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ブルガリアの春の花

5日目 2016428()

スリヴェン → ソゾポル

 

 

 六時すぎに起床。室温は21.7度です。窓を開けると、写真下は陽が射す前なので曇りのように見えますが、実際は晴れています。

 

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 本日はスリヴェンでもう一種類のチューリップを見た後、黒海に面したソゾポルに行き、黒海近くの砂丘や森などを散策します。

 

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朝の散歩

 ここのホテルは一泊のみなので、荷物をまとめてから、朝食前の散歩に出かけます。昨日夕方はホテルの南側に行きましたから、今日は斜面になっている東側に行ってみましょう。

 

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 昨日の南側と違い、立派な家が多い(写真下)。バルカン山脈を背にして南向きの斜面ですから、住宅地に適しています。

 

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 道端には赤いケシの他に、カナリア諸島でも見かけたエキウムの仲間が咲いています(写真下左)

 

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写真上右:Silene euxina

 

 三百メートルほど山のほうに上がっていくと、国立公園の入口の建物があります(写真下左)。看板がブルガリア語なので良くわからないが、ハゲワシのような鳥を保護しているということのようです(写真下右)

 この建物の裏から、昨日私たちが行った電波塔のあたりまでの登山路があります。ただ、ここは標高約350mで、電波塔が約1000mで、朝の散歩には向きませんから、登るのはやめておきましょう()

 

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 この道をまっすぐ北にさらに数百メートルほど上ると電波塔行きのリフトの駅があります。私は登山口で右に曲がり、住宅街の細い道に入ります。下の衛星写真の青線が私の散歩コースです。

 

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 車がやっと通れるかどうかという程度の細い道ですので、私と犬クンは十分にすれ違えます。

 

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 昨日の道路の南側とはまた少し違った花も見られます。

 

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写真上左:Reseda lutea

写真上右:Veronica austriaca

 

 民家の間ですから、これらの花は野生品種だとは限りません。

 

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 地図ではまっすぐ東に行けるはずなのに、途中から道が上に曲がっています。私が地図を見ながら、どちらに進むか迷っていると、オジサンが一人現れ、北への広い道ではなく、東への細い道を行けと指さします。広い道は個人の住宅で行き止まりであり、オジサンはその住宅の住人で、迷って来られては迷惑だから、教えてくれたのでしょう。私は彼の助言に感謝して、写真下の細い道を進みました。

 

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 ここにも雑木としてノバラがピンク色の花を咲かせています。花の中で甲虫が朝食中です。

 

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写真上:Rosa canina

 

 民家の庭先にシャクヤクが見事に咲いています(写真下)。初日に見たホソバシャクヤクと違い、葉は細くありません。後日、これを野生で見ることになりました。

 

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 ここは斜面になっているので、木々の間から、スリヴェン市内が見えます。

 

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 七時半からホテルのレストランで朝食です。普通のホテルはビュッフェ形式が多い中、ここは一人ずつ皿で男性が運んできます(写真下)。従業員の負担は大きくなるが、ホテルが小さく、客の数が少なければ、このほうが食材は無駄にならずに済むでしょう。

 設備が特別良いというのではないが、家族経営で、雰囲気の良いホテルでした。

 

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チューリップ

 八時半にバスに乗り出発。昨日と同じ、Sinite Kamani国立公園にある山に登り、昨日とは違う種類の黄色いチューリップを探します。案内してくれるのは地元の写真家のイワンさんです(写真下左)

 

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 登山口に到着して、最初は写真下左のような普通の山道だったのが、ヤブの中に入り、やがて道なき道を進みます。それもかなりの急斜面です。

 

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 登りがきついことが前もって知らされていたので、お客さんの二人がバスで待つことにして、総勢11人です。写真下を見てもかなりの急斜面なのがおわかりでしょう。実際見たままで、岩山で道はありませんから、登るだけでも容易ではありません。

 

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 斜面がきついだけに人が入り込んだ様子がなく、そのぶん花が多い。

 

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写真上:Alyssoides utriculata

 

 写真下のハンニチバナの仲間らしく、花弁にシワがよっています。

 

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写真上:Helianthemum nummularium

 

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 写真下は日本でいえばタツナミソウです。日本のは薄紫が多いが、ここのは薄黄色です。

 

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写真上:Scutellaria. orientalis

 

 写真上と下では同じような花に見えるが、良く見ると写真上は花が上に向いており、写真下は花が下に垂れていて、別種です。

 

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写真上:Onosma thracica

 

 フウロソウは群れて咲くことが多いのに、ここはわりと閑散としている。

 

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写真上:Geranium sanguineum

 

 写真下のキキョウはCampanula. rapunculoidesにしてはちょっと小さいし何よりも、花の付き方が違うように見えます。一本しかなかったので、判断できません。

 

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 黒い斑点の大きい面白いポピーがある(写真下)。花弁の根元に黒いマークがあるケシは珍しくはありませんが、花全体にこれほど大きく黒い斑点があると、斑点ではなく、花の色の一部になっています。たった一本、ポツンと咲いていました。特別な種類ではなく、花弁が十分に成長できずに、花の底の黒い部分だけが大きくなったようです。

 

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写真上:Papaver rhoeas

 

 山の少し上のほうにナガミヒナゲシがあります。日本ではナガミヒナゲシは道端に咲く花で、山の中でなど見かけません。そしてまたしても白いポピーがあります(写真下右)

 

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写真上:Papaver dubium

 

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写真上:Crepis hispidus

 

 写真上と下は似ているが、花の形や茎が違うので別種のようです。

 

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写真上:Tragopogon dubius

 

 写真下はいわゆるハーブのイエロー・バジルです。ハーブらしく砂利の間からたくましく成長しています。欧州、地中海沿岸から北アフリカまで広く分布しています。

 

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写真上:Ajuga chamaepytis ssp. Chia

 

 写真下のアカネの仲間は欧州はもちろんのこと、トルコからカザフスタンまで広く分布しています。

 

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写真上:Asperula arvensis

 

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写真上:Comandra elegans

 

 写真下の花の学名はヴェロニカですから、オオイヌノフグリの仲間です。ただし、こちらは1メートル近くも大きくなる植物です。朝の散歩でも見かけました。

 

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写真上:Veronica austriaca

 

 二日前、ロドピ山脈でも見たジュウニヒトエの仲間です(写真下)

 

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写真上:Ajuga laxmanii

 

 ホタルカズラの仲間がきれいです。林の下に生えているので、日陰の中から浮き上がってみえる。ホタルカズラとはぴったりの名前です。私がうっとりとながめていると、皆さんどんどん先に行ってしまう。

 

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写真上:Anchusa barrelieri

 

 写真下は他で見たようなヤグルマギクに比べると花がさえません。

 

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写真上 Centaurea marschalliana

 

 林の中に初めて見るランがあります(写真下)。今回の旅行ではここでしか見ませんでした。

 

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写真上:Limodorum abortivum

 

 写真下のランはたった一本しか探せませんでした。他の人に「ここにランがあるよ」と教えられたにもかかわらず、私はしっかりと通りすぎて探せず、わざわざ戻って教えてもらいました()。これも今回の旅行ではここでしか見かけませんでした。日本に比べてランが多い。

 

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写真上下:Orchis tridentata

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 一方、写真下のランはあちらこちらで見かけました。

 

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写真上:Orchis simia

 

 

野生のチューリップ

 ありました!黄色いチューリップで、昨日のよりもいかにもチューリップという姿です(写真下)。大きさもこちらのほうがやや大きい。

 

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写真上下Tulipa urumoffii

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 樹木が育ちにくいような斜面に生えています。

 

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 チューリップは花弁が内側にめくれているので、花弁の先がとがっているような印象を与えます。こういう姿で開花しているのが多いので、これがこのチューリップの普通の姿なのでしょう。

 

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 咲き終えているのはほとんどないから、ちょうど真っ盛りの時期に来れたようです。

 

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 青い空も白っぽい岩肌も黄色いチューリップに何となく合いますね。

 

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 紅が混じったチューリップです。たぶん黄色の変種で、数は少ない。

 

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 チューリップの周囲には当然いろいろな春の花が咲いています。写真下は花はシロバナニガナに似ていますが、葉は似ていません。

 

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 写真下の藤色の花も白い岩に良く合います。花にアカタテハがとまっています。

 

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写真上:Syringa vulgaris

 

 写真下は朝の散歩でも見た花です。

  

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写真上:Achillea clypeolata

 

 ここにも何種類かエンドウマメのような花があります。

 

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写真上:Lathyrus cicera

 

 写真下はどちらかというと林の中に多く見られました。

 

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写真上:Lathyrus laxiflorus

 

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写真上左:Trinia glauca

 

 お客さんの手の上に蝶々が停まりました。シジミチョウくらい小さく、北半球に一般的に見られるヒョウモンモドキの一種です。写真下右のカミキリムシはフランス、イタリアからギリシャ、トルコなど欧州の南部の広い範囲に分布しています。

 

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写真上左のチョウ Melitaea phoebe

写真上右のカミキリムシ Herophila tristis

 

 岩場にトカゲ君がいる(写真下)。昨日見た緑色のトカゲと違い、こちらは普通の茶色のトカゲです。西ヨーロッパから西南アジアまで広く分布していて、ブルガリアは原産地の一つです。

 

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写真上 Ablepharus kitaibelii

 

 目的のチューリップを撮り終えて、道なき道を下山します。先ほどの岩場は急斜面なので、迂回して森の中を降りて行きます。

 

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 全員、無事下山(10:53)。イワンさんを市内のバス停まで送ると、タイミング良くバスが来て(写真下)、彼とはここでお別れです。今回の場所は山道があるわけではないので、彼のガイドなしには無理でした。

 

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菜の花畑

 バスは一路、黒海沿岸のソゾポルに向けて東に進みます。スリヴェン市内を出ると、周囲は広大な麦畑などの農地で、その向こうのあちらこちらに集落が見えます。

 

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 時々ブドウ畑なども見られます。だが、予想したよりもブルガリアではブドウ畑を見かけませんでした。

 

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 ブドウの代わりに東に進むにつれて増えてきたのが風車です(写真下)。後日、黒海近くで大規模な風車群に出くわしました。

 

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 ガソリンスタンドでトイレ休憩です(11:32)。ここもこれまで見て来たようにコンビニのような店が併設されています。無料でトイレだけ使うのもなんですから、適当に買い物をします。

 

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 周囲に菜の花畑が広がっているので、車を停めて撮影です。しかし、昨日もそうだが、バスから降りてしまうと、菜の花畑を横から見ることになるので、意外に撮影はしにくい。

 

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 バスに乗ったほうが位置が高いので眺めは良いが、動くし、窓がスモークガラスなので写真は撮りにくい。

 

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 条件の悪さはともかく、地平線の彼方まで続く大迫力の菜の花畑を見てください。

 

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 どこに行っても街は屋根の色が統一されているので街並がとてもきれいです。日本も模倣が上手いと言われているのだから、こういうのを真似できないでしょうか。

 

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 羊の牧場です(写真下)。牧畜が盛んなのかと思っていたが、意外に見かけません。

 

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 馬車は珍しいがたまに見かけます。写真下右の、頭に飾りをつけている馬を時々見かけますから、馬車のタクシーではあるまいか。

 

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黒海レストランで昼食

 右側に大きな湖が見えてきました。黒海と隣接している大きな湖です。

 

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 海岸に沿ってしばらく走り、やがて目的地であるソゾポルに到着です(13:32)

 旧市街にある海辺のレストランで昼食です。旧市街は車が入れないので、海岸に沿った歩道を歩いて行きます。その風景を見てください(写真下)。晴れて、素晴らしい。

 

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 海岸の歩道は良く整備されていて、道に沿っておしゃれな店が並んでいます。気分は完全にリゾートだ()

 

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 ここは湾になっていて、南の対岸に今夜私たちが泊まるホテルが見えます(写真下)

 

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 レストランに到着。斜面に建てられているので、海側から見ると四階建て(写真下左)、反対側から見ると二階建てです(写真下右)

 

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 ベランダが突き出た独特の木造家屋がこの地域の伝統です。この建物はまだ新しいから、伝統的な工法で建てられたのでしょう。

 

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 店の中も写真下のように小奇麗だが、晴れた日なので、外で食べましょう。

 

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 ここでも前菜はたくさんの生野菜なのでうれしい。

 

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 料理は二日前の修道院の近くの店で売っていた丸めた肉です(写真下左)。私にはちょっと味付けが濃いが、うまい。食後に頼んだコーヒーが写真下右で、飲みかけではなく、これが出てきた状態です。イタリアなどで普通に飲まれるエスプレッソのようです。細かく砕いたコーヒー豆を沸騰水を加圧しながら抽出するので、普通のコーヒーを濃縮したようなもので強烈に苦い。エスプレッソは二口くらいで飲むと言われるが、胃腸の弱い私は口に浸す程度しか飲めません。

 

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ハーブ茶

 食後、旧市街を通ってバスに戻ります。道脇のレストランは昼食時を過ぎているせいもあるのか、閑古鳥で、店のオジサンが「食べていけ」と誘います(写真下左)。食べ終わったばかりだと断ると、「では、次の機会に」と手を振る。

 

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 皆さんで土産物屋に入りました(写真下)。ブルガリア特産と言えば、バラの香りのするローズ・オイルやローズ・ウォーターが有名です。ここがお土産を買うチャンスであり、値段も高くないとのことです。

 

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 客のいなかった店は日本人で大にぎわいで、しかも、写真下左のように一人が何点も買うから、二人の店員は大忙しです。レジがなく、すべて手計算です。キリストのイコンを売りながら(写真下右)、脱税したら天国に行けませんよ()

 

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 皆さんが買い物すると店員がかかりっきりになるので、写真を撮るのが楽で助かる。買物などしない私が皆さんと一緒に店に入る最大の理由がこれです。

 だが、今回だけは違いました。ハーブ茶がある(写真下)。ブルガリアではお茶と言えば紅茶ではなくハーブ茶です。値段を見て驚きました。50g0.5レフというのだから約35円・・・えっ?このこんなにたくさん入った一袋が35円?ティーバッグに詰めたら百杯分くらいありそうです。私は自分の計算違いで桁を間違えているのだろうかと疑いました。350円でも驚かない量です。

 

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 私は自分の計算を間違えているのではないかとヒヤヒヤしていたので、10袋のつもりが、数え間違えて11袋買ってしまいました()。やはり一袋0.5レフで、とにかく安い。私以外は誰も買っていないようです。

 

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 お土産も買ったので旧市街の中を散歩しましょう。

 

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 この街の伝統的な建物が写真下のような、二階が突き出た黒い木造家屋です。

 

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 元々は漁師の家だったようです。漁師はすっかり減り、今ではここでの観光の目玉になっています。

 

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 木造の建物を見ながら石畳の街中を散策します。

 

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 古い建物の多くは店やレストラン、ホテルなどになっていますが、明らかに個人宅と思われる建て物もあります。

 

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 教会の入り口で私たちの一行が集まっています。あまり敬虔な人がいるように見えないのに、どうしたのだろうかと行ってみると、見ていたのはキリストではなく、頭上に巣を作っているツバメでした。キリスト様の上に巣箱を作ることは彼らの感覚では罰当たりではないのが良い(写真下右)

 

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午後のチューリップ

 午後はソゾポルからプリモスコまで南下して、ブナ林や海辺で花を探します。

 

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 街を通り過ぎると、南下するにつれて周囲はうっそうとしたブナの森が続きます。Ropotamo自然保護区です。

 

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 写真下のRopotamo川はRopotamo自然保護区の真ん中を流れる川で、動植物の宝庫で、スイレンがきれいだという。(http://ropotamo-reserve.com/)

 ブルガリアでは恋人がこの川にボートを浮かべることで有名です。川の流れが穏やかなので、流れに任せて、恋を語らうことができるからでしょう。ここでは遊覧船が営業しています。

 

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 トニさんがチューリップが咲いている所に案内しました。残念ながら、数が少なく、被写体になるような花は一つくらいです。典型的な赤いチューリップで、これが自然に生えていることに感動しなければならないのに、普段見慣れた花なので、誰かが森に球根を捨てて行ったのかななんて思ってしまう()

 

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写真上下:Tulipa thracica

 

 もう一本あるが、花が盛りをすぎている(写真下左)。驚いたのが、球根が掘り起こされたチューリップです(写真下右)。森の奥なのでわざわざ人間が掘るはずもなく、たぶんイノシシではないかとのことでした。チューリップの球根は食えるのだ!後で調べてみると、オランダなどでは食用のチューリップを栽培しているようです。

 

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 チューリップが生えているあたりのブナ林は雑草が生い茂り、林の中には入りにくい。

 

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写真上:Verbascum phoeniceum

 

 写真下のシロツメクサは白とピンクの両方があります。どちらも混じり気がなく、きれいですね。

 

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写真上下:Trifolium echinatum

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 ここのノイバラは花の色が白です。

 

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写真上:Rosa canina. Group

 

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 林の中にシカがいます。もちろん野生です。日陰になっていて良く見えないが、欧州一帯に広く分布するノロジカ(Roe deer)ではないかと思われます。

 

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写真上 Capreolus capreolus

 

 ブナ林の木漏れ日の下にランがたくさん生えています。

 

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写真上下:Orchis purpurea

 

 数が多いので被写体には困りません。これだけランが群生する林があること自体、すごい。また、ちょうど良い時期に来たらしく、枯れ始めた花がありません。

 

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 写真下が一般的な花で、花弁の色が白に近いピンクで、そこにソバカスが付いています。

 

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 一部の花は白いピンクが薄ピンクになり、中には写真下右のように花弁の先だけがピンク色になっているものもあります。

 

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 さらに写真下になると、花弁に明瞭な赤い模様が出来ています。これは数も少ない。こんなふうに花を比較できるほど数が多い。

 

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 逆にラン以外の花はそれほど多くはありません。

 

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写真上右:Geranium asphodeloides

 

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写真上:Crataegus monogyna

 

 

海岸の草花

 プリモスコ(Primorsko, Приморско)の街を通過して、黒海の海岸に出ます。時期が時期なので、街の中は閑散としています。

 

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 海岸近くの水辺に鳥がたくさんいます。頭が黒いのと白いのとがいますから、一種類ではなさそうです。

 

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 鳥に詳しいお客さんがいろいろと教えてくれるのだが、バスからは遠いので、私にはシラサギ以外は同じ鳥に見える()

 

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 砂丘は、写真下のように草と少し灌木がある程度で、先ほどのブナの森とは違い、乾いた感じで、実際乾いています。

 

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 ここで一番面白かったのが、写真下の一列に並ぶ植物です。横に直線的に並んでいる。強風に飛ばされないように、根を直線的に何メートルものばしながら増えていくそうです。それにしても、なんだって直線なのでしょう。むしろ、適当に方角を変えたほうが吹き飛ばされにくいような気がします。

 

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写真上:Bromus tectorum

 

 砂地なので地面近くの花は少ないが、樹木は花を咲かせています。

 

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写真上:Jasminum fruticans

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 花は多くない中で目立つのが写真下のアマの仲間です。園芸などで用いられるアマの花は青いが、ここのは黄色です。

 

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写真上下:Linum tauricum ssp. bulgaricus

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 ミツバチが花のなかに潜り込んで蜜を集めている(写真上下)

 

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 砂丘は乾燥した雰囲気で、白い砂と黄色い花がよくマッチしている。

 

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赤いポピーの群落

 来た道とは別の海岸沿いの道を北上して戻ります。途中、道端に赤いポピーが一面に咲いているのを見つけて、車を停めました。

 

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写真上下:Papaver rhoeas

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 これまでも路肩などに赤いポピーが群生しているのが見られましたが、ここは一番すごい。

 

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 欧州から中央アジアにかけて真っ赤なポピーが群生している写真を見て、私も一度現物を見たいと思っていました。今回の旅行が初めてです。

 

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 日本でも近年、ナガミヒナゲシがちょっとした空き地に群生するようになり、農家からは嫌われています。ただ、ナガミヒナゲシはオレンジなので、赤いヒナゲシに比べると迫力が今ひとつです。

 

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 日本でもポピーのお花畑を売り物しているところがあります。私はあれを見てもあまり感動しないのに、野生のままで群落しているこういうポピーを見ると感動する。どうしてなのだろうと自分でも不思議です。

 

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 皆さんが呼んでいます。何か花を見つけたのだ。行ってみると、たった一本、薄紫のアヤメが咲いていました(写真下)

 

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写真上:Iris suaveolens

 

 写真下はすでに何度もお目にかかっているムラサキの仲間です。日本語の名前どおりに紫色が多いのだが、これまで見かけたのはほとんどが青、それも鮮やかな青です。

 

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写真上下:Anchusa procera

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 青いヤグルマギクが道路の土手に生えています(写真下)。青のヤグルマギクは私の好みに合う。欧州が原産で、これが元々の色で、他の色は園芸的に品種改良されたものです。

 

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写真上:Centaurea cyanus

 

 写真下はキキョウの仲間だそうです。スミレのように小さい。

 

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写真上下:Legousia speculum-veneris

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 先ほどの砂浜にも咲いていた黄色い花がここにもあり、ポピーの赤と競っています。

 

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写真上:Linum tauricum ssp. bulgaricus

 

 写真下のシレネは茎や葉に毛が生えていて白っぽいので、枯れているかのように見えます。もちろん、今が花盛りです。

 

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写真上:Silene euxina

 

 貝殻がたくさんあります。道路をはさんで反対側が海だから、貝殻があっても不思議ではないだが、ここは道路で隔てられて海水が来ない場所ですから、陸上の貝かもしれません。

 

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 恒例の誰も撮らないゼニアオイがここにもあります()

 

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写真上:Malva sylvestris

 

 海側にも花が咲いています。写真下の黄色い花は黒海の近くで良く見られる植物です。ブルガリアやトルコなどの欧州南東部や北アフリカに分布しています。

 

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写真上:Asphodeline lutea

 

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写真上:Crambe maritima

 

 

海辺の散歩

 昼食をとったソゾポルに戻り、ホテルに到着(18:10)。写真下左の真ん中からさらに青い部分がそれで、入口は表通りに面して、ホテルとは気が付かないような外見だが、裏側は黒海に面していて、いかにもリゾートのホテルという雰囲気です。後で夕飯の時にお目にかけます。

 

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 夕飯まであまり時間がないので、近くを散歩しましょう。

 

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 海辺は時間も時間なので、ほとんど人がいません。海岸に沿って、昼食を取った旧市街のほうに歩いて行きました。

 

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 いるのはカモメで、波打ち際の海藻が打ち上げられているあたりに集まっていますから、何か餌があるのでしょう。後で聞くと、アルメニアセグロカモメ(Armenian Gull)というらしい。カモメは視野が320度もあり、高速から低速までの飛行能力にも優れ、雑食性でたくましく、観光地では人間を空中から急襲して食べ物を奪う「泥棒カモメ」がいます。

 

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写真上 Larus armenicus

 

 砂浜には、所により貝殻がたくさん打ち上げられています。海にしてはそれほど磯臭い臭いはありません。

 

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 旧市街の入口の所で海岸から上がり、ホテルのほうに引き返します。公園のように良く整備されている。そこにいるのがソゾポルの猫です。

 

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 ホテルの近くの幹線道路の両側には小さな店が並んでいて、普通の田舎町という雰囲気です。少し南下すると大きなスーパーマーケットもあります。

 

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夕暮れの黒海を見ながら夕食

 七時からホテルの地階のレストランで夕飯です。海岸の斜面に沿って建てられているので、ホテルの入口から見たら地下二階だが、海岸側からは一階です(写真下)。レストランの向こうは芝生をはさんで黒海の海辺の散歩道になっています。

 

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 食事はそれなりに良いのに、音楽がうるさい。会話が成り立たないくらい生演奏の音楽がうるさい。懐かしい曲もあり、お客さんがプロコル・ハルムの「青い影」(A Whiter Shade of Pale1967)が好きだといったら、まるでそれが聞こえたみたいに演奏が始まりました。リクエストどおりなので拍手したいくらいだが、拍手してもっと音量をあげられたらたまらない()

 

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 ヨーグルトのイチヂクシロップ漬物が乗っかっています(写真下右)。ヨーグルトが多いのは私は大歓迎です。

 

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 食事が終わる頃にはレストランから見える黒海も夕暮れです(写真下)

 

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 写真下が今晩の私の部屋です。二階で、残念ながら海側ではありません。ピンクの混ざったオレンジを基調にした明るい部屋で、広さは問題ありません。ベッドが二つに分かれているのがうれしい。片方のベッドにいろいろな物を広げて、作業するのに楽です。

 

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 ここはバスタブはありません。シャワー室のドアをしっかり閉めないと水が漏れると他のお客さんに教えられていたので、これも問題なしです。

 

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 ネット接続も問題なく、個人評価は4.0で満足です。ここに二泊します。

 

 

 

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