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14日目　1998年11月30日(月)

シュラーヴァッスティー → ゴンダ駅 → (夜行列車)

7:00　起床。

8:30　祇園精舎の前を通り、マヘートに行きました。

　地図を見ればわかるように、祇園精舎は舎衛城(マヘート)の街から１kmほどしか離れていません。これは、お釈迦様がそのように望んだことで、街の喧騒からは離れ、しかも托鉢するのにそれほど遠くない距離に精舎を寄進してもらったのです。

　我々がマヘートに歩いていく道は、かつてお釈迦様はじめ比丘たちが午前中に托鉢におもむいた道です(写真下)。

　

　

　出家は午前中の一度しか食事を取りません。これは肉体を維持するのに必要最小限の食べ物しか取らないためです。ですから、一日一食を守っていない坊さんは破戒僧、つまり出家ではありません。

コーサラ国の首都

　マヘートはかつてのコーサラ国の首都でしたが、その繁栄も今は昔で、その一帯は、ご覧のように、遺跡として保護して人の立入を禁止しているために、遺跡とジャイナ教の寺院などがある他は、一面林に覆われています。

　

　これだけ広い場所なのに、遺跡はアングリマーラのストゥーパとスダッタ長者の屋敷跡という遺跡だけです。

9:05　遺跡に到着。両者は百メートルくらいしか離れていません。

　

写真左　スダッタ長者の屋敷跡から見たアングリマーラのストゥーパ

写真右　アングリマーラのストゥーパから見えるスダッタ長者の屋敷跡

　アングリマーラは、この街の大量殺人鬼で、お釈迦様も殺そうと近づいたが、逆に説得されて、出家し、やがて解脱したという人物で、映画にでもなりそうな話です。

　アングリマーラのストゥーパといっても、増改築を繰り返した僧院跡のようにも見えて、どうしてこれがストゥーパなのかよくわかりません(写真下)。

　

次にスダッタ邸宅跡に行きました(写真下)。スダッタとは、祇園精舎を寄進した大金持ちの商人で、土地を買うために、持ち主の要求に応じて、地面に黄金を敷いたといわれる在家信者です。金は箔にすれば、相当に広げられますから、土地にしいてもそれほどの価格にはならない・・・こういう不信心なことを言うから、オレは金持ちになれないのだなあ(ブツブツ)。

　

物売りが来て、関西大学が掘り出したというコインを見せます。よく出来ている。コインを売るよりも、日本人には「金持ちになれるスダッタお守り」とか、「スダッタ長者様のツメの垢の化石」のほうが売れるでしょう。

道を戻らずに、屋敷跡の南の方に向かう道を歩いていきました(写真下)。このあたりは昔は人々が住み、街として繁栄していたのでしょうが、今は一面が荒れ野です。

　

道は、といっても、道なのかどうかわかりませんが、南に進むと、城壁の跡らしい土盛にぶつかりました。下の写真の左側が少し高くなっているのが城壁の跡です。

　

　城壁の外に出て、城壁に沿って歩いて(写真下)、マヘートの入り口に戻りました(10:12)。

　

10:20　せっかくですから、祇園精舎を縦断して帰ろうと、北側の門に行きましたが、開いていません。フェンスを乗り越え、強行突破。平日なので、昨日と違い、人がおらず、とても良い。でも、あまりゆっくりもしていられません。

　

　

　

祇園精舎をゆっくりと散歩して、これを最後に仏跡巡礼は終わりです。

11:20　バンガロー到着。

12:30　バンガローで頼んだジープ型タクシーでゴンダ駅に向けて出発。ものすごい揺れとホコリがある車中で、ビスケットなどで昼食をとりました。飛ばしたので(頼んだわけではない)予定よりも早く到着しました。

　

13:55　ゴンダ駅に到着。隊長の機転で、旅行の日程が一日早くなっているので、まず前に予約した明日のチケットをキャンセルしました。10人くらいしか並んでいないのに、キャンセルだけに2時間くらいかかりました。隊長はインド人相手に孤軍奮闘。列車は夕方到着なのだから、余裕があるように思いますが、こんなふうにインドでは通用しません。

駅のドミトリーがとれ、6つあるベッドのうち4つを占領。車の中での昼食では物足りなかったので、チャイを駅の食堂から運ばせ、パンとバナナを食べました。このパン、インド製にしてはおいしい。

18:30に到着予定の列車が5時間遅れていることがわかりました。遅れはさらにのびて、実際に列車が到着したのは夜中の2:40でした。つまり８時間遅れです。インドではこんなことで当たり前です。ドミトリーを取って、寝転がっていたから楽でしたが、待合室で何時間も座っているのは苦痛なものです。

　列車は夜明けにデリーに到着する予定だったが、昼近くになるでしょう。

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