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トルコ北西部の早春の花

7日目    201944()

ボル アンカラ イスタンブール

 

 朝、起きると晴れそうな天気です(写真下右)。外は氷点下だったらしく、駐車場の車の窓は霜で真っ白です(写真下右)。部屋は暖房をかけて寝たので問題ありませんでした。

 

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 今日はボルを出て、花を探しながら首都のアンカラに向かいます。夕方、飛行機でアンカラからイスタンブールに行き、そこで一泊します。

 

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 出発は九時だというので、シクラメンなどを見に、朝の散歩に出かけることにしました。

 

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 同じ山なので、同じ花しかないが、たぶん今日が一面のシクラメンを見るのも最後だし、昨日のように夕方で周囲が霞んでいるのと、朝日があたるのとでは違ってみえるからです。

 

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写真上下 Cyclamen coum

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 初対面だったのに、すっかり顔なじみになったクリスマスローズともそろそろお別れです(写真下)

 

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写真上 Helleborus orientalis

 

 八時すぎにホテルに戻り、湖の見える窓側の席で朝食です(写真下)。晴れて気持ちが良い。

 

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 大半のお客さんはすでに朝食を終えたようです。

 

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黄色いセツブンソウ

 予定どおりに九時にホテルを出発し、まず黄色いセツブンソウを見に行きます。二日前にお客さんが見つけた時には夕方だったこともあり、花が開いていませんでした。今日は朝日にあたり、開いています(写真下)

 

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写真上下 Eranthis hyemalis

 

 日本のセツブンソウの仲間なのに、花の色だけでなく、全体の印象もだいぶん違います。花が黄色である点を除けば、花や葉、咲いている様子は日本のアズマイチゲと似ています。ただし、アズマイチゲはアネモネですが、こちらは違います。

 

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 日本のセツブンソウは白で、ここのは黄色です。前にトルコと隣接するブルガリアで見たニリンソウは、日本の白いニリンソウとそっくりなのに、黄色でした。近い種類の花が日本とは色違いなのは興味深い。

 

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 クリスマスローズとセツブンソウの共演です(写真下)

 

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 写真下はてっきり毎度見慣れた黄色いクロッカスかと思ったら、別種で初めてだそうです。私にはまったく区別がつきません()

 

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写真上 Crocus olivieri

 

 写真下は二日前に大きな湿原に群落していたのと同じクロッカスです。

 

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写真上下 Crocus abantensis

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白いシクラメン

 赤いシクラメンの中に、ほんの数十本の白いシクラメンがあります(写真下)。種類は同じです。

 

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写真上 Cyclamen coum

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 園芸品種としてはこの種類のシクラメンの白花も売られています。しかし、自然界でどの程度あるのか、書いてありません。

 

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 良く見ると、真っ白ではなく、ほんの少しピンク色です。端の部分がかすかに桜色に染まって、なかなかきれい。

 

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 しかし、よりピンクが強くなると、色がまだらに退色したみたいで、イマイチです(写真下)

 

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トルコの農村を走る

 周囲は春霞でここが乾燥した地域であるとは思えないほどです(写真下)

 

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 緑色の畑はたぶん麦畑で、春麦が育っているのでしょう。

 

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 しばらくすると春霞は消えて、すっきりとした天気になりました(写真下)。これは低地に下りて来たからかもしれません。ただ、先ほどよりも山の樹木は減り、むき出しの岩肌が増えています。

 

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 日本のそれとは違うが、のどかな農村風景で、私はホッとする。

 

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トイレ休憩

 Bozyakaという静かな街のガソリンスタンドでトイレ休憩です(11:00)

 

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 周囲はまた春霞の中、樹木が花を咲かせています(写真下)。桜のように見えるのはアーモンドかもしれません。

 

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  Nallihanという人口3万人ほどの街を通過しました(写真下)。このあたりは標高600mほどで、シルクロードの隊商宿もあったという古い街です。

 

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バイモはどこだ?

 ガードナーさんによれば、写真下の松林の中にバイモがあるらしい。皆さんで手分けして探しても、なかなか見つからない。

 

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 こういう時は、果報は寝て待てで、探すのは他の人に任せて、私は他の花の写真を撮ることにしました()

 

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 写真下のセネシオはヨーロッパの東と南から西アジアやコーカサスなど広い範囲に分布しています。

 

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写真上 Senecio vernalis

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 写真下は水色がきれいな非常に小さな花で、顔を地面に近づけないと見えない。写真下右で右側に出ているのはボールペンの先で、後でノギスで測ってみたら先端の直径は3mmほどでした。つまりこの花は2mmくらいしかない。331日にも、黄色いアヤメを探したところに生えていました。

 

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 バイモは咲き終えているのではないかとあきらめかけた頃、ガードナーさんが呼ぶ声が聞こえました。もちろん、私が真っ先に駆けつけて、彼が探した花を撮影しました()。おもしろいことに一本見つかると、次々と見つかる。

 

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写真上下 Fritillaria fleischeriana

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 なかなか見つからなかったのも、バイモは地味な花が多く、この花も例外ではなかったからです。花はほとんど下を向いているので、花の中を撮るのは難しい。

 

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 青空が広がるトルコ高原をバスは走ります。

 

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 それなりに緑のある風景から(写真上)、緑が消えていきます(写真下)

 

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珍しいムスカリ

 やがて荒涼とした岩山に案内されました(写真下)。ここに珍しいムスカリがあるという。

 

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 岩山の手前にはそのムスカリの自生地であることを示す看板が立っています(写真下)

 

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 このムスカリは1999年に発見されたというから、植物にしてはわりと最近のことです(写真下)。理由はこの周囲を見ればわかるように、砂漠だからでしょう。このあたりは年間をとおして雨が少ない厳しい環境のガレ場で、こんな所に独自に進化したムスカリがあるとは誰も想像しなかった。

 

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写真上 Muscari adilii

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 ムスカリの学名の後半のadiliiは、ガードナーさんの奥さんのお父さんの名前から付けられたものです。お父さんもまた植物学者で、彼の息子がこれを発見し、父親の名前を付けました。私たちは、帰国が一日遅れるおかげで、後日このお父さんと会うことになります。

 

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 残念ながら、ムスカリの多くは盛りをすぎており、私たちは咲き終える時期になんとか間に合ったようです。

 

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 花は上の部分が咲いているだけで、下半分には種ができているのが大半です。写真下右のように、完全に終わっているのもあります。

 

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 ここには二種類のムスカリが生えており、写真下は二つ目の種類です。写真上がやや大型で、葉に幅があり、捻じれているのに、写真下はやや小ぶりで、葉は細くて捻じれがない。写真下はこれまでも何度も見て来た珍しくないムスカリです。

 

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写真上 Muscari neglectum

 

 こんな環境でも、ガレ場の斜面には花が咲いています(写真下)

 

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写真上右 Cruciata taurica

 

 写真下はイランでも見ました。葉が捻じれていて、いかにも砂漠に適用した植物に見えます。

 

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写真上 Scorzonera villosa

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 写真下もこんな所に咲いているとは思えないほど見事な緑の葉を付け、紫のきれいな花を咲かせています。41日にウルダー国立公園の山の斜面でも見かけました。

 

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写真上下 Vinca herbacea

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野鳥の保護区で昼食

 Nallıhan鳥類保護区(Nallıhan Bird SanctuaryNallıhan Kuş Cenneti)の道端で昼食です。

 

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 写真下が食事をしている場所から見える光景で、眼下に湖と湿地帯が広がっていて、いかにも水鳥がいそうな場所です。

 

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 私たちが食事を取っているのが、下の衛星写真の赤丸の所です。

 

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ここには渡り鳥の通り道になっているので春と秋は特に鳥が多く、179種類とも191種類とも言われる鳥が確認されていますから、鳥好きにたまらない場所です。

 

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 湖の上を黒い鳥がまとまって飛んでいるのは、カラスではないでしょう()

 

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 道端に、同じ仲間だが、別種の花が咲いています。

 

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写真上 Anchusa stylosa

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写真上 Anchusa barrelieri

 

 

アンカラへ

 これで花の観察はすべて終了して、これからアンカラの空港に向かいます(13:37)

 

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Beypazarıという街を通過します(写真下)。ここはニンジンの産地として有名です。と言っても、ニンジンは見あたりません。

 

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 Beypazarıの近郊でトイレ休憩です(14:11)。ガソリンスタンドにコンビニが付いているというよりも、食料品店がガソリンも売っているという雰囲気です。

 

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 ここでも腸詰が軒先にぶら下げられている(写真下)。いくら春先でも虫がつかないのだろうかと心配になります。

 

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 再び農村風景の続く郊外を走る。渋滞もなく順調です(写真下)

 

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 このあたりの地域のモスクのミナレット()は一本だけです(写真下)。これを覚えていてください。

 

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 やがてマンションらしいビル群の建つ街が見えてきました(写真下)。新しく作られた街のようで、広範囲に広がっています。おもしろいのは、マンション群の周囲には戸建てが見当たりません。

 

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 このあたりがアンカラの西端で、私たちはアンカラの市街地には入らず、北側を迂回して、北東にある空港に向かいます(下図)

 

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 道路はアンカラの北はずれで、ここは宅地開発されている最前線なのでしょう。失業者問題があるほど人口が急激に増えている国ですから、それに間に合わせようとして建築ラッシュなのかもしれません。

 ところで、皆さんはトルコの首都がこのアンカラだと知っていましたか?たぶん多くの方が、私と同じように、イスタンブールが首都だと思っていたのでは?

 

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 写真下のモスクのミナレット()は、先ほどと違い、すべて2本です。朝の祈りの時間を伝えるための塔ですから、近くに2本あっても意味があると思えない。都市部では人口が多く、お金が集まるという証拠のようなものです。

 

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 空港の少し手前のガソリンスタンドでトイレ休憩です(15:35)。ここのトイレは森林をイメージしたのでしょう。凝った作りで、おもしろい(写真下右)

 

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アンカラの空港に到着

 アンカラの北東にあるエセンボーア国際空港(Ankara Esenboğa Havalimanı)に到着(15:54)。空港の入口で助手のケレムさん(赤いシャツ)、ドライバーのジャヴィットさん(白いシャツ)とお別れです(写真下)。二人とも良い人たちでがんばってくれました。

 

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 ガードナーさんは別な飛行機で帰宅するので、空港内でお別れです(写真下)

 

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 この空港の設立は1955年でも、建物は2006年に作られたので、古さは感じません(写真下)

 

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 建物の中に林まである(写真下)。本物っぽく見えますが、こんな程度の明るさで成長するのは変だし、枯れ葉一つなのいのも変だから、幹だけ本物で、葉と枝は作り物かもしれません。実は、後日、そういう偽樹木を他の空港で見かけました。

 

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 私たちが乗るトルコ航空TK2159便は17:15にアンカラを出て、1時間25分の飛行の後、18:40にイスタンブールに到着する予定です。機体はボーイング737-900・・・ボーイング737と知って一瞬ギョッとしました(写真下右)2018年と2019年に墜落して問題になっている飛行機は737MAXという別な型です。本来、ボーイング737のシリーズは長い間運行されている性能の良い飛行機なのに、737 MAXはボーイング社にとっては大打撃となりました。

 

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 国内線だから座席の事前予約はできず、選択が難しそうなところを何とか窓側を確保してもらいました(写真下左)。ほぼ満席です。機長のアナウンスが長くてうるさい()。たまにマイクを持つと離さなくなる機長がいて、あまりありがたくない。

 

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 飛行機はほぼ予定通りに離陸(17:23)。晴れているが、少し霞がかかっています(写真下)

 

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 離陸後、すぐに飲み物と軽食が出ました(17:33)。飛行時間が短いから、早目に配膳しないと間に合わないのでしょう。

 

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 飛行機は間もなくイスタンブールの南にあるマルマラ海(Marmara)に出ました。もっともこれだとイスタンブールを通過してしまっている(17:55)。イスタンブールの空港の滑走路は南北に長いので、東からでは着陸できないからでしょう。

 

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 眼下にマルマラ海の島々が見えます(写真下)

 

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 イスタンブールの街並みが見えてきました(写真下)。夕方のせいか、霞んでいる。

 

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イスタンブールの空港に到着

 イスタンブール・アタテュルク国際空港(Istanbul Atatürk Airport)に到着(18:13)。実質的に飛んでいた時間は50分ほどでした。ここで現地ガイドのジジさんと合流します(写真下)。ジジさんの本当の名前はジィデさんらしいのだが、ジジさんと呼んでかまわないという。私は彼女の隣に並びながら、ガイドのジジさんと客のジジイ・・・よけいなことを考えてしまった()。今日と明日の観光の二日間のガイドです。

 

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 旧市街にあるホテルに向かいます(18:54)

 

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 旅行の初日にも説明したように、元々のこのツアーでは、空港からこのまま夜の飛行機で日本に帰国することになっていて、イスタンブールに滞在する予定はありませんでした。ところが、イスタンブールの空港の移設と帰国日が重なり、ツアーが始まる少し前に、帰国が一日遅れることが決まったのです。

 

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 写真上のような近代的な街を通過して、写真下のような狭い道が入り組んだ旧市外に入ってきました。こっちのほうが私の好みに合う。写真上のような所は緊張するのに、写真下だと初めて来た所なのにホッとする。古い人間が古い街を見て共感するからでしょう()

 

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ホテルのホールは?

 Turkoman Hotelに到着(19:17)。三ツ星ホテルです(写真下)

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(http://www.turkomanhotel.com/)

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 日本で、ホテルの予約サイトに掲載されたこのホテルの写真を見ていた時、いつくか疑問が起きました。

 一つ目が写真下です。実は写真上の建物と同じです。予約サイトによってピンクもあれば、写真下の緑色もありました。ホテルに到着した時、真っ先に、いったいどちらなのか、大いに興味を持っていたのです。あるいは、ピンクでも緑でもなく、青や紫かもしれないと期待しました。結果、ピンクでした。

 

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 さらなる疑問はホテルの玄関から入ったホールです。写真下①~⑤の合計5枚はすべてネットのホテルの予約サイトからコピーしたものです。パッと見た時、私は同じ部屋だと気が付きませんでした。写真下①②の二枚は椅子やカーペットはほぼ同じだとわかります。三人掛けのソファーの色が違うように見えるのは①は日中、②は夜に撮影したからでしょう。

 

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 ところが、写真下③④になると、三人掛けのソファーやカーペットが違います。しかし、壁の特徴ある鏡と、隅にあるストーブのような物は共通していますから、同じ部屋だとわかります。真ん中にある小さなテーブルは①~③は同じだが、④だけは曲線のついた脚のテーブルです。

 

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 写真下⑤になると、写真上④のソファーと、右端にある絵が同じであるだけで、カーペットはなく、特徴ある壁の鏡がなく、代わりに絵が飾ってあり、また窓の一部は黄色いガラスで、真ん中のテーブルも違います。

 

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 以上の五枚の写真を見て、私は実際はどれが今の姿なのだろうと日本にいる時から激しく疑問にさいなまれたのでありました()

 今の実際の姿が写真下左で、①②と同じです。ところが、このホテルのホームページに載っている写真は写真下右です。実際と違うじゃないか!これは④と同じ配置を別な角度から撮った写真です。オーナーが変わり、全面改修するホテルは時々見かけるが、五枚の写真で共通した調度品がいくつかあることから、模様替えの好きなオーナーなのではないか。

 

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写真上右 (http://www.turkomanhotel.com/)

 

 時々、模様替えをするらしいこのホテルのオーナーがたぶん写真下の男性です。推測の根拠は、このホテルのホームページに従業員の写真が載っているのに、そこに彼の姿はない。それでいて、①~⑤のホテル紹介の写真の中で、彼が写真下右の受付に座っていることです。

 また決定的な証拠として、私が彼に「スーパー・マリオ」というあだ名を付けことです・・・意味不明()

 

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 下図がこのホテルの一階の間取りで、真ん中にReceptionと書かれた部屋が今いるホールです。両側に客室が四つあります。このまま二階、三階も面積は同じですから、かなり小さなホテルだとわかります。

 

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 写真下は先ほどから問題視しているホールで()、高級感はないが、家具などにオーナーの好みが色濃く反映されています。

 

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 アイロン、タイプライター、湯沸かし器、古いランプと、ここのオーナーはこういうのが好きらしい(写真下)

 

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 写真下の壁や天井の灯りに使われているランプ・シェードに統一感がありません(写真下)

 

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 これを設置した人は建物全体を考えたのではなく、アンティークの店にあった気に入ったシェードを次々と買い集めたために統一感がないのでしょう。

 

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 写真下はこのホテルの隣で、工事中のために、ホテルの建物の一面がナイフで切り取ったみたいな状態です(写真下右)

 

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 家と家が接触しているから隣の家を壊さないように工事をしなければならず、大変です。写真下右の歩道の石畳にはヒビが入って、工事現場側に崩れそうになっています、というか、崩れている。崖側には何の支えもなく、紅白のヒモがあるだけですから、うっかり足をかければ崩れ落ちます。

 

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 崩れ落ちそうなのは土手だけでありません。工事現場をはさみホテルとは反対側の建物が写真下左で、建築中ではなく、廃墟です。工事現場側が低く、地盤が弱いから、地震でも来たら、簡単に工事現場側に倒壊するでしょう。

 写真下右のコンクリートの上についているのは、たぶんネコの足跡です。平らだから、まっすぐ行くつもりが、ベタベタとぬかるので、左右にずれて回避しようとしたが、無理だとわかり予定を変えた、と足跡が物語っています。そう、人生は予想どおりには行かない()

 

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海峡の見えるレストランで魚料理

 到着が遅かったので、部屋割は後にして、荷物だけホテルに入れて、食事に出かけます(19:23)。ホテルは旧市街の中でも観光地のそばにあるので、移動は歩くのが一番です。

 

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 歩いて五分もかからずにブルー・モスク(スルタン・アフメト・ジャーミィ)のあるスルタン・アフメト広場(Sultanahmet Meydani)に出ました(写真下)。ここはローマ時代は競馬場だったようで、今は広大な公園になっており、モスクや博物館など観光施設が集まっています。

 

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 このネイチャリング事業部のツアーにしては珍しく、観光施設の前での記念撮影です(写真下)

 

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 私たちは広場を横切って、ホテルと反対側のレストランに行きます。

 

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 通りには店が並んでいます。ここは世界遺産にもなっている地域ですから、安っぽい感じはありません。もちろん、電柱などありません。日本ももう少し観光地での店舗などを含めた景観に配慮できないものだろうか。古い京都の街並みに、電柱と電線が小汚く張り巡らされていても、誰も気にしないという感性が私には理解てきない。

 

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 店の飾り窓にアラベスク模様と植物の絵が飾られています(写真下)。両者ともトルコでは良く見られます。

 

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 Seven Hillsというレストランに到着(写真下、19:45)

 

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 一階は土産物屋になっており、ガラス製品の茶器が並んでいます(写真下)。私の足は何の迷いもなく、まっすぐそちらに行ったのに、他のお客さんたちはエレベーターのほうに行ってしまった。こんなすごいガラス細工を見ないで行くなんて、そりゃないだろう。

 

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 私が写真を撮っているのを見て、店員らしい男性がおどけてみせる(写真下)。きれいなお姉さんならいいのにと、私のカメラはブツブツ文句を言う()

 

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 五階(たぶん)のレストランはかなり混んでいます(写真下)

 

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 窓からはボスポラス海峡が見えますから、窓側の席が良いのだが、私たちは団体なので、真ん中の席です。

 

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 魚料理のパフォーマンスで、包んだ魚に火をつけてみせる(写真下)。ただし、この魚は私たちのためではありません。

 

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 海がそばですから、魚料理が中心で、写真下二つのうちから選べます。

 

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 最後に紅茶が出ました(写真下右)。ガラスの容器は形が素敵なのだが、取っ手がないから、持ちにくい。飾り用に一つ買おうかと迷っているうちに、買いそびれました。

 

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 食事を終えて、スルタン・アフメト広場を通過して、ホテルに戻ります(21:23)

 

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 観光客の少なくなった広場にはまだ屋台がある(写真下左)。うまく売れただろうか。

 

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番号を付けろ

 ホテルに戻り、部屋に入るまでひと騒動でした。部屋は番号ではなく、トルコ語の名前が付いているから、わかりにくい。小さなホテルなので各階に配置図もない。つまり、鍵を渡されても、何階なのか、どの部屋なのかわからず、一つずつ部屋の名前を確認するしかない。

 

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 従業員らしい男性がスーツケースを運び上げてくれるのだが、彼の言った階数は日本の階数と数え方が違う。海外では良くあることで、一階はグランドフロアで、二階とは彼らの一階、三階とは彼らの二階のことです。お客さんたちは狭い階段と廊下をあちらこちらウロウロしながら、自分の部屋を探し回る。

 疲れている上にこの混乱で、私も「部屋に番号を付けろ」と文句を並べました()。一人で旅行する時など、安い小さなホテルを選ぶから、部屋がわかりのくいなど当たり前なのに、団体旅行だと文句を言いたくなる。

 

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 部屋は清潔で特に問題はありません。ドアなどを見ると、わりと最近、塗り直しをしたらしい。お茶やコーヒー、ポットなどはないが、シャンプーや石鹸はありますから、個人的には十分な設備です。

 

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 ネットでこのホテルのこの時期の価格を調べると6,2547,688円とあります。観光に便利だという地理的な位置を考えたら、妥当な値段でしょう。部屋がどこかわからないというイライラはあったが、そもそも団体を泊めるようにはできていないホテルです。豪華さはなくても、アンティークが好きなスーパー・マリオの経営する小さいホテルの個人評価は五段階評価の4.0で、合格とします。

 夜は、近くでの工事の音がうるさくて、なかなか寝付けませんでした。

 

 

 

 

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