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ブルガリアの春の花

2日目 2016425()

ドーハ ソフィア プロウディフ

 

 

 日本時間の七時近く、周囲が騒がしくなって、目が覚めました。最後に時計を見たのは二時近くだから、五時間くらい眠ったようです。モニターを見ると、インドを通過しつつあります(写真下)

 

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 スナック菓子が配られた後、朝食が出ました(日本時間7:16)。つまり、あと二時間くらいでドーハに到着です。

 

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テディベア

 やがてドーハの街灯りが見えて来ました(写真下)

 

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 ドーハにあるハマド国際空港(Hamad International Airport、新ドーハ国際空港)に予定よりも早く到着しました(ドーハ時間03:37、日本時間09:37)。ここで時計を六時間戻し、今は夜中の三時半くらいです。

 

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 ここは2014年から運用されている真新しい巨大空港です。2012年にジョージアに行くのに同じカタール航空を利用したので、ドーハの空港で乗り継ぎました。その時は古いほうの空港だったこともあり、お金持ちの国にしてはイマイチな空港だと思いました。大金持ちの国の新しい空港なので私はちょっと楽しみにしています。

 

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 どんな最新空港かとキョロキョロしながら歩いていくと、予想外の物がありました。写真下の巨大な黄色いヌイグルミです。乗り場はAからEまで分かれており、その中心部の広場に置いてありますから、見ないで済む人は一人もいません。私は思わず立ち止まって、まじまじと見てしまいました。なんだ、これ?

 テディベアというのが大方の印象です。だが、顔がテディベアとちょっと、というか、かなり違う。熊の左の頬がこけている。中国のコピー商品でももう少しまともに作りそうです。奇妙なのはそれだけではありません。

 頭の前の電気スタンドのような灯りの傘が熊の頭に食い込んでいる。そればかりではなく、スタンドのアームも背中に「刺さっている」。テディベアの可愛らしいイメージと違い、スプラッタ―じゃあるまいし、ちょっと不気味です。

 

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 あまりに奇妙なので、ネットで検索すると、間違いなくテディベアであり、Urs Fischerというスイス人の作家の芸術作品で、柔らかそうに見えるが実はブロンズでできており、18トンもあるという。ここまで聞いても、それが何でドーハの空港のど真ん中においてあるのかがわかりません。しかし、680万米ドルでカタールの王族が購入したと聞いて、納得しました。要するに、大金持ちの個人的な趣味です。それも大声で言うと恐いから小声で言うが、趣味が悪い。

(http://nricafe.com/2015/01/10-things-didnt-know-hias-giant-teddy/)

 

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 空港の中は電気スタンドの突き刺さった意味不明のテディベアと違い、写真下のような役立つオブジェもあります。滑り台もついており、子供が遊んでいました。

 

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 寝ているオブジェの隣で人間が寝ている・・・わかりやすい(写真下)

 

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 大きなオブジェだが、その表面に十センチほどの夫婦や子供の人形が張り付いています。

 

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 三時半に空港について、6:50予定のブルガリア行の飛行機に乗りますから、それほど待ち時間は長くはありません。間もなく夜が明けて、明るくなりました。頭に電気スタンドが突き刺さったテディベアを見て息苦しく感じていたので、明るい日差しを見てホッとしました()

 新しい空港なのに、ゲートから直接飛行機に乗るようになっておらず、バスで移動するといういささか時代遅れの方法です(写真下)

 

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飛行経路が違う

 晴れています。飛行機はカタール航空QR227で、エアバス社のA320です。

 

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 私の座席は予約どおりA25で、左側の後ろの窓側です。ほぼ予定どおりにハマド国際空港を離陸(7:00)

 

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 眼下には、沙漠の国らしく、緑が見られません。

 

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 朝食が出ました(9:33)

 

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 飛行経路をモニターで見ていると、飛行機が急に右方向に針路を変えました(写真下)。写真下左の点線が予定の経路で、ブルガリアのソフィアまでほぼ直線です。ところが、飛行機はクエートの手前で、進路を右に取り、イラクのほうに向かいました。

 

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 やがてペルシャ湾を横切ってイランに上陸しました。はっきりと航路を変えたので、私はハイジャックではないかと思いました()。元々は「クエート→イラク→シリア→トルコ→ブルガリア」と直線ルートを通る予定が、イスラム国(IS)の紛争地域を避けて、「イラン→トルコ→ブルガリア」と迂回したのでしょう。

 

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 イランに入り、イラクとの国境にある山岳地帯を北上します。やがて雪山が見えて来ました。私は飛行機の左側に座っていますから、イラクの方向を見ていることになります。

 

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 写真下右など、飛行機から見てあれだけ高く見えるのだから、ゆうに三千メートルはあるでしょう。このあたりはイラン、イラク、トルコの国境付近です。

 

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 トルコに入り、雪山をすぎると、砂漠もなくなり、緑の山々が広がっています。

 

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 黒海を横切り、ブルガリアに入国です。するとトルコよりもさらに緑が増えました。

 

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 緑が豊かで何か花がたくさんありそう。

 

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 高度を下げるにつれて、菜の花畑が見られるようになりました。飛行機から見てあれだけの広さがあるのだから、かなりの面積です。この日、後でこれを地上から見る機会がありました。

 

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ブルガリア到着

 ソフィアの国際空港にほぼ時間どおりに着陸(11:48)。日本時間では午後6時ころで、成田を離陸したのが昨夜10時すぎでしたから、約19時間半くらいかかったことになります。往きはドーハでの乗り換えが短いからまた良いが、帰りは乗り換え時間が長いのでもっと時間がかかります。

 

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 空港の売店には「立ち止まって買いな(stop & buy)」と書いてあります(写真下左)

 

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 空港で植物ガイドのトニさんと合流しました。ソフィアにある植物園で働いている花の専門家で、後でご紹介しますが、とても明るい人です。

 

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 空港内で換金所があったので、早速40ユーロ(4880)をブルガリアの通貨であるレフに交換しました。

40ユーロ×1.86074.40レフ

これが私のブルガリアでの小遣いです。

 

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 空港と街中を比較すると、

1ユーロ=1.86レフ」(写真下左)・・・空港の換金率

1ユーロ=1.94レフ」(写真下右)・・・街中の換金率

となり、やはり街中のほうが換金率が良い。ただし、空港では日本円も換金できます。4月上旬のネット上では「100円=1.587レフ」ですから、空港の換金率「100円=1.49レフ」は、単純な比較からはそれほど悪い換金率ではありません。

 比較してみると、日本円をユーロやドルに換金してから街中でレフに換金するよりも、ブルガリアの空港で日本円からレフに一度だけ換金するのが一番効率が良いようです。

 

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ソフィア市内

 迎えの小型バスに乗って出発です。ソフィアは首都であり、一番の大都市ですから、交通量も多いが、東京のような混雑した雰囲気はありません。

 

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 春先とは言え、人々の服装、特に女性の服装が黒系が多く、地味な印象です。

 

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 街中でまず目を引くのが二両連結のトロリーバス(トロレイブス)です。

 

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 路面電車(トラム)も走っています。いずれも車両が古そう。市内の交通機関は他にはバスと地下鉄があるそうです。交通量は多いが、道路も広く、渋滞などは見られません。

 

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 建物で気になるのが、写真下左です。建物の上のほうが大きい。階上のほうがベランダ分が突き出ているような構造で、これが市内では珍しくありません。地震大国の日本から来た客から見ると、頭デッカチで怖い。こういう構造は伝統的な建物から来ているらしいことを後で知りました。

 

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 写真下左の建物はかなり古い集合住宅のようです。壁がマダラになっている。つまり、建物全体の外壁を塗り直すのではなく、各戸がそれぞれに塗り直しているらしい。

 

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市内の散歩

 今回の旅行では、帰国する時のソフィアでの滞在時間が短いので、今のうちに少しだけソフィアの中心部を歩いて観光をしようということになりました(13:01-13:45)

 

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 中心部は欧州風の石作りの建物が並び、高層ビルもなく、風景はすっきりしています。

 

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 下の地図の朱線が私たちが歩いたコースです。

 

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 東京の中心部は、霞が関や銀座などどこかゴチャゴチャしていて、ゆっくりと散歩したい雰囲気ではありません。日本橋の上に高速道路を作ったくらいで、風景は滅茶苦茶です。ここは風景がきれいなだけでなく、平日の昼なのに、人もあまり多くなく、静かです。

 

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 通りに面して、金と緑色の五つの塔のあるロシア風の教会があります。奇蹟者聖ニコライ聖堂(Свети Николай Чудотворец, St.Nikoaj the Miracle Maker Church)という1914年に建てられたロシア教会です。外見のきれいさに比べて、中は狭く黒ずんでおり、観光用には改修する必要がありそうです。

 聖ニコラウス(270年頃~350年頃)は様々な奇跡を起こした聖者として知られ、サンタクロースの伝承の元となったと言われています。それを聞くと、信仰心もないのにクリスマスが好きな私は急に親しみを感じました()

 

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 バスを降りた所にもアレクサンドル・ネフスキー大聖堂(Храм-паметник Свети Александър Невски)という大きな寺院がありました(写真下)1912年建築というから、比較的新しい建物です。アレクサンドル・ネフスキーは1200年代のロシアの英雄で聖人になっているらしいが、英雄と聞いただけで血しぶきが飛んで来そうで、私の興味からは外れます。

 

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 店によって今日の分の水を買いました(写真下)。店の前に出された席に男性が一人でお茶を飲んでいる(写真下右)。とても静かで、私もお茶を一杯いただきながら、周囲をながめていたいような雰囲気です。街の中心部でこの静かさは良いですね。

 

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 街に植えられている樹木で一番目を引くのが写真下のマロニエで、薄ピンク色の花が最盛期です。この後のブルガリアの各地で見られました。

 

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 写真下の樹木がマロニエで、ちょっとわかりにくいが満開です。マロニエは街路樹としてはなかなかきれいです。

 

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 公園の空き地に生えて花を咲かせているのが写真下の花です。今回の旅行ではあちらこちらで見かけましたから、野生のようです。

 

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写真上:Bellis perennis

 

 写真下ではフジのツルが鉄製のフェンスに絡みつき、取りつき、一体化して捻じ曲げています。フジのツルが他の樹木に取りついて絞め殺してしまうのは日本の山の中で見かけますが、ブルガリアでは鉄すらもねじ曲げてしまうのだ!

 

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 街の中心部なので看板はあまりないのに、その中で目についたのが、写真下左の「オードリー(Audrey)」というレストランです。もろにオードリー・ヘップバーンの顔まで看板にしています。肖像権などを払って営業をしているのだろうか、などと、日本人はガヤガヤとしゃべりながら通り過ぎる。

 

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野生のシャクヤク

 今日はこれからバスでソフィアから南東にあるプロウディフに向かいます。距離にして150kmくらいで、道路事情も良いので、二時間ほどで着いてしまい、時間が余ります。そこで、野生のシャクヤクの自生地に行くことになりました。今年は春が早いので、予定しているシャクヤクの他の自生地ではうまく見られるかどうかわかりません。確実に見られる所で見ようというわけです。

 

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 ソフィア市内から出ると、周囲は広々とした平原とあちらこちらに集落が見えます。屋根がオレンジ色の瓦で統一されていてきれいです。

 

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 案内された所は広々とした野原で、野生のシャクヤクが真っ赤な花を咲かせています。

 

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 よく見ると、周囲は畑らしいが、ここだけは川が流れているので、畑に適さない川の周囲だけにシャクヤクが残ったようです。特に保護を示すような看板などはありません。

 

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写真上:Adonis aestivalis

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 シャクヤクなのだから当たり前だが、それにしてもなんとも強烈な赤です。

 

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 このまま栽培品として売っても十分に通用しそうなくらいあでやかな花です。

 

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 前述のように、ホソバシャクヤクは後日、黒海のそばの別な自生地で見る予定でした。しかし、そこに行ってみると、ここよりも数がはるかに少ない。初日にここに来たのは正解でした。

 

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 数は少ないが、さえないオレンジ色の花弁を付けたシャクヤクもあります(写真下)。最初別な花かと思ったくらい花の外見が違う。しかし、葉がそのままだから、これもホソバシャクヤクです。これ、ガクじゃないよな?

 

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 写真下は花にいた甲虫と蟻です。甲虫はハナムグリで、名前どおりです。白い点がついているから、日本でいえばシロテンハナムグリです。花に蟻がいるのもおもしろい(写真下右)。まだツボミなのに、隙間から入り込もうとしています。まだ蜜は出ていないだろうに、いったい何をしているのかと、蟻さんにお聞きしたいところですが、お忙しそうなので遠慮しました()

 

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 野原には他にも花が咲いています。その中で一番目を引いたのが、写真下の白いケシです。外見は日本にも生えているナガミヒナゲシと似ています。ところが、白です。

 

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写真上:Papaver dubium

 

 写真下はシソの仲間で、青味を帯びた色がなかなかきれいです。今回の旅行ではあちらこちらでお目にかかりました。

 

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写真上:Ajuga genevensis

 

 写真下のトウダイグサの仲間は一般にあまり花は冴えないのが多い中、ここのは最初トウダイグサだとは気がつかないくらい「花らしい」姿をしています。

 

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写真上:Euphorbia cyparissias

 

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 写真下のキンポウゲは道端にたくさん生えていて、日本で言えばウマノアシガタです。この後、ブルガリアのあちらこちらで見かけました。

 

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写真上:ranunculus acris

 

 写真下は球根をもっており、ユリの仲間です。

 

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写真上:Ornithogalum comosum

 

 白いスミレが咲いています。農道のそばなので、栽培品かと思ったら、野生だとそうです。

 

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写真上:Viola arvensis

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 写真下のエロデュウムはフウロソウの仲間で、この花が南米に渡ったのを昨年チリで目撃しました。見た目よりもたくましい。

 

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写真上:Erodium cicutarium

 

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写真上:Potentilla rupestns

 

 

菜の花畑

 長旅で少しボンヤリしていたので、真っ赤なシャクヤクで頭がすっきりしました。シャクヤクはこのツアーの売りの一つなので、初日から大物を出してしまい、後は大丈夫なのだろうかと、客はいらぬ心配をしながら、車に乗ってプロウディフを目指します。いらぬ心配でした。

 

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 道路事情は良く、車は快適に飛ばします。周囲は日本の雑然とした風景と違い、オレンジ色の屋根の家々が広がり、とてもきれいです(写真上下)

 

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 飛行機からも見えた菜の花畑が道の周囲に広がっています(写真下)

 

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ガソリンスタンドの花

 ガソリンスタンドでトイレ休憩です(16:19)。ガソリンスタンドの敷地には様々な花が咲いています。もちろん、植えているわけではなく、勝手に生えて来た雑草です。

 

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写真上:Cardaria draba

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 ソフィア市内の公園にもあった白い花が一面に咲いています(写真下)。日本ではヒナギクという可愛い名前が付いています。子供の頃、学校の花壇などに良く植えられていたが、その後、私はこの花を見たことがありませんでした。こちらが原産地なので、妙になつかしい()

 

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写真上:Bellis perennis

 

 先ほどのシャクヤクの生息地にも生えていたシソの仲間が、ここにもたくさん生えています。

 

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写真上:Ajuga genevensis

 

 印象だけで言うなら日本のウツボグサを大きくしたような感じだが、ウツボグサが紫なのに対して、こちらは青が混ざっており、それが独特の色を出しています。

 

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プロウディフに到着

 一時間ほど走ると、高い建物のある大きな街が見えてきました(写真下)。プロウディフ(Plovdiv)です。

 

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 本日のホテル(Hotel Seven Hills Plovdiv)に到着(17:47)。ホテルの前の道路は石畳です。

 

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 写真下がロビーで、写真右奥が入口、左側がカウンターです。外見もそうだが、内部もとても落ち着いた雰囲気です。

 

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 写真下左がカウンターで、その右隣(写真下右)はそのままバーになっていて、棚には酒が並んでいます。カウンターの従業員がそのままバーの店員に早変わりするのでしょう。

 

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 ロビーで奇妙なのは大量のクッションです(写真下)。座るのに邪魔になるくらい置いてある。いったいこれは何のために置いてあるのだろう?

 

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 階段の模様のある手すりは気に入りました。

 

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 写真下の窓にはめられた鉄柵もおしゃれです。日本の柵や鉄格子も窓もどうしてすべて直線なのでしょう。

 

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旧市街散策

 食事が七時からですから、一時間ほど時間があります。このホテルはこの街の旧市街の中にあり、周囲には古い街並みやローマ時代などの遺跡がたくさんあります。遺跡はともかく、街並みを見てみたい。

 では、突然ですが、夢幻旅行社による旧市外の「プロウディフの歴史をたどる石畳ツアー」に皆様をご案内します。石畳ですので、ハイヒールは避けてください。

 

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 下の地図はホテルの近くにあった案内板です。青い線で囲って「The Old Town(旧市街)」とあるのが遺跡や古い街並みのある地域(トリモンティウム)です。ホテルは青い線で囲ってある右上の赤い丸がついているあたりです。旧市街を歩いて通過するだけなら、二十分ほどですから、すぐに行ける場所に観光名所がたくさんあるのがおわかりでしょう。このホテルは観光には抜群の場所にあるのです。

 

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 写真下をご覧ください。石畳の道と石壁とアーチの門があり、まるで中世の街中に入ったような雰囲気です。不揃いの石を敷き詰めた道が歩きにくいのがとても良い()

 

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 私が見たかったのは写真下左の地域民族博物館の建物です。昔の大金持ちが建てた家で、曲線と外壁の模様がなかなか良い。しかし、ここの開館は夕方六時まで、六時半をすぎていますから、すでに閉門です。係員らしい人が出て来て、塀の丸窓から写真を撮っている私の姿を見て笑いながら帰って行きました。

 

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 写真下はすぐ近くにあるブルガリア民族復興博物館(ゲオルギアディ・ハウス)の建物です。1800年代半ばに、トルコ人の大金持ちが建てた家で、博物館として使われています。もちろん、開館時間はすぎていますから、外からだけです。中身を見たい方はYouTubeにありますから、ごらんください。

 

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 歴史的な遺産については写真下のような看板が出ていて、英語の説明文もあるのでわかりやすい。

 

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 散歩していてありがたいのは、人がいないことです。今は観光シーズンではなく、平日の夕方なので人通りが少ない。観光客は窓に映った私以外には会いませんでした。とても静かで、ほとんど自分専用になっています。

 

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 少しだけですが、観光客むけの店もあります(写真下)。客が誰もいないので、買う気のない私は逆に入りにくい。

 

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 アンティークと書いてある店があります(写真下左)。ちょっと入ってみましょう。店にはオジサンが一人、暇そうにしています。店の奥はそのまま中庭に通じていて、そこにあるのもアンティークの商品らしい(写真下右)

 

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 写真下の荷車も売り物らしい。旅行していて後でわかったのは、馬車はブルガリアでは現役です。

 

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 庭にあるのはたぶん昔ブルガリアで庶民が使っていた日常雑貨でしょう。アンティークというよりも古道具という雰囲気で、品ぞろえはイマイチでした。

 

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 写真下の建物を見てわかるように、二階以上が道路側に突き出ています。すべての建物がこのようになっているのではありませんが、良く見かけます。今日、ソフィアの街中で見た集合住宅らしい高いビルも上のほうが出っ張っていた。あれはたぶんこういう昔からの伝統に沿った建物なのでしょう。

 

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 道を南西方向に下がって行くと、ローマ時代の円形劇場があります(写真下)。三千人を収容し、崖の上にあるので、遠くにはロドピ山脈が見えるという素晴らしい野外劇場です。今もたまに使われることがあるそうです。写真下の右上に黄色い建物がありますが、これは音楽学校で、練習する音が聞こえました。目の前に専用の演奏会場があるようなもので、絶好の場所に造りました。

 

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 下の地図の朱線が私の散歩コースで、円形劇場はホテルからすぐです。ここも中に入るには有料だが、この時間は閉じられています。

 

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 上の地図では円形劇場が大きな道路の上にあります。下の写真や衛星写真に見えるのがその道路で、円形劇場の真下がトンネルになって幹線道路が走っています。

 

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 建物に宗教的な人物像が描かれ(写真下左)、その玄関脇には額縁を持った人の像が置いてある(写真下右)。絵画の学校なら額縁というのは奇妙だし、何を表しているのか、銅像のおじさんに質問しましたが、答えませんでした()

 

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 写真下左は教会の鐘楼で、写真下右はその入口です。通過した所だけでも教会が四つほどあるように、ブルガリア人は熱心なキリスト教徒が多いようです。日本に来ているブルガリア人が書いた『ブルガリアン・ブルー』という本の中で、結婚式だけのための教会が日本にあることが信じられないと書いてありました。信仰心の篤い人から見たらそうでしょう。

 

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 本日の夢幻旅行社の「プロウディフの歴史をたどる石畳ツアー」もこれで終わりです。全然歴史はたどりませんでしたが、人がおらず、なかない良い散歩でした。石畳の道を降りて、ホテルに戻りましょう。

 

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ホテルで夕食

 七時からホテルの地下のレストランで夕食です(写真下)。写真下左は地階に降りて行く階段で、ここも手すりなどの装飾がきれいです。レストランの入り口などが直線ではなくアーチになっている。日本もこういう「役に立たない装飾」「金銭的価値の低い装飾」をもっと取り入れるべきです。

 

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 今回のブルガリア旅行での料理は特に大きな問題はなく、普通に食べられました。

 

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 写真下が私の部屋です。見た目どおりにあまり広くはないが特に問題はありません。建物が古いので、火事の時には建物の中の、あのきれいな手すりの階段から逃げるように指示があります。しかし、火災が地下の厨房などから起きたら、この階段は煙突の役割をして煙に巻かれるでしょう。

 

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 窓があるが(写真上左)、ほんの少ししか開かないので脱出することができない。その時には窓ガラスを破るしかないが、外にはベランダがなく、下を見ると一階部分の屋根が見えます。いざなったら、椅子で窓を破り、洗濯紐をロープにしてベッドの足に縛り、一階の屋根に降りて逃げることに決めました。などと書くと、皆さんは「心配のしすぎ」とおっしゃるかもしれませんが、火災になったら落ち着いて行動できる自信は私はありません。

 

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 ここは面白いことにドアの鍵が普通の鍵と電子キーが一体化されていて、どちらでも使えます。私はたまたま電気キーをかざしてしまったらしく、ドアが開いたので気がつきました。他のお客さんが気がつかずに鍵で開けるのに苦労していたので、電子キーで簡単に開くことを教えてあげました。

 ネットでこの時期のこのホテルの金額を調べると4,554円とあります。ブルガリアは総じてホテル代金が安い。旧市街の中にあり、ネットも無料で問題なくつながり、建物全体がクラシックな感じで、特に階段の手すりなどの模様が気に入ったので、このホテルの個人的な評価は4.0、満足とします。

 

 

 

 

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