トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カナリア諸島の花 6日目 2015年6月06日(土) カルデラ・デ・タブリエンテ国立公園 六時前、物音で目が覚めました。外はまだ暗く、写真下のように見えるのは七時すぎてからです。 今日は島の中央部のカルデラ・デ・タブリエンテ国立公園の散策です。昨日とは別なルートを通って島の西側に行き、まずカルデラの南側のラ・カンブレシータ(La Cumbrecita)でハイキングをして、その後、ルイス・モレラの設計したもう一つの公園を訪れ、プエルテ(Puerte)で食事をした後、ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台(Observatorio del Roque de
los Muchachos)のあるカルデラをハイキングします。 朝の散歩 七時から滝の下のホテルのレストランで朝食です。今日も無漂白の硬い黒パンを食べて元気で行こう(笑)。
昨日と同じ席に座ってボソボソしたおいしいライ麦パンを食べていると、東の雲の間から太陽が昇ってきました(写真下右)。今日も晴れ女のおかげで良い天気になりそうです。
食事の後、海岸の歩道を歩く朝の散歩に出かけました。昨日とは逆に、南のほうに行ってみます。潮水なのか、朝の霧なのか、歩道は今日も湿っています(写真下)。 写真を見ただけで、波の荒々しさがわかるでしょう。見ていると頭がクラクラしそうです。
下記の赤い線が私の朝の散歩コースです。 周囲の花はここも咲きながら枯れ始めています。 写真上 Coccoloba uvifera (The flora of the Canaries, p.78)
写真上 Astydamia latifolia (FLORA CANARIA)
写真上 Limonium
pectinatum (LA PALMA LANDSCAPES AND WILD FLOWERS,
No.929)
写真上 Schizogyne sericea (Native Flora of the Canary Islands, p.20) 写真下の植物は昨日サン・アントニオ火山の火口に小さく生えていました。
写真上 Rumex lunaria (Flora Vascular de Canarias) 昨日も火山で見た黄色いケシが幹線道路のそばに生えています。海の近くというよりも、道路のそばに生えている。
写真上 Glaucium
flavum 海岸の散歩道は南の町はずれで終わっていて、私は街中を通ってホテルに戻ることにしました。街並みがきれいです。どこにも電柱も電線も大きな看板もない。
展望台 予定どおり九時ホテルを出発。大型バスなので席順を決める必要もありません。バスの後ろはサロン風になっていて、私がここを占領しました(写真下右)。一見、写真が撮りやすそうですが、まったく逆で、つかまる所がないので、案外怖い。
写真下左はモニュメントなのだろうが、良く見てください。4本の内2本は道路の一部に立てられています。夜、知らないで走っていたら、ぶつかりそうです。
バスはホテルの北にあるサンタ・クルーズ・ラ・バルマにある展望台(Mirador de La
Concepción)に到着(9:15)。 展望台はただの展望台で、何かあるわけではありません。 南側には、斜面に住宅が広がり、昨日のタバコ農園もこの風景のどこかにあるはずです。
下の衛星写真を見るとおもしろい。ここは噴火口の跡で、この展望台は火口の淵にあります。この島のあちこちらに似たような地形がみられます。 展望台の崖の下に見える住宅街はその火口の底に作られていることになります(写真下左)。眼下の北東方向にはサンタ・クルーズ・ラ・バルマの街が一望できて、私たちが二日前に到着した港も見えます(写真下右)。
ここにもリュウゼツランがあります(写真下)。リュウゼツランはこの島に元々なかったのに、今では島中に広がっています。
写真上 Agave
sisaleana (FLORA CANARIA) リュウゼツランがすぐそばに生えているので、珍しく花をアップで撮れました。リュウゼツランはバスの中からもいつも見かけるが、意外にこんなふうにそばで写真を撮れることは少ない。
花といっても、花弁がほとんどなく、ブラシみたいにオシベやメシベらしいのがあるだけで、あまりおもしろくありません。この植物は遠くから見たほうが良い。 リュウゼツランは花を咲かせるのに十年以上もかかり、しかも花を咲かせた後枯れてしまうそうです。 グアグア・バス ラ・パルマの道路を走っていると良く見かけるのがバス停です。日本と違い、雨が少ないこの島で屋根付きのバス停があるのは素晴らしい。
写真下のように、街の他の建物と違和感がありませんから、風景に溶け込んでいます。 全てきれいで古くて傷んだようなバス停は見かけませんでしたから、よほど維持管理に力を入れているのか、それともわり最近作られたばかりなのか、どちらでしょう。
だいたい同じような黄色みを帯びた壁とオレンジの屋根ですが、写真下左ようにピンクがかったもの、写真下右のようにやや黄色を帯びたのもあります。
形は写真下左が典型で、四方の内、奥と横の二方が壁になっているような構造です。写真下右はテネリフェ島で見かけたバス停で、こちらは三方向が壁になっていて、屋根に破風があるなど、作りもちょっと違います。
壁には「GUAGUA Bus」とあるので、グアグアというおもしろい名前のバスかと思ったら、Guaguaはスペイン語でバスでした。スペイン語と英語でバスと表記されているようです。その下にマークと「Cabildo de la Palma」とあり、ラ・パルマの行政区くらいの意味ですから、このバスは公営バスです。
写真下のバス停の前の部分を見てください。坂がついていて段差をなくし、車椅子でも入れるようになっています。さらには、写真下左はたぶん太陽電池によって灯りを供給しているようです。
写真下のバス停のように、多くのバス停は道路から少し下がったところにあります。つまり、バスが停まっても他の車の通行を妨げないようにしているのです。場所によってはバスが停まれるように引き込み車線が付いていることもあります。
日本の私の住んでいる周囲のバス停にはこういう配慮はほとんどありません。そもそもこんなバス停はない。おかげでバスは交通渋滞を引き起こす邪魔者扱いです。狭いというなら、この島も斜面だらけで、けっして余裕があるわけではありません。
写真下右など、後ろの建物や樹木を見るとわかるのですが、かなりの急斜面に作られています。バス停のためにわざわざ拡張し、写真では切れて見えにくいが、道路には「BUS」と書かれた専用のレーンまであります。
写真下バス停の手前に青い看板が立っています。バスのマークが書いてあり、バス停だから気を付けるように車に警告しているのです。日本に比べて公共交通を重視している姿勢がわかります。日本も箱モノを作るなら、こういう箱を作るべきでしょう。
最近、テレビは「日本はこんなに優れている」という番組が多くなりました。しかし、ただのバス停一つを見ても、学ぶべき点はまだまだ多い。自分が一番だと自惚れた瞬間から、進歩は停まってしまいます。 カルデラでハイキング 昨日とは違う道路で島の西に向かい、カルデラ・デ・タブリエンテ国立公園(Parque Nacional de la
Caldera de Taburiente)の中にあるラ・カンブレシータ(La Cumbrecita)でハイキングをします。
峠を越えて、昨日の道に合流して、島の西側のロス・リアノス・デ・アリダネ方向に向かいます。
道の途中から右(北)に折れて進むと、山が近づいてきます。これはカルデラの外輪山の外側の山です。
下の地図を見てもわかるように、この島の中央には火山によって作られた大きなカルデラがあります。今日、私たちが向かっているのは、カルデラの南東の端にあるハイキング・コースです。 山を上り始めると、両側はカナリア松の林が続きます。地面が茶色に見えるのは土の色ではなく、松の葉が積もっているからです。写真で見ると道は平らに見えますが、もちろんかなりの坂です。
駐車場に到着(9:58)。我々はカルデラの外輪山の南東側におり、北側にカルデラの反対側の外輪山が見えます(写真下右)。下の谷がカルデラの中で、むこうの山の頂上あたりに天文台があり、午後に訪問します。
駐車場の南側の高い山が逆光になって、墨絵のようです。
軽く準備体操をして出発です。写真下で見てもわかるように、道は標高差もあまりなく、楽で、往復二キロくらいでしょうか。登山の装備が必要がない程度です。
グーグルの地図よりも、下の現地にあった看板の地図がわかやすい。これは北側から見たルートの鳥瞰圖です。出発が左側下の双眼鏡が書いてある所で、ここから右に赤い線で書いてある道を進み、右側の双眼鏡が書いてあるMirador Lomo de Las Chozasまで行きました。 カナリア松の生命力の強さを示すのが下の写真です。写真では、上に写っている松の根が土手から突き出ていて、根が深いのがわかります。
写真下ではカナリア松の表皮が分厚いのがわかります。これで山火事が起きて黒こげになっても生き残るのでしょう。
サライさんが熱心に植相や地層の説明をしてくれるが、相変わらず私は写真ばかり撮っているのでどんどん遅れてしまう。
私が遅くれて、先頭集団が見えなくなった頃、サライさんが私を呼ぶ声が聞こえるではありませんか。美人のスペイン娘に名指しで呼ばれた私は、痩せたロシナンテに乗ったドン・キホーテのような早さで駆けつけました。「姫!いかがなされた?」(笑)。
サライさんが指さし、皆さんがカメラを構える崖の先に長い棒を持った男性が一人います(写真上)。彼はこの棒を巧みに使い、ジャンプするように崖を下りていました。これはこの地方では昔から行われているやり方で、この島は山がちで、崖が多いから、道のない所などこれで降りたら楽でしょう。
彼はスポーツとしてこれを楽しんでいるような雰囲気でした。サライさんによれば、たまたま出会えたのはラッキーだそうです。彼はさらに道の下の険しい崖を下って行きました(写真上)。下るのは楽だろうが、あの棒を持ったまま登るのは大変そうだ、というのが日本人一同の感想でした。だが、やり方によっては、あの棒で崖を登ることもできるかもしれません。
非常に乾燥しているので、目立った花はありません。
ピンク色のハンニチバナがかろうじて一つだけ咲いています(写真下)。これもカナリア諸島の固有種です。
写真上 Cistus
simphytifolius (Native Flora of the Canary Islands, p.143) 花は今一つですが、カナリア松がきれいです。
ちょうど逆光になっていて、光を通して松葉を見るので、松全体が光っているように見えてます。
松林で松葉が深く積もっているので他の植物が生えない。 日本の赤松などの葉は緑が濃く、光を通すことはありません。松がこんなふうに見えるのは初めてです。
終点の展望台から来た道を引き返します。
出発地点まで戻り、約一時間のハイキングは終了です(11:06)。 バスで山を下りて、麓にあるビジター・センター(Centro de visitantes de el
paso Caldera de Taburiente )を訪問しました(写真下)。カルデラ・デ・タブリエンテ国立公園(Parque Nacional de la
Caldera de Taburiente)を紹介した設備です。
センターから先ほど私たちがハイキングしたラ・カンブレシータ(La Cumbrecita)が東に見えます(写真下)。写真下の窪んでいるあたりが駐車場で、その左側の山を散策しました。 庭にはエキウムの一種が植えてありますが、花はほとんど終わっています(写真下)。たぶん今まで見たことがないエキウムだとは思いますが、花がほとんどついていないので、名前までは良くわかりません。
館内では島について地学的な成り立ち、動物、植物などが紹介されています(写真下)。 この施設の重要性はトイレです。ハイキング・コースにはトイレはありませんから、男性は良いとして、女性は困ります。今回、カナリア諸島を旅行して、さすがに観光を売り物にする島だけあって、トイレの設備はかなり充実しています。
ルイス・モレラの設計した公園 バスは、昨日訪問したロス・リアノス・アリダネの市街地にはいらず、その南にあるルイス・モレラ (Luis Morera)が設計したもう一つの公園を訪ねました。昨日、ロス・リアノス・アリダネ市内で見た「アントニオ・ゴメツ・フェリッペ地方公園(Parque Municipal Antonio
Gómez Felipe)」と同じような公園を案内してくれるというのです。私は大いに期待しています。 着いた所は、昨日のような街の中ではなく、郊外の幹線道路のそばです。ここもすごい。
公園の名前はLa Plaza de La Glorietaで翻訳機にかけても、「四角の四角」「四角の二乗」などという奇妙な翻訳しか出てきません。案外、本当にそんな意味かもしれません。
道路向かいの普通の公園で遊んでいた女の子2人が来ました。こういう不思議の国にはアリスが奇妙に似合う。
ここも草花の像だけでなく、カナリア諸島の植物がふんだんに植えられています。この公園の説明でもガウディを模倣したとありますが、昨日も申し上げたように、ガウディとの違いは本物の植物を用いていることです。
床のモザイクも良い。昨日の公園のモザイクよりもデザインも色もおとなしく、日本人の私にはこちらのほうが好みに合います。
周囲はそれほど住宅も多くなく、唐突にこの不思議な世界が広がっています。写真下のオレンジ色の屋根は近くの民家です。 ネットで検索すると、公園を作る前や作っている様子の写真がありました(写真下)。工作をみんなで楽しんでいるような雰囲気です。1993-1996年にかけて作られたというから、昨日見た公園よりかなり古い。二十年たつとたいていどこか傷んだりするものだが、ここは植物を含めて、そんなことはありません。おそらく周囲の住民の協力もあるのでしょうか、しっかりと管理されているのが好ましい。
写真上(http://cuevadelasmanchas.blogspot.jp/より転載) 公園の遊び心に大いに私は感動しながらも、先ほどから一つかなり気障りなのがあります。写真下を見てください。公園に隣接する北側の建物の白い屋根です。著しく公園の景観を傷つけています。写真を撮る上で非常に邪魔です。あまりの無粋さに蹴飛ばしてやろうかと隣まで行きましたが(笑)、黒い鉄の下は空っぽで、そもそも何のための建物かわからない。
下のGoogleの衛星写真の真ん中にあるのが公園で、問題の屋根は北側にあるテニスコートの部分です。衛星写真は古く、この屋根が作られたのは2014年のようです。(http://cuevadelasmanchas.blogspot.jp/) 周囲の家も街灯も、写真下のようにおしゃれで、公園の景観の一部にさえなっています。唯一、この白い屋根だけが猛烈に場違いです。 帰国後、検索してみると、どうやらこの景観が変だと問題になっているらしく、下のようなネット新聞「La Voz」(声)の記事を見つけました。翻訳機にかけても何を言っているのか意味がわからないが、カナリア諸島の人から見ても、あれはおかしく見えるらしいことに私は妙に安心しました。何でもいいから、あの屋根を早いところ取り除いてほしい。 ネット上の新聞「La Voz」(声)に掲載された記事 お母さんと会った 公園の見学を終えて、昼食のために海岸に沿って北上します(12:13)。 海岸に向かってバスが下りる途中、サライさんがどこに電話しました。すると道路脇の家から女性が出てきて手を振っています(写真下)。サライさんのお母さんだという。つまり、ここがサライさんの自宅らしい。昨日はたまたまだが、サライさんのお父さんと叔父さんに会い、今日は家にいるお母さんに会いました。現地のガイドの家族一式に会ったのは初めてです。 サライさんがラ・パルマ島の住人であることはとても今回のツアーでは役立ちました。その一つが四日間のこの島の観光の順序を彼女の助言で変えたことです。地図で予定を立てるのと違い、実際の移動時間を知っているサライさんが、全体の見直しをしてくれました。そのおかげで、この島での観光はスムーズに進みました。「お母さん、あなたは美人でとても良い娘を持っている」。 海岸近くになると、車の走る両側にはどこもここもバナナ農園が広がっています(写真下)。
海岸に面したタザコルテ(Tazacorte)の街の中を通過します。こういう田舎町も街並みの統一が取れていて、小奇麗です。日本もこんなふうに、ちょっと散歩してみたいと思うような街並みをつくれないものですかねえ・・・。
タザコルテから五分ほど海岸に沿って車を走らせてプエルテ(Puerte)に到着。ここは防波堤を作り、海水浴場もあるリゾート地という雰囲気です。
下の地図を見てもわかるように、砂浜はそれほど広くはなく、街も小さい。 海岸で日光浴している人たちを見ると・・・アラッ!トップレスの若い女性がいます。私は自分の目玉に「見てはいけない」と命じたのですが、私の警告を完全無視しています(笑)。
背景の建物を含めて海岸が日本よりもずっときれいです。日本は海岸近くまで屋台があり、派手な看板や音楽まで流して、客寄せに必死です。でも、ここにはそんなのはない。写真下左のおじさんがボーッと座っている。これがここの雰囲気です。
昨日も、カナリア諸島に赴任した大使館員の文章を引用しましたが、日本ももう少しこういう余裕のある豊かさをカナリア人から学んだ方が良いような気がします。
海岸近くのモンテカルロというレストランで昼食です(写真下)。
天井が円くなっているのは船底のイメージです。私たち以外は客はいません。
私は毎度アップル・タイザーを注文(写真下左)。南アフリカ原産なのにどこのレストランに行ってもあるのがおもしろい。日本でいえばコーラ並だが、店の飲み物の選択肢にコーラはありません。
海の近くだけあって海産物の料理がメインです。
食後、近くのスーパーで買い物です。入口は小さいが、奥が広い。
うまそうなチーズを安く売っている。日本も早く自由化してほしい。TPP(環太平洋連携協定)でようやく自由化されるかと期待していたら、乳製品は例外になるという。
ここでもエキウムの蜂蜜を探しましたが、ありません(写真下右)。なくてよかった。あったらまた買ってしまったかもしれません。
エキウムの群生 食事を終えて、プエルテからカルデラの山頂付近の天文台を目指します。海抜0メートルから、一気に2400mまで上ります。午前中行ったラ・カンブレシータとは、カルデラをはさんで反対側です。 上の地図を見てもわかるように、プエルテがカルデラの一番端にあるのがわかります。そのカルデラの急斜面の崖をジクザグに上っていきます(写真下)。 崖を上りきると、周囲にはバナナ農園のビニールハウスが見えます。
さらに高くなると、昨日訪れたロス・リアノス・デ・アリダネの街が見えます(写真下左)。街の真ん中を広い道路が走っていますが、一番奥のあたりに蜂蜜を買った市場があります。
街を通りすぎると(写真下左)、やがて住宅もなくなり、ブドウ畑などがある斜面を登っていきます(写真下右)。
標高は千メートルを越えて、カナリア松の間をますます高度を上げていきます(写真下)。
高度を上げるにつれ、カナリア松の下に黄色い花が目立つようになりました(写真下)。
マメ科の仲間で、これだけあったら、蜂蜜が大量に取れそうです(写真下)。蜂蜜は街で良く売られているのに、蜜を採取しているのを今回は一度も見かけませんでした。
高くなるにつれてカナリア松もまばらになった頃、斜面の上に奇妙な物が見えました。バスの中から見たのが写真下の光景です。なんだ、これ?エキウムのように見えるが、それにしてもニョキニョキととんでもない数です。
当然、バスを停めてくれました。バスを下りて、急ぎ足で斜面を登ると、そこにびっくりするような光景が広がっていました。 写真上下 Echium
wildpretii (Native Flora of the Canary Islands, p.160) 一本生えていても奇妙なのに、それがニョキニョキとたくさんのエキウムが生えています。どこかの別な惑星に紛れこんだとのかと思うような奇観です。 写真下の全体が緑なのは、まだあまり花の咲いていない個体です。つまり、私たちはここのちょうど良い時期に来たようです。
エキウムの足下に生えている放射状の葉が花の咲いていないエキウムです。この真ん中から花がにょっきりと生えてきます。 周囲に、葉から花が塔が立ち上がる中間の個体がないか探したのですが、見当たりません。つまり、葉だけの株と、花をつけている株にきれいに分かれている。ここから推測するなら、葉だけの株はこれから花を付けることはなく、今年は栄養を貯めるだけなのでしょう。6~7年栄養を貯め続け、ある年、一気にこの塔のような花をつける。
葉だけの株は葉が上を向いているのに、花の株の葉は下に垂れ下がっています。また、塔の下部では花の間に葉が着いています。葉の真ん中から花の塔が出てきて、葉を一緒に引きずり上げるような成長の仕方をするのでしょう。
花の塔の多くは人間の背丈を越えているが、花そのものはかなり小さい(写真下)。ミツバチと比較すればわかるように、ミツバチが頭を突っ込むのにちょうど良いくらいの大きさです。
花の付き方を見ると、単純に花が先に着いているのではなく、茎のようなものの先に、花が三つくらいずつついています。中には花が咲いている隣に花の蕾や咲き終えた花も見えますから、どうやら、それぞれの茎の先に花を次々と咲かせていく構造のようです。
花の色は遠目にはピンク色ですが、それは花弁の中心と雌しべなどの色で、花弁そのものは薄いピンクで、咲き終えた花弁はやや薄紫のような色をしています。
花が最盛期なのか、ものすごい数のミツバチが飛んでいて、羽音がすごい。たぶん何種類かいるのだろうが、飛び回るので、目の悪い私にはどれも同じに見えます。
身体をねじってダンスをするエキウムもあります(写真下)。強風で倒れかかり、バランスをとるために曲げたのでしょうか。
エキウムは花を咲かせると終わりのようですから、来年にここに来ても、たくさんの枯れたエキウムが見られるだけでしょう。オオウバユリと良く似ています。 失敗したのは、人を一緒に写していないことです。私は集合は一番遅いのに、この時は真っ先にバスを下りて、斜面を駆け上がりました(笑)。これは風景に人が入る前に写真を撮るためで、作戦は成功してほとんど人が写っていません。そのおかげで、花全体の大きさがわからない。唯一、人が写っていたのが下の写真です。人の背丈よりも大きいのがなんとなくおわかりでしょう。 天文台 エキウムの群落があったあたりが森林限界で、やがて樹木はなくなり、天文台(Roque de los Muchachos)のある山頂付近では、ますます黄色い花が一面に広がるようになりました。
写真上 Adenocarpuis viscosusまたは Genista benehoavensis (SOPHY) こんなにたくさん生えているのだから、花の名前は簡単にわかるだろうと甘くみていたら、意外に難しい。結局、「La Vos」というラ・パルマのネット新聞の記事から、たぶんこれだろうと推測しました。
カルデラでのハイキングに備えて、天文台の手前でトイレ休憩です(15:56)。カラスがいる(写真下)。サライさんが餌をやっています。日本では嫌われ者のカラスもここでは、害獣ではなく、鳥とみなされているらしい。
駐車場の隅に黄色い花以外の花があります。マツムシソウに似ています。
ロケ・デ・ムチャチョス天文台(Roque de los Muchachos)には各国の天体観測機器が集まっています。
写真下は電波望遠鏡かと思ったら、表は鏡ですから(写真下右)、光学望遠鏡らしい。露天で鏡が曇らないのだろうか。
カルデラのハイキング 駐車場で軽い準備体操をして、ハイキングに出発です(16:17)。駐車場から出発して、火口の内側にある展望台まで往復します。下の衛星写真でもわかるように、左側の緑色の植物が見えるのが火口の外側で、右側の土が露出しているのが火口の内側です。火口の内側に向かって突き出た尾根に沿ってハイキング・コースが作られています。 高度が高いだけで、晴れて、道は整備されており、目的地の展望台が向こうに見える程度ですから、たいした距離ではありません。
荒涼とした火口の内側の急斜面にもたくましく植物は花を咲かせています(写真下)。 一面に咲いている黄色い花にも二種類あるのだそうです。ただし、ちょっと見た目には区別がつきません。写真下のが一般的で数が多いほうです。
写真上 Adenocarpuis viscosusまたは Genista benehoavensis (SOPHY) 現物を見た時には区別がついたが、写真に撮ってしまうと区別がつきません。
黄色い花についで良く目にするのが白い花です。
写真上 Spartocytisus
Supranubianus (Native Flora of the Canary Islands, p.162) カルデラの内側にエキウムが二本生えています。 写真下左(写真上と同じ)のエキウムのそばには去年の枯れた花が見られます。花が咲いたら、翌年には周囲には咲かないということはなさそうです。写真下右のエキウムは身体を捻じ曲げながら、崖にしがみつくように咲いています・・・ガンバレ!
花の写真を撮りながらなので、私はいつものように最後尾をノロノロと付いて行きます。
ハイキングの終点の展望台にあっという間に到着(16:36)。 展望台から下をのぞくと、ここから先も整備された道が見えますから(写真下)、前は行けたのでしょうが、今は閉鎖されています。
乾ききった山の上ですが、先ほどからの黄色い花やエキウムなど、道の両側にもそれなりに花が咲いています。
Erysimum
Scoparium (Native Flora of the Canary Islands,p.161)
写真上 Descurainia bourgeauana (The flora of the Canaries, p.50) 写真下もエキウムの仲間で、高山植物らしい強い青が印象的でした。 写真上下 echium gentianoides (SOPHY)
カルデラを下りる 火口のハイキングを終えて、バスで戻ることになりました(16:59)。火口の外側に沿って道は続いており、あたりは一面のお花畑です。
写真上 Adenocarpuis viscosusまたは Genista benehoavensis (SOPHY) 島の北東側は雲に覆われて、下が見えません(写真下)。テネリフェ島から見た時、北側が雲で覆われていたあの光景です。天文台があるくらいだから、これらの雲がこの標高まで来ることはないようです。
ロス・アンデネス展望台(Mirador de Los Andenes)で停まりました。ここもカルデラの火口の縁です(17:17)。
途中でカナリア松の中でトイレ休憩です(17:39)。午前の陽ざしもそうだったが、午後の陽ざしを通してもカナリア松の葉はなかなかきれいです。
やがて眼下にサンタ・クルス・デ・ラ・パルマの街並みが見えてきて(写真下左)、18:40にホテル到着(写真下右)。
八時からホテルのレストランで夕食です。
明日はいよいよラ・パルマでの最後の観光です。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |