クリンジ 12年に一度しか咲かないインドの花 8日目 2018年9月15日(土) ムンナール → コーチ → ニューデリー → (成田) 4:00のモーニングコールで、4:30の出発だという。しかし、30分で準備するのは私のペースでは無理なので、3:30に起きました。それでも睡眠不足に弱い私は、リュックに詰める荷物を間違えてスーツケースに入れてしまった。私としては良くあることです(笑)。 室温は23℃で、当然、外は暗い(写真下)。 今日はムンナールからバスでコーチまで戻り、飛行機でニューデリーに飛び、ニューデリーで観光した後、帰国の途につきます。 予定どおり、ホテルを4:30に出発して(写真下)、ジープに乗り、バスに乗り継いで、夜中のムンナールを後にしました。
下の地図がルートで、三日前に来た時の道を戻ります。外は暗い上に霧が出ているので周囲の様子はほとんどわかりません。 六時半頃になってようやく明るくなった頃には、すでに西ガーツ山脈から抜けて、平地を走っていました(写真下)。
開いている店も増えてきました。でも、どこかのんびりしている。
所々に人が集まっています(写真下)。これがバスなどを待っているのか、それともただ集まっているのか、インドでは良くわからないことが多い。
道に面して、まず日本ではありえない色の個人宅が目につきます(写真下)。でも、インドでは違和感はありません。
写真下は映画のポスターです。映画という夢の世界と、ポスターの周囲の錆びたトタンや積み上げられた土砂という現実の世界とのコントラストが激しいのがインドです。
写真下右はクジャクの羽が描かれているから少年はムルガンという神様らしいが、インド人にとっては映画の世界も神様の世界も似たようなものなのでしょう。 インドでは、輪廻という考えを生み出し、輪廻から逃れる解脱を目標にした宗教が発達しました。その一つが仏教で、お釈迦様の説法の冒頭は、この世界は苦そのものだと気付け、という教えです。私の知る限り、こういう宗教観はインドだけで、残念ながら、日本人の作り出した宗教観はどれも思索が浅い。
インドらしい 空港の6kmほど手前の店Kerala Foodcourtで朝食です(7:18、写真下)。
店の中は朝早いので客はおらず、私たちだけです(写真下)。
チャイ(ミルクティー)を注文して、持ち込みの朝食です(写真下)。私は朝からお菓子は苦手なので、チャイとゆで卵で朝食は終了。
空港はコーチ郊外にあるので、私たちはコーチ市内には入りません。
写真下は道端の光景です。机の上に売り物らしい花が三束並べられ、真っ赤に塗られた柱の店の端に、糸を通した花輪がぶら下げられている。花を売る者もいないし、店も開いていない。世界から忘れ去られたようなこの光景がインドらしい(笑)。 同様にインドらしいのが、写真下左で、果物屋の右側に赤い腰衣のオジサンがしゃがみこんでいる。たぶん、彼が果物屋の店主で、シャッターの閉まっている隣の店のコンクリートの上で客が来るのを待っているのでしょう。これもとてもインドらしい。
写真下左のような畑とヤシの林が続く中、畑の中に唐突に現れたのが写真下右の肉屋です。ぶら下がっている足の大きさから、たぶん牛で、売られている量から、たぶん今日の朝に一頭を殺してここで売っているのでしょう。新鮮な牛肉の産地直売で、とてもインドらしい。
空港到着 コーチン国際空港(Cochin International
Airport)に到着(7:58)。三日前に到着した時も書いたように、街の名前はコーチ(Kochi)なのに、空港の名前はコーチン(Cochin)です。インドでは良くあることで、名前が途中から変わったり、呼び方や綴りが複数あるからです。
空港では赤いターバンを巻いたインド航空の有名な社員に出迎えられました(写真下左)。空港は客でかなり混んでいます。
出発まで時間があるので、待合室でバサントさんが撮った花の写真を皆さんで鑑賞しました(写真下左)。バサントさんは飛行機が別で、彼は私たちよりも後の飛行機で出発したのに、ニューデリーの合流場所には彼が先に来ていました。
インド航空AI 511便はエアバス社のA319で、コーチを10:00に出発して、3時間15分飛行して、ニューデリーに13:15に着く予定です(写真下)。
私の座席は後ろから二番目の窓側A20です(写真下左)。飛行機はほぼ北に向かって飛行しますから、午前中なら太陽が右側から射しますから、左側の席を予約しました。
飛行機は予定を少し遅れて10:33にコーチン国際空港を離陸しました。空から見ても緑豊かな土地だとわかります(写真下)。この後、この風景が変わります。
座席のことでちょっとしたことがありました。私の隣に来た赤ん坊連れの夫婦が私に席を代わってくれと頼んできました。赤ん坊ですから、窓の外を見せてあやしたいというのとも違います。たぶん、窓側の私がトイレなどで席を立つと、彼女は赤ん坊を抱えたまま立ち上がることになり、大変なだけでなく、せっかく眠っている赤ん坊を起こしてしまうのを恐れているのでしょう。
二人に、私はトイレには行かないから、そんな心配はないと説明したいが、なぜ代わりたいのかと質問するだけの英語力はないので、写真を撮りたいという理由で断りました。すると夫婦はさらに後ろの席の女性にも代わってくれるように声をかけましたが、これも断られました。ちょっと気の毒だとは思ったが、飛行中の大半の時間を三人ともすやすやと眠っていましたから、結局、何の問題もなかったようです(写真下)。 この飛行機の評価は五段階評価の真ん中のCで、普通とします。客室乗務員の態度が感じが悪かったが、インドではあれが当たり前なのかもしれないし、国内線なのだから、仕方ない面があるでしょう。
昼食が出ました(10:57)。昼食というよりも軽食で、国内線ですからこんなものでしょう(写真下)。 飛行機が北上するにつれて、それまで緑色が多かったのに、しだいに赤茶けた台地が増えていきました(写真下)。
飛行機は順調に飛び、やがて眼下にニューデリーの街が見えてきました(写真下)。
ニューデリー到着 晴れて33℃だというニューデリー空港にほぼ予定どおりに到着(13:11)。北に来ると暑くなるというのも面白い。
ゲートを出ても出迎えの旅行会社の人がいません。たいてい名前を書いた紙を持って立っているはずなのに、いない。お客さんの松居さん(仮名)が「建物の外で待っているんじゃないか」というので、松森さんが探しにいくと、いました(写真下)。私が松居さんに「どうしてわかったのか」とたずねると、他の旅行でも同様のことがあったそうです。そうだ、ここは日本ではないのだ(笑)。 バスは大型の観光バスなので、15人が乗るのには余裕です(写真下)。私は写真を撮りやすい最後部の四座席を占領しました。
これからオプショナル・ツアーで、観光と買い物と食事に行きます。このネイチャリングツアーの旅行は花や鳥が専門なので、観光のオプショナル・ツアーは珍しいが、インドを発つ飛行機が夜の9時頃で、約7時間ほど時間があるからです。7時間近くも空港の中で待つのはかなりの苦痛です。 幸い、全員が5000円のオプショナル・ツアーを申し込みました。今回のツアーは10人を超えているので、1万円の現金が返ってきました。そこから差し引いたので、5000円の小遣い付の無料オプショナル・ツアーになりました。すごく得をした気になる。
写真下の車はパトカーで「デリー旅客警察(Delhi tourist police)」と書いてあります。旅行者の安全と便宜のためにサービスする警察です。東京だけでもこういう制度を作ってはどうでしょう。
子供たちはもう下校の時間?そうか、今日は土曜日だ(写真下)。
ごらんのように、ニューデリーの中心部は緑が豊かで、東京とは比較になりません(写真下)。
写真下は塀に植物をぶら下げています。東京などでもビルの壁や屋上を緑化することで、ヒートアイランド現象を少しでも減らそうと努力しています。まだまだ努力が足りません。
緑の間に南国らしい花が咲いています(写真下)。
インドでは街を清潔にしようというキャンペーンが行なわれています。それが写真下の、ガンディーをシンボルにした「Swachh Bharat Abhiyan」(2014~2019年)という運動で、簡単に言えば、清潔運動です。一番の目的はトイレの設置です。インドはトレイ事情が悪いというよりも、農村部などそもそもトイレがない。
写真下のバス停にも「to a Green and Clean Delhi」と広告が出ています。インドはやるとなると強引に推し進めるから、それなりの成果を出すでしょう。
もちろん、ニューデリーがすべて都市化され清潔になっているわけではなく、写真下のように昔ながらの風景が見られます。私などこういう雑然としているほうがインドに来たという実感がわきます。ただ、ゴミが散らばっているのはいただけない。雑然と不潔は違う。
道の向こうにインド門が見えます(写真下)。第一次世界大戦の戦死者を追悼するために1921年に作られたものです。最初、私たちの観光に加えられていたのですが、時間の関係で通過するだけになりました。
観光:階段井戸 ニューデリー観光の一カ所目は階段井戸(Agrasen ki Baoli, Ugrasen ki
Baoli)です。バサントさんと松森さんが熱心に説明しているのに、約一名の客は自転車の写真なんか撮っている(笑)。
写真下の何かの建物のように見えるのが井戸です。階段状に下に降りるようになっていて、水が増えても減っても、水のそばまで汲みにいくことができます。ただし、今は水がありません。
どんな立派な井戸でも建物にすぎず、生きている人間を見るほうがよほど面白い。
幸せそうな二人ですね(写真下)。二組のカップルでデートのようでした。
写真下の女性はポーズを取ってくれました。お互いに名前を名乗り、握手までしたので、ここで私は自分の年齢など忘れて「お嬢さん、チャイでもご一緒にいかがですか」と誘わなければならないのだが、残念ながら団体旅行で、別行動というわけにもいかない(笑)。
身体に模様を描いている女性がいます。入れ墨ではなさそうです・・・いかん、彼女の顔を撮るのを忘れた(笑)。
買い物:その1 ツアーリーダーの松森さん(仮名)のお勧めが、写真下のタージ・マハールという名前の紅茶です。値段のわりにはおいしいというので、私を含めたお客さんが注文しました。 現地ガイドがこのお茶を買いに寄ったのが写真下左の「Pekoe Tips Tea」という店です・・・前に来た記憶がある。十年前の2008年にインドの花の谷のツアーの帰りに、雨の中をこの店に連れてこられ、アールグレイを買いました。その時の写真が写真下右で、看板の表記がちょっと違うが、同一の安っぽい建物です。でもこうやってわざわざ地元の人が来るところを見ると、お茶の店としては有名のようです。
(https://www.pekoetipstea.com/) 買い物:その2 買い物の二カ所目はCentral cottage industries
emporiumという店です(写真下)。ここは品質も良く、定価なので、ぼられることもなく、カードも使え、日本人の旅行者には便利です。 (http://www.cottageemporium.in/index.php) ここはインドの手芸、工芸や芸術品を集めて売っている店で、値段は安くはないが、普通の土産物屋とは質が違うのは素人の私が見てもわかります。また高いと言っても、2mもあるような木彫の神仏の像が70~80万円なら、完成度から見るなら高くはありません。昔、小さな像をお土産に買って、試しに自分の部屋に置いてみると全然合わず、ネットで売ってしまいました。
こういう店では私は買う物がないのが普通なのに、今回は本を買いました。二階に本屋があり、店主にインドの花の本はないかと質問すると、店主が指した積み上げられた本の一番下に、“Flora of the southern western
Ghats and Plains”という本を見つけました。西ガーツ山脈の南部の花というのだから、今回訪れた場所にピッタリです。ただし、著者は樹木の専門家なので、樹木の花が多いのが残念です。
買い物:その3 続いて行ったのが、この店の前の交差点の北側にある商店街です(下図の青線)。通りに沿って土産物屋など小さな店が軒を連ねています。 混んでいるというほどではないが、それなりに買い物客が歩いています(写真下)。このあたりはコンノート・プレイスといい、北側には大企業のビルが並んでいるニューデリーの中心部です。
お客さんの一人が50ルピー(約85円)で靴を磨いてもらいました(写真下)。靴磨きが付いてきて売り込みをするし、85円ならい安いのだが、私はスポーツシューズで、他のお客さんたちも登山靴などが多く、磨いてもらいたくても無理です。 通りに面して間口はせいぜい4mほどの店が並んでおり、どこまでこういう店が続いているのかわかりません。ごらんのように、貴金属、衣類、お土産品など、なんでもあります。ただ、日本人のお客さんたちの反応はいまいちです。先ほどの店が定価なのに、ここは値段の交渉が必要です。インド人に勝てるはずのない値段交渉は疲れる(笑)。
面白いのはこういう店舗を構えた店よりも露店です。表通りは歩道も狭いから、露店も限られており、公園のようになっている所にいくらか店が出ています(写真下)。
大通りから西の路地に入ると、ありました。露店がずらっと並んでいる(写真下)。これがインドだ!!
大半の店は道路脇の壁と歩道を利用して品物を展示している露店です。百メートルほどの道にほぼすべての店が衣料品を売っています。
衣類やバッグなどの加工品よりも、布そのものが多く売られています。サリーは長い一枚の布だから、サリー用の生地かもしれません。
店は色と柄が道路まで満ち溢れて、色彩の洪水です。インドだ!
言葉なんかわからなくても「ちょっと、これ安くしておくから、買っていきなよ」と言っているのがわかります。売り手は気迫がすごくて捕まったら逃げられそうもないので、気の弱い私はあまり近寄らない(笑)。
衣類なので売り手も買い手も女性が多く、時間帯のせいか、客はそんなに多くなく、奥に進むにつれて客が減ります。だから、男性の私にも声がかかる。「あんた、奥さんにこの赤いサリーを買ってあげなよ」と言っているのでしょう。いやいや、日本人に真っ赤なサリーなんて似合うはずがない。何人かの日本人女性から、インドでサリーを買って着て記念撮影しただけで、帰国後はタンスに入ったままだと聞いたことがあります。
露店の売り子の大半が女性なのがおもしろい。一方、通りの店舗の店員はほぼ男性です。
白人の、たぶん観光客が椅子に座って値切りの交渉中です(写真下左)。どちらも簡単には引かない。他人の丁々発止の駆け引きも見ているだけなら楽しい。
写真下左で広げて下げてあるのはベッドカバーでしょうか。色が強くないから、これなら日本の室内にも合うかもしれません。
富士屋で鍋 空港の途中にあるFujiya(富士屋)というレストランで夕食です(17:20)。和食だけでなく、中華料理なども出します。
店の中は中華料理店という雰囲気で、出てきたのもジャスミン茶でした。インド最後の食事は鍋料理です。鍋の形も真ん中の開いた中国風です。 この食事もオプショナル・ツアーの一部です。普通のツアーでは、これから乗る飛行機で夕飯が出ます。でも、夜中の12時頃ですから、お腹もすいてしまいます。ここで夕飯を取るので、空腹のまま飛行機に乗ることもなく、ゆっくりと夜食を楽しむこともできます。
インドでの最後の食事を終えた頃には、あたりはだいぶん薄暗くなりました(写真下)。
インドを発つ インディラ・ガンディー国際空港(Indira Gandhi International
Airport)に到着し、ここで8日間お世話になったバサントさんともお別れです。彼が提案してくれなければ今回の旅行はありませんでした。
インド航空AI306便の機体はボーイング787-8です。21:15に出発し、明日の朝8:45に成田到着予定で、約8時間の飛行です。
写真下左が私の席で、最後部の二座席の窓側で39Jです。機内は混んでいて、私の隣の席も日本にいた一週間前から予約が入っていました。
モニターで、離着陸時には子供を写真下のように抱えろ、という説明があります(写真下)。何事もない離着陸ならこれでも良いだろうが、何か起きたら、抱えているのが無理なのは、自動車での事故を見れば十分です。いつまでこういう非現実的なやり方をするのでしょう。辛辣に言うなら、事故が起きて、子供が死なないと改善されないのでしょう。 ほぼ予定どおりに離陸しました(21:32)。
スナックが配られ(22:28)、続いて食事が配られました(22:53)。夕飯はもう食べたので、お腹もすいていません。
トイレは斜め後ろで、さらにその後ろ、つまり飛行機の最後部が配膳室になっています(写真下右)。食べ物などどう格納するのか、棚の中に何が入っているのか、見ていると面白い。
暇つぶしに最新の映画を観ましょう(写真下)。正義のヒーローたちが最強の悪い宇宙人と戦うという、毎度ワンパターンのアメリカ映画です。したがって、ストーリーは覚えていません(笑)。そんな映画は観なければいいじゃないか、と言われましたが、飛行機の中は気圧が低く集中力を欠き、眠ろうにも隣の人の腕がこちらに侵略してくるのは悪い宇宙人よりももっと悪い(笑)。こういう時は現実逃避のために、全然頭を使わなくても観ていられて、しかも、話が次々と展開していくような軽薄な映画が一番です。気になるのが、最近この種の映画の多くがディズニーが制作していることです。 「Avengers: Infinity War」(アメリカ、2018年) 映画を観終わった頃には、飛行機はインドを通過して、バングラデシュからミャンマーに入ろうとしています(写真下)。では、ひと眠りしましょう。 |