の右側が受付のある部屋、左側がロビーのような待合室になっていて、私たちはロビーに案内されました。

 

DSC_8413

 

 それが写真下で、ホテルのロビーというよりも、屋敷の中の豪華な応接室という雰囲気です。暖炉の上の額縁の中にテレビが入っています。部屋の雰囲気を壊さないようにしたアイデアです。

 

DSC_8417 DSC_8414

 

 元々こういう部屋だったというよりも、古い調度品などを集めた部屋で、写真下右の本館の西側がこの部屋です。

 

DSC_8424 DSC_8596

 

 写真下中では、ステッキや旅行カバンが飾られています。

 

DSC_8425 DSC_8426 DSC_8429

DSC_8418 DSC_8430 DSC_8419

 

 蓄音機と、写真下右は何なのでしょう?

 

P1090140 P1090142

 

 日常で使われた物も額などに飾られている。写真下左は装飾の入ったハサミで、たぶん銀製品です。中は女性が使う櫛の背の部分で、これも銀製品かもしれません。白く丸が写っているのは反射光です。右は酒瓶で、首にかけられたラベルにはウォッカ(VODKA)とあります。内側がきれいなのはワインではなく、蒸留酒だったからでしょう。

 

 

DSC_8433b DSC_8434b DSC_8435

 

 この部屋で待つ間、良く冷えた水が出ました(写真下)。水はきれいな紡錘状の透明なボトルにはいっており、シャンパンなどに使うような栓がしてあるが、ラベルも封もありません。

 

DSC_8431b

 

 写真下が部屋に飾ってあった写真です。建築様式が同じなので、このホテルの昔の写真かと比較したが、いずれもここの建物ではありません。写真には説明がほとんどないので、いつ頃の何の写真なのかはっきりしません。

 

DSC_8604b DSC_8605b

DSC_8607b DSC_8606b

 

 写真でこの近くとわかるのが写真下左の航空写真です。たぶんそれに相当すると思われるグーグルの衛星写真を切り取ったのが写真下右です。航空写真は真上が正確に北ではありません。撮影が1925年とありますから、約百年前です。現在のホテルの位置はハンコが押してあるために不明瞭だが、何か建物があるのがわかります。

 

DSC_8642c oldmap170221

 

 ホテルの周囲は自然が残り広々としているから、最近区画整理されたのかと思ったら、そうではなく、百年前にはすでにそれなりの住宅があったことがわかります。また、ホテルの西を流れる川が百年前の写真では直線なのに、今は少し蛇行しています。考えられることは、百年の間に流れが変わり、環境保護のためにわざと蛇行した状態で保全したのでしょう。

 日本は大きな河川から田んぼの排水路まで、すべて真っ直ぐにして水の流れを最小限にしてコンクリートの堤防や側溝を作るという愚行を繰り返してきました。川がなぜ蛇行するのか、なぜ河原があるのか、周囲になぜ湿地帯があるのか、という当たり前のことをもっと考慮しないと、後でしっぺ返しを受けます。

 

DSC_8428b DSC_8608b

 

 写真下の上段はホテルの西にあるテーブルマウンテンで、私の撮った下段の写真よりも少し左側のこの近くで撮影されたようです。昔はこんなのどかな風景が広がっていたのでしょう。

 

DSC_8647b

DSC_8595b

 

 ホテルの敷地に出てみましょう。真ん中の芝生を取り囲むように建物が建っています。

 

DSC_8611 DSC_8615

DSC_8610 DSC_8616

 

 回廊をおおうブドウが古い写真(1910年撮影)にも残っています。今のホテルの回廊にからみついているのはブドウだけではありません。

 

DSC_8614 DSC_8613

DSC_8643b DSC_8645b

 

 プロテア・ホテルはケープタウンだけでも八っつもありますから、タクシーで「プロテア・ホテル」と言っても、まったく別なホテルに連れていかれる可能性もあります。ここは正式にはProtea Hotel Cape Town Mowbrayです。

 

DSC_8627

 

 

さっそく散歩

 夕飯は七時からで、時間があるので、近くの川に散歩に行くことにしました(16:23)。下図の朱線が私の散歩コースです。

 

evening170220

 

 私が行こうとしていたのは、天文台の東にあるもう一つの川のそばにある鳥の生息地です。鳥に興味があるのではなく、生息地なら何か花もあるのではないかと思ったからです。この川はホテルの西側を流れている川の本流で、水草が生えているくらいだから、水はかなりきれいなのでしょう。水量も多い。

 

DSC_8504 DSC_8505

 

 工事中の橋を渡って対岸に行ってみましたが(写真下左)、その生息地への道は見当たらず、花もホテイアオイがあるくらいで(写真下右)、おもしろくない。引き返すことにしました。

 

DSC_8507 DSC_8508

 

 ホテルの西側を流れている川に沿って、散歩することにしました。こちらは流れはゆるやかで、川というよりも湿地帯という雰囲気です(写真下)

 

DSC_8477 DSC_8493

 

 水鳥がかなりいます。写真下の鳥は嘴の格好からトキの仲間でしょう。

 

DSC_8580b DSC_8476b

 

 写真下の身体が白く、頭の黒い鳥もトキのように見えます。どういう訳か、そばに白いサギが一羽だけいます(写真下右)

 

DSC_8488b DSC_8486b

 

 写真下はガンのようで、子供がたくさんいる。

 

DSC_8497b DSC_8480b

 

 こんなふうにちょっと歩いただけで、ここがとても自然豊かな水系なのがわかります。

 

DSC_8571 DSC_8572

 

 花はそれほど多くありません。一番多いのが、写真下のゼラニウムの仲間でしょう。

 

DSC_8532 DSC_8534 DSC_8561

写真上 Pelargonium capitatum

DSC_8521 DSC_8528

写真上右 Carpobrotus edulis

 

 土手の下に白いアヤメの仲間が花を咲かせています。

 

DSC_8539 DSC_8543

写真上 Dietes bicolor

 

 花は直径五センチほどで小さいが、背丈は1m以上あり、写真下のように茂みを作っています。

 

DSC_8551 DSC_8540

 

 日本と明瞭に違うのは、写真下のようなアロエが自然に生えていることです。

 

DSC_8566 DSC_8567

 

 写真だけ見ると豊かな自然ですが、川のすぐ西側は幹線道路が走り、周囲には住宅が広がっています。

 

DSC_8565 DSC_8560

 

 一部は公園のように整備されて、ホームレスの人たちが棲んでいるので気をつけなければなりません。

 

DSC_8574 DSC_8575

DSC_8555 DSC_8564

 

 

広い部屋

 七時からホテルの敷地内にあるレストランThe Wild Fig restaurantで夕食です。

 Wild Figとは本館の前の駐車場にある巨木です。1840-1860年の間に植えられたというから、170年程度で意外に古くない。

 

P1090150 P1090149

 

 レストランは落ち着いた雰囲気です。

 

P1090156

 

P1090158

 

 料理も特に問題なく食べられました。

 

P1090160b P1090161b

P1090162b

 

 写真下が私が宿泊している建物です。ホテルのかなり広い敷地に建物が点在しています。外観は本館と違い平凡です。写真下右の一階の窓が開いているのが私の部屋で、火事の時に逃げるのが楽で良い。写真下左にように、敷地はかなり高い塀で囲まれていて、外からの侵入を防いでいます。

 

DSC_8468 DSC_8467

 

 写真下が私の部屋で、ここに三泊します。移動がないのはありがたい。部屋はかなり広い。

 

DSC_8446 DSC_8441

room170221

 

 入り口を入るとすぐに水場があります(写真下右)。これは洗面所とは別です。湯沸かし器やお茶などもそろっています。

 

DSC_8462 DSC_8439

 

 浴室には、ここもバスタブと別にシャワールームがあります。身体を温めるのと洗うのとが別なのが便利なのか不便なのか、よくわからない()

 

DSC_8450 DSC_8449 DSC_8454

 

 ケープタウン市内からはちょっと離れているが、その分、ネットでの料金はこの時期で12,000円ほどで、かなり安い。ネット接続や衛生なども問題ありません。しかし、広さのわりには使いにくい面もあります。ベッドの脇の机で作業をしていて、お茶を飲もうとお湯を沸かすのにわざわざ入り口の脇の水場まで行かないといけない。ベッドもツインだと片方を荷物の整理に使えるのに、ダブルなのでそうもいきません。ちょうどピーターマリツバーグのホテルのように、広いが使いやすくない。このホテルの評価は少し辛めに4.0とします。

 

 

 

 

トップページ 日程表 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13