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天山山脈のチューリップ

4日目 2017421()

タシケント → ジャバグリ

 

 

 朝五時起床。窓の外は朝日も見える薄曇りです(写真下)

 

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 本日はタシケントを出発してバスで国境を越えてカザフスタンのジャバグリに行き、途中でチューリップなどの花の観察をします。

 

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イチゴのバザール

 他のお客さんと六時に待ち合わせて、近くのバザール(Alay Bazaar)に出かけました。しかし、人もあまりいないし、車の入るゲートは閉まっており、横の歩道から入ろうとすると、ダメだという(写真下)。グーグルの情報では朝6時から営業しているとありましたが、違うようです。

 

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 今日、この後で行くカザフスタンのジャバグリは田舎なのでバザールがある可能性はほとんどありません。これがバザールを見られる最後のチャンスだったので、私ももう一人のお客さんも少々残念で、どうしようかと周囲を見渡すと、駐車場に人が集まっています(写真下)。何だ?

 

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 イチゴです。たぶんイチゴを作っている農家が売りに来て、地元の人たちが買いに来ているのでしょう。それが駐車場だというのがおもしろい。つまり、公式に認められた市場ではなく、自然発生的な市場でしょう。そのせいか、イチゴ以外は何も売っていません。

 

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 大きな洗面器一つ分を買っていくところを見ると、生食ではなく、ジャムなど調理用でしょう。イチゴの甘い香りが漂い、大粒のものもあり、うまそうです。

 

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 イチゴ・バザールの後、まだ時間がありますから、ホテルの南側を散歩しました。ティムール博物館は開いていませんから外見だけです(写真下左)。その南側にはティムール像を中心したティムール公園があります(写真下右)。ティムールはこの国の英雄として深く尊敬を集めていますが、この方に限らず、血だらけの英雄は私の好みからは程遠く、イチゴや鉢植えのパンジーのほうが良い。

 

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 ホテルに戻り、六時半から朝食です。

 

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 朝食での一番の着目は写真下左の串刺しの果物です。もちろん、取って食べてかまいません。

 

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 八時にホテルを出発。これからカザフスタンの国境に向かいます。緑色のバスが公共交通らしいが、大きさがいろいろあるのがおもしろい。

 

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 街は出勤時間です。

 

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 道沿いに見ていて目につくのが、写真下のように茶色や紫に塗られた建物や塀です。昨日も見たように、建物と塀がくっついており、一つの街のブロック全体が建物と塀に取り囲まれ、外からは簡単には入れないようになっています。ここはシルクロードですから、いろいろな民族が出入りし、略奪や戦争が日常的に行われていたからでしょう。

 

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カザフスタンの大型バス

 八時半頃に国境に到着。当然、国境では写真は撮れません。出国と入国の手続きは空港のような個々人の荷物検査がないので楽なのだが、撮影できないのが残念なくらいに猛烈に混んでいます。建物が狭いのも問題だが、一番の問題は人間で、列を守らず平然と割り込む。こういう事に慣れていない日本人はこれだけで疲れる()。中国人など列を守らない国は少なくないが、こういう彼らが日本人よりも他人への配慮や親切心を持っている面があることも見逃せません。

 

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 一時間半ほどの大乱闘の後()、一同、疲れ切ってようやくカザフスタンに入り、迎えのバスに乗り込みました(カザフスタン時間10:57、ウズベキスタン時間9:57、写真上)。ここで時間を一時間進ませ、今は午前11時頃です。カザフスタンはウズベキスタンとの時差が1時間、日本とは3時間です。

 バスは外見は立派なので、やっと涼しいバスに乗れると期待したのが間違いで、中はボロボロです。写真下右は一番後ろの座席で、これはリクライニングではなく、椅子が固定されておらず、床に転がっている。

 

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 取っ手のネジは外れ(写真下左)、座席の番号はマジックで手書きしてある(写真下右)

 

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 日本人的な感覚でいうなら、古いことよりも、修理していないのがおかしい。座席や取っ手の固定なんて、素人でも日曜大工程度の工具でできそうです。気になるのが、内装を修理もしないで放置しているということは、バス自体も整備されておらず、安全性は大丈夫だろうかという点です。

 

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 車体にはVoyages Jacconと書いてあります。私はてっきりカザフスタンのバス会社かと思ったら、フランスのバス会社らしい(http://www.voyages-jaccon.fr/)。そういえば緊急脱出用のハンマーの表示がフランス語です。もちろん、ハンマーそのものはありません。笑いたいところだが、こんな密封性の高いバスで火災が発生したら、人間の丸焼きです。

 

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 このバスで一番しんどかったのは暑さです。エアコンなんて効くはずもない。窓は開きませんから、天窓があるが、固定する金具は壊れている。お客さんがペットボトルをはさみこんでようやく隙間を作りました。

 しかし、私の座っている所は後部で天窓からは遠いので、空気の流れがまるっきりない。腕時計の温度計を見ると35℃で、乗る前よりも5℃も上がっているのだから、暑いのは当たり前です。

 ウズベキスタンのバスは問題がなかったから、この違いが二つの国の経済格差を表しているのかもしれません。ただし、カザフスタンは石油資源などが豊かで決して貧しい国ではありません。

 

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 暑いバスの中と違い、周囲にはカザフスタンらしい大草原が広がっています。

 

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 林のある所でトイレ休憩です(12:18)。外も陽ざしが強いが、バスの中よりもはるかに涼しい。

 

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巨大チューリップ

 カザフスタンの南部にあるシムケント(ШымкентShymkent)という大きな街を通過します。ここまででタシケントから120kmほどです。混雑を避けて周囲のバイパス(A2)を迂回するかと思ったら、街の中心部をそのまま突ききっていきます。渋滞もなかったし、街の様子が見られて、こちらはありがたい。

 

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 街中の花壇にはチューリップが植えられています。花壇にチューリップを植えるのは日本でも珍しくはないが、ここは圧倒的に数が多い。本日の一つ目の花の観察です()

 

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 街の建物の壁にもチューリップがデザインされています。チューリップはカザフスタンの国花ですから、当然と言えば当然です。

 

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 巨大なチューリップです。写真下左など手前を歩いている人と比較すれば、その大きさがわかります。カザフスタンにはこんな巨大なチューリップが咲いているんだと妙に感心しながら通りすぎる()

 

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 日本人にとっての桜が、この国の人にとってはチューリップなのでしょう。南の隣国のキルギスでは2005年に革命が起きて独裁政権が倒れ、その名前が「チューリップ革命」でした。残念ながら、完全な無血革命ではありません。

 

 

マシャットの花

 シムケントから北上して、途中にあるマシャット(Mashat)川の上流で花を見ました。写真下の白い花は、ネット上の説明では通常群落しているとありますが、ここでは群落というほどではありません。

 

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写真上 Eremurus lactiflorus

 

 黄色いマメの仲間です。葉や花の根元が毛深いのはいったい何の役割をしているのだろう。

 

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写真上 Astragalus siebersianus

 

 カメムシがウジャウジャと付いている。しかし、彼らがついているのは花ではなく、若葉です。若葉を食べるのだろうか。毛深いのはこういう虫を避けるため?

 

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 斜面で圧倒的に目立つのが写真下のアリウムで、ネギの仲間です。園芸品種もあります。

 

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写真上下 Allium karataviense

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 この植物はおもしろいことにわざわざ砂利の上に生えています。他の植物が生えている土の上にはありません。競争相手の少ない場所を選んでいるのでしょう。

 

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 それにしてもこんな砂利の下でどうやって栄養や水分を取るのだろう?根がどうなっているのか、掘り返してみたい衝動を抑えました()

 

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 アリウムは球根植物ですから、おそらく砂利の下の土の中に球根があり、そこから長々と砂利の間に茎()をのばしているのでしょう。

 

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 ここの砂利は斜面の上から流れ落ちたように積み重なっています。自然に砂利が崩れ落ちて、そこに生えていた植物をすべて埋め尽くした。だが、アリウムだけは球根で生き残り、茎()を上にのばし、地上まで出て葉を広げて花を咲かせる。砂利なので他の植物は種で飛んできても成長できない。周囲は他の植物がいないから、砂利の上はアリウムの一人舞台になり、太陽の光を十分に受けとることができる。

 

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 植物には脳に相当する部位も神経に相当する機関もありません。なのに独自の進化の戦略を持っている。昔、勤務先の上司から「植物はポンプもないのにどうやって十メートル以上も水を吸い上げられるのだろう」と質問され、細胞の浸透圧や気圧差などいくつか考えたが、決定的な理由がわかりませんでした。

 

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 花の咲く斜面で昼食です(13:30)

 

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 道路に沿って黄色いパイプが設置されています(写真下)。家畜が山に登らないための柵にしてはパイプが太く、家畜は簡単に通り抜けられるし、写真下右のような所もありますから、違います。

 

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 答は水道でした。川の上流のきれいな水をこのパイプで送っているらしく、道を戻る時、パイプの行方をたどっていくと、集落の中に入り、各家に配管され(写真下)、しかも、バルブから水が漏れていました(写真下の下段)。水道は地中に埋めるものと思いこんでいる日本人から見ると、おもしろい光景です。寒さで凍り付いても補修は楽でしょう。ただ、景観や通行には邪魔なのは日本の電柱や電線と同様です。

 

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ハイキング開始

 食事を終えて、チューリップのある山の上まで登ります。と言っても、高度差は120m程度ですから、大したことはありません。植物ガイドは写真下の白いヒゲを生やしたエフゲニーさんで、本日の泊まるゲスト・ハウスのオーナーです。

 

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 良く肥えた妊婦らしい馬さんのお見送りをいただきながら、出発です(写真下)。あたりは灌木が少しある程度で広々としていて気持ちが良い。あの暑いバスのおかげで爽快感は倍増です()

 

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 しかし、道の入り口の近辺はゴミが捨ててあります。ちょっと寂しい光景だが、昔は日本も良く見られたばかりか、今でも不法投棄が問題になっています。

 

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 川のそばに一本だけ生えていた白い花はリンゴの原種だという(写真下)。今日のリンゴの原産地は、中央アジアの山岳、黒海とカスピ海にはさまれた北部のコーカサス(カフカス)、中国の天山山脈など諸説あります。つまり、ここも原産地の一つで、野生のリンゴがあってもおかしくありません。どんな実がなるのか見てみたい。

 

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写真上下 Malus sieversii

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 リンゴ大好きの私はリンゴのご先祖さんに妙に親しみを感じて「どうも、いつもお世話になっております」と挨拶しそうになりましたが、周囲にはお客さんがたくさんいるのでやめておきました()

 

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 道はなだらかで見通しも良く、私が遅れても問題にならない()

 

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 草原にはあちらこちらに花が咲いています。写真下はキルギス、ウズベキスタンなど中央アジアに分布するアブラナの仲間で、背が高い。

 

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写真上下 Megacarpaea orbiculata.

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 ここもアーモンドの原種が花盛りです(写真下)。こんな厳しい環境でも育っているのだから、日本でも育つような気がしますが、あまりに見たことがない。梅、桜、そしてリンゴなどの果樹と一緒に植えたらきれいでしょう。

 

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写真上 Amygdalus spinosissima

 

 アーモンドは木の実ですから、てっきりクルミやクリのような植物なんだと思い込んでいました。皆さんもアーモンドを食べる時にはこの花を思い出しましょう。

 

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 写真下は花は開いているのかどうかわらないような冴えない植物なのに、なぜか虫には人気があります。写真下のカメムシは昼食を取った所に生えていた黄色いマメの花にもついていた。

 

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写真上左 Onosma trachycarpum

 

 昨日、ウズベキスタンでも見た黄色いセリの仲間が斜面に群生しています。

 

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写真上 Ferula. tenuisecta

 

 誰かが摘んで、葉っぱだけを捨てていった(写真下左)。花と茎だけを集めたらしい。数からいって鑑賞用ではなく、食べるためでしょう。

 

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 昼食をした所に生えていた黄色いマメの仲間も毛が生えていたように、写真下も綿毛に包まれています。このあたりは標高700mくらいで、この時期はそれほど寒いとも思えないのに、どうしてこういう植物があるのだろう?まさか、植物の趣味とも思えないし。

 

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 フウロソウが風に揺れてきれいです。

 

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写真上 Geranium transversale

 

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写真上右 Astragalus macrotropis

 

 

畑のチューリップ

 写真下が山頂です。あれ?畑だ。実は山ではなく、谷から畑のある台地の上まで登って来たのです。日本の関東地方も堆積した関東ローム層が水で浸食され、谷ができる地形があり、あれと同じです。

 

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 登る途中から見ると、頂上部分が平らな台地なのがわかります(写真下)

 

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 畑ですから、トラクターで耕耘した跡がついています(写真下左)

 

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 たぶん麦畑でしょう。耕耘した畑にチューリップが咲いています。もちろん、チューリップを植えたのではなく、かろうじてトラクターの耕耘爪から逃れた野生のチューリップです。おそらく、人間がここを耕作する前は一面にチューリップが生えていたのだろうと思うと、ちょっと残念です。

 

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写真上下 Tulipa greigii

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 このグレイギーというチューリップはカザフスタンなど中央アジアが原産で、園芸種として取り入れられています。欧州に入ったのが1872年というから、チューリップにしては意外に新しい。

 

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 グレイギーの園芸種には葉に斑点や縞模様がついていて、これがこの種の特徴にもなっています。しかし、ここのチューリップには良く見るとかろうじて斑点が見える程度です。

 

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 園芸種のグレイギーのもう一つの特徴は背が低い事です。ここのチューリップは背が高くはないが、大半が普通の背の高さに見えます。ただ、花壇のチューリップが苦手な私は園芸種のチューリップの大きさを詳しくは知りませんから、これを普通だと言う私の話はあてにならない()

 

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 黄色いチューリップもあり、別種のようです。

 

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写真上 Tulipa lemmersii

 

 さらに、数は少ないが、色が混ざっているのもあります。

 

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 皆さん集まって何か見ています(写真下)

 

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 昨日、タシケントの南のタクタカラチャ峠でも見た小さいチューリップです。見た目そっくりですが、別種のようです。ここにしか生えていませんでした。

 

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写真上 Tulipa bifloriformis

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 チューリップを見終えて下山します。正確には谷に降りる。

 

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 花の観察を終えて、幹線道路A-2号に戻り、本日の宿泊予定のジャバグリを目指します。

 

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 前方や右側に雪山が見えてきました。西天山山脈の山々です。

 

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ジャバグリに到着

 ジャバグリ(Zhabagly)のゲスト・ハウスGuest house Zhenja & Lyudaに到着(18:52)。写真下左がゲスト・ハウスの入り口で、この村の唯一の店になっています。

(http://www.aksuinn.com/eng/content/why-come)

 

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 ジャバグリは馬がいるなど、いかにも田舎町です(写真下)

 

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 写真下のように、ゲスト・ハウスの敷地内にはいくつか建物が点在して、のんびりした雰囲気です。

 

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 敷地内の建物の一階で食事です。

 

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 ここで気に入ったのが写真下のリンゴ・ジュースです。リンゴを水で煮て、その出し汁です。ビンの中に煮たリンゴがあり、他のお客さんが試しに食べたら、やはり出し殻だそうです。私はすっかり気に入り、他の人の分まで飲んでいました()

 

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 写真下左が私の今夜の部屋で、食堂のある建物(写真下右)の二階です。ここに三泊します。ネット上の旅行記で2015年にここに泊まった人が改装したばかりと書いているくらいで、高級感はないが小ぎれいな雰囲気です。

 部屋はいわゆる屋根裏部屋で、ベッドの上や洗面所の一部は屋根の傾斜のために斜めになっています(写真下左)。そういう居心地の悪さは我慢の範囲ですが、いくつか問題がありました。

 

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 一つはシャワーの温度で、お湯は出るが調整が極端に難しく、簡単に言えば熱湯か水しか出ない。二日間はうまくシャワーが浴びられず、寒くてひどい思いをしました。おまけに蛇口が小さくて固く、男性の私でも回すのに苦労しましたから女性なら無理でしょう。お湯の苦情は他の部屋のお客さんからも出ていました。これは給湯機の容量が小さいからで、隣部屋の飯沢さん(仮名)から教えられて、三日目に他のお客さんが使わない時間を狙ってシャワーを浴びると問題なく適温のお湯が出ました。

 

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 二つ目の問題は暖房です。ここは標高が約1100mの高地で、まだ春ですから、朝晩はかなり寒い。隣の飯沢さんの部屋には暖房用のオイル・ヒーターが二つあったので一つ借り、一日目は楽でした。ところが、二日目には従業員が持って行ってしまいました。行った先は、階下のお客さんの所で、しかも、その人たちがいっせいに使ったために停電になり、結局、使用禁止・・・変な話。

 

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 WiFiは敷地の入り口近くでしか使えません(写真下)。海外からの客が多く、私たちが泊まっている時もアメリカから来た客が泊まっていましたから、WiFiは必需品です。それが屋外の入り口でしか使えないのは、夜などかなり不便です。

 

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 暖房とお湯は大きな問題で、WiFiの不便さを含めれば、このゲスト・ハウスへの個人的評価は、最小限のサービスしかないして3.0にしたいところですが、カザフスタンの田舎にある小さな村のゲスト・ハウスにあまり辛い点を付けては気の毒なので3.5とします。

 

 

 

 

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