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      クリンジ 12年に一度しか咲かないインドの花

3日目  2018910()

カース高原

 

 朝6時頃に起きました。外はまだ薄暗い。室温はエアコンがなくても24℃ですから、快適です。

 

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 今日もまた昨日行ったカース高原に行き、花を見る予定です。

 

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 朝の散歩に出かけます。ここは大都会ではないので、緑があります。地元の人たちも散歩している。なぜか散歩しているのは男性ばかりです。

 

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 道端には雑草が生えて、花を咲かせています。

 

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 道のそばにきれいなタチアオイやカンナのような花が咲いているが、そばまで行けません(写真下)。雑草の生い茂るドブ川のそばに咲いていて足元が見えず、トイレになっている可能性があるので、近寄れない。

 

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 インド中というよりも世界中に広がっているランタナです(写真下)。きれいな花だが、はびこるので嫌われ者です。今回の旅行でも、ほぼ毎日、インドの国花かと思うほど、どこでも見かけました。インドの固有種を駆逐しています。

 

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写真上 Lantana camara

 

 道のそばに写真下のような原野があるので入ってみました。途中で、向こうからバイクに乗った人が来たので、私は愛想よく「Good morning !」と挨拶をしました。彼は挨拶を返した後、後ろでバイクを停めて、私のほうを不審そうに見ていました。

 

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 彼が私をジロジロと見た理由がわかったのは、ここの植物が整列して植えてあることに気が付いたからです(写真下)。私はてっきりアシかヨシが密生しているのかと思ったら、たぶんサトウキビで、畑の持ち主が他人の畑に勝手に入り込んで写真を撮っている変な奴を見ていたのです()

 

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 写真下右はナスの花のように見えます。ここはサトウキビが植えてある畑だから、残っていても不思議ではありません。

 

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 写真下は道端の樹木の上からぶら下がっている花で、絵になります。

 

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 写真下のミモザは中央アメリカ原産です。インドでは広く分布し、標高1700mでも見つかっているそうです。

(Flora of the southern western Ghats and Plains,p.390)

 

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写真上 Mimosa pudica

 

 写真下のイヌタデはアメリカが原産でインドや東南アジアなどの熱帯にまで広がっています。平野から標高1000mくらいまでの水辺に育つそうで、ここの水辺とは下水溝です。

 

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写真上 Persicaria glabra

 

 写真下の花弁の先だけが赤くなっているのが、何とも言えずきれいです。

 

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 写真下はメキシコあたりが原産で日本にも来ているアザミゲシです。朝早いせいか、花が開き切っていない。

 

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写真上 Argemone mexicana

 

 

昨日と同じ道を行く

 ホテルに戻り、7:30からレストランで朝食・・・まだ準備中です()

 

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 8:30ホテルを出発。昨日と同じ道をたどり、市内を避けて、国道48号から市の南側を迂回して田舎道を通ります。

 

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 通勤や通学で人通りは多い。

 

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 道に沿って写真下のような店が開いています。写真下左は食べ物屋で、インド人は朝食をこういう店で取る人がいるようです。

 

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 写真下右の少女は隣の黒いタンクの水で洗濯をしています。ここは水が豊富なのに、水道の普及はまだらしい。

 

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 道端の樹木で日本ではまず見られないのが写真下で、樹木から気根がたくさんぶら下がっている。インドでこういう樹木ではベンガルボダイジュが有名だが、これはそれなのだろうか?

 

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 サタラ市内の南側からカース高原への斜面を登ります。斜面にも個人の家やリゾート施設らしい建物があり、眺めは抜群でしょう(写真下)

 

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 道端にツネフネソウの群落が見られます(写真下)。坂道には群生しているほどなのに、山の上の台地に出てしまうと、だんだん数は減ってしまう。たかだか20kmほどの距離だが、山の上と中間でも植生が違う。

 

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黄色のお花畑

 スミシアのお花畑です(写真下)。昨日も同じ所を通過した時も咲いていたが、これほどではありませんでした。モヒテ教授によれば、この花は午後には花を閉じ始めるからだそうです。

 

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写真上下 Smithia hirsute

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 遠くから見ると黄色の花なのに、中心部に赤い模様がついて、ちょっとひょうきんな顔をしています

 

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 地元ではKavalaと呼ばれ、またミッキーマウスとも言われています。

 

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 せっかくのお花畑なのに、後ろの建物が邪魔だ。周囲のホテルなどは私有地だから規制するのは難しいのでしょう。しかし、調べてみると、ここはむしろ風景が良くなったのです。

 

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 ここはLandmark Parkという公園らしい。手入れはされていないらしく、傾いたベンチが花に埋もれて残っているので、かろうじてそれとわかる程度で、言われなければ野原のお花畑です。

 

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 写真下左はペンギン型のゴミ箱で、写真下右の青い小屋は中に椅子があり、休憩所にしては小さすぎる。ネットでこの公園のことを調べて、この青い小屋の「ありし日の姿」を見つけました。

 

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 写真下左がネット上にあった青い小屋の現役時代の姿で、遊園地の列車です。列車の後ろに写っている建物が、私が撮った写真下右の左端に写っています。建物の位置からすると、このお花畑をほぼ一周するように線路が引かれ、今は花の下に埋もれている。

 

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 この公園は花を保護するために作られたものではなく、元々は遊戯施設がある遊園地として作られたのでしょう。ところが、客足がのびず廃園になり、列車はモーターのついている先頭車両だけ持ち去り、箱にすぎない客車は放置された。空き地になった所に、元々この土地に生えていた花が増えて、大群落を作り出した。

 

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 私たちの見ているお花畑は、遊園地の鉄道の跡地であり、施設の運営がうまくいかなかったことでできたらしい。

 

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 スミシアが咲いているのは鉄道の跡地だけでなく、隣接する敷地にもお花畑を作っています。南側に見える湖はUrmodiダムです(写真下)。カース高原は南にこのダム、北にKanherダム、西にKaasダムに囲まれています。

 

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 当然、周囲はミツバチの羽音がすごい。足や背中に赤い花粉を付けています(写真下)

 

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 教授もバサントさんもお花畑の中で記念撮影をして、はしゃいでいます(写真下)

 

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 お花畑の周囲には、来る途中の道端にも群生していたツリフネソウが咲いています。来る途中は群落していたのに、ここでは多くありません。

 

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写真上 Impatiens balsamina

 

 私の家の庭にも咲いているただのホウセンカなのに、ここに咲いていると「別人」のように見える()

 

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カース・ロードの花

 お花畑から道に沿ってゆっくりと歩いて花を観察します。晴れていて、散歩にはちょうど良い。

 

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 写真下は昨日もちょっと見かけたセネシオの仲間です。

 

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写真上 Senecio grahami

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 写真下は上のシネシオと似ていますが、大きさはずっと大きく1mくらいあり、花も大きい。

 

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 ツユクサは日本のそれと似ていますが、花の色が日本のほうがより青が強い(写真下)。海外でもツユクサは時々見かけるが、日本のツユクサの青い色は素晴らしい。

 

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写真上 Commelina clavata

 

 写真下はインドのアーユルヴェーダと呼ばれる伝統医学で使われる薬草で、リューマチや痛みに効果があります。道端に何本かあったが、花が咲いているのは一本だけでした。開花時期は10月から4月で、まだ咲初めです。

 

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写真上下 Hygrophila auriculata

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 写真下は日本ではノゲイトウと呼ばれ、関東から西では見られるそうですが、私は見たことがありません。薄いピンクが青空と合う。

 

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写真上 Celosia argentea

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 写真下のような花は日本では見かけません。Cyanotisの仲間はアフリカ、南アジア、北部オーストラリアというから暑い地方に分布するようです。

 

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写真上下 Cyanotis concanensis

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 この花を印象的にしているのはオシベなのかメシベなのかわからないが、黄色い葯と白い毛でしょう。

 

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 写真下はピンク色が普通で、一つだけ白がありました。

 

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写真上下 Justicia latispica

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 写真下はコマツナギの仲間です。マメ科の仲間はそうでなくても似たようなのが多くいのに、コマツナギ属は熱帯や亜熱帯を中心に750種類もあると聞いただけで、名前を特定しようという意欲がなくなる()

 

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写真上 Indigofera dalzellii

 

 写真下の水色の花は数が少ないから、これからが開花時期なのでしょう。学名を見てもわかるように、ラベンダーの仲間で、この植物から採れたオイルには抗菌作用があるといいます。

 

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写真上 Lavandula bipinnata

 

 台地なので川らしい川はなく、たまに写真下左のような池があります。道端に象頭のガネーシャを祭った小さな寺院(Ganesh Mandir)があります。南インドではガネーシャはとにかく人気がある。

 

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 写真下左奥に見えるのがカース高原の北にあるKanherダムです。

 

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 歩いたのは大した距離でもないのに、次々と色々な種類の花が見つかります。インドはまだモンスーンの時期ですから、植物にとっては一番の成長時期なのでしょう。

 

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写真上 Plectranthus mollis 

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 写真下は観賞用に売られているオリヅルランの仲間です。

 

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写真上 Chlorophytum glaucoides

 

 ヒルガオやアサガオの仲間は道端の茂みに良くみかけても、写真下ほど濃いピンク色の花はここでしか見ませんでした。

 

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写真上 Argyreia elliptica

 

 写真下はBlue Fountain Bushと呼ばれ、高さ14mになる低木で、葉や根が薬用に用いられます。

 

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写真上 Clerodendrum serratum

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ラブラブの二人

 広々とした草原に出ました。写真下右ではまだ新しいペイントで何か文字が書いてあるが読めない。ただ、樹木と風景の絵が描いてありますから、自然保護のための公園かもしれません。

 

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 写真下は日本ではイボクサとして知られている花の仲間です。日本のイボクサは田んぼなど湿地帯に生えています。ここのは環境のせいかとても小さい。

 

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写真上下 Murdannia simplex

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 写真下は写真上と同じイボクサの仲間で、これも数は多くないが、あちこちで見かけます。

 

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写真上 Murdannia lanuginosa

 

 写真下は、筒状に長くのびた奇妙な花で、探すとそれなりにあるのだが、アサガオみたいに朝咲いてしぼんでしまうらしく(写真下右)、咲いているのを探すのに苦労しました。

 

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写真上 Ramphicarpa longiflora

 

 写真下など目立たない花だから、図鑑からは探し出せませんでした。

 

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 あら!草原の花畑の中にラブラブの二人がいますよ(写真下)。インドでは珍しい光景です。それに、普通は男性がひざまずいて女性の手にキスをするんじゃあるまいか(写真下右)

 

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 珍しいのも当然で、撮影です(写真下)。雑誌などの撮影ではなく、結婚する二人の記念撮影でしょう。しかし、男性が周囲と同じ黄色いシャツで、女性が地味な色の服装って、おかしい。男は地味な服装にして、彼女は肌色に合った赤など原色の服にすれば絵になります。

 インド人女性によるブログ「Kaas, The Enthralling floral Plateau」では、カース高原に花を見に行くなら、服装は白、青、オレンジなどで、地味な服装だと写りが悪いとありました。この意見に賛成です。

 

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 心地よいカース高原をスクーターは疾走する(写真下)。前述のインド人女性のブログでは、サタラ市内からカース高原までの20kmほどにはガソリンスタンドがないから、ガス欠に気を付けろとありました。

 

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 写真下は学名にminorとついているくらい小さな花です。解熱用に使われるそうです。

 

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写真上下 Swertia minor

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 ヒゲをはね上げたような緑色のランです(写真下)。この西ガーツ山脈だけでなく、ヒマラヤから東南アジアなど広い範囲に分布します。日本では本州以南に分布し、ムカゴトンボと呼ばれています。

 

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写真上 Peristylus densus

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 一時間ほど散策した後、バスに乗り移動します(10:55)。さわやかで天気が良い。

 

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 写真下の樹木の幹が黒くなっているから、何年か前にこのあたりで山火事があったのでしょう。範囲は狭いから、小規模な被害で済んだようです。樹皮は焼かれてしまったが、何とか生き延びたのでしょう。

 

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 昨日と同じKaas Holiday Resortに立ち寄りトイレ休憩です(11:05)。前述のブログを書いたインド人女性はここに泊まっており、良かったと評価しています。カース高原の花を見るのに立地条件は申し分ないが、部屋数が10しかないので、私たちのようなグループでの宿泊は難しい。

 

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お花畑に到着

 カース・パーサーに到着して、昨日と同じチケット売場でバスを降ります(11:28)

 

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 昨日は道路の南側のトレイル2を池のあたりまで散策しました(下地図)。今日は道路の北側のトレイル1を散策します。

 

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 昨日と同じように、こちら側でもピンク、紫、白などの花がお花畑を作っています(写真下)。昨日と違い、柵はありませんから、写真は撮りやすい。昨日のトレイル2とは道路をはさんで反対側ですから、生えている植物はほとんど同じです。

 

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 通路には柵はありませんから、自由に入れそうですが、監視員がしっかりと見張っていて、笛を激しく吹いて警告します。写真下左の男性はそれだとすぐにわるが、写真下右の日傘をさしたオバサンがまさか監視員だとは誰も気が付かない。

 

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 遠くからはピンク色に見えるのが昨日も大群落を見たツリフネソウです(写真下)。近づくと、ピンクではなく、赤紫です。

 

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写真上 Impatiens oppositifolia

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 白いホシクサは単独ではイマイチだが、写真下の下段のように他の花と混ざると引き立て役になってくれます。

 

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写真上 Eriocaulon sedgewickii

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 「シータの涙」は写真下の下段のように紫の色の濃い花や白い花がほんの少しあります。

 

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写真上 Utricularia purpurascens

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 今日も家族連れが多く、皆さんとても楽しそう(写真下)

 

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 監視員がいることもあり、皆さんのマナーは悪くありません。

 

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水辺の花

 教授が指さし、皆さんが見ているのは水辺に咲いているV字型の花です(写真下左)。写真下右のカメラの先にあるのだが、水の中なので、これ以上、近づくことができません。

 

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 そろそろと手をのばし、何とか撮ったのが写真下です。周囲にある細長い葉がこの植物の葉です。

 

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写真上下 Aponogeton satarensis

 

 一般にはVayturaと呼ばれ、学名にサタラの名前が入っているほどで、ここなど西ガーツ山脈の北部の池にのみ分布します。開花時期は78月ですから、私たちはぎりぎり間に合った。だから、数も少なく、見られたのはここだけでした。

 

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 水の中という特殊な環境に生えているのを見てもわかるように、この地域でも減っていて、2010年から絶滅危惧種に認定されています。カース高原の南に50kmほど行った所も花畑で有名でしたが、風車の建設で池が埋められ、この花が激減したと言われています。

 

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 写真上と同様に、水溜りの近くに生えていたのが写真下です。この花も西ガーツ山脈にのみ生えています。この花を引っこ抜いたネット上の写真を見ると、一つの根から何本もの茎が立ち上がって、花をつけているようですから、地上部の本数と実際の本数は一致しません。白花もあるらしい。

 

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写真上下 Pogostemon deccanensis

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 ここの地面は岩の上に土が乗っているだけなので、岩場の窪みなどに水が貯まりができています。こういう浅い水辺に群生していますから、根の部分は水の中にあります。この植物は背がそれほど高くありませんから、水が深くてもダメ、水がなければなおさらダメで、おそらくこのカース高原の特殊な環境に適用しており、生態系が少し変われば真っ先に絶滅するでしょう。

 

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 写真下は数の上ではあまり見かけませんでした。ツリフネソウの赤い花が群生しているので、見まちがえる。

 

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写真上 Rotala fimbriata

 

 写真下の花の説明には、しばしば西ガーツ山脈の崖の端に生えているとあり、ここはそのままで、写真の奥は崖です。

 

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写真上 Pinda concanensis

 

 写真下の花は岩の間に良く生えていますが、岩場ではないこんな場所にも生えています。これも写真上と同じ所に生えていて、花の向こう側は崖です。岩場や崖っ淵のような厳しい環境を選んでいるようです。

 

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写真上 Neanotis lancifolia

 

 写真下はシャボテンのようなトウダイグサの仲間です。どちらかというと乾燥した地域に多いが、前にインド北部のヒマラヤにある花の谷に行った時、手前にあるルドラプラヤグ(標高610m)の川のそばに生えていました。パキスタン、インド、ネパール、ブータンに分布するというから、ここからは離れた地域です。飛び地なのか、ここにはしばしばこういう植物があります。樹液は白血病などに効果があるとされ、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでも使われています。

 

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写真上 Euphorbia royleana

 

 写真上の乾燥を好むトウダイグサの後ろの樹木の間に生えていたのが、写真下の湿気を好むシュウカイドウです。両方が近くに生えていることがここの環境を表しているのでしょう。

 

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写真上下 Begonia crenata

 

 写真下の花の学名にあるpanchganiensisはこの花が確認されたPanchganiという地名に由来しています。Panchganiはサタラの北西45kmほどのイギリス人によって開発された避暑地で、イギリス人がヨーロッパの植物の種を持ってきて植えていたといいます。花好きの彼らがPanchganiでこの花を見つけ、欧米の学会に報告して登録したのでしょう。

 

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写真上 Habenaria panchganiensis

 

 写真下の花は西ヒマラヤからインド、そしてスリランカまで分布し、ネットで掘り起こした全体像を見ると、根は球根です。

 

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写真上 Dipcadi montanum

 

 午前中の草原でも写真下のCyanotisの仲間がありました。草原にあったのは探すのも大変なほど小さかったが、こちらは茎の長さは大きいと1m近くもあり、より目立ちます。紫の毛の上に黄色いオシベの葯の配色が絶妙です。根が咳や糖尿病への薬草としても使われています。カース高原では810月が開花時期とありますから、ちょうど今がそうです。

 

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写真上下 Cyanotis tuberosa

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 写真下は昨日と同様にたくさん生えているので、つい撮るのを忘れてしまうだけでなく、数のわりには良い被写体が少ない。学名のHitcheniaはショウガの仲間だそうで、同じように根に栄養を貯めるのでしょう。写真下段左は頭頂部がピンク色で、数は少ない。

 

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写真上下 Hitchenia caulina

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 蝋細工のような花を付けています。写真下は昨日のよりも大きくて花も真っ盛りです。

 

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写真上 Paracaryopsis coelestina (Adelocaryum lambertianum)

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 二人の人生もカース高原のように花がたくさん咲いているといいですね(写真下)

 

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「今、忙しい」

 花畑の西にカース湖があるので、そちらで食事を取る予定でしたが、離れた駐車場にいるバスと連絡がつかず、そこまで歩いて行くことになりました(写真下)。この花畑に駐車場を造成するわけにはいかず、チケット売場から1.5kmほど西に離れた所に駐車場があります。途中、花もあるだろうから、ゆっくり行きましょう。

 

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 このお花畑での飲食は禁止されています。しかし、監視員に交渉し、ゴミをすべて持ち帰ることを条件に、通路で食事をしてもいいことになりました(写真下)。しばらくぶりで辛くない食事です()

 

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 食後、駐車場に向かって歩きながら、道の両側の花を観察します。最初に目についたのが、昨日も見た緑色のランです(写真下)。午前中に見た緑色のランとは別種です。拡大しても、ランにはよくあることで、どういう花の構造なのかよくわからない

 

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写真上 Habenaria digitata

 

 写真下の花を見た時、私はアサガオなどの花のツボミなのかと思いました。色も冴えないし、これで開花した状態だと言われても、この時は私はほとんど関心が起きませんでした。しかし、翌日、この仲間を見て驚きました。それは明日の楽しみにしましょう。

 

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写真上 Ceropegia media

 

 道路の右側が岩の崖になっていて、そこに水が流れてくるのか、シュウカイドウが花を咲かせています。

 

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写真上下 Begonia crenata

 

 道路の右側の崖に咲いているだけでなく、もっとすごいのが左側のコンクリートの擁壁の側面です(写真下)。擁壁の上のわずかばかりの土に根を下ろして増えたらしい。これを撮るには擁壁の下に降りないといけないが、私の背よりも高く、飛び降りても、つかまる物が何もないので戻れない。

 

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 周囲を見渡しても、下りるのも上るのも無理です。私は擁壁の上に腹ばいになり、カメラを持った腕を精一杯のばして撮りました。すると、後ろで車が停まって、二人のインド人男性が下りて来て、私に何か話しかけます。他のお客さんたちはだいぶん先に行ってしまって遅れているので、あせりながら撮影に必死になっている私は、頭だけ振り向いて「今、忙しい」と答えると、彼らは笑いながら去りました。

 

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 撮影が終わり、他のお客さんを急ぎ足で追いかけながら、ようやく二人のインド人が何のために車を停めて私に話しかけたかわかりました。他のお客さんは先に行ってしまい、私一人でしたから、彼らは老人がたった一人で山道の擁壁の上にうつ伏せに倒れていたので、これは大変だ、助けてやろうと車を停めたのです。その倒れた老人が振り向きざま、「今、忙しい」と返事したものだから、彼らは笑うしかなかった。心配してくれたのだから、お礼くらい言うべきで、不愛想な態度だったと反省しました()

 

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カース湖

 駐車場まで1.5kmほど歩き、そこで待っていたバスに乗り、カース湖までの1kmほどを移動します(写真下)

 

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 カース湖の岸辺の手前に店が並んでいます(写真下左)。客はまばらで、犬が昼寝をしている(写真下右)。地面は冷たくて気持ちが良いのかもしれない。

 

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 カース湖といっても、南側(写真下左)をせき止めたダム湖です。岸辺に何か花はないと探したのですが、人々が歩くところですから、見当たりません。

 

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 岸辺にはそれなりに観光客がいます(写真上下)。店があるのに、人の多い岸辺には物売りがいない。

 

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 引き続き、教授のガイドで花を探します(写真下)

 

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 写真下のイボクサを見ても、教授はあまり関心がないらしく、引き返してしまいました。先ほど歩いたカース・ロードにもこれがありました。

 

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写真上 Murdannia simplex

 

 道端に良くからまっているピンク色のヒルガオです(写真下)

 

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写真上 Ipomoea barlerioides

 

 開けた岩の斜面にも「シータの涙」が生えています(写真下)。彼女はあちこちに涙を落したらしい。

 

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写真上 Utricularia purpurascens

 

 トレイルの崖っぷちで見た、岩場が大好きな薄紫の花です(写真下)。写真に撮るといまひとつ冴えないが、実際には黒い岩とマッチして、なかなか絵になっています。

 

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写真上 Neanotis lancifolia

 

 写真下はインドでは8月から11月にかけて咲き、西ガーツ山脈の固有種です。

 

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写真上 Asystasia dalzelliana

 

 写真下のツリフネソウの名前を特定するのは簡単で、カース高原には黄色いツリフネソウはこの一種類しかありません。また西ガーツ山脈の固有種です。

 

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写真上下 Impatiens dalzellii

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 写真下のマメの仲間は地下にある茎(塊茎)が生でも茹でても食べられ、なかなかうまいそうです。

 

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写真上下 Vigna vexillata

 

 この花の大きな特徴が写真下で、花弁を引っ張ると、角のようなオシベが出てきます(写真下右)。昆虫が蜜を吸おうとして花弁に乗ると、その重さでオシベが出て昆虫に花粉をくっつけるということらしい。たまにこういう頭の良い植物がいます。

 

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サタラに戻る

 道の途中にある店で休憩・・・するのかと思ったら、席が足りないのか、すぐに店を出てしまいました(写真下左)。店のネコ君とせっかく出会ったのに、さようなら(写真下右)。私の家に来る野良猫に比べると、痩せている。

 

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 結局、昨日、昼食を取ったKaas Holiday Resortに行き、甘いチャイをいただきました(15:52、写真下)。写真上の店にペプシ・コーラがあったので一本買うと30ルピーで、同じ商品を写真下で買うと20ルピーでした。猫がいると値段が高いのかもしれない()

 

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 本日の花の観察も終えて、バスでサタラ市内に戻ります。

 

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 放牧されている牛は、幸い数は少ない(写真下)。在来種が食べられたり、糞尿で土地が富栄養化するのはありがたくないから、増やさないでほしい。

 

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 カース高原のあちこちで牛だけでなく、人間ものんびりと風景を楽しんでいます。

 

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 人々が道端の擁壁の上に腰かけて、夕方のサタラの街並みをながめています(写真下)。彼らの足の下はかなりの急斜面というか、崖で、落ちたらタダでは済みません。もちろん、彼らの人生が崖っぷちという意味ではなく、単に危ないという話です()

 

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 彼らが眺めているサタラの街が写真下で、人生の崖っぷちでも、お茶を飲みながら眺めていたいような風景です。

 

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 バスはサタラ市内に入ってきました(写真下)

 

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 写真下の二枚は洗濯物シリーズです。私は写真下右の、牛の看板と洗濯物の組み合わせを昨日見て、いたく気に入り、ようやく今日は撮影に成功しました()

 

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 人口12万人のサタラは標高740mにあるので夏は暑すぎず、冬は寒すぎずで、暮らしやすい気候と言われています。九月の関東地方の暑さに比べたら、こちらのほうがずっとすごしやすい。あれだけのダムがあるのだから、水にも困らないでしょう。「インド 暑い」と単純に思っていたので、ちょっとイメージが変わりました。

 

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大学で歓迎会

 朝はサタラ市内を通らず迂回したのに、わざわざ市内に来たのは教授の勤務先の大学に寄るためです。教授がカース高原のスライドを見せてくれるという。今まで撮りためた花の写真でも見せてくれるだろうと、この時はまだ何が起きるか知らなかったので、気軽に考えていました。これはインド人に対する認識の甘さです()

 

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 大通りでバスを降りて、大学までの細い道を歩いて行きます(写真上下)。大学があるとは思えないほど庶民的な街並みです。

 

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 写真下は洗濯物シリーズの続きです。写真下右の藤色の家の洗濯物を見てください。この家は窓を利用して店を出していて、その上に洗濯物が干してある。

 

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 洗濯物通りをすぎて、Lal Bahadur Shastri Collegeに到着しました(写真下)。大学名と紋章のANAACが違うのはどうしてだろうと追及するだけの熱意はない()

 

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(http://lbscollegesatara.edu.in/)

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 大学では学長(Prin.Dr.R.V.Shejawal)自らが出迎えてくれ、彼の部屋で挨拶を受けました(写真下)。私の英語力では何を言っているのか良く聞き取れませんが、失礼にならないように、わかったような顔をして拝聴しました()

 

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 ようやく、やっと、学長の長い話が終わったので、教授の花のスライドを見せてもらおうと移動した先が写真下の講義室です。そこには教員や学生と思われる人たちが数十人集まっていました。授業も終わっているから、動員されたのでしょう(写真下右)

 

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 壇上に教授をはさみツアーリーダーの松森さん(仮名)とバサントさんとが上がり、また挨拶が始まりました。さらに日本人一人一人に花束贈呈がありました。儀式の苦手な私の顔はこわばっているが、必死に日本とインドの友好のためにスマイルを保つ()

 

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 盛大な歓迎の辞()が終わった後、いよいよスライドを使ったカース高原についての教授の講義です(写真下)

 

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 見て一番驚いたのが、柵が作られた経緯です。写真下を見てください。2010年当時のカース高原の様子で、道路は駐車場状態で大量の人たちがお花畑に自由に入り込んでいます。柵はまったくありません。

 

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 柵がないため、写真下左はお花畑を踏みつけて「AB」という文字を描いたり、写真下右は車で草地を踏み荒らしたりと、カース高原は危機的な状況でした。

 

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 そこで2012年に西ガーツ山脈がユネスコの世界遺産に登録されたのを機会に、カース高原の保護のために作られたのがあの柵だったのです。柵が邪魔だ、監視員がうるさすぎると、さんざん私は文句を並べたことをちょっとだけ反省しました・・ちょっとだけね()

 

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 松森さんから教授の大学でスライドを見ると聞いた時は、先生は自分の撮った花の写真を見せて、自慢話をしたいのだろうと軽く考えていました()。盛大な歓迎もさることながら、カース高原の保護のためにずいぶん努力していることを知って、急に教授がとても偉い人に見えました。

 

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 記念撮影をして、ようやく校舎を出て、ホッとしながら、道路をはさんで東側にある別な建物を見学しました(写真下左)。大学はスポーツに力を入れているらしく、通路の壁には活躍した選手たちの写真が飾ってあります(写真下右)

 

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 建物は「口」の字型になっていて、真ん中が運動場です。そこにいたのは大学生ではなく、近所の小学生です(写真下)。カメラを向けると子供たちの大騒ぎが始まりました。私の知る限り、これは世界共通で、カメラを向けるとたいてい子供たちは大騒ぎを始める。私もこの意味のない大騒ぎが大好きです()

 

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 建物の外に出ても子供たちが付いてきて、しかも、騒ぎを聞きつけた他の子供たちも集まってきました。

 

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 私は儀式でカチカチに固まっていた気分をここで一気にほぐす。

 

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 子供たちの騒ぎに近所の人たちも出てきて、ついには猫も出てきた。

 

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夕方のサタラ市内

 夕暮れの帰宅ラッシュのサタラ市内をホテルに戻ります(18:05)

 

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 三人兄弟らしい(写真下)

 

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 ここでも街中にはイスラム教徒らしい「覆面女子」を見かけます(写真下)

 

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 果物が積み上げてあります(写真下)。私の関心はリンゴで、見た目は立派です。リンゴは農薬なしには商品になるような大きさと見た目にはなりませんから、つまり、農薬を十分に散布してあるということです。

 

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 カラフルなサンダルをぶら下げて売っている店を良く見かけます(写真下)。庶民にとっては靴よりもサンダルが一般的なのでしょう。

 

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 写真下では、道路の一部に勝手に積んだ石の上に、神様を祭る社のような青い箱の店がポツンとある。立ち上がれば頭をぶつけそうな狭い中で、オジサンが壁によりかかってくつろいだまま、カラフルなサンダルを売っている。その入口ではオバサンが石の上に座り、オジサンと話をしている。彼女の周囲にはカラフルではない汚い靴とサンダルが三足ある。店の後ろはうっそうとした林で、巨木から垂れ下がった太い気根が何本も店の上にぶら下がっている。日本では絶対に見られない光景が私の目の前を通り過ぎました()

 

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 インドの道端では事務用の椅子が売られています(写真下)。ビニールのカバーがしてあるから、新品なのでしょう。それを土の地面に置いて、車に乗った客が停まって買ってくれるのを、売り物の椅子に座って待っている男性が数人。これまた、日本では見られない光景です。

 

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 同じ露店でも、写真下の歩道に品物を並べているのは女性たちです。こういう道端の露店にも二種類あり、店舗や屋台のような店はたいてい男性で、写真下のように道端にいきなり商品を並べたような売り方をしているのは女性が多い。商いの習慣が日本とは違うだけでなく、何か男女の格差があるように見えます。

 

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 写真下は花かと思ったら、すべてプラスチック製の造花です。こんな物を家に飾るのかな??

 

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 たぶん神様にささげるための造花です。間もなく、象頭の神様・ガネーシャのお祭りがあるという。あちらこちらで写真下のようなガネーシャの像が売られています。

 

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 道端にも象頭のガネーシャの絵が飾られています(写真下)

 

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 宗教用と思われるのが写真下のテントです。根拠も自信もないが、神様の像を祭るテントではないか?旅行の後半の南インドでも見かけました。

 

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トイレの中

 大学の歓迎会があったので、ホテルに到着した時には長い一日がやっと終わったような気がしました(18:28)。七時半からホテルで夕飯です。レストランが混んでいるのか、会議室での食事になりました(写真下左)。事務用のテーブルに食べ物を並べるとうまそうに見えないからおもしろい。

 

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 ピーナッツ、生野菜、ナンは食えるが(写真上)、それ以外の食べ物はすべて辛く(写真下)、私はそのまま返却です。

 

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 自分の部屋に戻って、トイレを見て驚きました。便器の中に、便器の蓋についていた清掃終了の帯が捨ててある(写真下左)。昨日、トイレの清掃が済んだことを示す帯が蓋に巻いてあり(写真下右)、私はこれを外して後ろの黒い台の上に置きました。風で帯が中に落ちたはずはなく、掃除に入った従業員が意図的に中に捨てたように見えます。詰まったらいやですから、使い捨ての歯ブラシで取り出し、ゴミ箱に捨てました。どうも、このホテルは訳がわからん。

 

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