西オーストラリアのラン 3日目 2016年9月24日(土) カタンニング → レーベンズソープ 六時頃に起床。晴れています。 本日はカタンニングを出発して、三百キロほど東にあるレーベンズソープに向かい、その途中でランを中心に花を見ます。 朝食までの時間があまりないので、モーテルの南側にある公園を散歩します。Lions
Parkとあるから、ライオンがいるかと見回すがいない(写真下左)。下にライオンズ・クラブのマークがあるので、この組織がお金を出して作った公園のようです。ライオンがいないだけでなく、立派な看板のわりには特別な雰囲気は何もありません。 公園は平凡でおもしろくないが、南側に空き地があり、花を咲かせています。これらはたぶん南アフリカ原産です。 写真上 Venidio-Arctotis 周囲の住宅地にも様々な花が咲いています。 短い散歩を終えてモーテルに戻り、ここのレストランで朝食です。 入り口がちょっとおしゃれで(写真上左)、内部は天井が高く、食堂というよりもレストランの雰囲気です(写真下)。 天井近くの壁にエリザベス二世の写真が飾ってあります(写真下右)。今では別の国の女王なのに、尊敬している人たちがこの国にまだいるのだ。今回の旅行では他には見かけませんでした。 料理人は一人です。朝食はすごいボリュームで、さすがに食べきれません(写真下)。 コカコーラの無礼 八時に出発してすぐにガソリンスタンドに立ち寄ります(8:01)。売店に入ってみましょう(写真下)。 写真下左の500mlのコカコーラは6ドルです。80円で換算すると、なんと480円です。他のスーパーで見ても4ドル(320円)前後でした。日本のスーパーなら100円以下、自動販売機でも200円はしません。1ドルを100円以上で買わされた私にとってはなんと600円です。スーパーではいつも値引き商品に目を光らせる私に向かって600円のコカコーラとは何という無礼!!私は買おうとのばした手を引っ込めました(笑)。 高すぎる店のお口直しに、昨日から見ている菜の花畑を撮影するために最初の停車です(8:19)。 今年は三~四月に日本とブルガリアで菜の花畑を見て、九月にまた菜の花畑を見られた。 道路の周囲は意外に水が目立ちます。樹木が水に浸かっているということは、今年は雨が多く、普段は水のない所まで沼になっているということなのか、それともいつもこの時期はこうなっているのだろうか。 血のラン 開けた森で最初の散策です(8:41-9:43)。ここは背が高く太い木も多い。 赤紫のスパイダー・オーキッドが集団で生えています(写真下)。花全体を撮るとどんな花なのかよくわからず、真ん中の部分だけ撮ると、花全体の雰囲気がわかりにくい。 風でヒゲのような花弁が動くので、たしかにクモが動いているような印象です。 写真上下 Caladenia erythronem ブラウンさんによれば、長いヒゲのようになっているのは匂いを広い範囲に飛ばすためのものだそうです。このランは複数で咲いていますから、集団になることで、さらに匂いを強くして虫を集めようという作戦なのでしょう。 風がかなり強いこともあり、私の嗅覚では匂いは感じません。 他のスパイダー・オーキッドが色や配色にアクセントがあるのに、これは全体が赤紫でしかもテカリまであります。2015年に記載されたばかりのランだそうです。 写真下はWhite
Spider Orchidというそのままのランで、ほとんど毎日のように見かけました。この後もスパイダー・オーキッドを見かけない日がありませんでした。 写真上 Caladenia longicauda すでにお馴染みのドンキー・オーキッドもたくさんあります。 写真上下 Diuris magnifica 写真下は「顔つき」が写真上と微妙に違う。英語名はBee
Orchidで「蜜蜂ラン」です。ドンキーに比べて下の花弁が長く突き出ており、模様もはっきりしています。顔が長く感じるので、私の連想ではミッキー・マウスです。 写真上 Diuris decrementa 写真下もまた毎日のように見かけるレモンの匂いのするサンオーキッドです。数はそんなに多くはありません。 写真上 Thelymitra antennifera もちろんラン以外の花もたくさんある。写真下の上段と下段は色が少し違うだけで、たぶん同じ種類の花でしょう。 写真上 Lechenaultia biloba 動物の骨がいくつか転がっています。大きさからいくと、カンガルーでしょうか。 写真下の花は昨日は森の中で群生していました。 写真上 Stackhousia monogyna ここでも群れて咲く花が所々で見られます。 写真上 Borya sphaerocephala 写真下など一本一本は大したことはないが、まとまるとなかなかきれいです。 写真上 Podolepis lessonii エノコログサと似ているが、灰色っぽく、やや暗い印象です(写真下)。 写真上 Neurachne alopecuroidea 草花は比較的名前が調べやすいが、写真下のような白い小さな花を咲かせる樹木はたくさんあるので、区別がつけにくい。英語名はHoney
Bushというのだから、蜂蜜のような香りがするのかもしれませんが、気が付きませんでした。 写真上 Hakea lissocarpha 写真上と下は似ているが別種です。 写真上 calytrix tetragona マメの仲間のオレンジ色の花が咲いています。自分自身の古い枝葉にからまって、自分でヤブを作ることで、乾燥などに対抗しているのでしょう。 写真上 Daviesia incrassata どこに行っても黄色いアカシアの花があります。種類も多いようで、区別がつきにくい。 写真上 Acacia pulchella Nyabingでトイレ休憩 道路の両側には畑や牧場が広がっています。そこに植えられたキノコのような樹木が独特の風景を作っています。原生林では見られない巨木です。 Nyabingという街でトイレ休憩(10:01)。トイレは広々してまだ新しいのに、どういう訳か水洗ではありません。 看板にNyabing
Tidy Townsとあります。西オーストラリアでは街の美化運動をしているらしく(下右図)、この街が何度か選ばれたという看板です。運動自体は素晴らしいが、美観を意識するなら、まずトイレを水洗にして、街の電柱を撤去したほうが良い。 (http://www.kabc.wa.gov.au/) 写真下左は公園に展示されている昔使っていた農機具らしく、ゴードンさんが「トヨタ製だ」というので、本気にしそうになりました(笑)。 写真下右は第一次世界大戦、第二次世界大戦での戦死者の名前を刻んだ石碑です。とても良いことです。良いとは、国を守った英雄を称えるという意味ではなく、戦争という愚行によって犠牲になった人たちがいることを忘れないためです。七十年たち、日本人は大火傷を忘れてまた戦争をしようとしている。 南アフリカから来た花畑 菜の花とは別な黄色い花が地平線の彼方まで咲いている所で停車です(10:34)。 このすごい光景は、残念ながら、自然ではありません。ここは麦の休耕畑で、人間が耕してくれたおかげで他の植物がなくなり、その隙を狙って黄色い花が勝手に生えました。花はケープ・ウィード(Cape
Weed)という南アフリカからの輸入品です。 写真上 Arctotheca calendula この花は昨日の昼食をとった公園にも、また道の両側にもあります。この花に限らず、外来種は南アフリカ原産が多い。理由は、欧州からオーストラリアに入植が始まった頃はスエズ運河が完成していなかったので、南アフリカ経由で人と荷物が運ばれていたため、その中に種が混ざったのだろうと言われています。 しかし、私はもう一つ理由があると思います。花好きのイギリス人が意図的に持ち込んだのでしょう。立ち寄った南アフリカのきれいな花を見たら、そのまま通り過ぎたとは思えない。 道路をはさんで、黄色いお花畑の反対側は麦畑です(写真下)。休耕が済むと、また麦が植えられるのでしょう。しかし、その時はしっかりと黄色い花が種を地面にこぼし、次の機会を狙う。 写真上 Triticum aestivum 足下には黒い甲虫がたくさん忙しく歩き回っている。 写真上 Darkling
beetle(Mesomorphous vitalisi) ここは写真下のように畑と畑の間の舗装されていない道路です。道を見てもわかるように、舗装されていないにもかかわらず、道に穴やデコボコはほとんどありません。今回の旅行で感心した点で、日本なら舗装しない道路はデコボコなのに、オーストラリアは赤い土で舗装したみたいです。雨が少なく、土の性質が道路を作るのに向いているからでしょう。 写真下は同じような真っ黄色だが、朝も見た菜の花です。 ランの花弁は何枚? ランの花の構造を私は良く知らなかったので、今回調べてみました。下の写真と英語名はウィキペディアからの転載です。まず見て驚くのが、花弁のように見えている六つの花びらの内、三つはガク片だということです。写真の例では形がちょっと違うが、今回の旅行で見たランの多くは明瞭な区別がつきません。 花弁は三つあり、特徴的なのが真ん中の花弁で、唇弁(しんべん)と呼ばれています。虫たちが着陸する場所です。真ん中には雌しべと雄しべが一緒になったラン特有の「ずい柱(蕊柱)」があります。 例えば、写真下左のスパイダー・オーキッドでは、細長くのびた花弁とガク片が合計5本写っています。皆さん、両者の区別がつきますか? 写真上 Caladenia microchila パースでも見たdancing
spider orchidです(写真下)。 写真上 Caladenia discoidca この森にはラン以外の花もたくさん咲いています(10:53-11:27)。 写真下はまるで紅白饅頭みたいです。 写真上 Chamelaucium megalopetalum 写真下はオーストラリア南西部に分布し、6月から11月まで長期間咲き続けます。 写真上 Lasiopetalum rosmarinifolium 写真下のようなピンクのダンゴ花は非常に多いが、大半が細い葉で、こういう普通の葉は少ない。Melaleuca striataという可能性もありますが、葉の形が違うように思えます。 写真上 Melaleuca
conothamnoides 写真下はアカシアです。半世紀前『アカシアの雨がやむとき』(作詞:水木かおる、作曲:藤原秀行、唄:西田佐知子、1960年)という歌がありました。「アカシアの雨にうたれて・・」という歌詞を聞くたび、乾燥地帯に多いアカシアと雨がどうしても結びつくのだろうと不思議に思っていました。今でも結びつかない(笑)。 写真上 Acacia colletioides 写真下のようなマメの仲間の種類も多く花だけでは区別がつきません。 写真上 Daviesia
pachyphylla 写真上左 Phebalium lepidotum 写真上右 Calytrix
leschenaultia 地衣類なのかコケ類なのか、枯れた樹木などに付いています。今回はあまり見かけませんでした。 毎日お目にかかるPig
faceです(写真下)。ブタの顔は知っているつもりだが、どこから見ても似ていない。 写真上 Disphyma crassifolium 昨日もありましたが、写真下の上段と下段では花びらが違うから別種でしょう。 写真上 Barchyscome ciliaris 写真下のscented banjineは私たちが旅行したオーストラリア南西部に分布する植物です。今回はここでしか見かけませんでした。 写真上 Pimelea suaveolens 道端に生えているだけあって、外来種です(写真下)。 写真上 Zaluzianskya
divaricata 普通は写真下左のように真っすぐな道路と地平線しか見えないのに、珍しく遠くに山が見えます(写真下右)。方角から見て南西にあるStirling
Range 国立公園ではないかと思われます。 ボリュームたっぷりの昼食 Ongerupという街の公園で昼食です(11:51-12:32)。タッパに入ったランチで、朝に続いてかなり量が多い(写真下左)。オーストラリア人はたくさん食べるらしい。 公園の隣にWild
Flowersという看板のかかった建物があります(写真下)。ワイルドフラワーの公園でしょうか。それにしてはこじんまりしている。 敷地内にはたしかに現地のワイルドフラワーが花を付けています。 写真下の花はライラック・ハイビスカス(Lilac
Hibiscus)です。色はライラック、形はハイビスカスという、あまりにそのまんま(笑)。 写真上 Alyogyne wrayae 敷地内にOngerup
& Needilup District Museumという建物があり、中はこの地域の動植物が展示されています(写真下)。女性二人が出てきて、ワイルド・フララーのツアーに参加しないかと誘います。この周囲の花を見に有料で案内するということです。「お二人で私たちのツアーに参加しませんか。ランの専門家がいるし、そっちよりもお安くしておきますよ」なんて英語で冗談を言ってみたいが、そんな英語力はない(笑)。 Wild
Flowersという看板(写真下右)のある街中は閑散としています。それでも私たちがいる間に大型バスが来ましたから、客は訪れているのでしょう。 道路脇にもいろいろな花が咲いています。写真下はいずれも南アフリカ原産の外来種です。 写真上 Venidio-Arctotis 写真上 Lachenalia aloides 写真下のような、こんな真っ直ぐな道は日本ではたぶん北海道にでも行かないとないでしょう。一方、私の道はビートルズの”The
long and winding road”で、全然真っ直ぐではない(笑)。 午後のラン 幹線道路からかなり離れた森でランを探します(12:59-13:51)。 写真下は南オーストラリアに分布するPink
candy orchidです。 写真上下 Caladenia hirta 写真下は濃いピンクの美人姉妹です。 写真下も仲間のSugar
Candy Orchidように見えますが、写真上のPink
candy orchidはすべて「手足」が下がっているのに、花弁とガクなど「手足」を上げている。 写真上 Ericksonella saccharata 写真下のランは赤い縞模様が鮮やかで見事です。 写真上下 Caladenia x ericksoniae 写真下は縞模様からZebra
Orchidと呼ばれています。写真上と下は似ているが、花弁やガクの長さが違います。近くに咲いているから、どちらかが姿を変えて進化しただけで、元は同じだったのでしょう。 写真上下 Caladenia cairnsiana 唇弁の上についている黒いのは何なのでしょう?最初は虫か虫の糞かと思いました(笑)。たぶんこれがハチのメスに似ているなど、虫を引き付ける何か意味のある形なのでしょう。 写真下左を見た時は、白いランなのだと思いました。しかし、良く見ると、写真下右と姿形は良く似ている。と言うことは、写真下左は色素の薄いアルビノでしょう。 写真下のLazy
Spider Orchidは花弁を挙げるという変わった姿をしています。 写真上下 Caladenia multiclavia 写真下の真ん中の部分が唇弁(リップ)で、右に見えるのがガクとずい柱(コラム)がくっついたような状態です。他のスパイダー・オーキッドとの違い、唇弁とずい柱が離れています。 写真下は同じように「両手」を上に上げているが別種でGreen
Spider Orchidと呼ばれています。 写真上 Caladenia falcate 写真下は今回の旅行では頻繁に見られた白いスパイダー・オーキッドです。 写真上 Caladenia longicauda 上と下で微妙な違いにお気づきでしょうか。周囲にのびている花弁とガクが写真上は緑、写真下は赤い。 バター色のランがここにもあります。ネットで見ると、もっと背が高くなるようですが、今回見かけたのは大半が地面から花が直接出ているような高さしかありません。 写真上 Caladenia flava ラン以外の花も見ましょう。 写真上 Waitzia nitida 写真下の外来種のロムレアは毎日見るが、たいてい一本くらいしかありません。 写真上 Romulea rosea ルリハコベは小さいのに色が濃くて目に付きます(写真下)。 写真上 Anagallis arvensis 写真下もほとんど毎日お目にかかりました。紫が印象的で良く目立つ。 写真上 Chamaescilla spiralis 写真上 Borya
laciniata 写真下はSwan
River Daisyで、西オーストラリアでは普通に見られる固有種です。ここは白だが、青や紫もあるらしい。 写真上 Brachyscome
iberidifolia 同じキクの仲間でも写真下はノコンギクのような印象です。 写真上下 Barchyscome ciliaris 森の中に見事なアカシアが咲いています(写真下)。このまま庭木に使えそう。 写真上 Acacia colletioides 写真下左にように背が高くなるのと、写真上や写真下右のように低く丸まっているのでは、同じアカシアでも種類が違うようです。図鑑を見ると、オーストラリアはアカシアの種類がたいへん多い。 Jerramungupという街でトイレ休憩です(14:13、写真下左)。 周囲にはお馴染みの南アフリカから来たケープ・ウィード(Cape
Weed)が元気よく咲いています。ここのは株が大きく、背が高いから、どうやらタンポポと同じで根が残り、年単位で成長するらしい。 写真上 Arctotheca calendula さらにラン 再び、森の中の散策です(15:11~)。先ほどの森よりもさらに樹木がまばらで、明るい。 ここでも最初に目につくのが本日三度目のホワイト・スパイダー・オーキッドです(写真下)。 写真上 Caladenia longicauda 何度も出てきた写真上のランを載せたのは写真下と比較するためです。写真下は唇弁に赤い模様が入っています。花の後ろのガクが写真上はたいてい立っているのに、写真下はいずれも下に下がっています。名前の判断には?です。 写真上 Caladenia radialis 写真下も初めて見る緑色のランです。色が色なので、写真には撮りにくいだけでなく、これまで派手なランを見て来たので、妙に地味に感じる(笑)。 写真上 Microtis media 写真を撮る時は上と下は同じランだと思っていました。だが、良く見るとだいぶん違う。写真下の英語名はLittle
Laughing Leek Orchidでそのまま訳せば「笑う小さな青ネギ」です。たしかに花の部分が鳥がくちばしを開けて笑っているように見える。 写真上 Prasophyllum gracile 森の草むらに写真下のような薄紫の花がポツンと咲いていると、思わず時間を忘れて見惚れてしまいます。キキョウの仲間です。 写真上 Wahlenbergia
preissii シロアリらしい蟻塚があります。写真左など松の木に取りついている。写真下右も松の根元にあるところをみると、やがては松の木に取り付くのだろうか? 写真下は普通のアリでしょう。周囲に捨てられた土がトンネルの長さを表すと考えれば、かなりの長さです。 ここにも花の色の濃さの違う花が混在しています。 写真上 Dampiera
linearis 写真上 Isotoma hypocrateriformis 林の奥に一面に紫の花が咲いています。英語名はStarflowerで、花の形そのままの名前です。 写真上 Calytrix leschenaultia 写真下の花のピンクと白の組み合わせがきれいです。英語名はTwo-leaf
Hakeaで、形の違う葉が二つあるからだそうだが、この樹木ではわかりません。 写真上 Hakea trifurcate 森の中に川が流れたような跡が湿地になっており、そこにイグサの仲間が花を咲かせています(写真下)。 写真上 Mesomelaena stygia 再びまっすぐな道を走ります。写真下ではバイクが写っていますが、意外にバイクなどは少ない。歩行者や自転車もありません。走っているのは猛スピードの車ばかりです。 道端のラン 松森さんが赤い花を見つけて車を停めました(16:12)。 写真上 Pimelea physodes 下の本の表紙にも使われている植物で、今回はここでしか見られませんでした。 ここでこれまで見たことがない薄紫のランを発見(写真下)。かなり小さいランなので、そこにあると教えられていたのに、私は通りすぎてしまったほどです。なんとも微妙な薄紫です。ここのはすべて花弁に白い点がついていますが、ネットで見ると、普通は付いていないようです。 写真上 Cyanicula aperta このランが観られたのはここだけなので、車を停めたのは松森さんのお手柄でした。英語名はWestern
Tiny Blue Orchidという名前で、奇妙なことに、ウィキペディアではこのランの英語版がありません。 写真上 Cyanicula aperta ここはランだけでなく、良い被写体が多い。地面が石灰質なのか、白くて花がきれいに映える。植物にとっては厳しい環境なのか、ポツンと単独で生えているので、撮るほうにとってはありがたい。 写真上下 Leschenaultia formosa 赤、黄色、青など、どの花も白い地面に良く映えて、色が強烈に見える。 写真下はオーストラリアでも、ちょうど私たちが旅行した地域に分布する花です。 写真上下 Goodenia
caerulea 再び、彼方に山が見えて来ました(写真下左)。海のそばにあるFitzgerald
River 国立公園です。 写真下右は目的地のレーベンズソープの5km手前の看板で、ガソリンや食べ物、ホテルなどはこの先86kmはないから、レーベンズソープに立ち寄ってください、というお知らせです。車が途中で故障したら、けっこう恐い。 モーテルは売出し中 本日の宿泊地のレーベンズソープの街に入りました。 (http://www.ravensthorpe.wa.gov.auより転載) レーベンズソープの大きな穀物倉庫の壁に植物の絵が描かれていました(写真下)。バンクシアという植物で、写真下右が後日見たその仲間です。 街の東外れにあるモーテル、Ravensthorpe
motelに到着(17:11)。カタンニングのモーテルと同じように、長屋形式の部屋があり、車がその前にまで乗り付けられるようになっています(写真下)。 http://ravensthorpemotel.com/ このモーテルは売りに出されています(写真下)。このモーテルに限らず、土地や建物の売り看板は時々目につきます。このモーテルを購入すればワイルドフラワーを見るのも楽になるというお客さんの意見もありましたが、ここに来るまでの費用が安くないということで、購入はあきらめました(笑)。皆さんの中で購入ご希望の方は写真下の電話までお問い合わせください。 通路にはテーブルと椅子が、各部屋のドアの前には絵が飾られ、のんびりした雰囲気です(写真下)。鍵が差し込んであり、最初から開いています。カタンニングもそうだったが、人が少ない分、泥棒が少ないのでしょうか。 庭には南アフリカやカナリア諸島で見かけたような草花が植えられ、環境が合っているのか、見事な花を咲かせています(写真下)。 部屋から出ようとドアを開けると、目の前にニワトリがいました(写真下)。逃げる様子もなく、かなり人慣れしており、餌をくれるとわかっているらしい。お近づきの印に、昼食で食い残したパンなどをあげました。私は食事の時間が普通の人の倍くらいかかるので、残ってしまったのです。 夕飯まであまり時間がないし、だいぶん陽がかげっているが、軽く散歩をしましょう。モーテルと道路をはさんで北側がCaravan
Parkというキャンプ場になっています(写真下左)。馬やアルパカらしい動物が飼われており、犬が激しく私に吠え続けます(写真下右)。 (http://www.ravensthorpecaravanpark.com.au/index.html) キャンプ場の西側の坂道を登っていくと、左側が森です。 道路の近くの森には、たぶん人が植えたと思われる花がたくさん咲いています。写真下はGoldfields
Daisyと呼ばれています。 写真上 Olearia muelleri 陽があまり当たらない林の中なのにフリージアがきれいです(写真下)。 写真上 Freesia alba 斜面を登っていくと、斜面の樹木が広範囲で伐採されています(写真下)。伐採はあまり良くないが、陽が当たるようになると背の低い草花が生えてくる。実際、花が咲いています。しかし、ごらんのようにもう陽が落ちてしまい、撮影には向きません。 初めて見る花もいくつかあります。写真下のアカシアは葉がウロコを重ねたようになっていて、いかにも乾燥に強そうです。 写真上 Acacia glaucoptera 写真下は上と似たような雰囲気ですが、別なアカシアです。 写真上 Acadia ligulata 写真下の花は黄色いので夕暮れの斜面でも良く目立ちます。 写真上 Goodenia dyeri 写真下は人の背丈よりも高くなり、フヨウのような薄紫の花を咲かせています。開いた花よりも、下段の開く前が色も形もきれいです。 写真上 Alyogyne hakeifolia 薄暗くなり撮影が無理なので、明日の朝もう一度来ることにして、モーテルに戻りました。 スーパーで夕飯 六時から夕食で、車で街中のスーパーに併設されているレストランに出かけました(写真下)。売り場はすでに閉店で、レストランにも私たちしかいません(写真下右)。食事は予約客しか受け付けないようです。コックが一人で調理と配膳をしますから、けっこう忙しい。 本日の夕飯もなかなかのボリュームです。 店と同じフロアなので、売り場に入ることができます。 客のいない店なので勝手に歩き回り、勝手に写真を撮ることができる。こんなチャンスを見逃す手はない。私は丁寧にすべての通路を見学しました(笑)。 日本のスーパーと違い、ペンキや日立の工具など量販店のような品物も売っています(写真下)。この街は小さくて店がないので、ここに来れば日常品の大半がそろうようにしてあるのでしょう。写真下右の緑色のガラス壺が気に入りましたが、大きくてとても持ち帰れない。 食事を終えて、七時半すぎにはモーテルに戻りました。写真下が私の部屋です。テーブルのへりがボロボロになっているなど、外見と同じで室内もペラペラの安普請で、高級感はまるっきり完璧にありませんが、実用上はほとんど問題がありません。また、両隣の部屋に客がいたにもかかわらず、ほぼ音は気になりませんでした。 ここにも電子レンジや湯沸器、食器、コーヒーや紅茶などがそろっていて便利です。 奥にトイレ、洗面所、シャワー室があり、衛生の問題もありません。石けんとシャンプーもそろっています。 ここまでならこのモーテルに対する私の個人評価は4.0なのに、ネットがダメだという。本館の食堂では無料で接続できるが、部屋では無理だという。ネットは重要で、部屋で使えないのは大きな問題なので、評価は3.5とします。 |