トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 雪ふるキルギスに初夏の花 1日目 2019年6月9日(日) 成田 → モスクワ → (ビシュケク) 中央アジアのキルギスに初夏の花を見に出かけます。キルギスまでの直行便はなく、モスクワ経由で行きます。地球は丸いから、下の地図ほどではないが、遠回りなのがわかります。2017年に行ったウズベキスタンはキルギスの西に位置して遠いが、直行便があり、10時間ほどで行けました。その同じ時間ではモスクワまでしか行けません。 参加者はツアーリーダーの松森さん(仮名)を含めて女性10人、男性6人の16人で、満席です。半数以上の人たちとは過去に一緒に旅行したことがあるので、名前を覚えるのは楽です。今日の成田空港は空いています(写真下)。 出発ゲートで待っていると、ようやく私たちが乗る予定のアエロフロートの飛行機が到着したらしく、客たちが下りてきました。つまり、これから掃除するらしい。見ていると、荷物を積み込み(写真下左)、地面から燃料を供給しています(写真下右)。 アエロフロートSU261便は12:15に成田を離陸し、16:05にモスクワに到着する予定です。6時間の時差がありますから、日本時間の夜の十時頃の到着で、約十時間の飛行です。機体はボーイング777-300ERです。 航空会社がアエロフロートと聞いた時、ちょっとギョッとしました。つい一カ月ほど前の2019年5月5日、アエロフロート・ロシア航空のスホーイ・スーパージェット100が、私たちがこれから行く予定のモスクワのシェレメーチエヴォ国際空港に緊急着陸時に炎上し、41人が死亡しました。死者が多かったのは脱出時に荷物を取りだそうとした人たちがいたからだと報じられました。落雷が原因と言われますが、飛行機に落雷するのは珍しくありませんから、それくらいでこのほどの大惨事になるのはちょっと変です。幸い、今回の飛行機はスホーイではありません。 機内はかなり混んでおり、私の隣の白人のカップルは手を握ったまま、離陸前から睡眠中でした(写真下)。 座席にあった毛布はたぶん前の人が使ったのをそのまま畳み直しただけです。その証拠に、三座席の内、真ん中の席の毛布だけがビニール袋に入っていて、これは前の人が使わなかったからでしょう。 空港が混んでいるのか、飛行機が動き出してから離陸するまでかなり時間がかかりました。しかし、ほぼ予定通りの12:24に成田を離陸しました(写真下左)。今日は曇り空で、昨夜は雨が降っていました。日本列島を通り過ぎた頃には地表が見えるようになりました(写真下右)。 飲み物に続いて(13:13)、昼食が出ました(13:59)。毛布が「再利用」なのはいただけないが、最小限のサービスは問題ないので、この飛行機への個人評価は五段階評価のC、普通とします。 三時すぎにはロシアに入り、たぶんシベリアの上空を飛んでいて、雲の切れ間から、地表の様子が見えます(写真下)。 今回の旅行に参加することになった事の始まりは、この旅行の前に訪れたペルシャの花のツアーのバスの中でのことでした。バスで隣の席に座ったお客さんが「キルギスに行きたかったが、日にちが合わなかった」と言うので、私は「私もキルギスに行きたかったが、トルコとイランに申し込んだのでお金がなく、ためらっているうちに満席になってしまった。来年、行きましょう」とお誘いしました。 すると、前の席にいたツアーリーダーの松森さんから「キルギスはキャンセルが一人出ましたから、どうですか」と声がかかりました。 満席にキャンセルが出た・・・隣のお客さんに譲ってあげようにも、彼女は日にちが合わないから無理で、残りは私一人しかいない。私はそっと私の薄っぺらな財布君に「ねえ、相談なんだけど・・・」とやさしく語りかけたのだが、すでに財布君は死んだふりをしています。キャンセルが出たということはキルギスの花の女神が私を呼んでいるのだと(いうことにして)、行くことを決めました(笑)。 長い飛行には、眠るか、頭を使わない映画を観るのが一番です。最新の映画があります。ロシアは昔からファンタジーやSF映画が得意で、古くは『惑星ソラリス』(Solaris、旧ソ連、1972年)があります。最近もハリウッドに負けない作品を作っているので、何かないかと探したのですが、見つかりませんでした。 見た二つはたまたまどちらもディズニーの映画でした。 『キャプテン・マーベル』(Captain Marvel、アメリカ、2019年) 『メリー・ポピンズ リターンズ』(Mary Poppins Returns、アメリカ、2018年) 前者はアメリカの大好きなスーパーヒーロー物というか、これはヒロインです。ちょっと期待したのは後者で、1964年に作られた『メリー・ポピンズ』をずいぶん昔に劇場で観たので、その続編として、どのように話を展開するつもりなのか、半世紀前に比べて圧倒的に進んだ映像技術をどう生かすのか、期待したのですが、どちらもイマイチでした。 モニターを見ると、飛行機はだいぶん北極圏に近づいています(写真下)。 すると眼下におもしろい光景が現れました(写真下)。永久凍土が溶けだして、沼が大量に出現したようです。1万メートル近い上空からこれだけの大きさに見えるということは、沼というよりも湖で、しかも無数にある。これが夏だから普通に見られた光景なのか、それとも地球温暖化によって、急激に増えているのか、わかりません。 二度目の飲み物に続いて(19:07)、二度目の食事です(19:44)。つまり、あと二時間ほどでモスクワに到着するはずです。たいてい食事時間は客の胃袋ではなく、飛行時間と客室乗務員の都合で決まります。 南下するにつれて、気温が高いのか、積乱雲がモコモコと立ち上がっています(写真下)。幸い、飛行機が揺れることはありませんでした。 飛行機はロシアを横断して、モスクワに近づいてきました(写真下)。 モスクワの空港で散歩 十時間近い飛行を終えて、午後のモスクワの空港に着陸しました(モスクワ時間15:48、日本時間21:48)。日本とは6時間の時差があります。外気温は27℃とかなり暑い。ここでキルギス行きの飛行機に乗り換えます。 この空港の最近までの名前はシェレメーチエヴォ国際空港(Sheremetyevo International
Airport)でした。ところが、2019年5月31日に、プーチン大統領が作家の名前付けて、アレクサンドル・プーシキン空港となりました。 モスクワの空港はA~Fまでのターミナルがあり(写真下左)、国際線の客が利用するのはD~Fで、私たちが今いるのはDです(写真下右)。 次の飛行機は夜の九時すぎですから、待ち時間がかなりあるので、Fまで散歩することにしました。 道は一直線ですが、上がり下がりがあり、あまりわかりやすくはない(写真下)。これらのターミナルが作られた年代が違うからです。DとEは十年ほど前に作られ、Fは1980年にモスクワ・オリンピックのために作られました。ターミナルCが新たに建設中で、完成後にFは取り壊されます。 国際空港ですから、混むのは当たり前としても、店の数が多いので通路が狭く感じます。最初は店の多さに邪魔に感じたが、ゲートのそぐそばに店があるので、お茶を飲みながら待つという雰囲気は良いかもしれません。 土産物屋のマトリョーシカがいかにもロシアらしい(写真下)。マトリョーシカは意外に歴史が浅く1900年代に入ってから作られたもので、しかも、日本の入れ子人形などを真似たという説があるのがおもしろい。 写真下左の看板を見れば、この空港の利用客の主流がわかります。中国語のアナウンスもありました。もちろん、日本語の表示は見かけません。 写真下左はカプセルホテルです。通路に直接面して設置されているので、一休みしたい人には利用しやすい。それでも、よく空港で見られるように、通路で寝ている人もいます(写真下右)。 この空港の問題は、店が多くて椅子の数が足りないのと、写真下のような電源が足りないことです。それも椅子のそばにはほとんどなく不便です。ただ、これは多くの国際空港で見られることで、成田も同様です。これだけスマートフォンが普及している時代に、空港の利用料金を取るなら、椅子と電源くらい十分な数を準備してほしい。 キルギスに向けて離陸 キルギス行の飛行機はアエロフロートSU 1882便です。機体はAirbus A321で、モスクワを21:45に離陸し、4時間10分飛行して、ビシュケクに現地時間04:55に到着予定です(写真下)。 この飛行機が今日のホテルです。私の座席は予約どおり46Kで、窓側です(写真下左)。ほぼ満席のように見えます(写真下右)。 飛行機が離陸したのは22:04なので『モスクワの夜はふけて』("Midnight in
Moscow"、Kenny Ball、1962年)を口ずさんでみたいが、西の空がまだ明るい(笑)。 飲み物(22:36)と食事が出ました(23:46)。日本時間なら明け方の四~五時ですから、私の胃袋が受け付けてくれるはずがない。 今日は成田の集合時間を勘違いして、朝五時に起きてしまいましたから、丸24時間起きていることになり、とにかく眠い。短時間でもいいから、眠りましょう。 |