トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 アタカマ砂漠の花 5日目 2015年9月27日(日) ヴァレナール → ラ・セレナ 朝、六時頃に起床。窓からの風景を写したいが、樹木が邪魔して半分しかお目にかけられません(笑)。 本日は、ヴァレナールから南下してラ・セレナまで行き、途中バスを停めながら花を見ます。 七時半からホテルのレストランで食事です。 ウアスコ川まで散歩 出発前に街中を散歩しましょう(7:46)。昨日のスーパーとは反対の南に行きます。地図を見ると、南側にウアスコ川が流れているので、何か花があるのではないかと期待しています。 写真下の朱線が散歩コースです。 街中は朝早いせいもあり、あまり人影はありません(写真下)。夏時間でもないのに、陽が昇るのが遅く、夕方が明るいことから、チリでは実際の太陽の位置よりも、時計をかなりずらしているようです。 目についたのが、建物の絵や塗装で、数は多くありません(写真下)。 写真下の絵は運動場の外壁ですから、もしかしたら、落書きかもしれません。 裸でお尻をだすにしては寒い朝です(笑)。 写真下左の犬クンが臭いをかいでいるのはもしかして、他の犬の落とし物・・・。 ウアスコ川に到着(写真下)。どうということのない普通の河原です。水の少ない地域で川のそばなら花がたくさん咲いているのではないか期待したのだが、ほとんど花がありません 橋桁などに樹木がひっかかり、洪水の跡があります(写真下)。日本だったら、さして珍しくはないが、ここはめったに雨が降らない地域です。今年は3月にアタカマで洪水があり、25人が死亡、125人が行方不明というニュースが日本にも伝わってきました。その時の洪水の爪跡のようです。 (http://www.asahi.com/articles/DA3S11690632.html) 河原にはあまり花がない中で見つけたのが写真下で、赤いのが花だと思うが、ずいぶん変わった姿です。後で、旅行でご一緒した六文子さん(仮名)からトウゴマではないかと教えてもらいました。下剤のヒマシ油の原料で世界中に広がっているようです。ヒマシ油という名前は知っていましたが、植物を見るのはたぶん初めてです。 街中は街路樹や家の庭に花が咲いています。 民家の壁にはベゴニア、道脇の花壇にはキョウチクトウが花を咲かせています(写真下)。 世界のあちこちに見られるブーゲンビリアで中南米の熱帯雨林が原産地です(写真下)。 黒い雄鶏が屋根の上で睨みをきかせている(写真下)。 再び砂漠を走る 八時半に出発。今日から私の席は最後部です。運転手がガソリンスタンドで窓を洗っているのを見て、彼らも洗う習慣があるのだと気が付き(失礼)、窓を拭いてくれるように、月枝さんを介して頼んだのです。後ろの窓も明るくなり、写真撮影ができるようになりました。ただ、この後、二日ほどたつと窓は砂で汚れ、元の木阿弥でした(笑)。 ヴァレナールは川のそばなので緑が多いのに(写真下左)、ちょっと離れると、たちまち荒涼とした風景に変わります(写真下右)。 山の斜面に緑が見えるのは樹木ではなくすべてシャボテンです(写真下)。 国道5号は、砂漠を走っていたのが(写真下の上段)、やがて山の中に入り標高700~800mの谷を進みます(写真下の下段)。 水分の集め方 峠の斜面に紫色の花の群落を見つけてバスを停めました(9:41)。日本と違い、樹木がないので花を観つけるのも、登るのも、写真を撮るのも楽です。 今回の旅行では初めて見る花です。花弁の形がまた独特で、なかなか可愛い。 写真上下 Schizanthus
porrigens 遠くから見たイメージだけでいうと、ノコンギクがたくさん咲いているような雰囲気です。もちろん、これはキクの仲間ではありません。 谷の斜面に一面に咲いているのが見えます(写真下)。花一つ一つはピンクかがっているが、遠くからみると薄紫に見えます。 透過光で見ると、植物全体が光っているように見えます。 写真上 Schizanthus
porrigens 写真下の植物も透過光を通すと、葉や茎の周囲に毛が生えているので、光っています。 写真下のクリプタンタも透過光を通すと、植物の表面に毛が光って、霜がついたように見えて、とてもきれいです。下段が普通に撮ったその花です。 写真上 Cryptantha
kingii 茎や葉は緑色で、産毛が白く光っています。 こんなふうにここには産毛の生えた植物がたくさんあります。たぶん、これは水を得るためでしょう。ここは雨も少なく、西の海から湿気を含んだ霧が来た時、この産毛で水滴を作り、その水を吸収しているのでしょう。人間がこれを真似て、霧の中に網を張って水滴を作り、水を集めるという方法があるそうです。 普通の光で見ると、下のような感じです。 山道をちょっと行く 山道があるようですから、行ってみましょう(写真下右)。それほど急斜面ではないので、上り下りは楽です。 下の衛星写真の朱線が主に歩いた道です。この衛星写真でも水が流れている谷には緑があるのがわかります。 期待どおりで、斜面には様々な花が咲いています。写真下はすでに何度かみかけているシオガマギクの仲間です。 写真上 Stachys
grandidentata 写真下のクラメリアは、パッと見た時、ツヅシの仲間かと思いました。寄生植物だというが、どの樹木に寄生しているのかよくわかりません。現地では実を食べるそうです。 写真上 Krameria
cistoidea これまでもあちらこちらで見かけたコルディアです(写真下)。人の背丈よりも高いくらいまで成長するし、花もきれいだし、砂漠やこういう山の斜面にも生えるくらいだから、かなり丈夫なのでしょう。庭に植えて木陰にしたらちょうど良いような低木です。 写真上 Cordia
decandra コルディアはあちこちで見かけるから種類も多いのかと思ったら、チリではこれ一種類だけだそうです。 コルディアと同じように、人間よりも背の高いマメの仲間が写真下です。アタカマ州とコキンボ州に生えていて、こんなに細いのに炭にするために伐採されたこともあったようです。火持ちが良いのでしょうか。 写真上 Balsamocarpon
brevifolium 写真下のフロドゥスはナスの仲間で、悪臭があると書かれていますが、私は気が付きませんでした。 写真上 Phrodus
microphyllus 花を咲かせながら、実もなっている(写真下)。乾燥している地域だから、短期間に実をつけようという作戦なのでしょう。 写真上 Caesalpinia
angulate 昨日、河原でも咲いていたクルクシャンキアは、岩場では黄色い花がかなり目立ちます(写真下)。岩場といっても、踏むとそのまま崩れそうなもろい斜面です。 写真上 Cruckshanksia
verticillata ヤグルマギクが咲いています(写真下)。この種類のヤグルマギクはここだけ、それも花を咲かせていたのは一株だけでした。 写真上 Centaurea
cachinalensis 写真下の花もたった一本だけポツンと咲いていました。私は通りすぎてしまい、他のお客さんに教えられてようやく気がつきました。 写真下の黄色い花は、ゴマノハグサの仲間です。チリの固有種で、分布はコキンボ州とあるから、チリでもごく一部の地域でしか見られない花です。 写真上 Calceolaria
collina? 写真下は他のレウココリネに比べて、ちょっと地味で、ポツンと咲いていること多く、群落しているのは見かけません。おれと同じで孤独を好むのかもしれない(笑)。 写真上 Leucocoryne
dimorphopetala 写真下はお馴染みのノラナで、樹木化しています。他のノラナに比べて、一面に咲くことはなく、写真下のようにまとまって咲いています。 写真上 Nolana
filifolia 谷の周囲と山の上でまた違う植物が生えているだろうから、山の上のほうまで行ってみたい気もしますが、時間もないのでそろそろ引き返しましょう。 衛星からも見えるキスタンテ バスから見ると、道の両側の山の斜面の所々がピンク色に染まっています(写真下)。お馴染みのキスタンテの大群落です。 下のグーグルの衛星写真を見てください。地面がピンク色に染まっているのがわかります。これは鉱物資源の色と違い、写真上の窓の外に見える花の色と同じです。ちょうど今私たちが通り過ぎているあたりの地図で、衛星写真が撮られた年もこのあたりでは花が一面に咲いていたようです。 キスタンテが咲いている所でバスを停めました(11:39)。 川と山との間が平らになっていて、そこにキスタンテのお花畑が出現しました。 一本一本もかなり強いピンクで目立つのに、これが集団になるとなかなか強烈です。 写真上 Cistanthe
longiscapa 斜面で白い花があるのを他のお客さんが見つけました。こんなにたくさん花があるのに、白いのは珍しく、ほとんどありません。 お花畑はどこまでも広がっているので、少し歩いたくらいでは終わりになりません。次々と新しい被写体が現れます。 キスタンテの間にある黄色い花はバルビシア(Balbisia peduncularis)です(写真下)。 シャボテンがたくさん生えているのを見ればわかるように、おそらくこのあたりは普段はただの砂漠でしょう。 写真上のシャボテン Austrocylindropuntia
miquelii? 写真下などキスタンテの中にあると紛らわしいが、花弁が四枚しかないし、葉や茎が違いますから、別種です。 写真下も同じピンク色なので気が付きにくいが、キスタンテではありません。昨日もLlanos de Challe国立公園の山の斜面で見かけました。 写真上 Mirabilis
acutus 私の好きなクリスタリアがここでも美しく咲いています。 写真上 Cristaria
glacilis 今回の旅行中、ここのクリスタリアが最高でした。ちょうど陽がよい角度でさしていて、まるで灯りがともったようです。 バスを停めた道路脇の側溝にもっともよい被写体があり、他の人がバスに乗りこんでも、まだ私はしつこく写真を撮っていました(笑)。 こんなふうに写真に撮るととてもきれいなのですが、花はそれほど大きくありませんから、これだけ周囲に色々と鮮やかな花があると、あまり目立ちません。 この姿をそのまま真似て、アール・ヌーヴォー調の灯りを作ったら素晴らしい。 昨日も海岸や山の斜面で見かけたアルギリアです(写真下)。昨日は黄色だけでしたが、ここは赤があります。 写真上 Argylia
radiata マメの仲間は花だけでは区別がつかないものが多く、写真下はこれまでも見たAdesmia
argenteaに似ているが、トゲがありませんから、たぶん違います。 写真下はありふれたカタバミに見えますが、チリではアタカマ州など一部でしか見られない植物です。そう言われると、とても珍しいような気がしてくる(笑)。 写真上 Oxalis
puberula 写真下はヨーロッパが原産のセイヨウヒルガオで世界中に広がっています。そう言われると、急に霞んでみえる(笑)。 写真上 Convolvulus
arvensis 水色のノラナ バスを移動させるとピンクのキスタンテに代わり、今度は水色のノラナの花が一面に咲いています(12:42)。 写真上下 Nolana
acuminata? ノラナのNolaとは小さなベルという意味で、見てのとおりで、花の形から来ています。 ノラナはチリの砂漠が原産で、カルフォルニアなど北米アメリカなどにも広がっています。 青味を帯びた薄紫が多いが、良く見ると色の濃淡が様々です。同じ株から生えているのがおもしろい。 青いノラナの周囲には黄色いエンケリアが少し生えていて、色の組み合わせがきれいです。 写真上 Encelia
canescens 石の上に座って、黄色いエンケリアと一緒に水色のノラナを眺めましょう。 花畑の斜面で昼食 ノラナの花畑を眺めながら昼食です(12:57)。 食事をしている斜面から見ると、道路の向こうに風車があります(写真下)。海からの風が吹いているから、発電にはちょうど良い。日本も最初から原発再稼働の姿勢ではなく、失敗から新しい道を切り開くくらいの意欲を持ってほしいものです。羮に懲りて膾を吹くどころか、また羮に丸呑みしようとしている。人間て本当に懲りない。 風車のさらに向こうには雪山が見えます(写真下)。たぶんアンデス山脈です。 食事をしているすぐそばに咲いていたのが写真下のパシテアです。ここでは数本しか見つかりませんでした。しかし、この後、南下するにつれて増え、やがて大群落を見ました。それは後日のお楽しみです。 写真上 Pasithea
caerulea シャボテンに花?どうやら寄生植物の実のようです(写真下)。ゲゲゲの鬼太郎に出てくる目玉親父みたいで、ちょっと気味が悪い。この後も、しばしばこの寄生植物が見られました。 写真上の寄生植物 Tristerix
aphyllus 食事を終えてバスで海の方角に進みます。山は相変わらずキスタンテでピンク色に染まっています。 山の手前の道の両側では黄色のバルピシアの大群落が山の麓まで続いている(写真下)。これもすごい。 写真上 Balbisia
peduncularis 別なノラナ 海が見えてきました。海辺に見えるのがロス・オルノス(Los Hornos)の街で(写真下右)、ここから海岸に沿って北上します。 薄紫の花がまとまって咲いているのを見つけてバスを停めました(14:30)。ノラナです。 先ほどもノラナの群生がありましたが、あれとは別種で、葉がとても小さいので区別がつきます。また色も濃い。二日前に海岸近くで一株だけ道端に生えていたのと同じノラナです。ここはたくさん株がある。 写真上 Nolana
filifolia 陽ざしを透かして見ると、灯りがともり、とてもきれいです。 写真上のように上から見ると、やや色がボケていますが、写真下のように光を透過させると光っているような透明感が出てきて、花が浮き上がって見えます。 まるで花壇にして植えこんだように、ポツリポツリとまとまって咲いています。 自分で茂みをつくることで乾燥に耐えられるようにしているのでしょう。 白花は数が少ない(写真下)。また、美しさという点では、やはり薄紫のほうに軍配が上がります。 ノラナ以外にもいろいろな花が咲いています。 ここの白いレウココリネもポツンポツンと離れて咲いています。上品な雰囲気が良いですね。 写真上 Leucocoryne
ixioides キクの仲間の花の黄色い色や形が気に入ったので、もう少しないかと探したのですが、見つかりませんでした(写真下)。 写真上 Heliotropium
stenophyllum 白い花を咲かせている茂みだと遠目には区別がつきにくいが、上と下では別な植物です。 写真上 Bahia
ambrosioides 写真下のセンナはチリ原産で、コキンボ州にのみ分布する花です。ここでは私は写真下の一株しか気が付きませんでした。 写真上 Senna
cumingii var. coquimbensis 写真下も一株しか見つからず、しかも、花が少ない。 写真下はカタバミの仲間でチリが原産です。根はニンジンのような形をしているそうです。 写真上 Oxalis
tortuosa シャボテンはたくさんあっても、花は少ない(写真下)。いつ見てもシャボテンの花はきれいですね。 写真上 Echinopsis
chiloensis subsp. skottsbergii? 写真下は、私が亀シャボテンと名付けたコピアポアの仲間で、同じ黄色い花を咲かせているが、シャボテンにしては地味な花です。 写真上 Copiapoa
coquimbana? さらにノラナ 海岸に沿って走ります。たまに民家があるくらいで、ほとんど人の気配はありません。 パトリシオさんは何か花を探しているらしく、バスを停めました(15:24)。一本だけ見つけましたが、残念ながら折れている。 ここはマツムシソウと良く似た花が咲いています(写真下)。マツムシソウの仲間だろうから、簡単にわかるだろうと思っていたら、甘かった。 写真下のエロデゥムは外来種なので簡単にわかる。 写真上 Erodium
cicutarium 写真下の花は花弁が後ろに反り返っています。虫がオシベやメシベにとまって蜜を吸うことになりますから、受粉が確実なのでしょうか。時々、「おまえ、どうしてそんな変な姿をしているの?」と質問したくなるような花があります(笑)。 写真上 Olsynium
junceum 海岸に近いせいで霧が多く、水分が十分なのか、先ほどまでと違い、砂漠という感じではありません。植物がわりと密に生えています。 写真上 Loasa
tricolor 写真上下 Bahia
ambrosioides 斜面に石垣があります(写真下)。かなりの長さで、山と斜面とを隔てているらしい。家畜用でしょうか。 この場所を下の衛星写真で見ると、この石垣が写っています。青い線が道路で、道路を横切っていることから、今の道路ができる前に作られたようです。衛星写真だと、この前後を含めて3kmほどもあります。石を動かすのは、私も一人でやったことがあるからわかるが、かなり大変です。段々畑など見るたびに、すごいなあと感心する。 写真下のように時々、放牧された家畜がいるが、それほど多くはありません。石垣まで作ったのだから、昔はもっと牧畜が盛んだったのでしょう。写真下左がヤギ、右がヒツジ、下段がウマです。 ノラナの咲いている斜面でバスを停めました(15:38)。 先ほどと同じノラナ・・・と思ったら、別な種類です。こちらはまとまって、というよりも、斜面に一面に咲いています。 たくさん群れて咲いているのも見事だが、写真下のように一輪、二輪もなかなか美しい。 写真上 Nolana
paradoxa イモムシ君がお食事中で、花弁を食べています(写真下)。幼虫は花を食べ、成虫は蜜を吸うのでしょう。私は菊の花のおひたしが好きですから、花を食べるイモムシ君に親近感を持つ(笑)。 写真下の白いレウココリネは、ここのは株も大きく、花も立派です。水分が豊富なのでしょう。 写真上 Leucocoryne
ixioides 写真下は奇妙だと思いませんか。真ん中の低木の周囲が、まるで草取りをしたかのように草が生えていない。根から毒でも出しているのでしょうか。 写真上の植物の花が写真下なのだと思うが、花が咲いているのが少ないので、自信はありません。 写真上 Frankenia
chilensis 大きな樹木こそないが、それなりに緑に覆われています。 赤いフィケラ パトリシオさんが探していた花が見つかりました(16:04)。写真下のフィケラで、先ほどは折れたのが一本しか見つかりませんでしたが、ここの岩場にはたくさん咲いています。 写真上 Phycella
scarlatina フィケラはヒガンバナの仲間で、どうやら数そのものが少ないらしい。パトリシオさんが熱心に探していただけあって、かなり珍しいようですから、しっかりと見ましょう(笑)。 写真下の個性ある形をしたトゥロパエオルムはウィキペディアでは、北部チリに分布しています。蔓状にからまっています。Pacific Bulb Societyに掲載されているところを見ると、球根植物のようです。 写真上 Tropaeolum
tricolor 写真下のバヒアは岩と合わせると庭園のような光景を作り出しています。 写真上 Bahia
ambrosioides 下のカタバミは今回の旅行では初めて見た種類のようです。カタバミなんてどれも同じに見えるので、私には区別がつきません。日本のカタバミに比べて、葉が緑が濃く、テカリがあります。 写真上 Oxalis
micrantha 午前中、斜面や谷に一面に咲いていたスキザントゥスで、ここでは数えるほどもない。 写真上 Schizanthus
porrigens ここで印象的だったのはピンク色のヤグルマギクです(写真下)。花が大きくて立派なだけでなく、薄いピンクが私の好みに合う。午前中、山の斜面にもヤグルマギクがありましたが、別種です。あれよりもこちらのほうが大きくて見栄えがします。 写真上 Centaurea
chilensis 写真下はこれまでもあちらこちらで見かけた外来種で、ここはきれいに生えそろっていました。花は大人の爪ほどで小さいが、よく見るとシャボテンの花のようでなかなかきれいです。葉の表面に白く氷粒がついているように見えます。日本でも野菜として売られているアイス・プラントの仲間です。 写真上 Mesembryanthemum
crystallinum なにせあちこちに生えているので、歩くとつい踏みつぶしてしまいます(ゴメン!)。踏みつぶすと、いかにも水気の多い植物らしい「ジャリ」という感触が伝わってきます。 岩の上にヘポツンとバルビシアが生えています(写真下左)。大きな岩の上で、とても土があるようには見えません。隙に根を張り、霧から水分を得ているのでしょう。すごい。 写真上 Balbisia
peduncularis 今日は朝から晴れて、花の撮影には有り難い一日でした。 海からの津波と雲 道の脇に意外な立て看板を見つけました。「津波(Tsunami)」の警告板です。チリは日本と同じで地震と津波の国ですから、警告板があってもおかしくはありません。ただ、周囲に人家もない原野のど真ん中にポツンとあるのは、何ともシュールです。 なんだってこんな所に警告があるのかと後でグーグルで見ると、ここは下図のように海に向かって川が流れ込み、扇状地のようになっています。湾から大きな津波が来たら、青で示した道路が標高120mくらいですから、湾から幅が狭まるにつれ、津波は速度を上げて東側にさかのぼり、簡単に到達するでしょう。 周囲の山には時々雲がかかり、霧が出ています。カマンチャカです。海から発生した雲が山の後ろに回ります。 その雲が、山の後ろに回り込み(写真下左)、だんだん増えていきます(写真下右)。 やがて山は雲に覆われました。 遠くの山にも写真左の海のほうからカマンチャカが山に登っていきます(写真下)。 やがて山はすっぽりと雲に覆われてしまいました(写真下)。 夕方になり、海からの空気が湿気を帯びているのか、遠くが霞んでみます。 (17:22) 太陽がさらに傾くと、海が薄い緑を帯びた金色に輝きだしました。 9月24日にコピアポまでの飛行機から見たのと同じ光景です。あの時はもっとオレンジに近かったが、ここのは薄い緑が混ざっている。 ラ・セレナ ロス・オルノス(Los Hornos)から国道5号を再び南下し、写真下左の山の右側を海岸に沿って進みます(17:47)。 写真下は建築中の建物で、時々こういう土台の建物を見かけました。土台がかなり細い木で支えられているだけで、地震が来たらそのまま地面に座り込むでしょう。津波対策だろうかと、パトリシオさんに質問してみたのですが、少なくともチリでは一般的な建物ではないようです。 山を越えるとラ・セレナの面している海岸が見えてきました(写真下左)。 一時間ほどして、ラ・セレナの街に到着しました(18:28)。 街の西側で海岸のすぐそばにあるホテル、ラ・セレナ・プラザ(Hotel La Serena Plaza)に到着(18:35)。 (http://www.hotelserenaplaza.cl/home.htm) 写真下右のホテルのマークには塔のようなものがありますが、ホテルの建物にはありません。実は近くにある灯台です。後で散歩の時にご紹介します。 ロビーはそれなりに広く(写真下左)、入口からまっすぐつき切ると、プールのある中庭に出ます(写真下右)。 入口の右側が、通りに面したガラス張りの部屋になっています(写真下左)。立派な椅子と机がありますから、支配人室?大きなローソクがあり、使った形跡がありますから、飾りではなく、停電対策のようです(写真下右)。 写真下は二階の廊下の窓です。樹木の葉が陰になっていて、なかなかきれいですね。 海辺の散歩 夕飯まで少し時間があるので、海辺を散歩しましょう(19:12)。犬クンがいるので記念撮影をすると、吠えられた。もちろん私は逃げる(笑)。ご覧のように、浜辺の近くなので地面は海岸からの砂で覆われています。 通りが海岸に突当った所に灯台(Faro Monumental de La
Serena)があります(写真下)。1950年代に作られた灯台で、2010年に調査と修復を終えて、観光地になっています。周囲をお城みたいに城壁が囲み、古い大砲まで備えてあります(写真下右)。大砲の上に乗っているのはただの観光客です。 ホテルのマークに使われていたのが、この灯台です(写真下右)。 若者たちはここでも熱い(写真下)。 砂浜を歩いてみましょう。浜辺はゴミも落ちてはいるが、散歩には問題ありません。夕方の海岸を、観光客というよりも市民が散歩しています。 海岸通りに面してたくさんの十階以上もある建物があり、建築中の物の多い。リゾート・マンションのようで、中には部屋の窓に売り出しの広告が貼られているのもあります。 南のほうを見ても浜辺にそってかなり先までマンションのような建物が建っているのがわかります。しかし、まだ春で海水浴のシーズンではないせいか、建物の多さに比べると、今一つにぎわないがない。何よりも驚くのが店がない。これだけ建物が建っていて人がいるなら、店がたくさんあってもいいはずなのに、コンビニ一つありません。灯台の手前に平屋の食堂兼売店があるだけです(写真下右)。どうなっているのだろう?? ホテルに戻り、一階のロビーの隣にあるレストランで夕飯です(19:45)。このレストランに入った時、私は臭いがとても気になりました。かび臭いような嫌な臭いです。原因は津波でした。二週間ほど前の9月16日の地震で津波が発生し、海岸近くのこのホテルも水浸しになったそうです。床下まで海水が入り込んだろうから、臭いが取れるまでしばらく時間がかかるでしょう。 コース料理で、海辺らしく魚介類が多く、味も問題ありません。 写真下が今夜と翌日の私の部屋です。見た目はよさそうですが、窓が木造なので隙間風が入る。広さはある程度あるのに、テーブルなど台が固定されて自由度が少なく、使いにくい。 バスタブはないのはいいとしても、シャワーヘッドが固定式なので、お湯の温度調整は大変です。問題なく、お湯は出ました。 写真下は洗面所にあったガラスコップの底です。白くなっているのは反射光ではなく、底にこびりついた水垢、おそらくカルシウムです。水はかなりの硬水で、沸騰させると、水面に細かい粉のようなものが浮いてきました。持参したコップが汚れているかと洗って、再度、沸騰させても結果は同じで、加熱用のコイルの表面が白くなりました。日本の水に比べたらかなり硬水だから、水滴がついたまま乾いてカルシウムが沈着したのでしょう。 ネット上の「トリップ・アドバイザー」でのこのホテルの予約価格が15000円ほどで、この街のホテルとしては高いほうです。設備やサービスが値段に見合わないとして、評価はラ・セレナのホテル21件中20位です。 このホテルに対する個人評価はおまけして3.5です。ネット接続はここも無料で問題ありません。隙間風、コップの汚れもさることながら、エレベーターがなく、客が荷物を二階まで持ち上げなければならないのは問題です。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |