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雪ふるキルギスに初夏の花 

3日目 2019611()

チトカン コチコル

 

 

 朝、部屋の温度は14.6℃しかありません。昨夜は寒くて何度も目が覚めました。外は雲っており、建物の前の川は昨日よりもすごい勢いで白波がたっており、今日も水泳は無理です()

 

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 今日は、昨日来た道を100kmほど引き返し、そのまま東にさらに200kmほど先にあるコチコルまで行きます。下の地図を見てもわかるように、高山地帯を行きますから、花が期待できそうです。

 

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 七時から、ホテルのレストランで朝食です。

 

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 予定どおりに八時にホテルを出発し、写真下右は私が乗った3号車に同乗しているシロクマ君です。

 

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 走り出して10分ほどで、道端で蜂蜜を売っているのを見つけて停車です(写真下)

 

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 ミツバチの巣の隣で売っていますから、混ぜ物のない純粋な蜂蜜です(写真下)

 

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 旅行は始まったばかりで、まだ蜂蜜を買うチャンスはありそうなので、蜜より花です。蜂蜜が採れるくらいで、周囲には花がたくさん咲いています。

 写真下は高さが1mほどの低木で、中央アジアからアフガニスタン、パキスタンまで分布しています。

 

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写真上 Atrophaxis pyrifolia

 

 写真下のシソの仲間は昨日も山の上のほうで何回か見かけましたが、ここのは冴えない。

 

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写真上 Dracocephalum nutans

 

 写真下はタツナミソウの仲間と言われれば花が似ているが、背が高い。中央アジアに分布します。

 

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写真上 Scutellaria adenostegia

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 写真下は葉が細いのが特徴のアブラナの仲間なのは見ればわかるが、名前はわかりません。

 

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 写真下は大型のセリで、Prangosの仲間らしいが、名前がわかりません。

 

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 写真下はウマノアシガタかと思ったら、バラの仲間だそうで、ヨーロッパから中東など広い範囲に分布します。

 

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写真上 Potentillaの仲間

 

 写真下は小さくて目立たない花だが、足元にたくさん生えています。

 

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 ピンク色のバラはちょっとくたびれている(写真下)

 

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写真上 Rosa webbiana

 

 写真下は昨日も見た黄色いバラで、こちらは見事に咲いています。

 

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写真上 Rosa kokanica

 

 写真下は黄色で雰囲気は似ているが、バラではありません。花よりも黒っぽい実が食料して収穫されています。樹木そのものはアルカロイド系の毒物が含まれているが、実にはほんの少ししか含まれないので、むしろ、薬効があるとされています。

 

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写真上 Berberis oblonga

 

 山の斜面が黄色になっています。

 

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写真上下 Eremurus fuscus

 

 これは花の観察初日の昨日から出現しているので、すっかりお馴染みになってしまった花で、ここでは斜面一面に広がっています。

 

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雪の峠

 ヒツジの移動らしく、馬に乗った牧童が誘導しています(写真下)。ヒツジに取り囲まれた車は身動きが取れない。いかにもキルギスらしい光景です。

 

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 周囲には遊牧民のユルタ(テント)やトレーラーハウスが点在していて、煙突からの煙が妙に暖かそうです。

 

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 写真下はたぶんミルクの集荷でしょう。案外、馬乳酒(クムズ)を作るための馬のミルクかもしれません。

 

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 道路脇では馬乳酒らしい飲み物が売られています。

 

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 昨日来た道を戻っているのに、はっきり記憶にある風景がない()

 

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 しかし、やがて雪山が見えてきて、何となく雰囲気を思いだしました(写真下)

 

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 こんな天気の中、人と家畜が山の上を目指して歩いています(写真下)

 

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 車を停めて雪山の撮影です(09:17)。花もなく寒いので、長居は無用(写真下)

 

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 標高3175mのアラベル峠(Ala-bel'Pass)のあたりは完璧に雪に覆われて、申し分のない雪景色です()。道路に雪がないのは幸いです。

 

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雪のサクラソウ

 雪山を背景としたサクラソウの大群落です(写真下)

 

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 ピンク色のサクラソウが雪をかぶっています。おそらく昨夜からの雪でしょう。

 

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写真上下 Primula algida

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 雪帽子をかぶった三姉妹です(写真下)

 

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 こちらはサクラソウの雪ダンゴです(写真下)

 

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 このサクラソウは中央アジアからロシア南部などの標高16003200 mの湿った場所に生えます。

 

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 もう少し陽ざしがあればサクラソウの色もきれいにでるのに、ちょっと残念です。

 

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 数はかなり少ないが、白花もあります(写真下)

 

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 小雪の中、皆さん夢中になって写真を撮っている(写真下)

 

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 オキナグサは雪に埋もれるように咲いています(写真下)

 

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写真上下 Pulsatilla campanella

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 中央アジア、アフガニスタン、モンゴル、パキスタン、ロシアなどに分布します。写真下右のホウキのようになっているのは花が終わり、実をつけようとしているところです。

 

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 写真下はマメの仲間で、天山山脈がまたがる中央アジア、ロシア、中国などの高山地帯で見られます。

 

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写真上 Astragalus alatavicus

 

 あたりは雪で遠くが煙っていて、家畜たちも寒くて大変そう(写真下)

 

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 写真下は昨日も見かけた花で、雪の中のほうが色がきれいに出る。

 

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写真上下 Trollius altaicus

 

 ここでも花は雪ダンゴになっていて、写真下中では小さな虫が花弁に雨宿りしています・・・寒さで動けなくなったのでしょう。

 

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 ネギの仲間が地味な花を咲かせています(写真下)。今、食用に使われているネギはこういう中央アジアが原産と言われますから、こういうネギが品種改良されたのでしょう。ネギが丈夫なのも、こういう環境をみれば納得できます。

 

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写真上 Allium atrosanguinea

 

 花を探して雪の中の行軍です()

 

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 昨日も雪の中で見かけた黄色いポピーです(写真下)。もちろん、雪がないと咲かないケシではありません()

 

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写真上 Papaver croceum

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 今日は雪をかぶって重そう。

 

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 写真下中は黄色にオレンジが混ざり、右などはオレンジに近いような色です。元々こういう色か、あるいは終わり頃にオレンジになるのかもしれません。

 

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 シオガマギクの仲間で、黄色がほとんどですが、写真下右のようにピンク色のもあります(写真下)

 

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写真上 Pedicularis oederi

 

 

川べりの花畑

 少し先に進むと、高度が下がったせいか、雪がなくなり、小雨がぱらついています(写真下)

 

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 川べりには黄色いアブラナの仲間が群生しています(写真上下)

 

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写真上下 Barbarea vulgaris

 

 この花は中央アジアと西アジア、インドの北部など、要するにどこでも見られます。

 

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 写真下はたぶんこれで花が開いた状態なのでしょうけど、ずいぶん変わった姿の花です。

 

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写真上 Rindera lanata

 

 この特徴ある花をどこかで見たことがあると思ったら、一カ月ほど前の五月に行ったイランミショー・ダー(Misho Dagh)という山で見ました。トルコ、イラン、コーカサスなどにも分布します。

 

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 写真下は、ナデシコの仲間で、あまりそれらしく見えません。

 

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写真上 Cerastium cerastoides

 

 誰も忘れないように、あちらこちらに分布するワスレナグサの仲間です(写真下)

 

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写真上 Myosotis asiatica

 

 先ほどの雪の中にも生えていたシオガマギクの仲間で、ここは雪がないせいか、同じ花とは思えないくらい大きい(写真下)

 

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写真上 Pedicularis oederi

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 これも先ほど雪の中に生えていたキンポウゲで、ここのほうがノビノビとしている(写真下)

 

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写真上 Trollius altaicus

 

 霧が出て小雨が降っており、視界は今一つです。写真下の、馬に乗った像はマナス(Manas)というキルギスで千年以上も叙事詩で語り継がれる英雄です。私たちがビシュケクで降りたのがマナス空港でした。世界で一番長い英雄叙事詩とされ、日本でも翻訳されているようです。

 チベットにはケサル大王の叙事詩があり、距離的に近い両者に似たような膨大な物語が語り部によって口承されてきたというのは興味深い。当然、互いの影響について調べるべきだと思うのですが、それぞれの解説を読んでも、その点について触れた記述がありません。

 

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 写真下左の犬を連れた人はヒッチハイクだろうか。昨日も見かけました。雨の中、犬も大変そう。

 

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 写真下左はユルタの作りかけらしい。だが、良く見ると、これは金属製の規格品ではありませんか。組み立てのためなのか、左側には階段まで付いている。テレビで見た時には木製だったのに、ユルタも時代が変わっているのだ。

 

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 トレーラー・ハウスも見慣れると、ユルタと同じようにいかにも遊牧民的に見えて来るからおもしろい。

 

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 昨日に続いて、また交通事故で、車が横転しています(写真下左)。真っ直ぐでスピードを出しやすいからか、それとも馬乳酒でほろ酔い気分なのか。

 

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 相変わらず雨が降っていて、人生と同じで先が見えない。

 

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川べりのラン

 ところが、土砂降りの人生のような雨の中を10分も進むと、晴れてきて、青空まで見えてきました。

 青空の下、川べりに咲くランの群生です(写真下)

 

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写真上下 Dactylorhiza umbrosa

 

 一本でもすごいのに、これがニョキニョキと斜面に生えているのは壮観です。

 

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 昨日、シャクヤクを見た所にもありましたが、ここのほうが数が桁違いに多く、また花の付き方も立派です。

 

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 少しだけ白いランや(写真下左)、やや色の薄いピンク色のランもあります(写真下右)

 

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 日本でいえばハクサンチドリです。ハクサンチドリは日本の中部以北にあるように、この仲間はロシアからヨーロッパまで高山や寒冷な地域に生えています。

 

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 皆さん、背景に雪山を入れてランを撮ろうと苦労しています(写真下)

 

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 しかし、雪山が遠いので、なかなか難しい。普通に撮れば、写真下右のように雪山が小さくなって、雪山があることがわからない。

 

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 ガソリンスタンドでトイレ休憩です(写真下)。ここは立派なトイレがある(写真下左)。トイレだけでなく、店の中に恵まれない子供のための募金箱があるのが素晴らしい(写真下右)。こういう寄付の難しいのは、それが正しく使われるかどうかです。

 

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 先ほどまでの天気が嘘のように晴れて、周囲の雪山がきれいです。晴れた雪山はすばらしいが、雪の降っている雪山には行きたくない()

 

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 ここは標高2260mですから、近くの空き地にもいろいろな花が咲いています。写真下のシソの仲間は中央アジアとアフガニスタン、パキスタンなどにも分布します。

 

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写真上 Phlomoides speciosa

 

 馬ものんびりと草をはんでいます。放牧は馬が目につくというよりも、ほとんど馬しかいない。

 

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 晴れると気持ちが良いし、風景もいっそう素晴らしい。

 

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 昨日も見たチーズや馬乳酒らしい物を売っています(写真下)

 

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 写真下のプラスチックの容器は何だろう?使い古した容器で、まさか馬乳酒?

 

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分岐点から右へ

 ここまでは昨日、通ったのと同じ道です。写真下右の看板のように、真っ直ぐ行くとビシュケク(Бишкек)まで144kmで、私たちはここでСуусамыр(Suusamyr)と書いてある右に曲がります。

 

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 ここからは舗装されていないデコボコ道に入りました。道はまっすぐでも、道に空いた穴を避けようとして、車は右に左に揺れ、振動もホコリもすごい。普通の乗用車では走りたくない道です。これでA367という番号のついた幹線道路です。

 

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 写真下は先ほどの道路標識に出ていたСуусамыр(Suusamyr)という村らしい(標高2140m)

 

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 道は村の外れを走っているので、あまり人の姿は見かけません。ただ、人口も少ないことは、写真上左のモスクが建物は新しいのに小さいことからもわかります。

 

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 子供たちが遊んでいる。広々として、日本のように子供たちが騒ぐ声がうるさいなどという苦情は考えられない。

 

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 写真下の子供たちはおそらくスマートフォンです。識者の中には顔をしかめる人もいるが、逆で、スマホは教育や情報の格差を埋めるまたとない手段です。日本はこういうデジタル化の波にはるかに遅れています。嘘だと思ったら、近くの小学校に行って、子供たちに一台ずつパソコンやタブレット端末があるかどうか質問してみることです。日本はひどい状態です。

 

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 怖いのは、日本がデジタル化に遅れていることに気が付いている人が少ないことです。日本ではサイバーセキュリティ担当の大臣がパソコンも使えない人物だったと世界中から嘲笑を浴びました。しかし、問題は首相自らサイバーセキュリティの重要性を理解していないことです。安倍首相は戦争をミサイルや核兵器だけが恐い武器だと思っているようだが、ネットなどのデジタル技術こそが、これらを上回る武器になることを知らないようです。

 

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 村を出て少し進むと、だんだん山が近づいてきました(写真下)

 

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 道は二手に分かれていて、私たちは右の道を進み、川を渡ります。この川はチュイ州とナルイン州との境界で、私たちはナルイン州に入りました。

 

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 Kojomkulという村を通過します(写真下)。標高が1600mほどです。

 

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 おい、ロバ君、どいてくれ、と頼んでも無駄で、車がよけるしかない(写真下)

 

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 この村はある人物の故郷としてキルギスでは有名です。それが村の名前になっているKojomkul(1888-1955)という怪力の持ち主です(写真下)。身長2.36m、体重165kgの巨人で、レスリングなど力比べで優勝し続けました。彼はそれで得られた賞品のヒツジなどを困っている村人に分け与えたというから、別な意味でも巨人だったらしい。

 

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 写真下が村の中にはある記念碑で、たぶん石を担いでいる姿でしょう。

 

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 村の人を見るかぎり、特に大きい人たちではなさそうです(写真下)

 

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 Kojomkulの生まれた頃は貧しい村だったとあります。今はキルギスの普通の村です。

 

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 Kojomkulを通過すると、道は川に沿って山の奥に進みます。

 

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Кокомерен川の花

 白いクレマチスです(写真下)。私の家の庭にも園芸種のクレマチスがはびこっています。園芸種の派手なクレマチスを見慣れていて、それと比べるのは間違いなのだが、地味なので、つい比べてしまう。花の咲き方も園芸品種と逆で、下向きです。

 

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写真上 Atragene sibirica

 

 一時間ほど前までの山は樹木はなくても、全体が緑に覆われていました。ところが、ここでは岩や土がむき出しになっている斜面が目につきます。

 

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 クレマチスが咲いている斜面の上に黄色いケシがあります(写真下)

 

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 写真上と下は同じ黄色いケシのように見えますが、別な所に生えており、別種です。写真上は花全体が黄色で、実がナガミヒナゲシのような円筒状です。写真下は真ん中の部分がオレンジ色で、実はツノゲシという名前の由来にもなった細長い茎のようです。

 

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写真上下Glaucium squamigerum

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 ヒゲのようなものが花が咲き終えて、実がついている茎です。日本の自生のケシにはこの仲間はありません。

 

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 これらの植物が生えているのは写真下のような川の近くの崖です。

 

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 その崖に赤いマメの仲間がきれいに咲いています。今回の旅行の植物ガイドをする予定だったガードナーさんの本 Flora of the Silk RoadにはChesneya ferganicaという学名で掲載されています。しかし、ガードナーさん以外の本やネットではこの学名が見当たりません。

 

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 写真下は黄色い花に斑点がついているという面白い花です。中央アジアだけでなく、アフガニスタン、北西インド、モンゴル、ロシアなどにも分布します。どこかで見た顔だと思ったら、先月のイランでの旅行でも、これと同じ仲間の花(Arnebia pulchra)を雪融けの山の上で見かけました。

 

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写真上下 Arnebia guttata

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 写真下左はカラマツソウの仲間、右はトウダイグサの仲間のように見えます。

 

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写真上左 Geranium pratense

 

 写真下はタデの仲間で、背も高い。分布はかなり限られているらしく、カザフスタンにもあるらしいことしかわかりません。

 

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写真上 Rheum cordatum

 

 写真下左は日本にも帰化しているナスの仲間でヒヨスです。

 

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写真上左 Hyociamus pusillus  写真上右 Ixiolirion tataricum

 

 白い清楚なバラが良い香りを放っています(写真下)

 

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 道のそばを流れているのはКокомеренという川で、ネット翻訳をそのまま信じるなら、ココメレン川と呼ぶらしい。

 

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 Кызыл-Ойという村で車を停めました(写真下)ネット翻訳をそのまま信じるならキジルオイと発音するようです。

 

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 人口850人ほどの小さな街です。先ほどまでは標高2000mを越えていたのに、ここは1800mですから、だんだん下がっているのがわかります。

 

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 道端に生えている白い花は北アフリカ、欧州、中東、インド、中央アジアなどに広く分布し、一部では薬草としても使われることもあるが、家畜には有害な雑草として嫌われています。

 

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写真上 Peganum harmala

 

 標高が下がるにつれて、車から見える風景がずいぶん変わってきました。山の緑が大幅に減り、赤茶けた地肌が露出しています。

 

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 山の間から出た所で車を停めて、雪山を眺めながら休憩です(14:44)。このあたりで1550mほどです。

 

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 オートバイのツーリングの人たちも休憩を取っているような、眺めの良い場所です(写真下)

 

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 写真下は日本にも帰化しているセイヨウヒルガオです。日本のは単一色なのに、ここのはピンクから白まで中間色が色々とあるのがおもしろい。この後も道路脇に繁茂しているのが見られました。

 

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写真上 Convolvulus arvensis

 

 これもまた、日本にシベナガムラサキという名前で来ているエキウムの仲間です(写真下)。紫が混ざった青が目に強烈です。こういう植物があるのは、人家に近づいていることを意味します。

 

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写真上 Echium vulgale

 

 

ようやく舗装道路

 デコボコ道はT字路で終わり、私たちは左に曲がります(14:56)。写真下の道路標識には、

「バルイクチBalychy207km、ビシュケク Bishikek328km

という表示があり、バルイクチ(バリクチ)とはイシククル湖のほとりにある街で、私たちはその手前にあるコチコルが目的地です。さらに手前にあるチャエクで昼食をとらなければなりません・・・腹減った。

 

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 舗装された道(A367)を進むと、ホッとします。道は整備され、交通量も多くなく、順調です。私の胃袋は急げと言っているが、いや、安全運転で行きましょう()

 

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 時々、古典的な車も走っています(写真下)。古い車は電子部品を使っていないから、直しやすいのでしょう。

 

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 遠くには、雲の間から時々、雪山が見えます。キルギスは山が普通で平地が少ない。私は山形に住んでいるので違和感がありません。平地を走ると言っても、ここ自体が標高1600mほどもあります。

 

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 三時をすぎていますから、子供たちも学校が終わっているのでしょう(写真下)

 

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 遊牧だけでは生活が難しくなり、子供たちの将来のためにも教育はとても重要になります。これまでは地理的な距離が障害となっていたが、ネットとデジタル化によって、それが取り払われつつある。得られる利益から考えたらものすごく安い投資なのに、先進国を自慢する日本は出そうともしない。

 

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 写真下の中にカルパックという民族衣装の白い帽子をかぶっている男性たちがいます。かぶっているのは老人に多い。

 

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 女性たちは圧倒的にスカーフをかぶっている人が多い。

 

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古代の遺跡?

 進行方向の雪山を背景にした草原の中に、たくさんのドームのある街が出現しました(写真下)・・・えっ!こんな所に大きな街があったっけ?

 

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 でも、なんか、これ変だよなあ。明らかに建物が小さくて、人の姿もないし、電柱もない。何かの遺跡だろうか?これだけの大きな遺跡にしては看板も何もない。

 

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 街でも遺跡でもなく、墓場でした。人家はそれほど多くないのに、墓はやたら目につく。

 

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 近づいてみると、人が住む建物にしては明らかに小さい。イスラム教徒のお墓はモスクのドームを真似たものらしい。この後も、何ヵ所かこういう遺跡タイプの墓場を見かけました。

 

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 道の途中で気になっていたのが、写真下の建物です。3~4階建てくらいの大きな建物で、モスクにしては街外れにポツンと建っている。

 

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 普通、モスクは街中にあり、その多くは写真下のようにミナレット()が付いています。ところが、写真上の建物はミナレットもなく、人が集まるような建物に見えません。おそらく写真上はモスクではなく、大金持ちが建てた墓でしょう。日本でも立派な墓を建てたがる人は多い。だが、天国や極楽に行きたかったら、そのお金を困っている人たちに分けてあげることだと、お釈迦様もイエスもアラ―も説いている。

 

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ようやく昼食

 昼食を取る予定のチャエク(Чаек, Chaek)についたらしく、道の両側には店が並んでいます。店は個人の小さな店舗ばかりで、これがこの街の規模を表しているのでしょう。

 

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今回の旅行の食事は、ほとんどレストランではなく、到着した日の朝食がそうであるように、ホテルやゲストハウスなど宿泊設備で取りました。今日の昼食もこの街のゲストハウスに準備を頼んだようです。

 

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 目的のゲストハウスがどこにあるのか、わからないらしく、運転手やアイピリさんが街の人に聞いています。ゲストハウスは幹線道路には面していないものの、下の地図のように、わずか数百メートルです。

 

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 後でわかりにくい理由がわかりました。ゲストハウスの名前がチャエク、つまりこの街と同じ名前なのです。これでは「チャエクはどこ?」と聞いても「この街がそうだよ」と言われるにきまっている。しかも、さらに紛らわしいことに、通りの反対側に「ホテル・チャエク(Hotel Chaek)という名前のホテルがある。

 

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 道を聞きながら、ようやく昼食予定のゲストハウスに到着したのは三時半頃でした。写真下右の、つまらなそうな顔をしているのはこの家の子供だろうか。

 

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 写真下で皆さんがかがんでいるのは、礼拝しているのではなく、建物に入るのに靴を脱ぐためです。登山靴だから脱着は簡単ではない。私のはワンタッチなので楽です。靴を脱ぐのはキルギスではしばしばこれが見られ、室内を汚さないという点では良い習慣だが、日本と違い、建物の外で靴を脱ぎます。

 

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 ゲストハウスの食堂は全員が入れる広さがあります(写真下)

 

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 三時のオヤツのような時間ですが、昼食をいただくことにしましょう。

 

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 お腹が空いていたので、いくらでも食べられそうなのに、食べてみると、それほどでもないのは年をとった証拠のようなものです()

 

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 すっかり紹介が遅れましたが、写真下左の女性が現地ガイドのアイピリさんです。小柄で可愛いので、お客さんからはアイちゃんと呼ばれていました。彼女が勧めているのが、イチゴジャムで手作りのようです(写真下右)

 

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ピンクのお花畑

 お腹がいっぱいになったところで、花の散策を再開です。

 

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 道端のお花畑で停車です(写真下)。これは畑の雑草ではなく、セインフォイン(Sainfoin)と言って飼料と蜜を取るために栽培されています。

 

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 1950年代以降、飼料としてはアルファルファが取って代わったこともありました。ところが、この花には家畜の寄生虫を駆除する作用があることから、再び使われるようになったといいます。

 

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写真上下 Onobrychis viciifolia

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 畑の脇には水路があり、かなりの量の水が勢いよく流れています(写真下左)。乾燥しているように見えても、周囲の山々からの雪解け水が豊富なのでしょう。

 

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 道の両側にセインフォインのお花畑がずっと続きます(写真下)

 

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 遠方までピンク色に染まっていて、セインフォインが一面に咲いています。

 

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馬糞?

 アヤメです。食事前の山道を走っている時、河原にこのアヤメが咲いているのが見えました。昨日、ホテルに到着する直前に河原で見たあのアヤメです。

 

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写真上下 Iris Sogdiana

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 中央アジア、アフガニスタン、イラン、さらに中国の新彊などにも分布します。ここのアヤメはせいぜい50cmくらいですが、1mくらいまでのびることもあるようです。

 

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 ここで奇妙なモノを見つけました(写真下)。馬糞かと思ったら()、立派な植物で、しかもこれで花が咲いている。

 

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写真上 Cynomorium coccineum subsp. songaricum

 

 拡大してみると、これ全体が花の集合体なのだとわかります(写真下)。この寄生植物は花を咲かせるためだけに地上に出てきます。

 

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 中央アジアやモンゴルなど標高の高い所に自生します。同じ仲間が地中海沿岸から中東なども分布します。

 この変わった形を見たら、何か薬効があるのではないかと試す人が出て来たのは当然で、古くから民間薬として用いられ、血圧を下げて血流の良くする効果が医学的にも確認されています。日本語で表現するなら、オシャグジタケ科オシャグジタケ属オシャグジタケとなり、舌をかみそうな立派な名前の植物だとわかります()

 

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 写真下は昨日、ガソリンスタンドで初めての花の観察をした時にもあった花で、小さいが何とも印象的な色と形です。

 

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写真上 Dodartia orientalis

 

 写真下は塩害に強い植物で、実が家畜の餌になります。中央アジア、コーカサス、中東に分布します。

 

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写真上 Nitraria sibirica

 

 

黄色のお花畑

 先ほどのピンク色の次は黄色のお花畑です。

 

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写真上下 Thermopsis turkestanica

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 外見から黄色いルピナスかと思ったら、「偽ルピナス(false-lupines)」というのだから、ルピナスではありません。

 

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 この偽ルピナスは中央アジアからモンゴルやロシアの一部に分布します。

 

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 先ほどのピンク色の花は畑に人間が意図的に植えたのに対して、こちらは草原に勝手に増えたのでしょう。

 

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 道は少しずつ高度を上げて、山に近づいています。

 

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虹の峠

 ついいましがたまで青空で陽が射していたのに、山に近づくと空は暗くなり、そして虹が現れました(写真下)。車が虹のアーチの下をくぐって、標高2664mのキザルト峠(Kyzart Pass)を通過していきます。

 

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 虹がでるくらいで雨が降り始め、地面が濡れてきました。雨で馬たちも大変そう。

 

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 遊牧の人たちのユルタがこんな所にポツンとあります(写真下)。周囲に川なんかないのに、水はどうやって調達するのだろう。左にある白いのはトイレ?

 

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 写真下の展望台のような所がありますから、これがたぶんキザルト峠の一番高い所なのでしょう。もちろん、そのまま通過です。

 

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 小雨が降っているのに、北の遠くの空は明るいという奇妙な光景です。

 

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さらに花の観察

 薄暗くなって、霧雨の中でも花の観察をするのがこのツアーの良い所です()。では、本日、最後の花の観察です(18:41)

 

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 斜面にはこういう岩場の乾燥した環境にも適用した花たちが咲いています。写真下など葉が刺のように細くなっていて、いかにも耐乾性がありそうです。ほぼ中央アジアに分布する植物です。

 

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写真上 Acantholimon alatavicum

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 写真下は園芸種のスターチスの仲間です。ネットで調べると、分布がキルギスしか出てきませんから、案外、キルギスの固有種かもしれません。

 

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写真上 Limonium