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アムネマチンと黄河源流の花

2日目 201373(水)

成都 → 雅安 → 二郎山峠 → 康定

 

 

 七時に起床して外を見ると、少し晴れ間も見える曇り空、つまり成都では普通の天気です。

 

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 八時からホテルのレストランで朝食です。

 

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 今日は成都から雅安まで高速道路を通り、その後、幹線道路で康定まで行きます。何もなければ夕方までには余裕で康定に着くはずです。ただし、中国では「何もなければ」がしばしば成り立たない()

 

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えっ!他に客がいる??

 いよいよ、四千キロに及ぶ花のツアーに出発です。ランドクルーザーの運転手は周さんです(写真下左)。私が最初に烏里さんのツアーに参加した四姑娘山のツアーの運転手です。車はトヨタで(写真下右)、前は三菱のパジェロでしたから、買い換えたようです。ただし、旅行中は故障が多く、スピードを出せなかったり、修理の時間にかなり取られました。

 

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 ホテルの前で車に乗り込もうとすると、烏里さんがリュックを背負った女性をさして「この女性も一緒に乗っても良いか」と私に聞きます。リュックサックを背負った女性が乗るばかりに準備しているというか、ここまでこの車に乗って来たような雰囲気です。

私は意味がわかりませんでした。今日の目的地の康定まで乗せてくれという意味なのだろうか。いずれにしろ、目の前に準備万端の人に乗るなと言える雰囲気ではありません。「どうぞ」と彼女を先に乗せましたが、後で彼女の席は日が当たるので、「お前がそっちに座れ」と交換させられました。

彼女は周さんの親戚で張さんいい、小学校の先生をしているそうです。

 

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 客は私一人だと聞いていたので、事情がわからず、この日の夜の食事の時、烏里さんに質問すると、張さんは一緒に2週間の旅行に参加するというのです。私の旅費が下がるわけではないので、彼女の旅費を私が払っているようなものです。張さんは周さんの親戚だし、周さんと烏里さんは仕事仲間だから、三人は利害関係があるだろうが、私はまったく関係ないのに、なんだって私が彼女の旅費を負担してあげなければならないのか。

 

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 後ろの座席には私しかいないのだから、一つは空いていました。しかし、私は一人ならば車の両側から自由に写真を撮れると期待していたのです。バスのツアーなら他の客が座りたがらない最後部を選ぶのも左右と後ろの三方から写真が撮れるからです。私は五十万円で座席を二つ買ったつもりでいました。

 

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私は「一人だというから、五十万円という高額の旅費を払ったのに、実際には二人だというのはおかしい。そうと知っていたら、私は参加しなかった」と、出発前の旅行条件と違うことを烏里さんに抗議しましたが、烏里さんは私が何を抗議しているのか、理解できなかったようです。座席が空いているのだから、いいではないか、と中国式の考えのようです。

旅行早々から出鼻をくじかれた気分で、今日の空と同じで気分が晴れませんでした。

 

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 パーキングエリアでトイレ休憩です(11:20~、写真上)。二年前は工事中でした。ちょっと残念なのが、前は地元の人が屋台を出して果物などを売っていたのに、彼らの姿がなくなってしまったことです。

 

 

血豆腐で昼食

 高速道路を下りて(写真下左)、雅安市内に入ってきました(写真下右)。ここは2013420日に大地震のあった所です。まだ三ヶ月もたっていませんから、道路は大丈夫だろうかと心配していました。しかし、車から見る限り、地震の跡はまったくありません。

 

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 雅安市内の食堂で昼食です(写真下、12:15)。たぶん私がここで食事をするのは三度目です。

 

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 建物は三階建ての立派な建物だが、最初に来た時、裏にあるトイレを見て引き返しました。しかし、食堂自体はきれいで、いつ来ても混んでいますから、繁盛しているようです。

 

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 階段をはさんで両側に厨房が二つあります。たぶん、元々は別々の店として作られたが、こちらの店が繁盛したので、二つをぶち抜いたのでしょう。

 

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 今回初めて食べたのが、写真下右です。食感は絹ごし豆腐で、レバーのような動物性の生臭さがあります。血豆腐(血旺)といい、ブタの血を固めたものだそうです。烏里さんは最初豆腐だと言って、私が食べた後で正体を明かして驚かそうとしたのかもしれないが、私はこういう食べ物への嫌悪感がありません。

衛生的で、身体に害がなく、まずくなければたいてい食べます。台湾に行った時、ニワトリのツメのついた足を、他の客がそのままの姿に気味悪がって食べない中、私一人がうまいうまいと言って食べるものだから、台湾人の添乗員から驚かれたことがあります。血豆腐は生臭さを消すためにも、わさび醤油で食べたらおいしいでしょう。酒の肴にも合うと思います。

 

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やっぱり渋滞

 食事を終えて出発です(13:10)。雅安をすぎると高い山々が近づき(写真下左)、四川盆地も終わりです。道は川に沿って少しずつ高度を上げ、チベット高原を目指します。

 

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 出発して1時間もたたない所で渋滞です(13:46~、写真下)

 

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 歩いて渋滞の原因を見に行きました。写真下が犯人で、右側のトラックが側溝に落ちてしまい、引き上げるのに、積んでいる鋼材を左側のトラックにクレーンで移し替えているところです。日本なら、作業の時間を区切って、片側通行で車を流すのだろうが、ここは中国です。積み込みの作業が終わる三時すぎまで、一時間半も待たされました。

 

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 強烈な日差しと猛暑の中、皆さん、慣れているのか、忍耐強く待ちます。

 

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 写真下の白い帽子をかぶったオバサンは、背負いカゴに凍らせたペットボトルの飲料水を入れて売っています。なかなか着眼点が良い。幹線道路と言っても山道ですから、自動販売機はもちろん、店もありません。オバサンはトラックが脱輪したおかげで大もうけしたことでしょう。

 

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車で走行中も良く見かけるのが自転車でチベットに向かう若者たちです(写真下)。全員、西に向かって走り、逆方向に走る自転車は一台もありません。一時間ほどいる間に次々と通過していきました。私がここで撮った彼らの写真だけでも36枚ありますから、ゆうに五十台以上の自転車が通過したことになります。

 

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 彼らはこのまま西に向かい、多くはラサを目指し、帰りは飛行機だそうです。今回の旅行ではラサ行きの道は今日だけなので、他の地域では自転車族はほとんど見かませんでした。

 中に、写真下右のようにリュックを背負って徒歩で行く若者もいます。ラサまで歩いて行くつもりなのだろうか!?ここからラサまでは直線でも千数百キロありますから、東京から鹿児島まで歩いて行くようなものです。しかも、大半が3千メートルを越える高地で、こことは逆に気温も低く、厳しい環境です。

 

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 道路の周囲の植物を見てみましょう。道の脇のちょっとした隙間も耕され、トウモロコシやエンドウ豆が植えられています(写真下)

 

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 周囲には竹がたくさん生えていて、なかなか涼しげです。四川省はパンダが主食にしているだけあって竹が多い。

 

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 背の高い竹にも日本では見られないような種類の竹が生えています。

 

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 土手に白いヒルガオが咲いています。暑い日差しに妙にマッチしています。

 

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写真上 Convolvulus silvatica

(Guide to the Flowers of Western China, p.425)

 

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写真上 Caryopteris glutinosa

(Guide to the Flowers of Western China, p.430)

 

 この渋滞を過ぎた後も、何カ所か渋滞がありました(写真下左、15:54)

 

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 二郎山峠に近づくにつれて、道の両側に目につくのが、写真下のような壁の下に模様のある独特の作りの家屋です。成都から康定まででは、このあたりだけなので、特有の様式かと思ったら、意外にも、旅の後半で五百キロも離れた所で、同じような様式の建物がありました。後日、お目にかけましょう。

 

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 高度が上がるにつれて、道の両側の崖にテッポウユリのような白いユリが咲いているのが見られました。リーガル・リリイと呼ばれ、四川省ではこういう亜高山地帯に咲いているのが良く見られます。私は写真を撮りたいと頼んだのですが、道幅が狭く、車を停めることができないというので、チャンスはありませんでした。

 

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 二郎山峠の手前のガソリンスタンドで給油です。ここに立ち寄るのも私は二度目です。ガソリンの値段は7.27(126)ですから、中国の物価を考えると決して安くはありません。

 

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 前回来た時もこの街で目をひいたのが、屋上の畑です(写真下)。今年も屋上でトウモロコシが見事に育っています。

 

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 二郎山トンネルを通過して、四川盆地からチベット圏に入ります。

 

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 ここが四川盆地とチベットとの境界であることは、トンネルをくぐり抜けるとわかります。写真下左は、トンネルを通過した後、振り返った写真で、写真下に小さくトンネルの出口が見えています。今まで走ってきた四川の山(東側)が雲で覆われています。ところが、進行方向を見ると(西側)、写真下右のように青空が広がっています。

 

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 四川盆地の湿潤な気候が、二郎山峠を境にチベットの乾いた気候になるようで、毎回通過するたびに、あまりに明瞭な変化に驚かされます。

 

 

展望台で食料調達

大渡河の見える展望台で休憩です(17:5218:02)。展望台には観光客目当てに出店があります。

 

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 ここを訪れるのは私は三度目です。一度目は強そうなオバサンに高い値段でお茶を売りつけられたことが私の心の傷になって、今回も恐る恐る車を降りました()

 

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 今回、特に目をひいたのが、写真下のビニールの紐で縛られた棒状の物です。ヤクのペニスで、精力剤なのでしょう。乾燥してこの大きさとは、なかなか御立派なようです。こんなふうにここでしか手に入らないような漢方系の原材料を売っているのだが、専門的な知識もないので、見るだけです。

 

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 木の実が売られているのを見て、私は一袋10(174)分を6種類買いました。

 

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 クルミの他にピスタチオなどがあるので、こんな所で採れるのかと烏里さんに質問すると、ほとんどは外から持ってきた物で、唯一、地元の産物が写真下の乾燥トマトだという。大きさからして、ミニトマトを乾燥させ、着色して砂糖漬けにしたようです。味は、まあ、まずくはないという程度です。

 

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 もう一つ、店の人の勧めに応じて買った乾燥果物が写真下です。なんだかわかりません。見た目どおりでやや固いが、甘酸っぱく、それなりにおいしい。中の種ごと真っ二つに切って干したようで、口の中で果肉だけかじり取り、種を車の窓から捨てます。

意図したのではありませんが、こられの物はこの後の旅行では私の重要な食料源になりました。旅行中、出てくる食事がどれも辛くて、まとも食べることができず、私はお腹を空かせていることが多かった()。ビスケットは甘すぎて、毎食食べるのは無理です。乾燥トマトと写真下の乾燥果物がちょっとつまむのにちょうどよかった。ただし、毎日食べていたので帰国する頃には口飽きしてしまいました。

 

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 展望台よりさらに下がると、展望台から見えた大渡河まで降りて行き、そこから河を渡り、ちょっと北上すると、濾定という街があります。

 

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 前は濾定の街の中を通過するので渋滞していましたが、今回、大渡河の西岸にバイパスが作られ、かなりの速度で通過しました。

 

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 前に来た時も大規模な水力発電所が建設されていたが、まだ工事は完成していないようです(写真下左)

 

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なつかしい康定に到着

 二郎山トンネル以降は渋滞もなく順調に飛ばし、薄暗くなり始めた康定に到着(19:28、写真下)。この街に泊まるのは三度目です。

 

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 街中の食堂で夕飯です。警察官をしている烏里さんのお姉さんが店で出迎えてくれました。ただし、例によって、辛い物が多く、私は大半の皿に箸が付けられません。

 

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 康定市内にあるホテルに到着(20:36)。康定賓館(康定宾馆Kangding Hotel)に泊まるのは初めてです。

 

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 入口からしてチベット様式の派手派手しい色取りです(写真下左)

 

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 廊下にはチベット関係の絵や写真が飾ってあります。

 

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 写真下が私の部屋です。ネット上での値段は218258(37904490)で、設備に問題はなく、評価は3.5です。設備からすると4.0をあげても良いのだが、0.5引いたのは、ネット接続ができない点と、湯沸かしポットがなく、シャワーヘッドが固定式で使いにくい点です。

 

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