トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 南アフリカ花の旅 10日目 2011年8月25日(木) ランバーツベイ → ウエストコースト国立公園 → サルダナ ムール貝の崇り 六時頃、目が覚め、昨日のムール貝の食あたりで、いきなりトイレに飛び込みました(苦笑)。早朝、昨日行ったきれいな砂浜を散歩するつもりでしたが、それどころではありません。松森さんが、私が朝食に出てこないので様子を見に来てくれたので、事情を話し、バスのドアに一番近い席を確保してくれるようにお願いし、9時出発のぎりぎりまで横になっていました。 フラフラしながらバスに乗り込み、悪路でもないのに、バスの揺れがこたえます。目をつぶっていると、少しウトウトと眠ったようです。目が覚めると、体調は相変わらずですが、先ほどのような気持ち悪さはなくなりました。 今日は、ランバーツベイを海岸沿いに南下してサルダナまで行き、途中何カ所かで花を見る予定です。私の体調とは裏腹に、天気もよく、花が期待できます。 エランズベイ(Elands Bay)近くの沼でバスを停めました(写真下、9:46〜9:53)。沼に鳥がいるようです。普段なら、真っ先に飛び出していく私が、入口の席にいるのに最後まで座っているので、「どうしたの?」と質問がでます。「ムール貝にあたった」と返事する自分の声に力がないのがわかります。ムール貝の崇りに負けずに、よろよろと立ち上がり、なんとかカメラを構えました(笑)。こういう時はカメラが重い。 沼とは反対側の山の斜面には草木が生い茂っていて花がありそうです。目の前なのに、そこまで行くだけの気力がありません。道端のオドリコソウで我慢しました(写真下左)。 写真上左 Ballota Africana (http://www.plantzafrica.com/plantab/ballotafric.htm) 遠くに山並みの見える草原の中を走っていくと(写真下左)、やがて海が見えてきました(写真下右)。大西洋です。 草原の中にスプリングボックの群れがいます(写真下)。車に慣れているのか、逃げる様子はありません。 電柱の上にタカが二羽停まっているのをみつけて、エリックさんがバスを停めました(10:04、写真下)。さすがは鳥に詳しいエリックさんで、さっそく図鑑を広げて、鳥の名前を示してくれました。 写真上 Southern Pale Chanting Goshawk 青いルピナス 道端に群生している白い花を撮るためにバスを停めましたか(10:29〜10:38)。しかし、私の関心はそちらよりも、道路のすぐわきに咲いている青いルピナスです(写真下)。これまで北部で見かけたルピナスと違い、ここにあるのは園芸品種でよく見かけるようなルピナスです。しかも、きれいな青です。皆さんのパソコンでは何色に見えるかわかりませんが、紫がほとんど混ざらない青に見えるのは、ムール貝の毒が原因ではないと思います(笑)。 ネットで青いルピナスの種を売っているのを知り、種の型番を調べて、近くの量販店に注文に行くと、担当者は「ルピナスには青はありませんよ。あれは紫を青と言っているのです」と言う。だが、写真集などでも、またネットでも、明らかに青のルピナスがあります。私は「いや、そんなことはない。青と紫は違う」と主張しましたが、かみ合いませんでした。だが、ごらんのように、青いルピナスは実在します。もっとも、確かに日本では青いルピナスはあまりみかけません。 おもしろいことにルピナスは道路端にしか咲いていません(写真下)。他の花たちが、鉄条網の外側の原野に生えているのに、ルピナスだけは道路側にしか生えませんから、外来種の雑草である可能性もあります。 写真上 Pelargonium incrassatum (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/PelargoniumSpeciesTwo#incrassatum) 写真上 Dimorphotheca pluvialis (http://www.plantzafrica.com/plantcd/dimorthothecapluvialis.htm) 写真下は走っている車から撮ったので少々わかりにくいのですが、地面に何か丸いボールのような物がたくさん転がっています。野生のメロンで、まずいので誰も採らないそうです。二日前に、オーキエッブの花畑で見たスイカ模様のメロンかもしれません。 海が近いこともあり、リゾート風の住宅があります(写真下)。形がそろっていますから、別荘の建売なのでしょう。 海岸の赤いバビアナ 海辺の近くでバビアナがあるというので、バスを停めました(11:12〜11:51)。 写真上下 Babiana hirsute (Babiana thunbergii) (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/BabianaTwo) ここに来たことがある山田さんによれば、最盛期にはこのあたりに一面にこのバビアナが咲くそうです。 写真上 Cheiridopsis rostrata (http://www.flickr.com/photos/its_gem/3408198930/) 毛虫君はお食事中です(写真下左)。写真下右の葉は、ニューウッドヴィル自然保護区(8月19日)でたくさん見かけた植物で、こちらの秋にピンク色の花の集合体が丸いボールのように咲きます。ニューウッドヴィル自然保護区のような高地に生えているのかと思ったら、図鑑で調べると、むしろ、大西洋側の海岸を含めた平地に分布しているようです。 写真上右 Brunsvigia bosmaniae (http://www.plantzafrica.com/plantab/brunsvigiabos.htm) 天気もよく、ちょっと散歩したいような気持ちよい海岸です。 浜辺にはムール貝の貝殻も打ち上げられていて、今は見るのも嫌です(笑)。 写真上 Senecio maritimus (http://sophy.u-3mrs.fr/Afriqsud/HI20.HTM) 写真上下 Didelta carnosa (http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Didelta_carnosa_var_tomentosa.JPG) 写真上 Felicia filifolia (http://www.plantzafrica.com/plantefg/feliciafili.htm) 写真上 Lessertia frutescens (http://www.plantzafrica.com/plantqrs/sutherfrut.htm) 鳥の保護区で昼食 Veldorif (フェルドリフ?)という街に到着。この街の南側に隣接する鳥の保護区になっている川のそばで昼食を取りました(12:13〜12:53)。 下の衛星写真の、駐車場が面した道路から北側は街があり、道路から南側は大きな川が流れ、湿地帯になっていて、そこが鳥の生息地になっています。 湿地帯の中に鳥の観察小屋があります(写真下)。入り口のわりには中は奥行きがあって広く、座ったまま板でできた窓を開けて鳥を観察するようにできています。 鳥はいることはいますが、見える範囲ではそんなに多くありません。 水があるから花が咲いているのではと期待したのですが、湿地帯には花は見あたりませんでした。ヨシやアシのような植物の他に、写真下左のような茎が赤い植物が一面に生えていました。写真下右は私の自宅の近くの公園の池に生えていたオオフサモで(2011.7.31撮影)、両者は良く似ています。アマゾンが原産地で、世界中に広がり、日本では特定外来生物として選定されただけでなく、「侵略的外来種ワースト100」にも選ばれるなど、お墨付きのワルです。 周囲も花は多くありません。写真下中と右は民家の芝生の中に生えていた花です。 写真上左 Oxalis pre-caprae (http://en.wikipedia.org/wiki/Oxalis_pes-caprae) 道路の脇は一面のお花畑 Veldorifを出て、国道27号をまっすぐ南下していくと、道の両側に広大なお花畑が現れました(13:16〜13:58)。ただし、車を停めてわざわざ見ているのは我々くらいです。 どうぞ、花の洪水をごらんください。 写真上下 Senecio littoreus (http://www.biodiversityexplorer.org/plants/asteraceae/senecio_littoreus.htm) 写真上 Arctotis hirsute (http://www.flickr.com/photos/tiggrx/6181870454/) これまでの花畑の多くがそうであるように、ここも農場の一部として畑になっているからこそ、これだけの花畑ができているのでしょう。だから、これだけの花があるのに、花の種類はわりと少ない。 写真上 Dimorphotheca pluvialis (http://www.plantzafrica.com/plantcd/dimorthothecapluvialis.htm) 花を堪能してバスに戻ると・・・あら?いつもなら私が最後なのに、まだ数人がバスの数十メートル先の花畑にいます。飯島さんがカメラを落とし、皆さんで探していたのです。残念ながら、見つかりませんでした。予備のカメラのほうを落としたので、とりあえずは小難です。今回の旅行で飯島さんはカメラを落とし、空港で荷物の鍵を開けられるなど災難続きでしたが、実はとんでもない強運の持ち主だと後で知りました。それは帰国の飛行機の中でお話ししましょう。 ウエストコースト国立公園の岩山 道をさらに南下して、ウエストコースト国立公園(West Cost National
Park)の中に入ってきました(14:23〜16:13)。我々は自然保護区に残された岩場に行きます。周囲は海に近い高台なので高級住宅地です(写真下)。 住宅地の行き止まりがここの公園の入り口です(写真下左)。「未来の世代に自然を残そう」という看板が立っているだけで、それ以外は何もありません(写真下右)。 周囲は住宅地が迫り、かろうじてここから先を自然保護区として残したという雰囲気です。住宅地の空き地にも様々な自然の花が咲いていました。入り口を入ると、なだらかな山道が続きます(写真下)。この程度の斜面なら住宅地にはちょうど良いくらいでしょう。 十分ほどなだらかな斜面を登ると湾を見渡す高台に出ました。きれいな海が広がっています(写真下)。 頂上から先は崖のようになっており、危険防止のためでしょうか、有刺鉄線が張ってあります。入るなということのようですから、当然、我々は有刺鉄線を乗り越えて、崖を降りて、花の写真を撮りました(笑)。 写真上左 Pelargonium fulgidum (http://www.plantzafrica.com/plantnop/pelargfulgidum.htm) 写真上 Euphorbia karroensis ( 写真上 Microloma sagittatum (http://www.operationwildflower.org.za/index.php?view=detail&id=649&option=com_joomgallery&Itemid=8) 写真上 Leysera gnaphalodes (Field Guide to Wild
Flowers of South Africa,p.404) 写真下の内側が赤いきれいなキクはここにしか生えていない種類です。園芸品種なら一鉢買おうかと思うような花です。 写真上 Felicia elongate (http://www.plantzafrica.com/plantefg/feliciaelongata.htm) 写真上 Satyrium
odorum (http://www.plantweb.co.za/Plant_Pictures/Satyrium/Satyrium_odorum/) 写真上 Chasmanthe floribunda (http://en.wikipedia.org/wiki/Chasmanthe_floribunda) 写真上下 Heliophila coronapifolia http://www.yonemura.co.jp/zukan/zukan-f/naiyou/heliophila0.htm 市村さんが石の陰にうずくまっているカメを見つけました(写真下左)。動いてくれないかと甲羅をちょっとノックしてみたのですが、完全無視。そこで、市村さんが引っ張り出したら、動いてくれました・・・カメ君、脅かしてすまん。動きは意外に早い。 虫はそれほど多くはありません(写真下)。 写真上 Spiloxine serrata (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/spiloxene) 晴れていて、ここからの海の眺めはすばらしい。 写真上 Oxalis pre-caprae (http://en.wikipedia.org/wiki/Oxalis_pes-caprae) 写真上下 Oxalis convexula (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/SouthAfricanOxalisTwo) 写真上 Felicia filifolia (http://www.plantzafrica.com/plantefg/feliciafili.htm) 写真上 Diascia capensis (http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/s.africa-hana-3.html) 目の前の海は湾なので、写真下の対岸に見える岬と左側でつながっていて、右側の奥に進むと外洋に出ます。 写真上 Salvia africana-lutea (http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/s.africa-hana-3.html) 「こっちにきれいな花があるよ」という山田さんの呼び声に降りていくと、岩場の近くに大輪のピンク色の花が咲いています。直径が十センチ以上もあり、見事なピンク色です。 写真 Carpobrotus quadrifidus (http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/s.africa-hana-3.html) 崖の上のほうに花は同じなのだが、ずっと小さい花が咲いています(写真下左)。比較のために置いたボールペンの長さは約14cmです。小さい花の直径は5cmくらいでしょう。さきほどの大輪に比べると(写真下右)、三分の一もありません。大きさを除けば、花も葉も良く似ています。 写真上 Ruschia caroli (http://www.desert-tropicals.com/Plants/Aizoaceae/Ruschia_carolii.html) 写真上右 Conicosia elongate (http://www.operationwildflower.org.za/index.php?view=detail&id=779&option=com_joomgallery&Itemid=8) 写真上左 Crotalaria excise (Namaqualand South
African Wild Flower Guide 1, p.104) 写真上 Bulbine annua (http://www.globalspecies.org/ntaxa/1234970) この岩場での花の撮影が今日の最後です。道を少し戻り、そのまま湾を回るようにして、サルダナに向かいます。 海のそばのリゾート・ホテル 今日の宿泊地サルダナ(Saldanha)のProtea
Hotel Saldanha Bayに到着(16:48)。三つ星ホテルです。 ホテルの入り口は写真上のように平凡ですが、そのまままっすぐホテルの中を突き抜けるように海側にいくと、素晴らしい展望です(写真下左)。 写真上右は外から写したもので、ラウンジが海側に船のデッキのように突き出ていて、ガラス張りなので、海と風景を楽しむことができます(写真下)。 歓迎のお酒やお茶が準備されていて(写真下左)、冨山さんと松森さんが受付の手続きで忙しい間、我々はのんびりと風景を楽しみながら、ご馳走になりました。 ベランダに出ると270度ほどの眺望が楽しめます。青い海にはヨットが浮かび、ヤシの木などもあり、気分はリゾートです(写真下)。 すべての部屋が海に面しているようで、青を基調とした明るい部屋です(写真下左)。ミネラルウォーター、果物、それに中身のわからない缶詰があります(写真下右)。普段の私ならすぐにリンゴを食べるのですが、胃腸の具合が悪いので手をつけませんでした。 私の部屋は一階でベランダがあり、そのまま目の前の芝生に出ることができます(写真下)。時間がまだ早いので、外に散歩に行きたいところですが、体調が今ひとつなので、休むことにしました。 7時からホテル内のレストランで夕飯です(写真下)。私は食欲がなく、魚や肉など見ただけで気持ち悪くなるので、野菜と果物、そして水分を多めに取るようにしました。胃腸薬だけで何とか治せるかと一日粘ったが、ムール貝の崇りは強烈らしく(笑)、医者から旅行用に処方してもらった抗生物質を使うことにしました。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |