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アムネマチンと黄河源流の花

13日目 2013714()

武都 → 江油

 

 

六時半頃、騒音で目が覚め、七時起床。部屋の中で24℃ですから、それほど暑くもない。外を見ると、少し晴れ間もあるが、曇り空です。

 

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 八時からホテル内のレストランで朝食です。品数が多いので、辛くないのを選べるので助かります。でも、圧倒的に辛い物が多い。

 

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 予定通りの時間にホテルを出発(9:03)。雲が多いが晴れ間もあります。

 

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 今日の予定は、このまま南東方向に進み、いよいよ東チベットの山を降りて、四川盆地に入り、京昆高速で江油市まで行きます。私個人は江油には興味がないのでカットしてくれるように烏里さんに提案したのだが、烏里さんが江油で用事あるとのことでした。

 

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 通過する街では人々が働き始めています。

 

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 昨日に比べると周囲は山が遠ざかり平地が増えています。

 

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 高速道路用の高架橋があちらこちらにありますから、数年後には大半の車がこれらの街を素通りすることになります。

 

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 車から街中の様子を見られるのも今回だけ、と言うよりも、今回たまたま洪水の影響で迂回したからここを通過しているが、たぶん私は二度とこれらの街を通ることはないでしょう。

 

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写真下のリンゴはなかなか玉も大きく立派です。前に来た時は写真上右の小玉のリンゴが大半だったのに、今回の旅行ではこういう立派なリンゴも普通に見かけるようになりました。こんなリンゴがそのまま日本に輸入されたら、リンゴ農家はかなりの打撃です。もっとも消費者が農薬を恐れて、買わないだろうから、大打撃にはなりません。

 

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山道を行く

 車は212国道から206省道の山道に入ります。道のあちらこちらにまだ土砂崩れの跡があります。

 

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 烏里さんが大麻を見つけて車を停めました(10:11)。皆さん、気がつかないだけで、日本でも時々見かけます。もちろん中国でも大麻は禁止です。

 

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写真上 Cannabis sativa

( Guide to the Flowers of Western China, p.177)

 

 チベットでは道端で良く見かけるシュウメイギクです(1725m, 10:17)。日本のそれとそっくりですから、こちらが原産地なのでしょう。

 

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写真上下 Anemone tomenrosa,

(Guide to the Flowers of Western China, p.103.)

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 峠に向かう途中の山の斜面に、独特の土壁でできた集落があります。

 

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 周囲は独特のとんがった険しい山々が連なっていて、車はその間をぬって高度を上げていきます。

 

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峠の山頂で休憩(1980m, 10:2810:36)。周囲の風景は霞んでいて、墨絵のように幻想的です。

 

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 上の衛星写真を見ればわかるように、山の表面に土砂崩れの跡がたくさん見られます。道路の脇に、「防御山洪泥石流警示碑」と警告が出ています(写真下)。岩の質がもろく、すぐに崩れてしまうのでしょう。

 

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 峠の山頂は1900mで、少し花が咲いています。

 

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写真上 Prunelia vulgaris

(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.194)

 

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写真上 Genstiana depressa

(Guide to the Flowers of Western China, p.393)

 

写真下は写真上と色が違うだけで、同じ種類のキキョウです。

 

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 写真下は白か緑色のアザミです(1960m, 10:42)。これで花が咲いている状態です。よくわからないが、写真下の黄土色に枯れたような色をしているのが花が咲いている状態のようです。

 

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写真上下 Cirsium falconeri

(『ヒマラヤ植物大図鑑』p.66)

 

日本では色のついていないアザミはないが、チベットではそれほど珍しい花ではありません。

 

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高速道路の下の悪路

 峠を降りて、最初の街の路上に市場が出ています。通過するだけなので、窓から写真を撮りました(11:08)

 

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 小さな街の小さな市ですが、この近辺としては大きな街です。

 

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 写真下は子供用の乳母車や自転車などを路上に並べて売っているようです。ビニールがかけていないのだから、日本だったら新古品扱いです。

 

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 写真はいずれも車で通過する瞬間ですから、彼らと写真という形で一瞬だけ接触するのがおもしろい。ほぼ間違いなく、お互いに二度と会いません。

 

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 写真下右のお姉さんは、崖の上から流れてくる水で洗濯をしています。川の水と違い、透明ですから、無料のミネラル・ウォーターです。

 

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 我々の走る206省道はかなりの悪路で、その周囲にはいつも工事中の立派な高速道路が見えます。白龍江の作った同じ谷を通っているのだから、両者のルートが重なるのは当たり前なのだが、立派な高速道路が工事中のおかげで、下を走る一般道はズタズタです。

 

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 昨日と同じオレンジ色のユリの咲いている場所でトイレ休憩(12:00)

 

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写真上 Lilium davidii

(『世界のワイルドフラワー Ⅱ』p.101)

 

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写真上 Hypericum bellum

(Guide to the Flowers of Western China, p.173)

 

 写真下は、人の背丈くらいある植物で道端にたくさん花が咲いています。

 

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土砂崩れで進めない!

 周囲には立派な高速道路が作られつつあるのだが、省道はますます悪路になり、土砂崩れの跡もひどくなっていきます。

 

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 そして、ついに道に岩が落ちていて通れない所に出くわしました(写真下、12:53)。車を降りて周囲を見ても通過できそうもない。崖崩れの向こうを見ると、さらに落石があり、ここを越えても先には進めません。

 

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 通れないなら通れないと、もっと手前に案内板を立ててくれればいいのに、と思いながらも、奇妙なのは、逆方向に進む車と何台もすれ違っていて、しかも彼らから通れると聞いていたことです。つまり、我々は迂回路を見逃したのだ。でも、私を含めて全員が見ていたが、それらしい道路に気がつきませんでした。とにかく、引き返しましょう。

 

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 少し引き返すと、谷に下りて行く道がありました。しかし、谷をのぞくと、工事中の高速道路がありますから(写真下)、これは工事用の道路です。

 

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 周さんが誰かに聞きに行ったところ、やはりこの道が迂回路らしい(13:04)

 

 

建設中の高速道路を走った

 道路は工事中の高速道路に続いており、そこを走り始めました。つまり、高速道路が迂回路なのです。工事中の高速道路を走るなんて私は初めてです・・・普通はそうだ()

 

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 落石で行き止まりになる前にすれ違った車の人から「あと数キロで高速道路だ」と言われたのはこれだったのです。私はてっきり数キロ先から高速道路が完成しているという意味だと思ったが、そうではなく、迂回路として工事中の高速道路を走れるということだったようです。

 

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 工事中の道路ですから、気をつけて走らないと危ない。道が突然終わっていたり、鉄筋が剣山状になって突き出ていたりとけっこう恐い。

 

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 トンネルの中は真っ暗で、乾いていると埃を巻き上げて前も後も見えない。何も見えない中、突然土砂が積み上げてあったり、工事用の機械が置いたままになっていて、危険です。

 

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 工事中の高速道路を走っていると目につくのが労働者たちの姿です。写真下右のように子供連れと思われる人たちまでいます。学校などどうしているのだろう。

 

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 日本なら飯場を作り、そこに寝泊まりするのだろうが、中国ではまだまだこういう施設はほとんど見当たらず、道路やトンネルのあちこちに労働者用らしいテントがあります。写真下右のトンネルの中のテントでは、お兄さんが爆睡中です。

 

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 高速道路の欄干に、のどかに布団が干してある(写真下左)

 

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 無料の高速道路を一時間近く走って、「余家湾」で降りました(675m, 13:57、写真下)。ところが、ここでも一悶着ありました。係員らしいランニングシャツ姿のオジサンが怒鳴って、ゲートから出させてくれないのです。

 

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 金を払えということなのかもしれないが、もちろん未完成の高速道路にお金を払うなどありえない。何台かの車が溜まり(写真下右)、結局、他の車と一緒に強引に突破しました。普通道が閉鎖されて未完成の高速道路で迂回しているという連絡が来ていないのか、とにかく中国ではこういうことは珍しくありません。その結果、庶民は、やった者勝ち、という習慣を身につけてしまう。

 

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白龍江の白い姚渡鎮で昼食

高速道路を降りて、食事のためにすぐそばの姚渡鎮に入りました(14:08)。標高700mほどで、対岸から見ると、白龍江のそばに作られた白い家の並ぶ小ぎれいな街です。

 

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 姚渡の街の中も白を基調とした建物が整然と並び、静かできれいなので、逆に中国にしては活気に乏しいような気がします。

 

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 道の脇で洗髪しているのは、たぶん、これが商売なのでしょう(写真下左)

 

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街中の食堂で昼食です(14:13~、写真下)。時間が時間ですから、我々以外は誰もいない。

 

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 昨夜、張さんたちが買ったハミウリが出ました(写真下右)。暑い時にはうまい。

 

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食事を終えて、ここからは212国道を五十キロほど南下して、今度は正式に開通している高速道路に乗ります(15:04)

無料の高速道路を走ったのでガソリンスタンドで給油です(15:12、写真下)。単価が6.97(121) 6.81(118)とあります。前は7元を越えていましたから、安い。成都に近づいたことと、ガソリンなどが十分に供給されている証拠です。つまり、道路が寸断されていない。まずは一安心です。

 

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 たまに写真下左のような土砂崩れもあるが、国道なので道そのものは悪くなく、かなりの速度で走れます。

 

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 昨日、武都の手前で見られたのと同じ様式の家があります。

 

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 道の左側に湖が見えて来ました。ダム湖です。

 

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 下の地図で見るとわかるように、地図の下部にある三堆鎮の少し手前にダムがあります。

 

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四時近くになってようやく京昆高速に入ることができました(15:54)。ここまで来れば、さすがに悪路や土砂崩れの心配はありません。同時に、チベット圏ともさようならです。

木魚()という名前のゲートから高速道路に入ります。

 

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 この高速道路は片側二車線で、日本と違い、右側をトラックやバス(客貨車)が、左側を乗用車(小客車)が通行するようになっています(写真下左)

 

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しかし、実際には左側を堂々と走るトラックも珍しくありません。写真下は右側のトラックを追い抜いているところですが、抜き終わってもしばらく左側を走って、こちらの車の進路妨害をしていました。

日本とのもう一つの違いは乗用車の速度制限が時速120kmである点です。私は個人的にこの数字に賛成です。私は日本で高速道路を走っていると、混雑していない道路なら時速120kmが最も走行しやすい。早すぎては危険だし、遅いとイライラさせられる。そのちょうどバランスが取れているのが、経験的には時速120kmです。日本の時速100kmという制限は、実際に走行した経験や調査から割り出したのではなく、単に切りのいい数字だからでしょう。

 

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雨の江油

 「江油北」の料金所で高速道路を下りて江油に向かいます(17:41)

 

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 周囲は緑が多く、果樹園が広がり、新しい白い家が建ち並び、このあたりは豊かであるのがわかります。

 

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 道の両側にはきれいな家が建ち並んでいます。そこで特徴的なのが、写真下のような緑色と白の柵です。これが高速道路を下りて、江油に到着するまでの数キロにわたり見られ、しかも、江油市内に入ると見かけませんでした。

 

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 江油の少し手前でガソリンを詰めました(17:48-17:55, 670m)。空き地にノコンギクが咲いています。

 

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雨の中、江油市に到着(18:03)

 

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 街の中心街でも街路樹が良く生い茂っているのは雨が多いからでしょう。

 

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 目立つのは、傘をさして電瓶車(、電気自動車)に乗る人たちです。中国の都市部で走っているバイクのほとんどが電気バイクです。烏里さんによれば、電気バイクに傘を取り付けて走ることは違反だそうです。しかし、どう見てもこれらの傘は電気バイク専用です。

 

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 この町では人力車もよく見かけます。三輪車のデザインと運転手の服装が同じですから、会社経営のようです。

 

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 本日のホテルである明斯特主題酒店に到着(18:17)。受付にあったカードを見ると、「江油首家欧式主題酒店」とあります(写真下右)。地図を見ると、間違いなくこのホテルのことです。よくわからんが、細かいことは気にしないことにしましょう()

 

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 外に面したガラスはステンドグラスです(写真下)。奇妙だと思ったら、すぐそばのカトリックの教会が経営しているのだそうです。

 

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 窓のステンドグラスを除けば、ホテル内には宗教色はありません。

 

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 ホテル近くの食堂で夕飯を取りました(19:44)。店の中は客で賑わっています(写真下右)

 

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 写真下左はスモーク・チーズのような豆腐です。味のないチーズのような食感でそれなりにうまい。ただ、辛くないのはこの豆腐と写真下右の野菜だけで、後は見た目どおりの辛さで(写真下の下段)、私は食べられない。この2品だけで食事をするのは、そろそろ慣れてきたとは言え、なかなかつらい。

 

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 三人を残して一人でホテルに戻ると、建物がライトアップされています(写真下)

 

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 写真下が私の部屋で、広さは十分です。窓は外からみたとおりのステンドグラスです。あまりきれいではないし、部屋には合わない。この日はエアコンが効きましたが、どういうわけか翌朝はエアコンが効かず、蒸し暑かった。

写真下右のように、寝室と洗面所との仕切りがガラスです。私は一人だからかまわないが、相部屋ならトイレに入っているのも見えてしまい、あまり趣味の良いものではありません。

 

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 お茶はパック入りで、緑茶とジャスミン茶の二つがあります。写真下右はテッシュペーパーです。日本のテッシュペーパーのように簡単に引っ張り出せる入れ方ではないので使いにくいが、気遣いは良い。

 

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 有料の品物の中に、写真右のように様々な衛生用品もそろえてあります。コンドームもあるが、カトリックはたしか避妊は禁止ではなかったのか。アフリカではカトリックが避妊を禁止したためにエイズが蔓延し、家庭崩壊が相次ぎ、これをカトリックが援助して助けているという「美談」がありました。信仰をあれこれ言うつもりはないが、現実や科学を無視した信仰はいかがなものか。

 

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 洗面所にはシャワーカーテンもあり、ハンドシャワーも付いていますから、問題ありません。

 

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 このホテルは2010年に開業して、2013年には改修までしたというのにネット接続ができない。ただし、これを除けば、新しいこともあり大きなマイナス点はありません。これで218(3800)なら、評価は3.5にしようかと思っていました。しかし、翌日の朝食を見て、評価は3.0に下げました。

 

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