トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 南アフリカ花の旅 11日目 2011年8月26日(金) サルダナ → エランズバーグ自然保護区 → ケープタウン 六時に起床して、窓を開けるとまだ薄暗く、月が出ています(写真下)。 芝生にいるのはカモメでしょうか。 七時から朝食です(写真下)。相変わらず食欲がありませんが、野菜とパンとヨーグルトは食べられました。 今日はケープタウンに向かう途中で、個人が経営する自然保護区などに立ち寄ります。ただ、天気はあまり良くありません。朝方は月が見えたのに、すっかり曇り、ホテルの前のデージーは霧雨で濡れています(写真下左)。 バスは国道45号を東に向かい、国道七号を横切って、エランズバーグ自然保護区(Elandsberg Nature
Reserve)を訪ねます。 エランズバーグ自然保護区 どこが自然保護区の入り口なのかはっきりしないまま、いつの間にか広大な農場に入ってきました(http://plak.co.za/moreinfo.php?id=61832)。中型の灰色の鳥がいます(写真下)。 シマウマもいます(写真下)。これは白いシマウマなのか、それとも黒いシマウマなのか。シマウマを乗馬や農耕に使ったというのは聞いたことがありません。個人的には乗ってみたい気がします。シマウマに乗ったカウボーイなんて見たことがないから、人間にはなつかないのでしょうか。 まずは保護区の事務所に立ち寄って、トイレを借りました(写真下左、〜10:46)。すぐ隣に宿舎らしい建物もあり、そちらのほうには人がいるでしょう(写真下右)。事務所のほうには誰もおらず、建物には鍵もかけてありません。どうやら、マニングさんなら信用がおけるから、勝手に使ってくれということのようです。 事務所の壁にこの保護区を撮ったと思われる何枚かの航空写真があります(写真下右)。10 000 acreといいますから、約4000haあり、単純な長方形なら、10km×4kmくらいの面積になります。 写真下左には「エランズバーグ農場(Elandsberg Farms)」とあります。 ここは会社組織の農園であり、同時に自然保護区のようです。写真下左の看板には、エランズバーグ自然保護区(Elandsberg Nature
Reserve)、 写真下右の亀マークの下にSouth African Natural Heritage siteとあります。南アフリカの国立公園や自然保護の制度がわからないので、この保護区がどういう位置づけなのかはわかりません。 あいにくの曇り空の中、花の撮影開始です(10:51〜12:46)。まずは事務所のすぐそばにあった白い花です(写真下)。日本でも栽培品で見かける花です。南アフリカではこれが道路の脇に雑草として生えています。初日のケープタウンからウーセスターに向かう途中の道端に群生しているのを見かけました。しかし、珍しくもないので、バスは停まってくれません。 写真上 Zantedeschia aethiopiaca (http://en.wikipedia.org/wiki/Zantedeschia_aethiopica) 雨が降って止んだ 事務所から少し戻った原野で花を探します(写真下)。 写真下はピンク色のきれいな花をつけるモウセンゴケの一種です。 写真上下 Drocera pauciflora (http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3888/gal/drosera/pauciflora.html) 写真上 Chlorophytum undulatem (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/Chlorophytum) 写真上 Moraea gawleri 写真上下 Lachenalia
pallida (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/LachenaliaSpeciesFive) 写真上 lachenalia uniflora http://makiand66.blogspot.com/2008_04_01_archive.html 雨が止んだ 撮影を開始して間もなく雨が降り、中断しました。しかし、二十分ほどバスで待っていると小降りになり、やがて止みました。撮影再開です。足下は雨でぐしゃぐしゃに濡れているし、曇り空ですから、撮影条件はあまり良くありません。しかし、雨が止んだだけでもよしとしましょう。 雨の中でも目立つのは写真下の高さが二十センチほどのオレンジ色のグラジオラスです。これまでも同じような柄のグラジオラスがありましたが、ここのはオレンジ色がはっきりしています。 写真上下Gladiolus alatus (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/SouthernAfricanGladiolusOne) 写真下はこれまでも良く見かけた紫色のアヤメです。 写真上 babiana ambigua (http://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/BabianaTwo) もう少し日射しがあると紫の色もはっきりするのでしょうが、あいにく曇り空で、花にはさっき降った雨の滴がついています。 総じては紫のアヤメですが、中には白っぽいものもあります(写真下左)。また、写真下右のように、同じ株から、色の濃いのと薄いのが同時に生えている個体もあります。 写真下のアヤメが写真上と同じなのかどうか、よくわかりません。数が少ないことから見て、ただ色が抜けただけかもしれません。 写真下もバビアナのように見えますが、色が違います。 写真上 Arctotis candida http://plants.jstor.org/visual/nbgsld0000118 写真下はユリ科の花で、今回の旅行ではここでしか見られませんでした。ここでの数も多くありませんでした。図鑑で調べると花に芳香があるそうですが、気がつきませんでした。 写真上 Wurmbea marginata (http://www.plantzafrica.com/plantwxyz/wurbeamarg.htm) 山田さんがアヤメを見つけて呼んでいます。彼は南アフリカは三回目だというだけあって、花を見つけるがうまい。水辺に咲く小柄できれいなアヤメです。ちょうど陽が差してきました。 写真上下 Moraea tripetala (http://www.plantzafrica.com/plantklm/moraeatripetala.htm)
ほっそりとして小柄で、色も派手でなく、清楚でいい感じですねえ。アヤメが咲いているあたりは元々湿地のようで、雨が降ってさらに水たまりができて、日本的なアヤメのイメージとも合います。 そろそろ昼食の時間なので、急いでくれとマニングさんが再三急がせます。いくらせかされても、せっかく陽も射してきたのに、このきれいなアヤメを撮らないでは行けません。 ビクトリア調のホテルで食事 保護区の中にあるホテルで昼食です(12:58)。この自然保護区の通称はバーソロミュウズ・クリップ(BARTHOLOMEUS KLIP)というようです。(http://www.bartholomeusklip.com/index.php) 天井の一部がガラスになっているので、テラスのような明るい食堂です(写真下)。 テーブルなどセッテングはたいへん立派なのに、昼食の見かけはそれほどご立派ではありません(写真下)。私は体調が悪く、見ただけで胃腸が受取拒絶の通知を送ってきたので、ほとんど食べませんでした。 (http://bartholomeusklip.blogspot.com/) このホテルのホームページによれば、建物自体( The main house)はすでに百年を超しているそうです。部屋数はわずか4つ。しかも、静寂を保つために16歳以下の子供は宿泊できません。冨山さんに聞いてみると、4万円前後というのですから、安くはありません。ただ、広大な牧場という環境とこの設備なら、その価値はあるでしょう。 ここのホームページには「We are a romantic
Victorian farmstead」、つまりロマンチックなビクトリア風の農場だとあります。その文章どおりに、ホテルの中はビクトリア調の落ち着いた雰囲気で統一されています。 客が出入りできる居間は二つあり、客室に行くのにはそのどちらかを通過しなければなりません。写真上などはフラッシュを焚いて撮影しましたが、窓からの光は最小限で、実際は灯りのみです。 ドアにはめこまれたガラスも凝った模様が入っています(写真下左)。 隣にあるもう一つの居間を見てみましょう。こちらには暖炉があり、火も入っています(写真下右)。この写真はフラッシュを焚いていませんから、実際の部屋の明るさはこんなものです。 きれいなシェードのついたスタンドがあり、そこに茶器もそろっていて、お湯さえあれば、すぐに飲めるように準備がされています(写真下)。この落ち着いた部屋で暖炉の前でお茶を飲んだら、いいでしょうねえ。もっとも、我々の食事にはお茶は出ませんでした。 ビクトリア調というと、私の感覚からは少々ゴテゴテした印象があります。今回の旅行でいうと、カルヴィニアで泊まったホテルの本館の飾り付けなど、過剰です。しかし、ここは重厚で落ち着いており、このホテルの趣旨どおり、家族としてすごせそうな雰囲気です。 廊下の両側にある客室のドアが開いているので、のぞいてみました(写真下)。こちらも灯りや家具がビクトリア調で女性に受けそうな、とても落ち着いた雰囲気です。だが、意外にも、女性客たちの関心は今ひとつで、写真を撮りまくっていたのは私だけでした。 ここまでの写真をご覧になって一つ気がつきませんか。昼間なのに灯りがついています。もちろん私がつけたのではなく、最初からついていました。泊まり客はいないようですから、我々に見せるために付けたのかもしれません。灯りのシェードも使い方もおしゃれです。灯りが照明だけではなく、装飾や安らぎのために使われています。灯りを楽しむという習慣は、残念ながら、日本には根付いていません。 写真下は廊下に面した共同のトイレです。各部屋にはもちろんトイレがついており、我々が借りたトイレがこちらです。トイレの中にはいったままで、これだけの幅の写真が撮れるのをみれば、中が広いのがわかります。トイレにオレンジ色を使っている点もなかなかオシャレです。 百年たっているようには見えないのも当然で、数年前に改装したのだそうです。南アフリカは長年、オランダやイギリスの植民地だったという不幸な歴史もありますが、こういう文化はぜひ大切にしてほしいものです。 食事を終えて外に出ると、先ほどまでの雨模様と違い、青空が広がっています。レストランのすぐそばに、かなり広い貯水池があります(写真下)。おそらく農業用水に使っていたのでしょう。 ここでも従業員がマニングさんと別れを惜しんでいます(写真下右)。行く先々でのこういう従業員たちの反応を見ると、彼が客を連れてきたからということよりも、人柄を歓迎しているように見えます。 ケープタウンの植物園 ケープタウンに近づいた頃に、道路で走行する車相手に花を売っている人たちを見かけました(写真下)。1本買って記念撮影をしたいところですが、交差点ですから、バスが停められる所はありません。 持っている花は一種類のみで、さきほどの保護区の事務所の近くで見かけたラッパのような白い花で(写真下)、道端にも時々生えているくらいだから、案外、彼らも栽培しているのではなく、野生の花をそのまま採ってきたのかもしれません。 写真上 Zantedeschia aethiopiaca (http://en.wikipedia.org/wiki/Zantedeschia_aethiopica) ケープタウン市内に入ると渋滞しています(写真下)。旅行中初めての渋滞です。 キング・プロテアを見た ケープタウン市内にあるキルステンボッシュ国立植物園(Kirstenbosch National
Botanical Garden)に立ち寄りました。(http://www.sanbi.org/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&Itemid=57&id=139) 立ち寄ったのは植物園の見学ではなく、本を買うためです。私のように本はいらない何人かが、植物園を見学することにしました。時間はたった40分です。この広大な植物園を40分で見るのはもちろん無理だが、行ける所まで行ってみましょう。入場料R37(400円)を払い、ちょっと駆け足です。 植物園は写真上に見えるテーブルマウンテンの東側の麓の地形をうまく利用して作られています。勾配があるので、急いで歩き回ると息がきれます。ていねいに花を見ていたいのだが、時間かありませんから、移動は早足で、構図などおかまいなしにシャッターを切るしかありません。 今回の旅行で見つけたたった一輪のケシです。植物園にあるくらいだから、南アフリカに元々生えていたヒナゲシなのでしょう。日本で栽培されているのと雰囲気はそのままです。 薄曇りなのに青いデージーがきれいに咲いています(写真下左)。うっとりと見惚れていたいが、時間がないので、急ぎましょう。 写真下はクンシランです。私は植木鉢で大事に育てられた花しか見たことがありませんでした。植木鉢のクンシランに比べると、ここのは葉もつやつやして勢いがよい。それもそのはずで、ここが原産です。 アロエやトリトマのような花が多く、たくさんの種類があるのがわかります。その中でも、ピンク色は初めてみました(写真下左)。 園内にはいろいろな鳥がいて、あまり人を恐れる様子もありません。 写真下の鳥は台の上に鳥の模型が置いてあるのかと思って近づいたら、動いた!振り返って私のほうを「なんだ、おまえ」という顔で見ています。本物の鳥でした。 もっと驚いたのが下のフクロウです(写真下左)。日中にフクロウがいるのも奇妙だが、このフクロウのいる木の下に、このフクロウの看板があるのです(写真下右)。看板の立っている木の上に本物フクロウがいる!公園の人通りの多い樹木の上ですから、ここに巣があるとは考えにくい。こんなことってあるのですね。 集合時間も近づいているので入口方向に急いで引き返していると、山田さんが花壇の上から手招きします。彼が声をかけるくらいだから、よほどの花です。 それもそのはず、キング・プロテアです(写真下)。南アフリカの国花で、写真下右の女性の手と比べてみるとわかるように、二十センチをこえる巨大な花です。今回の旅行では開花時期に早すぎるので、見られないと思っていただけに、栽培品でも見られたのはラッキーでした。 写真上 Protea cynaroides (http://en.wikipedia.org/wiki/Protea_cynaroides) 南アフリカ最後のホテル 本日のホテルSouthern Sun Hotel
Newlandsに到着(17:14)。市内にあるかなり大きなホテルです(写真下)。ここで花のガイドをしてくれたマニングさんとはお別れです。 (http://www.southernsun.com/hotels/newlands/pages/overview.aspx) 部屋は広さにも余裕があり、備品などを含めて申し分ありません(写真下)。ポットだけでなく、コーヒーセットまであります。 ここは先ほどの植物園と同じでテーブルマウンテンの東側にあたるので、窓の左側に山が見えます(写真下)。私は体調が悪いので、翌朝を含めて散歩できませんでしたが、周囲は静かな住宅街という雰囲気です。 ホテルのレストランで夕飯です。ここはビュッフェスタイルではなく、肉か魚を選ぶというやり方です。 南アフリカも最後の夜で、現地旅行会社の社長のラクストンさんも来て、ルイボス茶のお土産をもらいました。彼の口から、リビアのカダフィ大佐が行方不明だという良いニュースを聞きました。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |