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8日目 2015930()

オヴァイエ サンティアゴ (ダラス)

 

 

 朝、六時起床。まだ暗く、曇っています。

 今日は花を見ながら、オヴァイエから南下して首都のサンティアゴまで行き、夜の便でアメリカのダラスまで十時間の夜間飛行です。

 

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帽子がない

 七時からこのホテルのレストランで朝食。

 

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 アルパカ君は今日も庭でのんびりとしています(写真下)。ウサギは穴の中なのか見当たりません。

 

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 今日はサンティアゴの空港に五時すぎには到着したいので、出発を早めて八時です。天気は悪い。曇り空でも、日本と違い、ここでは雨にはなりません。

 

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 出発直前に私は大騒ぎをしました。帽子がない。昨日、散歩から戻って来て、部屋に置いたところまで覚えていますから、部屋の中にあるはずです。寝具をひっくりかえし、ベッドの下までのぞき込んでもなく、詰めたリュックをもう一度開けて見てもありません。諦めてバスに乗りましたが、帽子がないと困るというよりも、絶対に部屋の中に有るという確信があるのに、無いのが気に入らない()。アルパカが帽子を食べていない限り、あの部屋に有る。月枝さんたちがホテルの手続きに時間がかかっているようなので、もう一度、部屋に戻り探しました。

 

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 帽子は帯のようなベッドカバーの間から見つかりました。昨日、部屋に入って帽子を脱いで、ベッドカバーに上に置いたため、夜、薄暗い中、カバーを取る時、似た色の帽子があることに気が付かずに、一緒にまるめてしまったのです。

 

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 この帽子騒動には後日談があり、この後、アメリカのダラスの空港でポケットから出てきたのが、このホテルの鍵カードです。帽子がないと騒いでいて、返すのを忘れた・・・すまん(苦笑)。さすがに、鍵を返し忘れたのは初めてです。

 

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 オヴァイエの市街地を通過して、45号から国道5号に出て人家が見えなくなると、菜の花が両側に一面に広がっています。

 

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 写真下はブドウ畑で、畑の中まで菜の花が入り込んでいます。

 

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白いレウココリネ

 すっかりおなじみになった白いレウココリネが咲いているのが見える所でバスを停めました。天気は相変わらず。

 

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写真上下 Leucocoryne ixioides

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 直径が十センチ以上もある大きな花が、道端に置き忘れられた花束のように咲いています(写真下)

 

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写真上下 Oenothera acaulis

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 花の雰囲気がヒルザキツキミソウに似ていることからわかるように、オエノテラもマツヨイグサの仲間です。

 

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 写真下の、毎度おなじみのバヒアは花だけ見るとマーガレットを連想しますが、枝は樹木化しています。丸くこんもりとしていることが多いので、遠目には白いツツジのような印象です。

 

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写真上 Bahia ambrosioides

 

 写真下は同じキクの仲間でも黄色で、地中海沿岸が原産地です。

 

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写真上 Calendula arvensis

 

 数日前までは爆発的に広がっていたキスタンテの仲間もここでは少数派です。花弁に霧の滴がついている(写真下の下段)

 

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写真上 Cistanthe coquimbensis?

 

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写真上 Verbena berteroi

 

 花が地味だとどうしても後回しになるから、見逃している花もあるはずです()

 

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 これまでも欧州から来たエロデゥムは何度か出てきましたが、ここのは花も大きく、見栄えが良く、別種です(写真下)

 

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写真上 Erodium botrys

 

 最初写真下の植物を見た時、枯れた葉がついているのかと思いました。たぶん開花した状態のようだが、何の花なのでしょう。

 

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 蔓上に枯れ枝にしがみついて、たぶんこれで花を咲かせているのでしょう(写真下)

 

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 写真下のスタキスは今回の旅行ではほぼ毎日のように見られた花です。

 

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写真上 Stachys grandidentata

 

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 バスに乗り、さらに南下します。相変わらず、ひどい霧で、風車も霞んで見えない(写真下右)。これもカマンチャカなのでしょう。

 

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 トイレ休憩です(写真下)

 

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 花壇の植えこみに、世界中どこにでもあるゼニアオイが咲いています。私以外は誰も撮らない()

 

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写真上 Malva assurgentiflora

(“Chileflora”)

 

 

翡翠色のプヤ

 パトリシオさんの指示でバスが脇道を行ったり来たりしていますから、何か花を探しているようです。これまで十分に花を見せてもらい、今日は天気も悪く、花を見る最後の日なので、正直のところ、私はそれほど期待もせずにいました。

 何カ所か目でようやく見つかったようです(写真下)。アロエを巨大化したような植物で、花の咲いていない固体はすでに何度か目撃して、遠目にはリュウゼツランのような印象でした。三ヶ月前にカナリア諸島でリュウゼツランの花を見てちょっとガッカリしていたので、似たような花だろうからと期待はできません。撮るだけ撮っておこうかとバスを降りました。

 

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 望遠レンズでのぞいて、私はギョッとしました(写真下)。角のような物がたくさん突き出ているのも奇妙だし、何よりも花が青く、しかも今まであまり見たことがないような青です・・・なんだ、この怪獣のような花は!?

 早くもそばまで行った人がいますので、行き方を聞いて、私も突撃です。

 

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 青に緑色が混ざったような独特の色の花です。翡翠(ヒスイ)色を連想させるところから、日本名はヒスイランという名前だそうですが、もちろんラン()ではなく、パイナップルの仲間です。翡翠とは色が違うものの、花びらが石で作ったような独特の雰囲気を持っている点はなかなかのネーミングです。

 奇花という言葉がぴったりで、どこか他の惑星の花みたいです。

 

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写真上 Puya berteroniana

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 一度咲くとこの茎全体が枯れてしまうとネットにはありますが、それにしては枯れた古い葉のようなものがぶら下がっている。少なくともこのひょろ長い茎(花序)は今年生えてきたのではなく、花が咲く年よりも前からのびていることになります。

 

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 プヤ・ベルテロニアナはチリの固有種です。日本では大阪市立大学理学部付属植物園にプヤが栽培されており、2008年に六年ぶりに、2010年と、さらに2015年に五年ぶりに咲いたとあります。

(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/event/2015/vevv3g)

 葉は地面近くにこんもりとまとまって生えて、その真ん中から茎がのびて、花を付けています(写真下左)

 

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 花弁は三枚という、これまたおもしろい数です。なんといっても特徴的なのが花の色です。これをどういう色と形容すれば良いのか、迷う。良く言えば石のような、悪く言うとプラスチックのような光沢があります。この後、黄色い花のプヤを見ましたが、やはりこの翡翠色が圧倒的に私には衝撃的でした。

 

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 この日は曇り空なので、陽が当たったらもっと別な色に見えるのではないかと思い、ネットで探して見ると、プラスチックのような、というよりも、プラスチックの光沢でした()。ですから、曇り空で、この程度の光沢でちょうど良いかもしれません。

 

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 花にばかり目が行くが、花の間にあるバイキングの兜みたいな「角」は何なのでしょう?ウロコを重ねたような状態で、この角の根元から花が生えているようです。

 月枝さんからの説明を素人流に解釈するなら、次のようです。角も花を咲かせるための花茎であり、だから根元から花を咲いているのだが、どういう訳か、花茎だけがのびて、その先には花がつけない。角のウロコのように見えるのは花のための苞で、本来ならここにも花が付くはずなのに、付けるのをやめてしまったようです。

 花を咲かせないなら花茎は無駄なのだから、付けるのもやめればよいのに思うが、「この角はなかなか格好がよい」と残したのでしょうか。プヤ本人に本音を聞いてみたいものです。

 

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 角や花を良くみると、小さなハエがたくさん留まっています(写真下)。ネット上での写真ではハチドリが蜜を吸っている写真もありましたが、おそらくは受粉に最も寄与しているのがこのハエなのでしょう。花の臭いまではわかりませんでした。

 

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 プヤに圧倒されましたが、プヤだけでなく、周囲にはいろいろな花が咲いています。

 

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 昨日、ボスケ・フライ・ホルヘ国立公園でも見たシャボテンの花です。

 

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写真上 Eriosyce subgibbosa

 

 レンゲのような花の薄紫がきれいです。

 

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写真上下 Astragalus aff. cruckshanksii

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 写真下は同じマメの仲間ですが、様子はだいぶん違います。

 

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写真上 Adesmia bedwellii

 

 昨日、国立公園で見たトゥロパエオルムはここでは花の数がそれほど多くありません(写真下)

 

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写真上 Tropaeolum brachyceras

 

 見慣れたカタバミなのだが、つい撮ってしまいます。私の自宅の鉢植えにも勝手に生えている()

 

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写真上 Oxalis micrantha

 

 写真下は欧州原産のエロデゥムで、スミレのようなイメージでなかなかきれいです。もちろん、スミレの仲間ではありません。

 

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写真上 Erodium botrys

 

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写真上左 Trichopetalum plumosum

写真上中 Fuchsia lycioides

写真上右 Sisyrinchium graminifolium

 

 昨日も比較した写真下のスキザントゥスは、この三日間で微妙に花の「顔」が違います。

 

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写真上左から28日、29日、そして本日30日に見たSchizanthus litoralis

 

 写真下のハプロパップスはまるでヒイラギに黄色い菊が咲いたような植物で、実際にキクの仲間です。

 

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写真上 Haplopappus foliosus

 

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 写真下のオルシニウムは、昨日は花弁が裏返しになっていない花もありましたが、ここのはほぼ全部裏返しになっています。

 

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写真上 Olsynium junceum

 

 「ランがあるよ!」という声に、私は急いで斜面を登り、皆さんのいる所に行きました。周囲を探しても、これしかなく、ここで見つかったたった一本のランです。チリが原産で、チリ中央部に多く、珍しいようです。花弁の色が緑色だなんて、ランはおもしろい植物です。

 

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写真上 Chloraea galeata

 

 

黄色いプヤ

 今度は黄色いプヤが咲いています。青のほうがこのあたりでは珍しく、黄色が普通だという。

 

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 花の色では先ほどの翡翠色のほうがショッキングだが、黄色でもこの奇妙な形には驚かされる。どうしても私は怪獣を連想する()

 

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写真上 Puya chilensis

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 このプヤにはチリの名前が入っているように、チリの中部に生える固有種です。先ほどの翡翠色の所には翡翠色だけ、ここは黄色だけしかありません。

 

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 海岸近くの原野にプヤがたくさん生えているのが見えます。

 

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 海に沿って南下して行きます。天気は良くない。

 

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カナリア諸島のエキウム

 昼食のためにドライブインに寄りました(12:35)。花壇の花がきれいに咲いています。

 

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 日本の道の駅と比べても、かなり大きなドライブインです。

 

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 写真下のように、アルミホイル包まれたサンドイッチ、アルミ缶の飲み物、アルミのテーブルにアルミの椅子。なんとなく無機的で寒々とした感じが出ているでしょう?そのとおりで、外で食べたら、風があり、けっこう寒い。

 

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 このドライブインでショックだったのが、写真下のエキウムです。今年六月にカナリア諸島にエキウムを見に行きました。あの時は青いエキウムも栽培品で見ましたが、ここほどには花が咲いていなかった。なのに、ここではニョキニョキ、ボーボーと見事に咲いている。見に行っても良い被写体が見られないが、見る気もない所でバッタリと会う。世の中って、こんなもんだよなあ。

 

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 鳥が「何かくれないかなあ」とこちらを見ている(写真下)。弁当は食べてしまったので、すまん、餌はない。このデウーカ・デウーカという変な名前の鳥はチリの他にアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、ウルグアイなどに広く分布しています。

 

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写真上 Diuca diuca

 

 

浜辺の花

 ドライブインを出て、海辺のロス・モレス(Los Molles)に向かいます(14:00)。警察署に寄り、パトリシオさんが挨拶に行ったが、誰もいないようです(写真下左)

 

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 夏は海辺のリゾートなのでしょうが、晴れていないこともあり、人影も少ない。何もない、とても静かな浜辺なので散歩するのにはちょうど良い。

 

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 浜辺では白いサギとオオセグロカモメが強い風の中で餌を探しています(写真下)

 

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 大群落を作っていたノラナもここでは控え目です(写真下)。この花は塩分にも強いようだ。

 

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写真上 Nolana paradoxa

 

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写真上 Sarcocornia fruticosa

 

 どこから来たのか、犬が二匹、我々の周囲を元気良く駆け回っています。

 

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 この浜辺で目立つのが外来種です。写真下のフマリエはこれまでも何度も見て来たエンゴサクの仲間です。ここのは特に見事に岩の上に根を下ろし、ちょっとした風景さえも作っています。

 

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写真上下 Fumaria agraria

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 外来種はあまり歓迎するべきではないのだろうが、私はこの花をポルトガルで見かけた時からけっこう気に入っています。

 

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写真上 Fumaria agraria

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 写真下は日本でも切花に使われるスターチス(リモニウム、ハナハマサジ)です。チリにも分布するらしいが、原産地はヨーロッパからシベリアにかけてのようですから、外来種です。

 

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 昨日、菜の花の写真を撮っていた時、スターチスを積んだ車が通りかかりました(写真下)。花として出荷するために刈り取ってきたように見えます。気候的にも合っているのでしょう。

 

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 ハナビシソウ(花菱草、カリフォルニア・ポピー)が海岸の沿って咲いていて見事です(写真下)。昨日、ホテルの近くの道端よりも絵になります。外来種だが、すっかりここの風景になじんでいる。

 

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写真上下 Eschscholzia californica

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 こちらもヨーロッパからわたってきたカタバミの仲間です(写真下)

 

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 トイレ休憩で立ち寄った植え込みにも生えていたゼニアオイです(写真下)。チリの北部に分布しています。

 

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写真上 Malva assurgentiflora

(“Chileflora”)

 

 写真下のカルポブロトゥスはチリ中部に分布する花です。地面を覆い尽くして、他の植物の侵入を許しません。

 

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写真上下 Carpobrotus aequilaterus

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 28日にラ・セレナの南にあるガソリンスタンドの近くにも野生化して咲いていました。あちらはほんのわずかでしたが、ここは見事な群落を作っています。

 

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 白花が混ざっていますが、たぶんピンクと同じ種類でしょう。

 

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 写真下のナスの仲間はチリの自生種です。犬クンの先祖は海外かもしれません。

 

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写真上 Solanum pinnatum

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写真上 Solanum maglia

 

 写真下はアカシアだと思うが、雰囲気が道端で見かけたアカシアとはだいぶん違います。

 

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サンティアゴへ

 これで花の撮影は全て終了で、ここから一気にサンチャゴまで南下します(15:19)。海岸から離れると山の上はすごい霧です(写真下)。写真を撮っていると、後ろの青い車の人たちが手を振っています(写真下左)

 

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 霧だらけの山を越えて平地に下りてくると、そのカマンチャカの姿を外から見ることができます(写真下)。西の山の上に雲がかかって雪山のように見えます。毎日のように見て来たように、海からの湿った空気が山にあたってカマンチャカを作り出しているのです。

 

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 周囲の山々は黄色くなっており、昨日見た菜の花でしょう。遠くから見てこれだけ見えるのだから、現場は広大なお花畑でしょう。

 

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 周囲の山々で目立つのが黄色い菜の花とアカシアです。まるで斜面に植えたようにアカシアの木が並んでいますが、規則性が見られませんから、たぶん自然に生えたものです。低木でも山に樹木があるのは良い。それにしても独特の風景です。

 

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 バスの左側にはアンデス山脈らしい雪山が続いています(写真下)。チリはアンデス山脈の西側の細長い国だから、どこまで行っても東側にアンデス山脈があるのは当たり前なのだが、私は生まれ育った所が雪山の見える所だったので、こういう風景には親しみを感じます。

 

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 サンチャゴが近づくにつれて山が遠ざかり、周囲は畑が広がるようになりました(写真下)。ここも菜の花が咲いています。

 

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チリからアメリカへ

 ほぼ予定通りにサンティアゴ国際空港に到着(17:14)

 ここでガイドしてくれた植物学者のパトリシオさんともお別れです(写真下)。学識はもちろんのこと、誠実で穏やかでとても良い人でした。彼は昨夜の夜の食事で、自分の学生よりも我々のほうが熱心だと誉めてくれました。「先生、地球の反対側に来るのにナンボかかっていると思ってるんですか」と私は言いかけましたが、熱意ということにしておきました()

 

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 空港の、24日に到着した時と同じレストランで夕食です。相変わらず品数が多くて、選ぶのに苦労するほどです。

 

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 食後、店をぶらついていたら、コーヒーの試飲をさせてくれるところがありましたので、食後のコーヒーをいただきました。飲むことばかり夢中になっていて、チリのコーヒーなのか確認するのを忘れました。

 

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 店のモアイはジッと空中を見つめ(写真下左)、若い二人は別れを惜しむ(写真下右)。空港にはドラマがあります。

 

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 空港で見た面白い装置が写真下で、荷物をラップで丸ごと包むサービスで、一個約500円ほどです。汚れないようというよりも、中を開けられないようという泥棒対策なのでしょう。お姉さんがでかい荷物を軽々と回しながら、ラッピングしています。

 

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 機械でチェックインしようとしても途中で機械が受付を拒絶します。他の人たちも同様で、係員がカードをかざしてくれないと機械が途中で停まってしまう。しかも私を含めた二人はこれでもチェックインできず、結局、カウンターに行きました。何度もやり直した労力が無駄・・・。

 

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 飛行機は来た時と同じで、アメリカン航空AA940便で、機体はボーイング777-200です(写真下左)。結構混んでいて、残念ながら、私の隣にも人が来ました(写真下右)。約十時間の飛行でアメリカのダラスまで飛びます。

 

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 私の座席は下図の赤で示した40Aです。飛行機は北に向かって進み、これから太陽が東から出てきますから、陽の当たらない席を選びました。最初にも書いたようにこの座席の予約に9000円ほど取られました。

 

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 飛行機はサンティアゴをほぼ予定通りに離陸(21:38)9日間の短い滞在でしたが、すごい花の洪水を楽しませてもらいました。

 

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 食事です(22:47、写真下)。見た目はあまりうまそうでないのは私の写真の腕もありますが、味はそのままです()。また国際線の機内食にしては、夜食としても質量ともにイマイチです。食事を済ませているので、さほど気にはなりませんでした。

 座席予約に別料金を払うとか、食事の質を含めて、私のアメリカン航空のこの便に対する評価はC、つまり必要最小限は満たしているという意味で普通です。

 

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