トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ブルガリアの春の花 6日目 2016年4月29日(金) ソゾポル ←→ Marina
Reka自然保護区 朝、五時すぎ、隣の部屋の水の流れる音で目が覚めました。昨夜、眠ったのが11時頃だったので、私にはちょっと睡眠不足です。 今日は、昨日行ったプリモスコよりもさらに南のMarina Reka自然保護区や、トルコとの国境に近い黒海の街であるSinemorets(Синеморец)に行き、海岸に近いブナ林の草花を観察します。 朝の旧市街散歩 食事の前の朝の散歩です。旧市街が近くなので、朝の散歩には最適です。 下図の朱線が私の旧市街の半島一周コースです。 旧市街に突撃だと勢い込んでホテルから出ると、向かいの小さな店の前に人だかりができています。早朝から、何を売っているのだろうと見ると、ヨーグルトなどの乳製品を売っていて、皆さん、大きなペットボトルを持参しています。中には店の中に勝手に入って、容器を洗い、自分で詰めている人もいます。つまり地元の人が買い物に来ている。 後で松森さんを通じてトニさんに聞いてもらうと、ロシア人の経営する店で、自作のヨーグルト製品を売っているとのことでした。きっと安くておいしいので、近所の評判なのでしょう。 半島にある旧市街を見てみたいので、昨日の昼食を取った時と同じコースをたどり、海に沿って一周してみます。 朝早いので、当然、店はどこも開いていません。店になっている伝統的な建物はどれも新しそうで、整備も行き届いている。 これに対して、一般住宅と思われる家の中には、木の板が風化して傷み始めているのが見られます。 日本と違い、湿度は低くても太陽と黒海からの潮風で外壁の傷みはかなり進みが早いでしょう。私も昔、実家で木造部分のペンキ塗りをずいぶんやったので、露出した木材部分の維持はとても大変という印象です。美しい木目を外に露出させた新築住宅など、どうやって維持するつもりなのだろうと他人事ながら心配になる。 私は黒い木造住宅の写真ばかり撮っているが、旧市街のすべてがこのような建物ではありません。当然、旧来の景観を無視したような建物もかなりみられます。 こういう景観はお金をかけて守らないとだんだん失われていきます。木造よりも現代の建築のほうが安くて安全で快適だから当然でしょう。 日本は街の景観に関心が低い。写真をご覧になって、電柱が一本もないことにお気づきでしょうか。電線もほとんど見られません。 個人の家の庭なども生活環境という意味で重要な景観の一部です。ところが日本で代々庭を少しずつ造ってきた農家が相続にあたり、税務署から庭を財産とみなされ、税金を請求されたそうです。これでは庭を造るなと奨励しているようなものです。 こういう話を聞くと、昔、ブルガリアからの留学生の話を思い出します。「ブルガリアは共産主義に失敗した。ところが、東の国に来てみたら、共産主義が見事に実践され、成功している」という、皮肉とも溜息ともつかない文章でした。皆さん、日本は共産主義国家だって、知ってましたか(笑)。 写真下左の、赤い車が停まっている前の扉には「駐車禁止」と貼ってあるようです。案外この赤い車はこの家の車かもしれません(笑)。 家屋は密集しているので、表通りに庭が見える家はほとんどありません。空き地や歩道の脇などにいろいろな花が咲いています。 写真上:Anchusa
barrelieri このありふれたアザミはここでしか見かけませんでした(写真下)。 すっかり見慣れた赤いケシにゼニアオイです(写真下)。ゼニアオイはあるのにタチアオイらしい花はありません。日本ではゼニアオイはタチアオイと同じ初夏の花だから、春先に咲いていることのほうが奇妙です。 写真上:Papaver
rhoeas 写真上:Malva
sylvestris 写真下の宇宙人の顔みたいな花はどこかで見たような気がするのだが、思い出せない。 写真上:Geranium
macrorrhizum 岬の一番北、旧市外の端に出ました。地図では駐車場とあり、たしかに駐車場もあるが、遺跡なのかただの廃墟なのか、石の土台が残っています(写真下)。 ここに生えている植物はここに元々あった野生植物の可能性があります。 写真下のデベソの雰囲気はカモミールです。ヨーロッパが原産ですから、ここにあっても不思議ではありません。 写真下はソフィアでも芝生の中に生えていたヒナギクです。朝露に濡れている。 写真上:Bellis
perennis 写真下はソゾポルの朝猫で、花ではありません(写真下)。 朝の散歩を終えてホテルに戻り、八時からホテルのレストランで朝食です。種類も数も多く、あまり困らない。おっ!リンゴもある。トミーさんによればギリシャから来たリンゴだという。リンゴが南方から輸入されるというのも変だが、この時期ですから、ボケ始めており、おいしくはありませんでした。 ハクチョウとカワウソ 予定通り、八時半にホテルを出発して、昨日と同じように、黒海に沿って南下します。写真下は昨日、道の反対側に赤いポピーが一面に生えていた海岸です。 白鳥がいます。遠くて良く見えない。周囲を見渡しても他にハクチョウはいません。日本のオオハクチョウやコハクチョウとは嘴の柄が違う。後でネットで調べると、黒海のハクチョウの嘴は赤で、日本で言えばコブハクチョウだが、それにしては明瞭なコブがない。日本でもゴブハクチョウは渡り鳥ではないから、このハクチョウもここに定住しているのかもしれません。 海岸に沿って海を泳ぐ生き物がいて、黒海のネッシーかとバスの中がざわめきました(笑)。トニさんによれば、カワウソ(Otter)ではないかとのことでした。海を泳ぐ川ウソなんてウソみたいという、つまらないギャグはやめましょう(笑)。結局、海からは上がってこなかったので、確実ではないが、カワウソと言われれば、そんな感じです。 ネットで調べると、ユーラシア・カワウソ(Eurasian Otter, Lutra lutra)といい、ブルガリア全土に分布し、黒海の海岸でも見られるとあります。1930年代には4000~5000頭もいたのに、一時、数が減って、近年保護でやや増えたが、2007年に数えられた固体は1300~1500頭というから、やはり多くはない。 (http://e-ecodb.bas.bg/rdb/en/vol2/Lulutra.html) ニホンカワウソは絶滅してしまいました。今も、例えば、アユモドキというドジョウの一種がかろうじて残っている京都府亀岡市では、生息地をつぶして運動競技場を作るという。失敗や間違いからは学んだほうが良い。 写真上:Anchusa
procera せっかくなので、下りて浜辺で花の写真を撮ります。 写真上:Linaria
genistifolia ssp. euxina 写真上左:Crambe
maritima、写真上右:Papaver
rhoeas Marina
Reka保護区 海岸でまさかカワウソまで見られると思わなかったので、ずいぶん時間を取ってしまいました。 本日の最初の目的地のMarina Reka保護区に到着(10:33)。黒海から少し奥に入ったところに作られた自然保護区です。 (http://greencorridors.burgas.bg/en/objects/view/21) この保護区は下の地図で示されたブルガリ最大のStrandzha 自然公園の一部で、南側はトルコとの国境です。 http://www.strandja.bg/en/より転載 ごらんのようなうっそうとしたブナ林がどこまでも続いています。私たちが歩いた所は山のような起伏はありませんから、歩くのは楽です。 ブナにも何種類かあり、写真下右のようにカシワの葉のようなのもあります・・・カシワってブナだよな(笑)。 写真上左:Fagus
orientalis、写真右:Quercus
polycarpa フウロソウがそちらこちらに花を咲かせています(写真下)。 写真上下:Geranium
lucidum ここには三種類のフウロソウがあるようです。写真上の花は、ボールペンの先と比較しても小さいのがわかるので(写真上左)、容易に区別がつきます。 写真上:Geranium
pyrenaicum 写真上が真ん中くらいの大きさの花で、写真上と下は良く似ているが、写真上は花弁の先が分かれています。写真下が三種類の中で一番大きなフウロソウです。 写真上:Geranium
asphodeloides ここでも何種類かのマメの花が咲いています。 写真上:Lathyrus
laxiflorus そしてお馴染みのキジムシロとトウダイグサの仲間です。 写真上左:Potentilla
rupestns 写真上:Ranunculus
sardous 写真下はこれまでも何度か見たオオイヌノフグリの仲間です。白花があります(写真下右)。一つしか見つかりませんでした。 写真上:Veronica
chamaedrys 写真下は白い藤という雰囲気ですが、ツルではありません。 写真上:Mespylus
germanica この森の見せ場は紫の混ざったピンク色のシャクナゲです(写真下)。 写真上下:Rhododendron
pontica チベットなどではシャクナゲは、どちらかというと高山や亜高山の植物です。ところが、ここは標高200m程度ですから、低地です。そんな所の、しかも、薄暗い木立の中に大柄なシャクナゲが咲いているのは驚きです。 写真下など、木立が立て込んでいて、かなり薄暗い。環境から言うなら、ちょうど日本のヤマツツジに似ています。ツツジもシャクナゲも同じ仲間ですから、氷河時代がすぎた時、多くのシャクナゲが高山など高い樹木がない、陽当たりの良い場所に残り、低地から姿を消したのに対して、低地の林の中に適用したのでしょう。 道端の林の中に、緑色のランが咲いています。 写真上:Platanthera
chlorantha このランは私の身近なランでいうなら、オオバノトンボソウに似ています。トンボソウなんてランにしては変な名前で、初夏に林の中にほとんど誰にも気付かれずに咲いています。 写真下はすでにお馴染みのギンランです。日本のギンランと外見も雰囲気も良く似ています。 写真上:Cephalanthera
longifolia ブナの林の下は薄暗いので植物はそれほど多くはありません。その中で低木が花を付けています。ちょっと地味。 写真上:Ruscus
hipoglossum 写真下は花か、それとも実なのだろうか? 写真上:Epimedium
pubigerum 道の真ん中にハマウツボの仲間が花を咲かせています。葉緑素を持たず、他の植物に寄生するはずだが、道の真ん中なので周囲には寄生しているはずの植物がない。根に寄生しているのでしょうか。 写真下は花かと思ったら、葉です。マタタビのようなものでしょうか。 テントウムシと、少しくたびれた蛾がいます(写真下)。英語名がcream-spot tigerという蛾で、南欧や西欧州から北アフリカ、西シベリアまで広く分布します。 写真上右 Epicallia
villica トニさんがカエルを見つけました(写真下)。ダルマチア・アカガエルは欧州からトルコ北部まで広く分布しているが、数を減らしているという意味で絶滅危惧種です。 (http://www.iucnredlist.org/details/58584/0) もっとも紫外線の増加で世界中のカエルが減っているという指摘があります。そう言えば、昔はたくさんトノサマカエルがいた池にはあまりみかけなくなりました。 写真上下 Rana
dalmatina このカエルは逃げようとせず、おとなしくて良いカエルだなあと感心しながら、いつものように他のお客さんがいなくなっても、私が最後までカエル君を撮っていました。「ありがとう」と礼を言って立ち上がると、急いでヤブの中に消えました。ポーズを取ってくれていたのではなく、人間を恐れて固まっていたらしい(笑)。 写真下は緑のトカゲです。三日前のスリヴェンのSinite Kamani国立公園でも何度も見かけたにもかかわらず、すばしこくて、すぐに雑木の中にもぐりこむので、写真が撮れませんでした。European green lizardと呼ばれ、ギリシャやトルコなど周囲の国にも分布しています。 写真上 Lacerta viridis 同じ道を戻って行くと、ショッキングな光景が待っていました。道の真ん中に小さなカメが死んでいるのを他のお客さんが見つけました!ヒガシヘルマンリクガメ(Eurotestudo hermanni)です。小さいから子亀でしょう。良くみると踏みつぶされて、血を流している。しかし、この道を往復する間、他の人たちと会っていませんから、踏みつぶしたのは私たちの可能性が出て来る。 写真上:Eurotestudo
hermanni boettgeri 小さな石ころほどの大きさで、色も形も石ころそのもので、来る時気が付かず踏みつぶしたとしても不思議ではない。カエルとトカゲで浮かれていた私はちょっと意気消沈しました。亀クン、次回は生きた姿で会おう。 下図の青がこのカメの分布です。ブルガリアは全部青で染められていますから、一大産地なのがわかります。 Wikipediaより転載 私が何気なく手をのばすと、そこにポトンと小さな虫が落ちてきました。カメムシを小さくしたような虫です。足が8本ありますから、すぐに森のダニだとわかり、私は林の中に放り出してから、失敗に気がつきました。写真を撮るのを忘れた。後でお客さんの一人がダニに食いつかれ、専用の薬で取り除きました。 私がダニを殺さずに森に返したのは、一つにはトニさんも同じようにダニを森に返したのと、もう一つはダニは人間には害虫だが、森の環境のためにはゴキブリと並んで必要な生き物だからです。害虫というなら、森にとっては人間こそが最大の害虫です。今年は日本ではクマがたくさん出没して、「駆逐した」というニュースに皆さん喜んでいるが、クマもまた生態系の一部で、ただ殺せば良いというものではなく、共生を考えるべきです。(と私は実家の地元の新聞に投稿したら、掲載されました。) 森で昼食 バスで公園の入り口に戻り、ベンチのある所で昼食です(写真下)。 写真上右が昼食のサンドイッチです。四枚のパンの間にトマトなどがはさんである、いわゆるクラブハウスサンドイッチです。屋内で皿の上で食べる分には良いだろうが、屋外でこの厚さのまま食べるのは技術がいる(笑)。 写真上:Rosa
canina 写真下の花を、写真上のピンクのノバラかと思ったら、ハンニチバナです(写真下)。花弁にシワが寄っているが、これが開花状態です。 写真上:Cistus
incanus 開けた土手の所に十センチもないような小型のランがたくさん咲いています(写真下)。この日しかみられなかったランです。 写真上:Orchis
papilionacea 花の下の花弁が水平に突き出ていて、虫に、こちらにどうぞと着陸場所を提供しているように見えます。 写真上:Anthemis
tenuiloha 海岸の草花 Marina Reka保護区を後にして、黒海の海岸まで戻り、さらに南下して、Sinemoretzの南側にある海岸で花を探します(地図下)。このあたりはトルコ国境まで十キロもありません。 砂浜に到着(14:18)。夏ならばサーファーたちがたくさんいるはずだが、今はキャンプをする人たちが少しいる程度で静かです。 斜面の土手にはクサフジの花が立ち上がっています。 写真上:Vicia
cracca group 海岸の手前の空き地はたぶん夏の間はキャンピングカーを停める広場でしょう。今は一面のお花畑になっています。陽が射していたら、もっと鮮やかな光景になっていたでしょう。 花自体はたぶん野生だが、これだけのお花畑を作り出したのは人間が樹木を伐採したからです。 お花畑で圧倒的に数が多いのは黄色いキンポウゲとムラサキツメクサの仲間です。 キンポウゲがあることから、ここは湿気があるようです。すぐ近くを川が流れていることが原因かもしれません。あるいはここが元々河原だったのかもしれない。 写真上左:Ranunculus
sardous、写真上右:Trifolium
resupinatum 私たちはサーフィンはしないので、ビーチと反対方向の山道を進みます。道と両側にたくさんの春の花が咲いていて、私はなかなか進めない。当然、皆さんはいなくなる(写真下右)。 写真下はまるでシロツメクサのように見えますし、同じマメの仲間ですが、別な花です。 写真上下:Trifolium
fragiferum シロツメクサは他の雑草が生えてくるのを抑えるのに効果のある植物で、私は草刈りをする時は刈らないように避けます。ここでも、他の植物を押しのけて群落を作っています。 写真下の花は、昔はブルガリアでも薬草として用いられたことがあるが、実は腎臓に障害を引き起こす毒草だそうです。そう言われると毒のありそうな顔に見える(笑)。たぶん、使う量に問題があるのでしょう。猛毒のトリカブトも微量なら薬です。 写真上:Aristochia
clematitis 写真下も葉緑素がないことから、午前中に森で見た寄生植物のハマウツボの仲間でしょう。 写真下の和名はアワユキハコベというきれいな名前が付いています。欧州から北アフリカに分布します。 写真上:Stellaria
holostea 上と下で花の雰囲気がちょっと似ていますが、花を良く見ると違います。また大きさは写真下がより小さい。 写真上:Moenchia
mantica 森は見慣れたブナ林で、午前中の自然保護区に比べると、背がそれほど高くないせいか、森全体が明るい。これなら花が期待できます。 昨日も見た強い紫の花です。 写真上:Verbascum
phoeniceum 期待どおりに、初めて見る花がありました。 写真上:Verbascum
phoeniceum 写真下の花は写真上の花の仲間です。しかし、写真下の花との初対面は「変な花」というのが私の印象でした。花の形はパンジーを連想させるが、もちろん違います。 写真上下:Verbascum
bugulifolium 写真上はまだ花弁が黄色だから花らしいが、写真下右のように花弁が緑色もあります。どちらにしろ、蝋細工みたいで、花の色としてはあまりきれいではないのが妙に印象的です。 この花はブルガリアと西トルコが原産地です。 道の周囲のあちこちら写真下の黄色いマメの仲間が花を咲かせています。 写真上:Genista
ovata 森の中には、数は少ないがブナの古木もあります。 ブナの森を出たところで、黒海を見下ろせる崖に出ました。対岸はジョージアなので、もちろん、見えない。 崖の手前に一面に白いハンニチバナが咲いています。 写真上:Cistus
salvifolius この花はブナの足下にもあちらこちらに見られたが、ここは陽当たりが良いので、お花畑ができたのでしょう。 群落しているのも見事だが、ブナのちょっと薄暗い中、真っ白なハンニチバナが地面に落ちたように一輪、二輪咲いているのもきれいで、私はこちらのほうが好みです。 虫たちも食事に忙しい。 たった一本、背丈の低いアヤメが咲いています。一本しかないのは残念だが、でもちょうど盛りです。ここではアヤメは背が低く、二十センチ程度なので、草むらの中では気をつけていないと見逃します。このアヤメはここで見られただけです。今回、アヤメは何種類か見かけたが、すべて背の低いアヤメのみです。 写真上:Iris
sintensii 草むらにとんがった帽子をかぶったようなランがあります(写真下)。 写真上:Serapias
vomeracea こちらも小柄なピンク色のランで、写真上と同様に、ここでだけ見られました。 写真上:Orchis
morio 写真下の右側がOrchis
morioで、左側が昼食の後で土手にたくさん咲いていたOrchis
papilionaceaで、二つともこの日しか見られなかったランです。 写真上左:Orchis
papilionacea 写真上右:Orchis
morio 要するに、現地を知っているトニさんが案内してくれるから、「ここでしか見られない花」が見られます。 リナリアは花がまるでウサギの耳をつけたようなのが特徴です(写真下)。前にポルトガルの山の上でこのウサギの耳の花の仲間を見ました。もちろん、ウサギの耳もここでしか見られませんでした。 写真上:Linaria
pelisseriana ブナの森からキャンプ場のお花畑に戻りました。 最後にどこにでもあるゼニアオイを撮影して(笑)、バスに戻ります(16:03)。 写真上:Malva
sylvestris ヤドリギとウサギ まっすぐソゾポルに戻るかと思ったら、さらにもう一カ所、リゾートの一つKitenのキャンプ地に寄りました。トニさんは何か花を探していたようですが、残念ながら、見つからなかったようです。 ここで興味深いのはヤドリギです(写真下)。道を走っていても時々見かけるのだが、写真は撮りにくい。ここにはたくさん生えていて、それはもう不気味なくらい見事です。 まるで鳥の巣みたいに木にたくさん取りついています。 敷地内は春の花が咲いています。 写真下はホトケノザやヒメオドリコソウに似ていて、こちらのほうがなんとなく上品な雰囲気です。 写真上:Parentucellia
latifoha 写真上下:Symphytum
orientale 写真下は葉や花の雰囲気からはマメの仲間でしょうか。これまでのマメの仲間が派手で大きいのに対して、こちらはいった控えめというか、地味です。 葉を採取するオジサンがいます(写真下左)。山菜取り? 日本で言えばノゲシというタンポポを大きくしたような花で、しかも成長した葉を採っており、これが食料になるとは思えない(写真下)。質問してみると、ウサギの餌だそうです。ウサギはペットか家畜かと質問しそうになりましたが、袋一つ分の餌の量から見て、質問するまでもないとわかりました。 写真上:Sonchus
asper 三度目の旧市街の散歩 六時少し前にホテルに戻りました。私は朝に引き続き、旧市街の散歩に出かけました。朝は半島の周囲を散策しましたので、今度は正面から入ってみます。と言っても、狭い街だから、さしたる違いはありません。 旧市街も入口あたりはレストランや店もあるので、それなりににぎわいがあります。 ネコを撮る少年を撮る物好きもいます(笑)。 商店街は半島の中頃までで、ほんの少し中心街を離れると普通の住宅街になり、朝も見た二階が突き出た、この地域の独特の家が並んでいます。 木で作っているということは森林が周囲にあり、一階がしばしば石で積み上げてるということは石灰岩などの加工しやすい石も簡単に手に入ったということでしょう。日本は樹木がたくさんあり、加工に適した石が少なかったので、こういう石の文化が育ちませんでした。 写真下左は現在建築中でこれから黒く塗装するのでしょう。写真下右は三階建てだが、さすがに二階よりも三階を大きくは作らないらしい・・・作ったらおもしろいのに(笑)。 大きな教会の窓に人の顔写真が貼ってあります。指名手配ではなく、亡くなった方の公告のようです。ブルガリアでは街のあちらこちらで見かけます。 写真下の真ん中の小屋のように見えるのは小さい教会です。なんで半ば埋もれたように作られているのか、なんでこんなに小さいのか、どういう役割なのかよくわかりません。ここが公園の広場のようになっているところを見ると、前は何か建物が建っていたのではないかと思われます。 教会の中をのぞくと、聖者たちのイコンが三段になって飾られているだけのシンプルな祭壇です。 ホテルに戻り、七時から、昨日と同じホテルのレストランで夕飯です。食事はともかく、相変わらず演奏がうるさい。 二泊したこのホテルを明日立つので、荷物をまとめます。 今日は朝からカワウソとハクチョウを見て、森ではカエルとトカゲ、踏みつぶされたカメを見て、さらにはダニまで見ましたから、まるでネイチャー・ツアーのような一日でした(笑)。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |