西オーストラリアのラン レーベンズソープ → エスペランス 4日目 2016年9月25(日) 五時半頃に起床。空は雲はあるが朝焼けで、晴れています。エアコンの暖房をかけたまま寝ても室温は19.5度で、外は寒い。
今日はレーベンズソープの北西にあるパララップ自然保護区(Pallarup
Nature Reserve)など、レーベンズソープの周囲を観察し、午後、200kmほど東にあるエスペランスに向かい、その途中でも花の観察をします。 モーテルの庭に出ると鳥がいます(写真下)。身体が白い部分があるが、外見も歩き方も人間に対する反応も、どう見てもカラスです。日本ではカササギフエガラスと呼ばれ、オーストラリアやニューギニアなどに棲んでいます。
写真上 Australian
Magpie (Gymnorhina tibicen) 芝生に緑色のインコのような鳥がいます(写真下)。マキエゴシキインコ(Australian
ringneck)で、バスで走行中もしばしば林の中を飛び回るのが見えました。Twenty-eight
parrotと呼ばれ、そのまま訳せば28インコです。どうやら鳴き声が28に聞こえるということらしい。 しかし、私が聞いた範囲でいうなら「ギーギー」という声で、とてもtwenty-eightには聞こえない。別な説ではフランス系の移住者がいて、フランス語の28(vingt-huit)に聞こえることから、このように呼ばれたようです。
写真上 Australian
ringneck (Barnardius zonarius) この2匹はペアのようで、インコらしく、とても仲が良い。日本でも関東地方で緑色のインコが野生化したことが報道されていました。あれはどうなったのだろう。
朝の散歩は、昨日の夕方行った、伐採された斜面にもう一度行くことにしました。 朝日が斜めに入ってしまい、あまり花の撮影には向きません。 菜の花です。しかし、菜の花畑があちこちにありますから、野生ではないでしょう。
写真下はパッと見た時、青色がリンドウを連想させました。もちろん、別種です。西オーストラリアに見られます。
写真上 Halgania anagalloides 写真下は毎日見かける花ですが、種類が多いので、別種の可能性もあります。 写真上 Dampiera
eriocephala
写真下の花は、同じ幹に実のようなものがなっていますから、外側の紫の花弁のように見える部分はガクです。オーストラリア南西に分布しています。
写真上 Hybanthus floribundus 写真下はオースラリアの南部に分布する植物です。英語名はPaper
Flowerで、花弁が紙みたいだという意味でしょうか。見た限りでは良くわかりません。
写真上 Thomasia petalocalyx (http://www.cpbr.gov.au/gnp/gnp8/thom-pet.html) 写真下は花の形からはGoodeniaの仲間のようで、こんなに特徴のある姿なのに図鑑では見つからない。
写真下は、すべて丸いボールがついたような姿で、花がまだ開いていない状態のようです。
写真下のツルボランも陽が当たっていないせいか、花が十分に開いていません。
写真上 Asphodelus fistulosus フリージアは林の中だけでなく、こんな直射日光の当たる斜面にも生えています。
写真上 Freesia refracta スーパーで朝食 昨夜の夕食と同じスーパーに併設されたレストランで朝食です。昨日は暗くて良くみえなかったが、店はテラスがあるなど、スーパーというイメージとはちょっと違う作りです。レストランはBlooz
Caféといい、ネット上のTripAdvisorでの評価は五段階の4と5ですから、評判は良いようです(写真下)。
スーパーは少し高いところにあるので眺めも良い。周囲ははるか遠くまで緑が豊かです(写真下)。
食事中に他のお客さんが来ました。しかし、店側が断ったところを見ると、予約以外は受け付けないようです。来たお客さんを追い返すなんて、ずいぶん商売っ気がない。
保護区の樹木 八時にモーテルを出発。最初にレーベンズソープの北西にあるパララップ自然保護区(Pallarup
Nature Reserve)の近くに行きます。
このあたりは写真下のような溜め池がたくさんあります。それだけ乾季には雨が降らないのでしょう。
樹木が花を咲かせて、森全体が白く煙ったように見えます。
道の両側は白い花が咲いていて、写真下の樹木はちょうどユキヤナギを大きくしたような印象です。もちろんユキヤナギではありません。
写真下は針葉樹ではないのに、まるで松の木に黄色い花が咲いたみたいです。オーストラリアは乾燥地帯なのでこういう細い葉の樹木が多い。
写真上 Grevillea
eriostachya 写真下も針葉樹に赤い花が咲いているようで、松の木を見慣れているせいか、奇妙な感じです。 写真上 Grevillea
tetragonoloba
写真下のような花は形そのままにボトル・ブラシと呼ばれています。こういう姿の樹木の花の種類が多く、これはGranite
Bottle Brushです。 写真上 Melaleuca elliptica
写真下のハケアの仲間は花がクルクルと巻いているような形が特徴です。
写真上 Hakea erecta 写真下の花の花弁は丸くて図形的にきれいです。せいぜい三メートルくらいの高さの低木で、オースラリアの南西部に分布します。 写真上下 Leptospermum erubescens
輪のようになって花が咲いているのはきれいなのだが、実際には小さい株はそうなっていないから(写真下の上段)、「頭頂部のハゲ」らしい(笑)。 写真上下 Borya constricta
写真下のあたりは、まるで庭木を植えたのかのような感じに隙間を開けて木が花を咲かせています。雨が少ないなど環境が厳しいから樹木が密に育たないのでしょう。でも、歩くのには楽です。
一番目立つ黄色い花の多くはアカシアです。乾燥に強いアカシアは種類も数も多い。
写真上 Acacia scripifolia
写真上 Acacia colletioides 黄色や白の樹木の花は種類が多く判別が難しい。
写真下もオースラリアの固有種で、しかもかなり狭い範囲でしか見られません。
写真上 Synaphea flabelliformis
写真上 Glischrocaryon
flavescens 写真下の花など特徴があるのに、似たような花がたくさんあって判断が難しい。
写真上 Grevillea
pillosa 写真下はその匂いからCurry
Flowerという英語名がついています。
写真上 Lysinema ciliatum 写真下はパースなどの西側からエスペランスなど南側の海岸まで南西部に広く分布する花です。ネットを見ると、花弁のオレンジはもっと強いのが多い。
写真上 Daviesia incrassata 写真下もオーストラリアの南西部に分布して、亜種がたくさんあって、もちろん、素人にはどれなのかさっぱりわからない(笑)。
写真上 Boronia ternata
写真上 Calectasia cyanea 保護区の草花 途中からかなり雨が降ってきました(9:13~)。幸い、それほど長くは続きませんでした。 写真下はおそらく一枚岩の上です。今回の旅行ではこういう光景が所々で見られました。
岩には溝が掘ってあり、ここで水を集めて水源として使っていたそうです。昔は水に苦労していたのでしょう。この近くに入植が始まったのは1800年も後半ですから、近代の遺構です。
写真下はオーストラリアの西半分に広く分布する植物で、この保護区には樹木の生えていない所にたくさんありました。
写真上 Ptilotus drummondii 同様に、樹木が生えていない所に生えていたのが、写真下の「ブタ顔(Pig
face)」という気の毒な名前のついた花です。どうやったらこのピンク色のきれいな花からブタを連想するのだろう??曇っていて開ききらないのに、雨で花びらがクシャクシャです。
写真上 Carpobrotus rossii 写真下左が開き始めた花、中と右が開いた状態です。開く前はオダマキみたいだが、開いてしまうとだいぶん印象が違う。
写真上 Chamaescilla
spiralis 写真下は花しかないので、全体がつかみにくいが、せいぜい1メートルくらいの高さで、はっきりとした葉もわからないような、いかにも乾燥地帯の植物で、英語名はbroom
milkwortです。
写真上 Comesperma scoparium
森の樹木の間には何種類かお花畑を作っている植物もあります。その一つが写真下の黄色い花です。
写真上 Podotheca gnaphalioides 二つ目が写真下の白いキクの仲間です。 写真上下 Brachyscome iberidifolia
写真上 Dampiera
sacculata 写真下の花は南アフリカからの外来種です。
写真下 Tripteris clandestina 林の中に白い綿が落ちたようにコケのような植物が生えています。白いからきれいというべきか、何となく不気味というべきか、よくわからない(笑)。白いのでとにかく良く目立つ。
写真下のようにイネ科の植物のお花畑もあるのですが、花が地味なのでつい後回しで、ついでに名前もわからない(笑)。
保護区のラン ブラウンさんの最大の目的のランもたくさんあります。写真下はAnt
Orchidというスパイダー・オーキッドで、唇弁が大きく広がっています。
写真 Caladenia roei
まるで派手な衣装を着た役者が手を振り上げてポーズを取っているような姿に見えるのはGreen
Spider Orchidです。 写真上 Caladenia
attingens
写真下はスパイダー・オーキッドのCream
spiderです。
写真上 Caladenia
horistes
長くのびた花弁の表面が赤い毛でおおわれています。動物の毛は臭いを出す面積を広げるためという説があります。一緒に咲くことで、いっせいに匂いを飛ばし、しかも、長い花弁と毛によって虫を呼び集めるのでしょう。
ちょっと見た目はこれまで何度も見たWhite
Spider Orchidに似ていますが、こんなふうに同じスパイダー・オーキッドでもものすごい種類があります。 花全体を撮ると中心部が良くわかりません。拡大すると写真下のようになります。
写真上の唇弁の両側にブラシのように茶色の毛が出ています。ところが、写真下はそのブラシが短く、色も白です。こんなふうにかなり微妙な個体差があります。
パープル・エナメル・オーキッドです。名前どおりに、花弁がエナメルのような光沢があり、紫色なのに曇っていても良く目立つ。
写真上 Elythranthera brunonis 毎日みかけるカウスリップ・オーキッドも群落がきれいです。形も色も他のランとは違うので簡単に区別がつきます。と言うよりも、他のスパイダー・オーキッドが似たようなのが多すぎて、わかりにくい。 写真上 Caladenia flava
写真下左のピンク色がPink
candy orchidで、右の白色がSugar
Candy Orchidです。どちらもとっても甘いらしい(笑)。色が違うだけで、外見が良く似ているのに別種だというのは意外です。
写真上左 Caladenia hirta 写真上右 Ericksonella
saccharata
蛇口か水差しのような形をしたJug
Orchidsです(写真下)。
写真上 Pterostylis recurve
旅行センター レーベンズソープに戻り、ガソリンをつめます(11:18)。 日本と違うのは後ろにトレーラーをつけた車がよくあることです。
私たちが食事をしたスーパーの東側にある旅行案内所(Fitzgerald
Coast Visitor Centre)に行きました。 (http://www.drivewa.com/poi/1361/fitzgerald-coast-visitor-centre.html)
案内のおばさんが一人いて、私たち以外は客がいないこともあり、丁寧に対応してくれます。案内所というよりも、店という雰囲気です。無料でくれた地図がとても役立ちました。
ここで買ったのが写真下の2冊の本です。左の本は題名にこの街の名前がついているくらいのローカルな本で、もう一冊もパンフレット形式ですから、おそらくネットでは手に入らないだろうと予想して買いました。
エミュー! レーベンズソープの街を出て東に10kmほど走った所で車は急停車しました。左側の牧草地の中に黒いダチョウのような大型の鳥がいます(11:46)。 今回の旅行ではこの後、もう一度エミューを見ましたが、道を駆け足で横切っていったので、今回のような写真は撮れませんでした。
最初見た時、私はエミューの牧場なのかと思いました。日本ではダチョウを飼育している牧場があるからです。こんな大型の動物が野生で棲息しているのがすごい。日本もクマやイノシシを殺すのではなく、もう少し共存できないものだろうか。 展望台で昼食 レーベンズソープの東の山の上が展望台になっていて、ここで昼食です(11:46-12:43)。外は風が強くて寒いので、車の中で取りました。 展望台からは西にレーベンズソープの街が見え、さらに地平線にスターリングレンジ国立公園(Stirling
Range National Park))の山並みが見えます(写真右)。
展望台の山頂の石にプレートがあります(写真下)。C.C.(Tom)
Dawという開拓の先駆者を記念したものらしい。
もう一つ目についたのは「1080の危険性」という看板です(写真下)。1080(テン・エイティ)とはポッサム(フクロネズミ)やネズミなどの害獣を駆除することを目的とした農薬です。この地域に1080を散布したから、ペットの犬や猫が食べないように気をつけろという警告の看板です。 ニュージーランドなどで大量に使われています。元々、ニュージーランドにいなかったポッサムなどの哺乳類を人間が持ち込み、その結果、鳥類が激減しました。それをなんとかしようとして使われているのが1080です。 山と言っても、写真下のように日本から見たら丘というべきでしょう。背の低い樹木が生えて、様々な花が咲いています。
この展望台の周囲でまず目を引くのが写真下のバンクシアです。これで花を咲かせている状態です。
写真上下 Banksia lemanniana 写真下はその実らしい。タワシの毛のような間から突き出ているのが種でしょうか?なんだか良くわからない植物だ。南西オーストラリアのかなり限られた地域にしか生えていません。
オーストラリアだから、ユーカリがたくさんあるかと思っていたのですが、それほど花は多くありません(写真下)。 写真上下 Eucalyptus preissiana
写真上 Beaufortia schaueri 斜面に午前中に見た丸い花弁の花が群生して白い花を咲かせていて、なかなか見事です(写真下)。 写真上下 Leptospermum erubescens
写真上 Agonis
spathulata 写真上 Hibbertia desmophylla
写真上 Grevillea patentiloba ここで一番の見所は写真下の薄紫の花です。風に吹かれて激しく揺れている。 写真上下 Dampiera
sacculata
Dampieraの仲間は今回の旅行ではあちこちで見かけ、数も多いのだが、図鑑で見ても、どれもこれも同じような雰囲気で区別がつきません。これなど柳のようにしなだれているのが特徴で比較的区別しやすい。 写真上と下は同じ仲間ですが、別種です。上のほうが株が大きく茎も長い。下はこの後も良く見かけました。
写真上 Dampiera
lavandulacea 引き金を引く花 国道一号をさらに東に進みます。パースを出発した二日前よりも周囲に川や湿地帯が増えて気がします。写真下の水は川は透明で赤茶色です。おそらく枯れた植物が堆積するとできるタンニンが水に染み出しているのでしょう。
トイレのある所で休憩したついでに周囲の茂みに花を探します(13:23-13:53)。
写真下は道路の脇に誰かが落とした小さな花束のように咲いています。
写真上 Laxmannia grandiflora 写真下は、白い羽を広げて飛んでいる小さな虫が集まっているような花です。
写真上 Stylidium
luteum 皆さんが呼んでいます。写真下の花の真ん中を触ってみろというのです。私のために一つだけ残しておいてくれたという。 写真上下 Stylidium
schoenoides 写真下の左右の花の中心部を比較してください。左がビフォー、右がアフターです。真ん中の花弁を触ると、パタンと下に下ります。これで虫が来たら一瞬で花粉をつけてしまうのでしょう。しばらくたつと元に戻るそうです。引き金みたいなのでトリガー・プラントと呼ばれています。 植物には脳もないのにどうやってこういう作戦を考えるのでしょう?
写真下はレッド・カンガルー・ポー(Red
Kangaroo Paw)です。似たような花にパースで見たカンガルー・ポーがありますが、この花はパース近辺にはなく、このあたりの南西部にしか見られません。赤いのが花ではなく、その先についている小さい黄緑のが花です。
写真上 Anigvzanthos rufus 写真下の上段は開花前で、花が開くと下段のようになります。開花前のほうがなんとなくきれい(笑)。 写真上下 Lambertia ericifolia
写真下も南西オーストラリアに分布する花です。
写真上下 Gompholobium scabrum なかなか印象的な顔立ちで、ヤブの中でこのピンク色が良く目立ちます。
展望台でも見たピンク色の花で、これもヤブの中でも良く目立ちます。
写真上 Beaufortia schaueri ここにもエナメル・オーキッドがありますが、午前中見たのに比べて色も薄く光沢が少ない。
写真上 Elythranthera brunonis カンガルーの森 国道1号から離れて、East
Naernup Nature Reserveの北側の森の中でランを探します。
ブラウンさんがこの森で特別なランを探したいらしい。手分けして森の中を探すことにしました(14:19-14:48)。もっとも、探そうにも、どのようなランなのか、私は知らない(笑)。とにかくランを探します。
「カンガルー!」という声に指さす方向を見ると、かろうじて木の間にカンガルーの胴体と足が見えます(写真下)。この後すぐに逃げ去ってしまい、全体の写真は撮れませんでした。私は野生のカンガルーを初めて見ました。残念ながら、今回の旅行ではこの時だけでした・・・いや、昨日見た動物の頭の骨はカンガルーかもしれないから、二度目ということになります(笑)。 目的のランをみんなで手分けして探した時はなかったので、あきらめていたら、結局ブラウンさんが見つけました。さすが、プロ。英語名はEsperance
king spider orchidといい、エスペランスは本日、これから私たちが宿泊する街の名前です。
写真上 Caladenia decora 昨日も見たStark
spider Orchidがここにもあります。ブラウン先生はこれは亜種(Caladenia
longicauda ssp. Eminen)であると説明していますが、細かい分類は専門家にお任せして、素人は適当に名前を付けます(笑)。
写真上 Caladenia longicauda
写真下の緑色のランは数が少ない。この写真では横に倒れた茎から花の茎が立ち上がっています。これも亜種(Microtis media ssp. media)だというブラウン先生の注釈は無視することにします(笑)。 写真上 Microtis media 森には、数は多くないが、ラン以外もいくつか花が咲いています。
写真上 Chamaescilla
spiralis
写真上右 Helichrysum luteoalbum
写真上左 Geranium retrorsum 写真上右 Anagallis arvensis 写真下の花はパースなどを中心に西南オーストラリアに生えていますが、内陸側には生えていません。 写真上 Phyllanthus calycinus
この森で私の印象に残ったのは写真下のキクの仲間です。大きな樹木の足下ですから、あまり日差しはありません。その隙間を狙うようにして、あちらこちらに咲いています。
写真上 Waitzia suaveolens
原産はこのあたりですが、ハナカンザシという和名もあります。最大の特徴は花がカサカサと乾いた感じがすることです。花弁のように見える白い部分はガクで、花は真ん中の部分です。変種が多いらしく、形も色も様々あります。大群落を作るようですが、ここでは控えめです。
ハチを騙すドラゴン・オーキッド 珍しく広い川があり、その近くで車を停めました(15:06-15:41)。地図を見てもこの川の名前がわかりません。川はこのまま南に流れて行き、ストークス国立公園を通過して海に入ります。
これまでも見てきたドンキー・オーキッドが生えています。
写真上 Diuris magnifica ブラウンさんがここに連れてきた理由が写真下のドラゴン・オーキッドです。
写真上下 Caladenia barbarossa 今までのランとの違い、花弁(唇弁)の上にある紫色の突起と、唇弁(リップ)にブラシ状の毛が生えています。
このランはツチバチという黒いハチを受粉に利用しています。メスと同じフェロモンを出すので、オス蜂は紫色の突起をメスと勘違いして、交尾のために連れ去ろうとします。このツチバチの仲間のメスは羽がなく自分では飛びません。ブラウンさんの本に載っている写真を見ると、オスは紫の突起部分とブラシ状の唇弁の上に乗り、持ち上げようとしています。すると、突起部分が蝶番のようなっていて、ハチは前のめりになり、花の上に突き出ているコラム(ずい柱)に背中がくっつきます。コラムは雄しべと雌しべが合体したもので、ハチの背中に花粉をつけて、受粉を手伝わせます。
非常に巧妙なこの作戦を脳のないランがいったいどうやって思いついたのか?形状は「たまたま」ハチのメスと似たような花のランが選択淘汰されたでも説明がつくが、問題はフェロモンです。どうやってハチという動物のフェロモンを合成できたのでしょう?植物は香りがありますから、「たまたま」このハチのフェロモンと似た化学物質が含まれ、濃度の高いランが選択淘汰されたということになります。 しかし、どちらも「たまたま」で、そんなに自然界でたまたまが起きるものなのだろうか?またランとハチの付き合いがどのくらいなるのか知らないが、どうして相変わらずハチは騙され続けるのだろうか?オスは単細胞なのだという主張には、人間のオスとしては反対するつもりはありませんが(笑)。
この花に来るツチバチについてはもう一つ奇妙なことがあり、それはメスが発見されていないというのです(『地球200周! ふしぎ植物探検記』山口進、PHP研究所、2011年)。つまり、このツチバチは実際に交尾している姿が未だに確認されていないというから、驚きです・・・え?それならどうしてオスがメスを連れ去ろうとしているということがわかるのだ?? 踊る草の木 国道一号に戻り、エスペランスに向かって速度を上げます。道の両側にはこれまでにもまして川や池が増えて、そのどれもが、タンニンが含まれているので、透明だが赤の混ざった茶色です。オーストラリアは乾いた大地が広がっているかと思ったら、今年の南西部は雨が多く、水がたくさんあるようです。
道端に大きなグラス・ツリーを見つけて停車(写真下、16:07)。高さはゆうに3mはあるでしょう。背が高いので風でこんなふうに捻れてしまったのでしようか。まるで踊っているみたいです。 写真上 Xanthorrhoea platyphylla
これまでもこの植物は道端などでたまに見かけました(写真下)。それらは1~2mで、上の写真ほど大きいのはさすがに珍しい。グラス・ツリーをそのまま訳せば「草の木」で、もちろん草です。
写真下のように、良く見ると、雄しべと雌しべがたくさん並んでいますから、この塔は花の集合体です。カナリア諸島で見たエキウムと似ていますが、花が地味です。
日差しがだいぶん斜めになっている中をエスペランスに向けて走ります。
エスペランスに到着 エスペランスの本日のモーテルClearwater Motel Apartmentsに到着(17:06)。 http://www.clearwatermotel.com.au/ 外見は安いアパートみたいで、実際、中身はアパート風のモーテルです(写真下)。
下の地図のように、ここは海岸近くなので、散歩には困らない立地です。 http://www.clearwatermotel.com.au/ 夕飯まであまり時間がないので、海だけ見に行きましょう。モーテルからは歩いて五分もかかりません。海は静かで、夕暮れの港にはヨットや船が停まっています。 浜辺にはカモメたちがいます。風景はきれいだが、風があり寒いので、モーテルに戻ります。
六時から夕飯で、モーテルの北にあるComfort
Inn Bay Of Islesというホテルのレストランに行きました(写真下)。
ホテルのレストランなので、バーもあり(写真下右)、外からの客用と、ホテルの客用のビュッフェ形式のレストランもあります。私は飲みもしないのに、バーにグラス・ワインを買いに行くお客さんに付いていき、値段を確認したところ、6ドルです。昨夜が7ドルですから、これがオーストラリアのレストランでの相場なのでしょう
私たちが入った時にはレストランの客はほとんどいなかったのに、その後、急に混み出し、隣の席には中国系の親子連れの一族が来たために、ずいぶんにぎやかになりました。ここでも料理はボリュームがあります。 部屋は最高点4.5 私の部屋をご紹介しましょう。建物は写真下のようにプレハブ作りで、外見はいたって安っぽい。私の部屋は2号室で、隣の1号室との長屋になっています。 ドアを開けると台所があり(写真下左)、奥が寝室になっています(写真下右)。窓の左には裏口があります。窓は道路に面しているので、普段はブラインドを下げていました。窓の方向が北で、南半球ですから太陽は北から射します。
寝室にはダブルベッドと、窓際に移動できるシングルベッドがあります(写真下右)。壁にはたぶん60インチほどもある大型のテレビがかけてあります(写真下左)。こんな大きなモニターのついた部屋は初めてです。テレビの右隣が物入れになっており、掃除道具などが入っています。消火器も備えてある。
台所は一通りの調理器具と皿やコップ、またコーヒーと紅茶など飲み物がそろっています。使った食器は自分で洗うことになっているが、どういうわけか洗剤がありません。また、包丁の一つは前の人が果物をむくのに使ったまま汚れていました。
食器類は使ったままにしたければ、後片付け代金として25ドル払ってくれと書いてあります。私は払うつもりはないので、必要最小限しか使わず、自分で洗いました。
入り口のそばに洗面所(写真下左)、シャワー(写真下中)、トイレ(写真下右)があります。バスタブはなく、お湯は少々時間がかかったが出ました。洗面所は洗面台が広くてとても良い。ホテルによっては、洗面用具を置くのにも苦労することがあります。ここは洗面台が横に広く取ってあるので、使いやすい(写真下左)。タオル、石けんやシャンプー、トイレットペーパーも問題ありません。
テッシュ・ボックスが3つも置いてあり、これも便利でした。食器など、きれいなのかわからないので、水洗いした後、テッシュで拭くのに便利でした。テッシュ・ボックスなど細かい事のようだが、意外にこういう点が重要です。 私のこのモーテルへの評価は4.5で、これまでの他の旅行を含めて最高点です。 台所のナイフが汚れていたこと、北側のドアの鍵がかからないことなど、いくつか問題点はありました。高級感は何もないが、室内の改装をして間もないらしく、壁は汚れもなく、清潔です。広々として、このまま日常生活ができそうなくらいです。たいていのホテルは荷物を広げる場所などを考えるのに、ここはそんなこともありません。電源がどこにあるか、机の下などをのぞき込まなければならないことも多いのに、ここはあちらこちらにコンセントがあるので困らない。 私の評価の基準は使いやすさ、清潔、静か、安全など実用と効率を重視していますから、4.5の高得点には高級感という意味は決して含まれていません(笑)。 ここに三泊します。モーテルなので毎日のベッド・メイキングや掃除などはありません。私にはかえってそのほうが良い。 |