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1日目 201263()

成田→(北京)→成都

 

あこがれていた雲南

 私は雲南省は初めてです。二十年以上も前、NHKで放送され、下記の本にまとめられた雲南省の様子を見て、一度行ってみたいと思っていました。

『中国の秘境を行く 雲南・少数民族の天地』(日本放送出版協会、昭和60)

本物の桃源境が観光地にあるはずがないのはわかっていても、ちょっとあこがれていたのです。実現するのに二十年以上もかかるとは思ってもみませんでした。

 チベットカム山岳研究会の烏里さんに、雲南の花を見たいので企画してくれるようにお願いしました。

 

 雲南省は中国南部に位置し、面積だけでも日本よりも大きい。ですから、一度や二度の旅行で雲南の花を見るのはどちらにしろ無理です。雲南省は中国の南部にありますから、亜熱帯である同時に、北部はチベットなので亜寒帯だという非常に多様性のある気候です。

 我々が今回行くのは、雲南省の北部のチベット高原の南東の端にあたる部分ですから、標高は2千〜4千メートルもあります。

 地図をごらんください。私は烏里さんの主催するツアーで、2009年に四姑娘山、2010年には亜丁に行きました。亜丁は今回行く香格里拉から見ると、わずか百キロほどしか離れていません。つまり、四川省や雲南省という省が違うだけで、私が訪れた所はいずれも東チベットです。

 

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 参加者は、ツアーリーダーの烏里さんを含めて女性二人、男性六人、合計八人です。女性が少ないというのも珍しい。しかも、参加者の内、二人は二年前の亜丁の旅行で一緒だった人です。

 

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中国国際航空CA422便のエアーバスA320はほぼ予定通りに9:17に成田空港を離陸。座席は片側3つの6座席で、ほぼ満席です(写真下左)。中国の路線は相変わらず盛況です。

 

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 昨年から、全日空と中国国際航空が成田から成都までの直行便を開設しました。昔は直行便があったのが乗客の数が少なく、廃止になっていました。我々が乗った中国国際航空は北京に立ち寄るので、八時間もかかります。直行便は5時間40分ほどですから、三時間近い短縮になります。おもしろいのは普段は直行便のほうが高いのですが、時期によって直行便のほうが安くなったりします。しかし、この直行便は人気があり、烏里さんは取れなかったそうです。

 

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 我々は今日、北京経由で成都まで行き、明日、成都から麗江に飛行機で行きます。

 

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 この飛行機は国際線なのに、モニターは天井から数列おきにぶら下がっているだけです。国際線はモニターが座席ごとにはついているのが普通ですから、機内の仕様はどう見ても国際線用ではありません。北京までは三時間ちょっとだから、国土の広い中国から見たら、日本など「国内線」なのでしょう。

 

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 飲み物が出て(9:53)、その後、食事が出ました(10:04)。今日は集合時間が7:20で、朝食をとっていなかったので、あっという間に平らげました。

 

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 私の席は窓側を取ってもらったが、翼の上であまりながめは良くありません。

 

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北京空港を駆け抜ける

11:44(日本時間12:44)に曇り空の北京首都国際空港に到着。外気温は22℃ですから、暑くも寒くもありません。 

 

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 ここで乗り換えるのではなく、同じ飛行機で成都まで行きます。成都に着いてから入国するのかと思っていたら、いきなり入管に案内されました。私は一緒にいた三郷さんと上島さん(仮名)に列に残っていてもらい、あわてて入国カードを取りに行き、並んだまま急いでカードに記入して、かろうじて三人は間に合いました。

 

文書名 _雲南資料001-20

普通、飛行機の中で入国カードを配ってくれるはずなのに、それもありませんでした。他の列に並んだ何人かはカードを持っていなかったので、カードを記入して再度列に並ぶことになり、だいぶん遅れました。

 その上で、再度、税関で荷物と身体検査ですから、二度手間で、トイレに行く時間もないほどに慌ただしい。北京で降りる客と、成都まで行く客を完全には区別できないから、全員をとにかく入国させようとして、こんな方法を採用しているのだろうが、とても非効率的です。

 

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空港の中を駆け巡った後、同じ飛行機の同じ座席に戻りました。

 

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 あれだけ急がせたわりには飛行機は動こうとしません。そうしているうちに、食事が配られ始めました(13:31)。ということは、一時間近くは離陸しないということです。成田空港で飛行機に乗ったまま出発できず、機内食が出てしまったという笑い話を聞いたことがありましたが、まさか自分がそうなるとは思いませんでした。これから自慢話にすることにしましょう。

 

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予想どおり、北京空港で機内食が配られてから一時間ほどたった14:50、曇りの北京空港を離陸。成田からと同様に、ほぼ満席です。

 

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 離陸後、食後のコーヒーをもらいました(15:57)

 

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荷物がない!

 成都に近づくと、しだいに雲が多くなり(写真上右)、成都の上空まで来ると、いつものように曇りで、雨がぱらついています(写真下)。ここは晴れない都市ですから、これが普通です。

 

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17:21に成都双流国際空港に着陸。日本から九時間かかった計算になります。次回からは直行便に乗りたい。気温は20℃で、暑くも寒くもないが、雨で湿度がすごい。

 

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 空港で荷物を受け取るのにトラブルが起きました。土田さん(仮名)の預けた荷物の一つが出てきません。しかも、その荷物と良く似たバッグが残されています。つまり、残された荷物の持ち主が、間違えて持っていってしまったのです(写真下)

 

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 成田からここまで一緒に来た旅行客は意外に少ないので、何となく思い当たるのが、初老の中国人の婦人です。たしか彼女は目が悪いと言っていましたから、間違えた可能性が高い。それなら、いずれにしろ連絡が来るだろうと待っていたら、間もなく空港に連絡があり、後でホテルで荷物を受け取ることができました。

 土田さんの荷物には、数十万円もする高級一眼レフカメラなど撮影機材が入っていたので、これがなければ、今回の旅行は台無しでした。

 

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 空港の前に立っているパンダとも再会です(写真上右)。何度も見ても、二本足で走っている赤いパンダは奇妙だ。

 マイクロバスに乗り、ホテルまで移動します(写真下左)。二年ぶりの成都は、相変わらず建設ラッシュです(写真下右)

 

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 今日のホテルの蜀峰花園酒店に到着(写真下、19:16)。烏里さんのツアーでは毎回泊まっているホテルです。隣にコンビニがあって便利で、早速、私は今日の分の水を買ってきました。

 

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文書名 _雲南資料001-10

 

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ホテルから歩いて10分ほどの老房子で夕飯です(19:50〜、写真下)。ここは成都に泊まる時、いつも烏里さんが案内する高級レストランです。

二年前はカラー印刷のメニューでしたが、今回は写真下右のように、液晶の電子メニューになっています。

 

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 酒を飲まない私のためにスイカジュースを注文してくれました(写真下右)。日本でも何度もスイカをジュースにする計画があったが、商品にならないとして中止になったと聞いています。味はスイカのまんまです。

 

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 食事が終わり、外に出るとすっかり暗くなっており、人通りも少ない(写真下、21:07)。烏里さんがどこかに行ってしまいましたが、何度も通っている道なので、私がホテルまで残りの方たちを案内しました。

 

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 ホテルの部屋の設備は問題ありません。ただ、前回までと違い、隣の部屋の音などがとても気になりました。二年前は改装して間もなかったので小ぎれいでしたが、今はちょっと薄汚れた感じになっています。よほど客足が良いらしい。

 

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DSC02508 文書名 _雲南資料001

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 ホテルの窓から外を見ると、霧雨で煙っています(写真下)。明日は早い。早く寝ましょう。

 

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