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10 11 6日目 2012年7月14日(土) メスティア ←→ チャラーディ氷河ハイキング 六時頃起床。晴れています。部屋の温度は20.4℃ですから、とても快適です。
七時半から本館で朝食です。食事に出るチーズは日本人には人気がなく、私以外は誰も食べません。食事には良くこのチーズが出ましたから、ジョージアではかなり一般的なチーズなのでしょう。各人に1枚くらいの割合で皿に乗っていますが、結局、半分は私が一人で食べています。 今日は約七時間の予定で、川の上流に向かい、チャラーディ氷河までハイキングします。その間の花を見る予定です。 9:04に車でゲストハウスを出発。川に沿って街の大通りを東に走ると、北側の斜面に塔が林立しているのが見えます。
塔を撮るために車を停めました。写真下の左が下流、右が上流です。左側が街の東端で、そこに一群の塔があります(写真上)。 写真上の右端、つまりもっと上流の集落にも塔が見えます(写真下)。見える範囲だけでもざっと三十近い塔があります。塔が集中して立っているのを見ると、昔は「一家に一塔」だったのではあるまいか。
車は川に沿って平坦な道を上流に進みます。道の脇には時々、民家もあります。
ハイキング開始 道の途中で車を降りて、出発です(9:38, 1430m)。今日は私だけポーターを頼んで、荷物を背負ってもらいました。もちろん、ポーターを頼んだ軟弱者は私一人です。一日$30だというので、私は50ラリ、約2500円を払いました。
このあたりではポーターという職業はないようで、西遊旅行の人たちも探すのに苦労していたようです。この日のポーターはこちらに気遣いしたくれたので、とても助かりました。しかし、明日、ウシュグリで雇ったポーターはこうはいきませんでした。それは明日お話します。
写真下はどう見てもチョウセンアサガオです。民家に近い所にあったから、外来種でしょう。
ぼちぼちと周囲には花が咲いていますが、それほど多くはありません。
写真上 Sempervivum caucasicum (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.77)
写真上右 Senicio
sosnowskyi (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.261)
写真上 Galeopsis bifida (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.189) ノイチゴがあちこちにあり、ポーターが勧めるので、食べてみました。けっこういけます。ただし、採る場所を考えないと肥料のかかったイチゴを食べることになります。
道の脇の斜面にフウロソウがたくさん咲いています。
写真上下 Geranium renardii (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p., The
Caucasus and its Flowers, p.)
写真上 Silene compacta (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.45, The
Caucasus and its Flowers, p.102) 川に沿って歩いていくと、やがて左前方の山の間にチャラーディ氷河が見えてきました(写真下左)。
さらに進むと、いったん氷河は見えなくなり、その氷河からの別な川が流れ込んでいるのが見えます(写真下左)。我々はもう少し上流から川を渡り、写真下左の右側の山に沿って奥にある氷河を目指します。
崖の上にピンク色のノイバラが生えています。日本で言えばタカネバラです。道路のそばであるにもかかわらず、人が近寄れないので、これだけのバラが残ったのでしょう。
写真上 Rosa canina (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.93) この日見た中では一番ピンク色が濃い。花の近くまで寄らなくてもバラの香りが漂ってきます。
市販の八重咲きのバラもきれいだが、私は好みとしてはこういう一重が好きです。 ピンクのバラの近くにある大きな岩の影で少し休憩(10:45)。 氷河をめざして山登り 吊り橋が見えてきました(10:58,1600m)。これまでは河原の平坦な道だったので、ここが事実上の登山口です。この川は右側の谷から流れており、我々は橋を渡り、正面に見える山の左側の谷にある氷河を目指します。
橋の上から見た上流(写真下左)と下流(写真下右)です。我々はここからこの川を離れて、西のほうにある氷河の谷に向かいます。
これまでの平坦な道と違い、ここからは山道です(写真下)。昨日と違い、私は皆さんと一緒に歩いています。これには二つ理由があり、一つはポーターを雇って楽だというのと(写真下)、もう一つは、花が少ないので写真をあまり撮らないので遅れないのです。 花はあるのだが、昨日のベチョーに比べても少ない。このハイキングコースは花を見るために金をかけて海外からハイキングに来るだけの価値はありません。これは一日歩いてみて、率直な感想でした。
写真上 Silene wallichiana (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.43) 最初の登りはちょっときつかったが、その後は山の斜面にそって登るので、それほどでもありません。
所々にバラが生えていて、そのたびに私だけ休憩です。
写真上 Rosa oplisthes (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.91) こんな素晴らしいバラの香りを無視して先を急ぐなんて、美女を見ようともせずに通り過ぎるようなもの、人生の楽しみを捨てるようなものです。
ここまでのバラはほぼ白ですが、下のバラは桜貝のような淡いピンク色です。皆さんのパソコンのモニターで識別できるでしょうか。先ほどのピンク色のバラもきれいだか、この薄ピンクは本当に素晴らしい。
写真上 Ranunculus caucasicus (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.51) ベチョーでもあちこちに咲いていたウツボグサがここでもきれいな紫の花を咲かせています。
写真上 Prunella vulgaris (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.189) ウツボグサに止まっている蛾です。蜜を吸っているでもなさそうです。 写真下はベチョーにも少しあった白いウツボグサのように見えます。
これもベチョーでも見かけたハクサンチドリのようなランです。こちらは日陰のせいか、ピンク色が多く、ベチョーのがたくましそうだったのに、細っそりしています。
写真上下 Dactylorhiza urvilleana (The
Caucasus and its Flowers, p.367) 写真下は写真を撮った時は、上のランの仲間ではないかと思ったのですが、花を拡大して見ると(写真下中)、ランの花にしてはおかしいし、花の咲き方や葉もがランにしては変です・・・わからん。
写真上左 Cicerbita racemosa (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.275) 写真上右 Alchemilla tredecimloba (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.89)
写真上 Euphorbia iberica (The
Caucasus and its Flowers, p.168)
写真上 Inula gradiflora (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.259)
氷河に到着 森を出て、大きな岩が積み重なった斜面を川のほうに下りていきます。これらの岩は氷河が運んだものでしょう。かなり歩きにくい。
岩の斜面を川のほうに下りると前方に氷河の先端が見えてきました。
チャラーディ氷河の先端に到着(12:05, 1765m)、と言っても、どれが氷河なのか写真ではよくわかりません。写真下の、白く見える氷河よりもさらに下の崖のように見える部分が氷河の先端です。
氷河からは冷たい水が濁流となって流れて来ていますから、周囲は気温が低い。かなりの水量です。
上流の氷河からは強風が吹いており、そのおかげで暑くはないが、花の撮影にはまったく向きません。写真下のイネ科の植物が風に煽られている様子をみれば、いかに強風かわかります。おそらく氷河との温度差で起きている風だろうから、ここなら、風車に柱に立てなくても、地面に置いただけで一年中発電できそうです。 強風と瓦礫の河原の中にも草花が咲いています。
写真上 Senicio
sosnowskyi (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.261)
写真上 Epilobium dodonaei (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.141) ここで昼食です。毎度、昼飯はトマトとキュウリ、それにパンです。生のトマトやキュウリは水分があるのでおいしい。光田さんが昆布煮を配ってくれました。普段はこういう味付けの濃いのは私は苦手なのですが、ここではおいしい。私は少しでも風を避けるために、岩陰で昼食を取りました。
写真下左の大きな岩が二つあるあたりが氷河の先端です。右側の岩の周囲に人がいますから、比較すれば岩が大きいのがわかります。こんな巨石を氷河が運んできたのだから、すごい。
川に沿って降りる 食事を終えて、戻ります(12:40)。来た時の瓦礫の斜面を避けて、いったん川沿いに下ります。
私は体力がないので、山歩きでは少しでも歩きやすい道を選ぶのに必死です。だが、山岳ガイド(写真下左)の後ろに着いて選択を見ていると、河原にできている人が通った跡ではなく、わざわざヤブのほうに行ったりします。体力があるから、人の跡を行く必要がないのかもしれません。
河原に黄色い花が一面に生えています。今日、初めての、そして唯一のお花畑です。
写真上 Genista flagellaris (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.99) 写真上 Myosotis alpestris (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.177) 河原にシラカバが生えている所まで降りてきました(写真下)。シラカバが下流に向かってなぎ倒されたようになっています。この様子からすると、氷河からの強風はいつも吹いているようです。やはりここは風車を設置するのにちょうど良い。
振り返り、氷河の見納めです(写真下左)。近くから見るよりも、ここからの氷河のほうがわかりやすい。溶けた氷河は濁流となって流れ落ちます(写真下右)。
写真下はウシュグリのゲストハウスの庭に植えてあった花です。特徴ある花なのに名前がわからない。
河原から、来た時の山の斜面に沿った道に戻ります。
写真上 Veronica filiformis (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.)
写真上 Valeriana tiliifolia (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.215, The
Caucasus and its Flowers, p.267)
写真上右 Alchemilla tredecimloba (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.89) 写真下は葉を見るとキクに近いような花です。森の中で少数だけ見かけただけだが、図鑑を見ると、それほど珍しい花ではありません。
写真上 Anthemis melanoloma (The
Caucasus and its Flowers, p.305) 吊り橋からさらに歩く 橋に到着(13:42)。ここからは同じ道を戻ります。花も少ないから、車で戻りたいくらいですが、せっかくですから、同じ花をもう一度見ることにしましょう。
ヤマブキショウマの仲間が斜面に一面に咲いています。
写真上 Aruncus vulgagaris (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.91) 道端の薄ピンクのバラの花の匂いに、一瞬、疲れを忘れます。皆さんも道端などでノイバラを見たら、通りすぎないで、匂いを楽しんでください。
写真上 Rosa oplisthes (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.91) 昨日のベチョーにもあった黄色いシャクナゲです(写真下左)。ここではかろうじて花があります。
写真上左 Rhododendron Iuteum (The
Caucasus and its Flowers, p.191) 時々、雨がぱらつくが、傘がいらない程度です。日が射すと猛烈に暑い。
写真上左 Echium vulgare (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.171) 下るにつれ人家が見られるようになり、周囲には柵で囲まれた牧草地があります。農家の人が、巨大な鎌で草刈りをしています。写真下右のヤナギランは、花が咲いているので刈り残したのでしょう。
農家の人たちは農作業の合間に木陰で涼んでいます。夏の間はここは涼しくて良いだろうが、冬は豪雪でたいへんでしょう。
写真上 Sambucus ebulus (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.213) 写真下はダリさんがわざわざ呼び止めてくれた花です。牧場の隅にあった花で、たしかに、これまで見たことがありません。
写真上 Sedum pallidum (The
Caucasus and its Flowers, p.117)
写真上 Saxifraga cymbalaria (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.79) 普通のアザミなのだが、図鑑を見てもよくわからない。
写真上と下は同じアザミだと思いますが、下は日陰に生えていたせいか、とても赤が濃い。 写真下は花の色が白いアザミです。
写真上 Cirsium echinus (Mountain
Flowers and Trees of Caucasia, p.239)
写真下の二枚は崖の斜面を上から撮ったもので、これ以上は近づけません。写真下左の白い花はカモミールのようで、一方、写真上左と花は良く似ていて葉が別ですから、別種です。写真下右はヒルガオが咲いています。
建物の屋根の上にヤナギランがたくさん生えています。旧ソ連時代に作られた建物で、今は倉庫になっているそうです。強者どもが夢の跡でしょうか。
写真上 Epilobium angustifolium (Mountain Flowers and Trees of Caucasia, p.141) 暑いので犬君は水の中に入って涼しそう。
車に乗って(14:58 1455m)、ゲストハウスに戻りました(15:20)。約六時間歩いたわりには、花の収穫は今ひとつでした。 ゲストハウスの庭でオバサンが動物の内臓肉を加工しています(写真下)。腐ったようなすごい臭い。彼らが牧畜民族なのを実感させます。 塔を見に行こう 暗くなるまではまだ時間があるので、ダリさんと光田さんが街中にある塔に案内してくれることになりました。私が昨日そばまで行くこともできなかったあの塔です。博物館になっていて、塔に登れるというのです。そりゃあ、いい。行ってみよう。何とかと煙は高い所に上りたがるというが、私も例外ではありません。 雨が降りそうな空模様なので、傘を持ってでかけました。実際、雨がぱらつきましたが、大したことはありませんでした。すぐそばだというが、結構距離がある。ゲストハウスは街の西側だが、博物館は東側にあるのです。
街の大通りを二キロほど歩き、塔に行くにはさらに北側の坂を登らなければなりません。距離が近いと思って、水を持ってこなかった人たちもいて、健脚の彼らも西遊旅行が「客を歩かせることで有名」なのを実感していました(笑)。
博物館周囲を観光開発のため道路の整備をしていて、どこもここも工事中です。
道の周囲でも、良く見ると観光客目当ての店があり、写真下左は窓にCAFÉと貼ってあります。ただし、外見はただの民家なので、良く注意してみないと店だとは気がつきません。これで客がくるのだろうか。どんな雰囲気なのか、中に入ってみたい、などと思っているうちに、皆さん行ってしまいました。
このあたりは周囲を見渡すと塔がたくさんあります。
下の衛星写真の青が我々が歩いた道、黄色で囲ったのが登った塔の「影」と博物館です。下の衛星写真を良くみると、同じような塔の影が十以上もあるのがおわかりでしょうか。この周囲は塔だらけなのです。 道は写真下の門の下を通り抜けます。まるで中世のヨーロッパの城のようです。
この塔は、もちろん観光用ではなく、戦争用です。対立する一族などから攻撃を受けた時、立てこもるために作られました。一族の誰かの名誉が汚された時は「血の復讐」をしなければならない義務があったといいます。 チベットにもこれと似たような高い塔を作る習慣がありましたが、あれは異民族や盗賊などの攻撃に備えたもので、復讐のためのではありません。この意味ではこちらのほうがより血生臭い。たくさんの塔があるのをみれば、馬鹿げた復讐のためにたくさんの血が流されたのでしょう。
ジョージアの民家 ようやく人が登れる塔にたどりつき(写真下左)、いよいよ登るのかと期待していると、その前に、博物館の見学があるという。しかし、周囲には博物館らしい建物はありません。案内されたのは写真下右の民家のような石作りの建物です。入り口には何も書いていない。
入場料を取られましたから(写真下)、たぶんここはメスティア歴史民俗博物館(Mestia Historical
Ethnographic Museum)だと思います。他にもスヴァネティ歴史民俗博物館(Svaneti Historical Ethnographical Museum)というのがあるようです。 暗い通路を入ると(写真下左)、昔のジョージアの民家を再現した展示がありました。
この建物はここにあった物ではないが、本当の民家をそのまま移築したそうです。部屋は四十人がここで暮らしていたというにしてはちょっと狭いように思います。雑魚寝にしても難しい。 写真下左のように、真ん中に銅の鍋がぶら下がった炉があり、周囲を椅子やベンチが取り囲んでいます。
皆さん、ゲストハウスからのここまでの予想外の距離に疲れて、このベンチに腰掛けていたが、これは博物館の展示物ですので、腰掛けてはいけません(笑)。その中で一番立派な椅子が家長の席です(写真下左)。もう一つ、長椅子のようなベンチに彫りが入っているだけで(写真下右)、他のベンチは簡便です。家長だけがこれだけ立派な椅子なのだから、強い上下関係があったようです。日本のお父さんたちはうらやましく思うでしょう。
写真下左の真ん中にある箱は、女性が衣類を入れる長持です。天井に吊してあるハシゴの先端には、いかにも牧畜民族らしく馬の彫り物がしてあります。
周囲には彫りの入った立派な柵が部屋の三方にあります(写真下)。この柵の中に家畜を飼っていました。柵の下の穴はエサを投げ入れたり、家畜が首を出すところなのでしょう。家畜と人間が同居していたのです。柵の上に板を渡して、その上で人間が寝ていたようです。冬は2〜3メートルも雪が積もりますから、寒さも相当なもので、家畜と人間がお互いに暖房機の役割をしていたのでしょう。家畜だけでなく、室内がある程度の温度になれば糞が発酵して、さらに熱が出ます。
スヴァンの塔(Svan
Towers)に登る いよいよ塔に入ります。この地方にはこの種の塔があちらこちらに見られます。数が多く、石作りとはいえ、崩壊もせずにたくさん残っているところを見ると、わりと最近まで実際に使われていたのではないかと思われます。展示室の少し手前にある11と番号(塔の番号ではなく地番らしい)のある塔です。写真下の塔の右側にハシゴが見えます。塔の一階には入口がなく、ハシゴを登り、塔の二階から入ります。
入り口というよりも、小さな窓のような隙間から中に入ると、広さはせいぜい六畳くらいです。天井の隅に穴があり、ハシゴがかけてあり、それを登ります。天井の穴も最小限なので、背負っているリュックがぶつかるほどです。登っているというよりも、穴の中を這い上がるような感じです。
登るのはそれほど難しくないが、問題は下りる時で、薄暗いので足下が見えず、結構危ない。前の人が完全に登るか下りるまでは待たないと、万一転落でもしたら大変です。こうやって一人一人が上がったり下がったりするので、移動にかなり時間がかかります。 戦争用ですから、窓は上の階に最小限しかついていません。写真下は一番上の七階からの眺めです。
塔の一番上の部屋の屋根は板で出来ています。屋根には穴が開けられていて、外に出られます。私はおっかなびっくり、亀のように身体を半分出して撮ったのが写真下です。
『旅行人』(163号、2011年, p.53)の解説を読むと、塔は高さは20〜25mの七階建てです。 この塔の屋根に登った人もいました(写真下右)。もちろん斜めの屋根の上には柵も何もなく、風もありますから、けっこう恐い。 昔の人はこの風景を楽しむために塔を建てたのではなく、殺すか殺されるかの争いをしていたのです。この地方のスヴァン人は勇猛果敢で有名でした。 どうも私は苦手です。日本でも大河ドラマとして、武士などの激しい争いのドラマが好まれるが、私はまったくこういうドラマに興味が持てない。 人間の闘争本能としてはあのようなものなのはわかる。だが、怒気を含んだ口調で怒鳴りつけ、泣くわめく、挙げ句が殴る蹴る、斬り合いをする、お家のためとか、天下を統一とか、大義名分を振りかざすが、失礼ながら、私には野蛮人にしか見えない。私の身体には農民の血だけで、武士の血は流れていないようです。
念のために申し上げると、私はきれい事の平和主義者ではありません。むしろ、宗教家などが世界平和など唱えるのを見ると、正直、ゾッとする。建前論を並べるその人の顔に欲望や自惚れが出ていて、その個人の欲望こそが争いの元だからです。自分の欲望すら制御できない者に、他人に世界平和をお説教する資格はありません。
高い所が好きな私の望みどおり、塔にも登りましたので、そろそろ宿に戻りましょう。
登った塔の近くに墓所があります。だいぶん草に埋もれている。黒い墓石に遺影が彫り込まれていますから、最近の墓なのでしょう。ジョージアに着いてからバスで移動中、墓地を何度か見かけました。墓の上に屋根がついているのが珍しかった。トビリシへの帰路でご紹介します。
子供たちが遊んでいます。塔がこれからも彼らにとって遊び場にすぎなければ良いのですが。
ジョージアのアールグレイ 7時から本館の食堂で夕飯です(写真下左)。スモモを甘く煮付けたようなデザートが出ました(写真下右)。ここの食堂には紅茶のティーバッグがあるので、蜂蜜を頼んで紅茶に入れて飲むとおいしい。 紅茶はアールグレイだ!私はアールグレイが好きなので、大いに喜びました。だが、一袋ずつ分封されている高級品なのに、まったくアールグレイの味がしません。アールグレイは、かび臭い、薬臭い、石けん臭いなど特徴があるのが普通なのに、こんな何の匂いもないアールグレイは初めてです。
夕飯が終わり、八時すぎに別館に帰ろうと外に出ると、夕暮れで空と山がきれいです。北と東と南それぞれに雪をいただいた山があり、刻々と姿が変わっていきます。私はあわてて自室からカメラを取り出しました。 写真下左が我々が今日行った北側の山、写真下右が西側に見える雪山です。
北西の空の雲が赤くなりつつあります。
写真下は東に見える雪山です。時間を忘れてもう少し見ていたい気分です。でも、もう8時半をすぎていますから、明日の準備をしないといけません。明日はウシュグリに移動し、そこでまた花を見る予定です。
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