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カナリア諸島の花

8日目 2015608(月)

テネリフェ島の観光

 

 

5:45にモーニングコールで起床。

今日はラ・パルマ島ともお別れで、飛行機で最初のテネリフェ島に戻ります。

 

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 テネリフェ島では、サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ(San Cristobal de la Laguna)で市内観光をした後、イコッド・デ・ロス・ビィノス(Icod de los Vinos)の溶岩洞窟(Cueva del Viento)と竜血樹公園(Parque del Drago)を見ます。観光を終えて、プエルト・デ・ラ・クルス(Puerto de la Cruz)のホテルに泊まります。

 

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ホテル側に交渉して6:30からレストランを開けてもらい、朝食を取りました。だが、ゆっくり出来ないので、急いで食べたら、もたれた()

 

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いつものように、私が最後にロビーに下りて、バスに乗り出発です(7:13)

 

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ラ・パルマ空港(Aeropuerto de La Palma)はホテルから五分ほどもかからない海岸にあります。毎日、飛行機が飛んでいくのをホテルの窓から見ていました。

 小さい島だから、便数も少ないのではないかと思ったら、午前中の出発だけでも10便もあります。私が住んでいる近くにあるローカル国際空港など丸一日で出発だけなら十便もありません。

 

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 空港は広く、ランニングができるくらいです()。写真下右の椅子の配色がスペインらしい。

 

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 空港で面白かったのはトイレです。写真下をご覧ください。ステンレスの清潔なトイレなのだが、便座の相当するものがない。たぶん、このまま座って用を足すということなのだろうが、私は試してみる勇気が起きませんでした()

 

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 私たちが乗る飛行機が到着しました(8:05)。ビンター・カナリア(Binter Canarias)という、名前からしてカナリア諸島を結ぶローカル航空会社です。飛行機はATR (Aerei da Trasporto Regionale or Avions de transport régional)というフランスとイタリアの航空会社の作った双発プロペラ機ATR72です。もちろん、私は初めて乗ります。

 

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プロペラ機なのでとても楽しみにしていました。二十年ほど前に台湾で一度プロペラ機に乗りました。猛烈な騒音と振動なので長時間は乗りたくないが、短時間なら、いかにも飛んでいるという感じがして、おもしろい体験でした。しかし、さすがに今回の旅客機は二十年前と違い、多少うるささはあるものの、ジェット機とそれほど違いはありませんでした。

ローカル航空であることも入れて、この航空会社のこの便への個人的評価はBで、やや満足です。

 

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着陸やり直し

 機内はほぼ満席です(写真下左)。飛行機に乗り込んだものの、動きません。テネリフェの気候が悪いというアナウンスが入ったとサライさんが説明してくれました。こちらの天気は曇りだが、それほど悪くは見えません。離陸する前に、おしぼりと飴が配られました(8:51、写真下右)

 

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ようやく飛び立ちました(9:23)。上空は厚い雲に覆われている。離陸後、まもなくお菓子が配れました(9:33、写真下右)。飛行時間は三十分ほどですから、急いで配らないと着いてしまう。

 

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 まもなく窓の外にテネリフェ島のテイデ山が見えてきました(写真下)63日にロープウェイで登った山です。私が手を振ると、山頂の人たちが手を振って・・・そんなわけはない。

 

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 島の上の雲だけが切れて、テネルフェの全体が見えてきました(写真下左)。飛行機はぐるっと回って、東側にあるサンタ・クルス・デ・テネリフェ(写真下右)から島に入り、いよいよ着陸と思ったら、高度を上げてしまいました(9:50)。写真下右の港の上空を旋回しています。機体がそれほど揺れることもないので、強風が吹いていることはないと思うが、ここは島なので、気象状態が一筋縄ではいかないのでしょう。

 

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 空港付近の風の状態が良くなく、再度着陸を試みるが、これがダメなら、島の南の空港に行くというアナウンスがありました。先ほどのサンタ・クルス・デ・テネリフェのほうから再び着陸を試みます(写真下左)。客室内が緊張しているのがわかります。

 

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二度目は無事着陸して、機内から拍手が起きました(10:11)

 到着したのは62日に降り立ったテネリフェ北部空港(Aeropuerto de Tenerife Norte)です。飛行機から降りて、ターミナルまで歩きます。飛行機の脇腹から荷物を積み替えており、自分の荷物が見えるので、ここで受け取りたい()

 

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市内観光

 大型バスに乗り、空港のあるサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ(San Cristobal de la Laguna)の市内観光に出発です(10:31)。今日も私は最後部を占領しています(写真下右)

 

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 下の衛星写真のように、空港は街のすぐそばにあるので、観光地までの移動は簡単です。赤で囲った部分が観光した市の中心部です。

 

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 下の赤い線が散策経路です。右下の公園(Plaza del Adelantado)から出発して、途中Casa Alvarado Bracamonteなどを見ながら、左上の教会(Parroquia Matriz de Nuestra Señora de la Concepción)までを往復します。下の衛星写真を見てもわかるように、オレンジ色の屋根瓦で街並みは統一され、とてもきれいです。

 

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 バスを降りた公園(Plaza del Adelantado)は真ん中に噴水と樹木があり、涼しげな公園で、あまり人がいない(写真下)

 

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 公園近くで、ボディに派手な絵が描かれた車があります(写真下)。なんとタクシーです。わかりやすいといえばわかりやすい。

 

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 公園から西に向かう道を進みます。

 

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 最初に立ち寄ったのが、Casa Alvarado Bracamonteです(写真下)

 

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 玄関を通り抜けると(写真下左)、樹木の生えた中庭に出ます(写真下右)。ネットで見ると、El Capitán General de Tenerifeというのだから、たぶんテネリフェの総督でしょうか、お偉いさんだったdon Diego de Alvarado Bracamonteという人が1624-1631年頃に建てたらしい。四百年前の建物がまだ現役です。

 

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 由来はどうあれ、保存状態が良く、今でも市長やユネスコ関係の事務室として使っているそうです。私たち以外は観光客もおらず、静かなので、しばらくベンチで庭を眺めていたいような所です。

 

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 木陰になっていて、庭の植物が涼しげで、きれいな回廊だなあと周っていると・・・なんだ、これ?ゾウさんとキリンさんだとは思うが、表面にある模様は子供の落書きにしか見えない(写真下)。子供たちの発想で装飾させようとしたのかもしれないが、企画は失敗で、ひどく場違いです。

 

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 壁の幾何学的な模様のタイルはイスラム文化の影響でしょう。こちらは落書きと違い、きれいです。

 

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 窓一つにも模様がはいっていて素晴らしい。右側の鶴の図柄はなんとなく日本的です(写真下)

 

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 外に出て、さらに通りを西に進みます。この街も、ラ・パルマの街と同じように、街全体の調和は取れているのに、建物は個性を競っています。

 

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 街の中心の通りですが、それほど人は多くありません。

 

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 ここの建物にも、ラ・パルマと同じ屋根のついた黒いバルコニーが見られます。

 

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 観光の名所であるだけでなく、市民の憩いの場にもなっています。椅子に座って、お茶を飲みながら、通り行く人たちを眺めるのも楽しそう。

 

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 道端で商売している人は意外に少ないのが、ちょっとさびしい。見かけたのは絵描きとギター演奏の二人だけです(写真下)

 

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 フッと目線を感じて見ると、ショウ・ウンドウの中から美しいお姉さんがこっちを見ている(写真下)。こういう新しい物があっても違和感なく風景の中に溶け込んでいます。

 

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 街の通りは伝統的な物を大切にする一方で、写真下のような看板も取り入れているのがスペイン人らしい。

 

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 通りの建物が全部きれいかというと、写真下のように落書きが放置されたままの建物も少数だが見られました。

 

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 白バイとパトカーはスペインにしてはデザインがイマイチです。

 

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 観光の二つ目は教会(Catedral de la Laguna)です。と言っても私はあまり興味がないのだが、とにかく入ってみましょう。写真下中の看板は教会ではなく近くの喫茶店の看板です。

 

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 入口には寄付を求める子供がいます・・長年ご苦労様(写真下左)

 この教会は五百年ほど前に建てられたもので、おもしろいのは2002-2014年に修復されたのだが、その時、写真上左のドームの復元にポリプロピレン繊維などの材料が使われたようです。もちろん、世界でも類例がないそうです。簡単に言えば、プラスチック製です。

 

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 カトリックですから、どちらかというと人気はやはりイエスよりもマリアです(写真上右、写真下左)

 

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熱心に祈る人たちがいる中を、私のような信仰心もない人間が写真だけ撮っているのは大変申し訳ない、と思いながらも、写真だけ撮ります()

 ステンドクラスがきれいだが、教会を出るといつもホッとします。宗教を問わず、あの建物と装飾の重圧感が私は苦手です。

 

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 外の明るい陽射しが良い。こういう街中の通りにも街路樹に竜血樹があります(写真下)。見てのとおり、昨今植えたものではありません。離れた所から撮っているから大きさがはっきりしませんが、写真下左など巨木といっていもいいくらの大きさがあります。何度見ても、形がおもしろい。日本でもどこかで植えてくれないだろうか。

 

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写真上 Dracaena draco

(Native Flora of the Canary Islands, p.104)

 

 散策の終点にある教会の塔が見えてきました(写真下左)Parroquia Matriz de Nuestra Señora de la Concepciónという長ったらしい名前の教会です。塔の高さは28メートルあるといいますから、高い所に登りたがる何とかと煙の一人である私が登らないはずがない()

 

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 石や木でできた階段を登ると写真上で見える最上階よりも一つ下の階、たぶん六階にたどり着きます。

 さすがに眺めは良い。写真下は私たちが歩いて来た東の方向です。

 

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 周囲の住宅地なども緑が豊かで住み心地が良さそう。屋根の色と緑がマッチして風景がきれいです。

 

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 覗き見をするつもりはなくても、近くの家のベランダなどが丸見えです・・・すみません。スペインらしく洗濯物は外に干してある。

 

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 オレンジ色の瓦屋根が統一感があってとても素晴らしい。

 

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 突然、四方の窓にぶら下げてある鐘が鳴り出しました。写真下の鐘の横に丸い頭のついた棒があり、これが電動式の鐘突き装置です。タイマーで自動的に鐘を叩くようにしているのでしょう。

 

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 塔の外壁に植物がへばりついています(写真下)。写真下右などは、ラ・パルマでも良くみかけた葉ボタンのような植物です(別種)。これを私は見上げるように撮っていますから、どこからか種が飛んできて、ひさしの上の隙間に根を下ろしているのでしょう。瓦屋根の上にも植物が生えています(写真下右)

 

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写真下左は屋根の上に、写真下右は街の通りに面した家の壁にへばりついて花を咲かせています。ベランダから手が届く位置にありますから、わざと放置してあるのでしょう。植物にとっては岩場のような環境なんでしょうね。まさか建物の壁で初めて見る種類の植物があるとは思っても見ませんでした。

 

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写真上 Aeonium holochrysum

(SOPHY)

 

 塔から下りて、せっかく入場料も払ったのですから、教会も入ってみましょう(写真下左)

 

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 ここも中心はキリストではなく、マリアです。写真上右のマリア像は通りの壁に埋め込まれていたものです。祈りの中心にマリアをまつることに、何か違和感はないのでしょうか。もっとも、仏教も、お釈迦様はどこかに追いやられ、空想上の神仏や後世の教祖たちが真ん中に祭られていることもあるから、いずこも同じらしい。ただキリスト教と違い、本来の仏教ではお釈迦様は拝む対象ではありません。

 

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 ここもステンドグラスがきれいです。

 

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 ここから出発点の公園まで引き返します。外は日差しが強いので、中庭が涼しく見える。

 

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 ポルトガルでも良く見かけたタイルで作ったアズレージョです。

 

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 写真下左はエキウムかと思いましたが、花の形を見ると、どうも別種のようです。

 

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 ガラスのない窓には犬が、銅像の頭には鳥が、そして牛革バッグの店には牛がいます(写真下)

 

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昼食

 バスで移動して、空港の西側にあるレストンEl Nerviosoで昼食です。店内は庶民的な雰囲気で、他にも客がたくさん食事をしています。

 

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 レストランのマークは、マントを着て羊の群れ連れた牧童です。この島では羊なんて見たこともないが、いるんでしょうか。メニューにも羊飼いの図柄が使われています。

 

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 料理については、御覧のように、庶民的だと言っておきましょう。

 

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  写真下は店の駐車場に咲いていた花で、栽培品種ではなく、たぶん雑草でしょう。

 

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溶岩洞窟の見学

 これから溶岩洞窟の見学に島の西に移動します。車は島の北側の自動車道を南西方向に軽快に走ります(写真下)。景色の向こう側は海です。このあたりはバナナ畑でなく、ブドウ畑が良く見られます。

 

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 道はテイデ山側の坂道を登り始めます。

 

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 テイデ山に近づいているのか、坂道がだんだん急になっていくのがわかります。

 

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溶岩洞窟のクエバ・デル・ビエント(Cueva del Viento)に到着。写真下がビジター・センター(Centro de Visitantes)で、ここでまず溶岩洞窟について説明を受けます。

 

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 この施設は改修工事なのか、閉鎖されているそうだが、日本からわざわざ来たということで、特別に案内してもらうことになりました。ですから、私たち以外は見学者は全くいません。そのせいか、説明係の研究者は非常に熱心に火山や溶岩、そしてどのように洞窟が出来るかを説明してくれるのだが、素人相手にしては話が長い()。おまけに私の隣に立っていたもう一人のガイドのオジサンが汗臭い()

 

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 蒸し暑い部屋から出て、洞窟見学のために、街の中の道を登ります(写真下左)。見上げると、洞窟を作った溶岩を吐き出したテイデ山がそびえています(写真下右)63日に登ったあの山です。

 

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 道路と建物の角度を見ればわかるように、このあたりの街の坂はかなりきつい。自転車で上り下りしたい坂ではありません。

 

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 下の衛星写真を見てもわかるように、この地下に溶岩洞窟が連なっていることは地形の上からまったくわかりません。

 

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 てっきり洞窟の入り口は立派な門があるのだろうと思ったら、道路から、写真下左の畑の石垣を乗り越えて、いきなり写真下右のようなヤブの中に入っていきました。案内されなかったら、入口はまったくわかりません。これは敵が攻めてきたら、隠れ家に良い。

 

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 狭い入口を一人ずつ入ります(写真下)。少し進むと、そこからは人が立ったまま歩けるような大きな空間になっています。たぶん足元は歩きやすくしたのだろうが、まるで人工的に掘ったようなトンネルが続きます。これが溶岩が流れて自然にできたというのだから、すごい。

 

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 全員がヘルメットとヘッドライトを配布され装備しています。私は帽子の上に斜めにヘルメットを付けたので格好がおかしいと言われました。正直のところ、たくさんの人が使って汚れているヘルメットを頭にかぶる勇気がないからです。

 

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 これが溶岩が通過することで作られたトンネルで、全体しては17kmもあるというのだから驚きです。

 

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 表面は岩が溶けた跡のように見えます。天井には水滴が付いています。

 

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 この洞窟の驚きが写真下で、木の根です。天井のあちらこちらから、ぶら下がっています。根を損傷しないために、けっして触れないように注意を受けました。天井に水滴がついているくらいだから、根が出せるくらいの湿度が保たれているのでしょう。根があるくらいだから、きっといろいろな生き物もいるのでしょう。

 

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 洞窟の奥で、一分間灯りを消し、全員沈黙して、暗闇の静寂とはどのようなものかを体験しました。私は怖がりなので、夜寝る時も真っ暗にはしません()。目を開けても何も見えず、音も聞こえず、周囲にいる人の気配さえも消えてしまうことに驚きました。ああ、怖かった()

 

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 これらの洞窟はせっかくなのだから、ワインの貯蔵庫とか、チーズを熟成するのに使ったらいいのではないか。溶岩ワイン、溶岩チーズなど、特産品にして売るのはどうでしょう。

 

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写真上 Eruca vesicaria

(La Gomera Landscapes, Flora and Fauna, No.509)

 

 外に出てホッとしました。蒸し暑いが、やはり明るいほうが良い。周囲の畑や空き地に様々な花が咲いていて、洞窟よりも私はこっちほうが良い。お口直しにきれいな花をどうぞ。

 

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写真上左 Lathyrus tingitanus (La Gomera Landscapes, Flora and Fauna)

写真上中 Opuntia ficus-barbarica (The flowers of the Canaries, p.62)

写真上右 Tropaeolum majus (The flora of the Canaries, p.60)

 

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写真上 Galactites tomentosa

(LA PALMA LANDSCAPES AND WILD FLOWERS, No.580)

 

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写真上 Argyranthemun adauctum

(Native Flora of the Canary Islands, p.140)

 

 

竜血樹の巨木

 溶岩洞窟見学を終えて、テイデ山の坂を海のほうに下りて、イコッド・デ・ロス・ビィノス(Icod de los Vinos)の街中にある有名な竜血樹を見に行きます。

 

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 ほどなくイコッド・デ・ロス・ビィノスに到着(16:37)。駐車場から石畳を歩いて公園に向かいます。

 

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街の看板には竜血樹が使われています(写真下左と中)。また、まだ竜血樹が街路樹として植えられています(写真下右)

 

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 公園の南側にある入口から入ります(写真下左)。写真下右が竜血樹公園(Parque del Drago)の敷地を表した地図です。上が北になるように逆さまにしてあります。

 

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公園の地図から推測すると、下の衛星写真の左下半分の緑の部分が公園のようです。

 

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 入場券売場を入ってまっすぐ進むと、すぐにそれとわかる大きな竜血樹が見えてきました(写真下)。年齢は千歳ということで、千年竜血樹(El Drago Milenario)と呼ばれているが、実際は千年はたっていないだろうとのことでした。竜血樹はリュウゼツラン科のドラセナ属で、日本でも仲間の観葉植物が市販されています。いずれも竜血樹のような樹木というイメージではありません。

 

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写真上 Dracaena draco

(Native Flora of the Canary Islands, p.104)

 

 カナリア諸島を旅行した人の旅行記にはたいていこの竜血樹の写真が掲載されます。しかし、全員がぼやくのが、写真に撮ってしまうとその大きさが十分にわからないという点です。写真下の人の写った写真を見ると、かなり巨木であることがわかると思います。高さ22mで、建物でいうと6階建てくらい、幹の下の部分の最大直径が約10m、推定の重さは70tです。

 

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 近くによって樹木を良くみるとだいぶん傷んでいるのがわかります(写真下)。明らかに治療を加えるべきレベルです。ここには樹木治療の専門家がいないのかもしれません。日本から樹医が行って治療してはどうでしょうか。

 

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 公園の一番のウリはもちろん竜血樹なのだが、他にも島の様々な植物が植えてあります。

 

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写真上左 Antirrhinum majus(The flora of the Canaries, p.58)

写真上右 Limonium sventenii (Native Flora of the Canary Islands, p.100)

 

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写真上 Argyranthemun adauctum

(Native Flora of the Canary Islands, p.140)

 

 写真下は石垣の上から垂れるように咲いていた植物で、小さいが特徴ある花を咲かせています。

 

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 オッ!トカゲ君ではないか(写真下左)。こちらもドラゴンです。今回の旅行では何度もトカゲを見かけたが、他の所で見たよりも青色が少ないから、メスかもしれません。カナリア諸島ではトカゲは愛されているらしく、近くの土産物屋では色とりどりのトカゲがたくさん売られています(写真下右)

 

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写真上 Gallotia galloti

 

 公園を出て、バスのある駐車場まで街並みを見ながら戻ります。

 店の前で客寄せをしている男女の人形がいます(写真下)。私も横に並んで壁に寄りかかり、一緒に客寄せしたらどうだろう、と考えましたが、考えるだけにしておきました()

 

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写真下右の観光用の服装がたぶん民族衣装ですから、招き人形の服装がこの島の民族衣装ではなさそうです。

 

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 公園の周囲は一般住宅が広がり、一部は土産物屋があります。

 

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 街の中も花が咲いていてきれいです。

 

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 竜血樹を最後に本日の観光も終わりです。と言うか、これでカナリア諸島の観光はすべて終了です。

 

 

ラ・パロマ・アデュー

 バスで来た道を戻り、島の中ほどにあるプエルト・デ・ラ・クルス(Puerto de la Cruz)のホテルに向かいします。道は海岸に沿って北上します。

 

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 三十分ほどかかって海辺のホテル(H10 TENERIFE PLAYA)に到着(18:07)

ホテルはラ・パルマと同じH10グループのホテルです。あたり一帯はリゾートらしく、ホテルがたくさん建っています。朝早く起きて疲れているので早く部屋に入りたいのだが、手続きに時間がかかっているようです。

 

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 待っている間にロビーの見物です。エレベーターの周囲を青い模様のタイルで飾っています(写真上右)。ポルトガルのアズレージョ、スペインではアスレホと言います。展示物を見ると、このホテルは優れたホテルとして何度も選ばれているようです(写真下)。どういう機関から選ばれたのか良くわからないが、この種の表彰状がたくさん飾ってあります。

 

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 食事は七時半で、一時間ほど時間があります。疲れていて、一休みしたいところだが、観光の最終日で、明日の朝は早いから周囲を散策する時間はありません。私は荷物を部屋に放り込むと、地図を持ち、早足で出かけました。日本でグーグルのストリート・ビューを使ってこのホテルの周囲を「散歩した」ので、どこのあたりが繁華街か知っていました。便利な時代だ。

 海岸に沿って観光客用の散歩道があり、店が並び、多くの観光客か散歩しています。下の衛星写真が私の散歩コースです。

 

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 ホテルから岬の先端がプールのある公園のようになっているのだが、ホテル専用なのか入れません。

 

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海岸に沿って西のほうに遊歩道がのびていて、観光客が散歩しています。

 

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店だけでなく、道端で商売する人たちもいます。道端で商売をしている人たちはアフリカ系の人が多い。

 

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写真下左でロロ公園(Loro Parque)とあるので、虹色のペンギンさんが、この海外通りはロロ公園だと言っているのかと思ったら、ロロ公園とはここから南に少し行ったところにあるテーマ・パークのようです。

 

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 通りの店にも、毎度見かける天井のついた黒いバルコニーが付いています。

 

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教会の近くの階段で銅像の真似をするパフォーマンスと(写真下左)、ギターの演奏をしている人がいます(写真下右)。昔なつかしいいくつかの曲を弾いており、十分に鑑賞できる演奏です。大道芸の人たちに小銭を寄付しました。もちろん、銅像はお礼を言いました()

 

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 演奏していたのは「ラ・パロマ・アデュー(La paloma adieu)」でした。若い頃、好きだったミレイユ・マチュー(Mireille Mathieu)の曲です。彼女はレコード時代のシャンソン歌手です。エディット・ピアフの再来などと言われたことありましたが、ピアフの愛に生きた激しい人生に比べたら、マチューはまったく男の噂さえもないという対照を見ればわかるように、彼女の歌には色気がない(失礼)。声を張り上げて歌う曲は得意だが、しっとりとした曲は全滅です。

 

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 その中で比較的しっとりと歌っているのが『砂の城(Les chateaux de sable)』と『ラ・パロマ・アデュー』です。『砂の城』はNHKのフランス語講座に使われたこともあるそうで、日本人には人気があったようです。歌詞の意味はよくわかりませんが、曲想からして、たぶん両者ともに失恋の歌でしょう。You Tubeにあるようですから、皆さんも聞いてみてください。

 

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 ラ・パロマと隣の島のラ・パルマとをかけて演奏しているのではあるまいか、なとど、明日にはこの島をアデュー(さようなら)する予定の私としては感傷的に聞いていました。

 

 

最後の夕飯

 ホテルに戻り、七時半からホテルのレストランで夕飯です。ホテル自体も混んでいるせいか、客が多い。

 

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 ここもビュフェ形式で、種類と量も多く、選ぶのに苦労するほどです。

 

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 レストラン側が日本人の団体さんのためにと寿司を準備してくれました。写真下右はショウガ、醤油、ワサビです。一個いただきましたが、お気遣いだけいただきました。

 

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 本日の私の部屋です(写真下)。部屋は広くも狭くもありません。写真下の窓の下は腰くらいの位置なので、下手すると窓から落ちます。手すりを取り付けないと危険です。

 

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 ラ・パルマと同じH10グループのホテルだから、設備が似ているだろうと思ったら、かなり違います。洗面台とバスが狭い(写真下)。青いタイルでおしゃれで、しかも三面鏡なっているが、狭い。バスタブも日本人には違和感がないが、普通の洋式のバスタブとしては長さが短く、寝転がることができません。清潔さは問題ありません。

 

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ホテルは混んでいるらしく、他の大半の人たちは一階で、私が八階、もう一人が七階でした。ごらんのように眺めは悪くありません。ここに滞在するのは十時間ほどで、しかも大半が暗い時間ですから、眺めはさほど重要ではありません。写真下の真ん中方向が、さきほど私が散歩してきた海岸通りです。

 

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他のホテルの場合と違い、騒音はありませんでした。ネットもなんとか接続できました。暑いのでエアコンを付けたが、ほとんど効果なしで、窓を開けました。評価としては4.0としますが、エアコンがホテルとしての必要条件を満たしていないので、かなりオマケしています。四つ星ホテルだが、室内の点検をする時、エアコンの電源を付けてみるだけで、冷暖房が本当に効くかどうか確認していないのでしょう。

 

 

 

 

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