トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カナリア諸島の花 10日目 2015年 6月10日(水) ドバイ → 成田 マドリードからの飛行機は予定よりも三十分ほど遅れてドバイ国際空港(Dubai International Airport)に到着(ドバイ時間0:51、スペイン時間22:51)。時間を2時間進めて、日付が変わり6月10になりました。 ここで関西組の5人と添乗員の小場さんとお別れで、成田までは関東組の5人でドバイから成田行きの飛行機に乗ります。別にどうということはないのだが、今まで添乗員にオンブにダッコだったので、ちょっと緊張します。 ドバイ空港は十日ほど前に来た時と同じで、真夜中なのに大勢の人がいます。 飛行機はエミレーツ航空EK-318便で、同じボーイング社のB777-300です。 座席は予約したとおりの49Aです(下図)。窓側のトイレに一番近い席なので、嫌うだろうという予想どおりに、隣の座席は人が来ませんでした。先ほどの座席が左側だったのに、今回は右にしたのは、飛行機が東に飛び、太陽はもっぱら右から差し込むだろうと予測したからです。写真を撮るのに逆光はあまりありがたくない。 おもしろいのが機内に乗り込む時にもらった縮小版の毎日新聞です(写真下)。手に入れたのは現地時間の午前二時、日本時間の午前七時ですから、日本とほぼ同じ時間にその日の新聞を読んだことになります。エミレーツ航空では前日の夜十時頃に成田をたちますから、その時に荷物として積み込むか、あるいはドバイで印刷するか、どちらかなのでしょう。縮小されていること、印刷された文字の粗さから見て、後者ではないかと思います。 ゲートが予定時間よりも早く開いたわりにはその後は遅れました。離陸は02:50の予定だったのに一時間ほども遅れて3:58でした。機内に入ったのが2時頃、そこから離陸するまで機内で丸二時間も待たされました。 なんで遅れたのか、日本語のアナウンスもなかったので良くわかりません。エミレーツ航空は日本人も重要な客らしく、客室乗務員も日本人が五人いました。また、空港の待合室でも日本語によるアナウンスがありました。 一時間ほどして食事が出て、私は和食を選びました(4:49)。カナリア諸島なら朝の八時近くですから、朝食です。 昨夜は5時間しか寝ていないので眠いのに眠れない。そこでぼんやりと映画を観ました。『インターステラー(Interstellar、2014年)』というSF作品で、人類が滅亡の危機に瀕し、新しい惑星への移住のために探査をすることを基軸に、親子や人間関係が様々に描かれた169分という大作です(下図左)。 もう一本は、『魔法にかけられて』(Enchanted)というディズニーのお伽噺です。こちらは選んだと言うよりも、日本語吹替えの映画が少なく、選択の余地がなかったからです。 エミレーツ航空にお願いだが、ぜひ日本語の字幕スーパー版を作ってほしい。映画は充実しており、数は少ないが日本語吹替え版もあります。しかし、字幕スーパー版が一つもない。おもしろいもので、吹替えてしまうと登場人物の性格まで違ってみえることがあります。 (Wikipediaから転載) 雪山大絶景 カナリア諸島なら起床時間をずいぶんすぎていますから、私は眠れません。飛行機は東に向かっていますから、外は間もなく明るくなり始めました。 窓を開けて外を見ていると、これを閉めろという。睡眠時間だからということらしいが、それなら配られたアイマスクをすれば良いだけです。いろいろな航空会社がそろって、「強制的お休み時間」をやります。窓を閉めさせ、機内を暗くするのは、客のためというよりも、客室乗務員が客に寝ていてもらいたいのでしょう。 しかし、私のように眠れず、できれば外の風景でもながめて時間をつぶしたいという客にとってはまったく有り難くない。しかたないので、映画でも観て時間つぶしをすることにしました。映画はしっかりと作ってある作品で長丁場なので、目を休めるために窓をちょっとだけ開け・・・ナ、何だ、これは! 雪をかぶった山々がはるか彼方まで続いています。私は眠気など一気に吹き飛び、うっとうしいイアホンを放り投げ、あわててリュックから一眼レフを取り出して、撮影を開始しました(6:23)。 さっき窓をのぞいた時は雲がかかって何も見えなかっただけに、まさか快晴の雪山が目の前にあるとは想像もしませんでした。そうか、この飛行機は大雪山を越えていくのだ! 6月1日に成田からドバイまでの経路を見ると同じコースです。しかし、夜中に飛んでいるので、雪山を越えているとは気が付かなったのです。2012年にジョージア(グルジア)に行った時に乗ったカタール航空も、帰国は今回と同じようなコースでした。しかし、この時も夜の便で、しかも通路側だったので、まったく気が付きませんでした。私は何度もこの雪山の上を通過していたのだ! 私は写真を撮りたいのでカメラのレンズの大きさ分の最小限の窓を開けるが、それでも両側の隙間から光が入ってしまいます。そこでカメラのレンズに毛布を乗せて、隙間を最小限にしました。毛布をかけて写真を撮っている格好がおかしかったのか、客室乗務員からカメラを指さして笑われました。後で気が付いたのだが、後ろの客室乗務員のいる非常口の窓から撮ればよかったのです。 それにしてもこんなすごい光景をこの飛行機の客の大部分が見もしないという現実に私はまたまたビックリ。気のきく機長だと「〇〇が見えます」など案内してくれるのだが、客の多くは睡眠中ですから、起こすつもりはないでしょう。私のカメラのシャッター音に気が付いた前の席の客が窓から見て、彼もカメラを取り出して撮影していました。 写真上の飛行機のモニターから推測した経路が下記です。山脈などの位置はいい加減ですから、信用しないでください(笑)。飛行機はパキスタン国内をアフガニスタンとの国境に沿って北上し、そのまま山を越えて、中国に入いるようです。 飛行機はアフガニスタンとの国境ギリギリに飛んでおり、私は飛行機の左側の座席ですから、上の地図でいくと、ヒンドゥークシュ山脈、カラコルム山脈、さらには奥のパミール高原を見ていることになります。これらの山々は標高がいずれも四千~五千メートルです。 これまでも飛行機の上からチベットの雪山など見ましたが、ここまですごい光景は初めてです。 こんな雪山に飛行機が落ちたら、生き残ったとしても助からないなあ、などと物騒なことを考えながら、どこまでも続く雪山を見ていました。 飛行機が進むにつれて、それまでは一面の雪山だったのに、雪山の間に岩肌が見えるハゲ山が出てくるようになりました。 写真下左の雪山を最後に、ほとんど雪が見えなくなり、遠くが砂煙のように曇るようになりました(6:49)。 山の向こう側はどう見ても砂漠で、国境を越えてタクラマカン砂漠に入ったようです。 上から見ると、山が砂漠の砂で埋もれてしまったようにも見えます。 飛行機で飛びながらも似たような風景がどこまでも続くのだから、どれほど広い砂漠か。これをラクダで旅した人たちがいたのだから、スゴイ。 ひたすらだだっ広いのだが、写真下右などは川がに流れているように見えます。 砂漠の上空をひたすら進むと、たまに、白い雪をかぶった部分があります(8:23)。タクラマカン砂漠とチベット高原の間にある山脈ではないかと思います。 たくさんの雲が現れたと思ったら(写真下左)、まもなく緑の山地が現れ、砂漠は終わりました(写真下右、9:33)。結局、砂漠の上を二時間半以上も飛んでいたことになります。 成田の緑 映画で宇宙旅行をした後に雪山の大絶景とそれに続く砂漠の風景に興奮したせいか、疲れがどっと出て、私は二時間ほど眠ったようです。食事で起こされた時には中国をすぎて黄海の上空にいました(写真下、11:16)。朝食なのか昼食なのかよくわからないまま、日本食を選んで食べました。ご飯の他にクロワッサンがついているのがおもしろい。 昼食を取ったような気分ですが、ドバイとの時差が5時間ですから、日本時間では四時すぎです。 夕暮れの成田の上空から見ると、日本は緑が多いなあという印象です(写真下)。ドバイもスペインも乾燥しているので茶色が多い。ヒマラヤやゴビ砂漠は言うに及ばずで、この緑を日本はもっと大事しないといけません。 ドバイを一時間遅れて出発したが、成田には予定よりも三十分程度の遅れで到着し(17:53)、十日間の旅も無事終了です。 晴れ女のおかげで主な観光はすべて晴れて順調でした。添乗員の小場さんもてきぱきと仕事をこなし、参加者たちも協力的で、私は皆さんから日本のお菓子をたくさんいただきました(笑)。 カナリアは日本から遠いこともあり、観光客は少ないようです。たしかに往復の飛行機は長く、楽とはいえませんが、観光地としては素晴らしい所です。 八時間の時差のおかげで、私はこの後、一週間ほど時差ボケに悩まされました。 参考のために主な旅費を掲載します。成田での駐車業者をまた変えました。変えた理由は料金です。時期的に客が少なかったせいか、往復ともにスムーズでした。帰りなど、空港の待ち合わせ場所にすでに車が来ていて、待ち時間はゼロでした。
トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |