トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 7日目 2015年7月11日(土) バンガジャン → ディーラン 夜寝るのが早いので、目が覚めるのも早い。昨夜も寒いために何度も目が覚めました。テント内の温度は10.7度で、真冬の関東地方の朝の部屋の温度くらいですから、寒いのは当たり前です。使い捨てカイロはこの朝までにすべて消費しました。旅行でこんなに使ったのは初めてです。 五時頃に洗面用のお湯が配られました。他の準備をしているうちにぬるま湯になってしまうくらい周囲は気温が低い。 今日は山を下り、8日に泊まったディーランまで戻ります。距離は80km程度でたいしてことはありませんが、山道で、花を見ながらですから、丸一日かかります。 再びグランディス 六時からの食事の時、松森さん(仮名)から、昨日見た青いケシのグランディスを再度見に行くという発表がありました・・・ヤッター!最後の日まで雨なので気持ちが暗くなっていたのだが、この発表に、毒食わば皿まで、雨が降ろうが火が降ろうが、徹底的に撮ってやる、という気分になりました(笑)。朝飯なんかどうでもいいから、早く行こう! 他の皆さんも意気軒高で、山道の登り口に到着すると、場所がわかっているので、四千メートルの高地であるなど忘れて、すごい早足で目的地を目指します。 私は昨日、他のお客さんに教えてもらったヤブの中に最初から突撃して(笑)、ピンク色のグランディスを狙います。 雨と湿気のせいで、私を含めた何人かのカメラにトラブルが起きていました。私の一眼レフはレンズに曇りが入ってしまい使えません。コンパクトの防水カメラがあるので安心だと思っていたら、これもレンズが曇った。バッテリーを取り換える時、蓋を開けますから、その時に入った空気が原因で曇ったようです。なんとか温めながら、レンズの曇りを取って、撮影を続けました。 ケシの花弁が、雨で日光もささないにしては、まるで光が当たっているように見えることにお気づきでしょうか。私の推測ですが、紫外線など太陽光がここまで透過しているのだと思います。私は日焼け止めを塗っていたのだが、それでもこの山に三日間いたら、日に焼けました。また、霧雨が小降りになった時、直接空に顔を向けると、陽が当たっているような温かさを感じます。雲を透過して、ここまで太陽光の一部が直接届いているのでしょう。 二度目なので少し余裕をもって鑑賞したいが、正直、それどころではない。 グランディスとは二日とも悪天候での出会いだったこともあり、印象深い青いケシになりました。さようならを言いながら、私が最後に下りました。 現地スタッフの紹介 花の写真を撮ることばかりに夢中になり、紹介が遅れましたが、写真下が現地の案内をしてくれた、Luguthang村の村長のタシさんです。とても物静かで礼儀正しい人です。 彼の家はキャンプ場の近くにあります(写真下左)。ただし、もっと下の街にも家があるというから、ここは夏の間の家かもしれません。屋根には石がたくさん乗せてあり、ここが強風の吹き荒れる場所であることがわかります。 道であったこの村の人たちです。雨も寒さもあまり気にしていないようです。 旅行を支えてくれた他の皆さんもご紹介しましょう。写真下が今回、私たちを補助してくれた現地のスタッフです。 写真下左の右から二番目が村長さん、後ろで黄色いカッパを着て万歳をしているのがガイドのバサントさん、残りの6人が運転手です。バサントさんがグランディスがここにあることを確認した最初の人だそうです。花についても熱心で、詳しく、好感の持てる方でした。 写真下右の内の四人がテントの設営や食事の準備などキャンプを運営したくれたスタッフたちです。コックなどの雰囲気が他のインド人と違うなと思ったら、シッキム出身だそうです。 シャクナゲの伐採 八時すぎ、キャンプ場に戻ると、すでにテントはたたまれており、荷物をまとめて出発です(写真下左)。 この道を何度か通って気になったのが写真下です。樹木が伐採されている。四千メートルの高地ですから、シャクナゲなどの低木しかありません。そして、たぶんこれらはシャクナゲです。太さから見て、何十年も成長したシャクナゲでしょう。 写真下もシャクナゲの林が切り取られ、地面がむき出しになっています。建築材には使えないから、燃料に使うのが目的のように見えます。チベットではヤクの糞を燃料にすることで、森林の破壊を防いできたはずだが、ここではそうでないのでしょう。 4300mの山の上は、人生と同じで少し先が何も見えない(笑)。 道沿いの花々 最初の停車です(9:31)。この後も所々で車を停めて、写真撮影をしました。 写真上 Anemone
polyanthes (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.618) 写真下左のコリダリスは三日前にもここを通りかかった時も見たのと同じ株です。岩の下にぶらさがるように咲いているのはなかなかです。 写真上 Corydalis
ecristata (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.564) 道端のちょっとした隙間に小さな花が咲いている。 写真上 Bistorta
viviparai (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.662) 写真上左 Saxifraga
melanocentra (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.507) 写真下左のサクラソウは、二日前に見た時はピンクが大多数だったのに、ここでは白いのもあります。 写真上左 Primula
dryadifolia 写真上右 Primula
soldanelloides 黄色いサクラソウもかなりたくさん咲いています。 写真上 Primula.
dickieana. (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.269) 周囲の風景は見えないが、写真下を見れば、ここが断崖絶壁を削って作った道路だということだけはわかります。 霧雨の中のケシ 道の両側では黄色いケシがたくさん見られます。霧で煙っている中、灯りがともっているような印象です。 写真上下 Meconopsis
prainiana (The genus of Meconopsis, p.236,p.264, 『ヒマラヤ植物大図鑑』p.560) 崖の上にピンク色の青いケシ「メコノプシス・ベラ」が咲いています(写真下)。望遠が届かないだけでなく、霧があるので、霞んでしまう。かなりきれいな被写体で、ピンク色のベラはここでしか見られなかったので、残念です。 写真上 Meconopsis
bella (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.554) 写真下は普通の色のベラです。 写真上 Meconopsis
bella (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.554) ベラが大きな岩の下に三つも花を咲かせています(写真下)。手で触れられるほどの至近距離で撮れたのは初めてです。しかも、この水色は本当にきれいで、私の好みに合います。今回のツアーではお気に入りの一つです。花弁の周囲が縫い取りがほどけたようになっているのがおもしろい。 写真上 Meconopsis
bella (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.554) 先ほど崖の上にあったピンク色のベラほどではないが、かすかにピンク色になっているベラもあります(写真下)。 写真上 Meconopsis
bella (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.554) 二日前にも見たシンプリキフォリアが数株ありますが、ここももう花が終わりかけています。残念ながら、あまり良い被写体はありませんでした。 写真上 Meconopsis
simplicifolia (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.553) 初めて見る青いケシが二種類 メコノプシス・ルドローウィは今回初めて見る青いケシです(写真下)。ニ株しかありませんでした。下の一株は頭を下げているので、下から撮るのが容易ではありません。高さは20センチもないくらいの小型のケシです。ここのがたまたま小さいらしく、図鑑を見ると普通はもっと大きいようです。 写真上下 Meconopsis
ludlowii (The genus of Meconopsis, p.350-353) 写真上の一株はまだ十分に開ききっておらず、写真下のもう一株は開花に失敗したように花弁が変で、被写体としてはダメです。 このケシをたまたま見つけたのではなく、バサントさんが事前にここにあることを調べていました。バサントさんによれば、道端のケシはヤクが食べてしまうので、今回はこの二株しか見つけられなかったそうです。 このケシが咲いているのは、道路脇の崖の下です(写真下)。ご覧のように、二人が下りるのがやっとの所で、皆さんで交代で降りて撮影しました。写真で見るよりも危険で、すべったら崖の下に真っ逆さまなので、バランス感覚の悪い私は崖の斜面に寝転がり、最後までしつこく撮っていました。 さらに別な種類の青いケシがあるというので、崖をよじ登ります(写真下左)。高度はこのあたりで4270mほどです。 ありました(写真下)。メコノプシス・シヌアタがお椀状の花を付けています。ほとんど白だが、かすかに藤色をしています。大半の花が下を向いているのは雨のせいではなく、このケシの元々の姿のようです。 写真上下 Meconopsis
sinuata (The genus of Meconopsis, p.354-358) 雨が強くなってきました。他の人たちはもう撮り終えて斜面を降りてしまったようだが、私は滴のたくさんついた花に見惚れていました。 真っ白ではなく、かすかに色が混ざっているのが、皆さんのモニターでもおわかりでしょうか。 七種類の青いケシ ついでに、今回のツアーで見た青いケシをすべてまとめてみましょう。青系のケシが5種類、黄色いケシが2種類で、合計7種類のメコノプシスを見たことになります。 写真上左 Meconopsis
grandis var. orientalis (The genus of Meconopsis, p.151-167) 写真上中 Meconopsis
ludlowii (The genus of Meconopsis, p.350-353) 写真上右 Meconopsis
sinuata (The genus of Meconopsis, p.354-358) 写真上左 Meconopsis
bella (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.554) 写真上右 Meconopsis
simplicifolia (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.553) 写真上左 Meconopsis
prainiana (The genus of Meconopsis, p.236,p.264, 『ヒマラヤ植物大図鑑』p.560) 写真上右 Meconopsis
paniculata (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.546) 三度目のセラ峠 セラ峠が近づくと、北側の谷に道路と川と軍の施設が見えてきました。 セラ峠に到着(11:51)。霧は相変わらずだが、雨というほどではありません。今回ここを訪れたのは三回目で、これでも一番天気が良い。雨さえなければ合格です。 写真上左 Juncus
Ieucanthus (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.737) すでに前回も見かけた花が大部分で特に新しい花はありません。 写真上 Cassiope
selaginoides (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.309) 写真下のメガコドンは私は前回撮影したが、他のほとんどのお客さんは撮影していませんでしたから、ちょうど良い。いつ見ても、迫力のある植物です。 写真上 Megacodon
stylophorus (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.248) シャクナゲは生い茂っているほどではないが、あちらこちらに茂みを作っています。 写真上 Rhododendron
setosum (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.333) 写真上 Rhododendron
anthopogon (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.334) 写真上 Rhododendron
lepidotum (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.333) 写真下右の花の向こうの崖の上にヤクがいます。 写真上 Cremanthodium
decaisnei 写真下のシオガマギクはなんともベタッとしたピンク色に見えますが、目で見てもこんな感じで、花は小さいがこんなに天気が悪くてもかなり目立ちます。 写真上 Pedicularis
siphonantha (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.173) ここで私の防水カメラはついにバッテリーが切れて、ご臨終です。うっかり予備の一眼レフをバッグの中に入れたままでした。頭が回っていない。バッグは車に積んでありますが、借り物なので全員のバッグが同じ色と形で、しかもどの車に入っているかわからない。松森さんに許可を取り、私は六台の車のすべての後ろを開けて荷札を調べるが、あせっているせいか、なかなか見つかりません。結局、松森さんが見つけてくれました・・・手間のかかる客だ(笑)。 写真上 Androsace
nortonii (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.295) 白いサクラソウ 村長さんが白いサクラソウの生えている所に案内してくれました。川が流れるゆるやかな谷です。 こんな所にも人間の痕跡があり、川の周囲に石を積み上げた建築物があります(写真下)。家にしては川に近すぎるし、家畜用にしては小さい。建物の土台のように見えるが、右の衛星写真で見ると、丸と四角の跡が点々としています。いったいこれは何なのだろう? 周囲の斜面にはヤクが休んでいます。 川のすぐそばに目的の白いサクラソウが咲いています。これまで良くみかけた黄色いサクラソウに比べて、とても線が細く、繊細な感じがします。 写真上 Primula
munroi (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.375) 道路から斜面を見上げると、センブリの仲間が一面に生えています。センブリの仲間だから、苦くて牛も食わないのかもしれません。 写真上 Swertia
hookeri (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.246) セラ湖の前で昼食 写真下左は標高4200mにあるセラ湖です。奥に峠の頂上にある門が写っています。後ろを振り返って北側を撮ったのが写真下右で、こちらにも湖があります。ところが、地図ではこの湖は載っておらず、このあたりに道があることになっているが、実際の道は右側に大きく迂回しています。 前回と同じ、セラ湖の前にある店で昼食です(12:59)。これでも前回よりも天気は良い。 ここの熱源を借りて、ラーメンなどを作ります。 前回と同じようなメニューですが、毎回準備するのは大変だったでしょう。個人的には四日間のキャンプの食事に文句はありません。写真右はここで作ったインスタント・ラーメンとその空袋です。袋を見ると、インド製のようです。味は、私は日本ではインスタント・ラーメンをほとんど食べていないので、うまいもまずいもなく、温かいのがありがたい。四千メートルの高度で食べられるラーメンが作れるのだからスゴイ。 私以外のお客さんたちはテーブルのある入口のほうで食事を取り、私は写真下のドライバーたちと一緒に台所のある部屋で食べました。理由は、こちらにはストーブがあるからです。写真下左では、ストーブの鍋の上に私の濡れた帽子を乗せて、乾かそうと無駄な努力をしています(笑)。ストーブの燃料が何であるかを確認するのを忘れました。 やっと雲の下 昼食を終えて、いよいよ下山します(13:45)。雨と霧だらけの四日間だったが、青いケシともお別れかと思うと、ちょっと心残りです。 道では相変わらず軍用車両が多いが(写真下左)、たまに屋根に荷物を乗せたランドクルーザーと出会います(写真下右)。たぶん、峠を越えて北にあるタワンまで行く乗り合い自動車でしょう。 一番高い所にある軍事施設は霧雨の中、煙っていて良く見えません。 下るとやがて雲の下に出て(写真下左)、急に視界が広がってきました。なにせこの四日間、ほとんど周囲を濃霧に包まれていたので、視野が広がると、かなりの開放感があり、緑がとても鮮やかに感じます。 物がはっきり見えるので、とても視力が良くなったような気がします(笑)。 走る車から花を見つける 霧から出たところで、トイレ休憩を兼ねて花の撮影です(14:39)。 曇りで撮影条件がそんなに良いわけではないのに、霧や雨がないだけでも撮影が楽です。レンズが雲っていた一眼レフも復活しました。 写真上 Sambucus
adnate (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.134) 写真上右 Fragaria
daltoniana (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.454) 松森さんがユリを見つけて車を停めました(15:08)。ヒマラヤオオウバユリです(写真下左)。日本でもこの仲間のウバユリとオオウバユリがあります。しかし、ユリは撮りにくい場所であるだけでなく、花の一つは下を向き、横を向いている花も終わりかけています。 写真上 Cardiocrinum
giganteum (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.747) 崖の上にユリをみつけて再び停車(15:26)。残念ながら、高い崖なので上ることはできません。ここを来る時も見かけたのと同じユリで、カサブランカを連想させるような大型のユリです。 松森さんが道路脇の大きな岩にイワタバコの仲間を見つけて車を停めました(15:40)。この旅行会社の良いところは、こうやって次々と花を探しては車を停めてくれる点です。普通の旅行なら、同じ道の帰りですから、ただ通過するだけでしょう。車窓から花を見つけても客が車を停めてくれとはなかなか言いにくいものです。 写真上下 Corallodiscus
kingianus (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.142) 現場は写真下のよう場所です。岩の上に一面に生えているとは言いながら(写真上右、写真下右)、この小さな花を下りでスピードをあげて通り過ぎる車から見つけるのは至難の技で、松森さんは千里眼だという称賛を浴びました。 写真上左 Potentilla
polyphylla (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.444) 写真上右 Chlorophytum
nepalense (『ヒマラヤ植物大図鑑』p.755) 周囲の風景 写真下の山々は私たちが走っている道路とは谷を隔てて反対側です。その中腹、写真左の真ん中よりも少し左下に樹木がなく薄緑に見えている部分があります。それが写真下右で、こんな所に集落があります。対岸なので行きも帰りも良く見えました。ただ周囲を見ても、集落へ通じる車が通れそうな道は見当たりません。 下の衛星写真の白い輪の部分がその集落で、標高が2300-2400mです。青い線が私たちが走っている幹線道路で、近そうに見えますが、集落はテンガ川をはさんで反対側の崖の上ですから、道路は住んでいる人たちにとって直接的な利便性はありません。さすがに道から見た範囲では、ここ以外にはこのような「開拓地」は見つかりまでした。こういうとんでもない山の上に住んでいる光景は隣のブータンで良く見かけました。 水力発電所のようです(写真下左)。写真下右の看板では、3×100kW=300kWというとかなり小さいし、日本では10,000kW以下の水力発電所のほうが少数です。建物も看板も明らかに古く、これではこの流域一帯の電力を賄うのは無理でしょう。停電するはずだ。 車から通り過ぎる村や町の住民の生活が見えます。あまり豊かな地域ではないそうだが、わりとのんびりした雰囲気です。 子供たちも楽しそうに遊んでいます。 道を歩いている人の背中にカサがぶら下がっている(写真下)。ここは日本と同じで雨が当たり前なのがわかります。 道端にはインド人の好きな警告文が並んでいます。 「あなたが居眠り運転をすれば、家族は泣くことになる(If you sleep, your family
will weep」 「悲しみはみんなで分担すれば少なくなる、幸せはみんなに分ければもっと増える(When you share sorrow, it
divides; when your share happiness, it multiplies)」 ボーダフォンの看板だらけの街を通過。 下の写真に写っているオレンジ色の電線を見てください。道路沿いに十キロ以上にもわたり、この特徴ある電線が道路沿いに敷設されています。しかし、電柱を立ててなんて甘い話ではなく、写真下左がそうであるように、適当に道路脇の樹木にひっかけ、要するに宙に浮いていれば何でも良いとばかりのデタラメな配線です。 写真下でも、親子の頭の上にもオレンジ色の線がだらしなくぶら下がっています。線が一本であることから、たぶんネット用の光ファイバーのケーブルではないかと思われます。それもこの粗雑な取り付け方を見てもわかるように、民間の業者です。つまり、ボーダフォンの看板の山と、ケーブルから推測して、この地域に急速に情報の波が押し寄せているのでしょう。 四日ぶりの水洗トイレとシャワーとベッド 四日前と同じホテルHotel Pemalingに到着(17:20)。 七時すぎからホテルの食堂で夕飯です。ここで、テントなど四日間にわたりキャンプを運営してくれた村長さんなど四人のスタッフたちにお礼を言いました。たいへん誠実な仕事ぶりでした。彼らとはここでお別れです。 スタッフたちが帰り、食事開始です。温かく乾いた部屋で食事が取れるのはうれしい。 ビールは小瓶が150ルピー(約350円)で、全員無事に目的を果たしたので乾杯したいが、私は写真だけ撮らせてもらいました。 写真下が今夜の私の部屋で、前回と同じ北側に面した広い部屋です。荷物を自由に広げられ、四日ぶりの水洗トイレとシャワーと暖かいベッドがとてもうれしい。 写真下右は7月7日に来た時のこの部屋の写真で、右側の台の上にテレビがあります。ところが、今回はモニターはなく、チューナーやリモコンが乱雑に置いてあります(写真下右)。客の少ないこのホテルで、四日の間に落とすなどして壊れたか、あるいは盗まれたか、インドではどちらもありえます。 部屋には前回同様に虫がいます。写真下左の半透明のプラスチックのような虫はツチハンミョウの仲間のキイロゲンセイでしょう。写真下右のデカイ蜘蛛は堂々としていて、この部屋の主らしい。テレビがないのはけしからんが、部屋の主に敬意を表して、このホテルへの個人的な評価は前回と同様に3.5とします。 トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 |